「性能が良くて安いと話題のN100CPUを搭載した、安心の日本製ミニPCが欲しい!」
そう思って探しているのに、なかなか見つからなくて困っていませんか?
それもそのはず。結論から言うと、2025年現在、Intel N100を搭載した主要国内メーカー製の「日本製」ミニPCは存在しないんです。
「じゃあ、諦めるしかないの…?」
いいえ、そんなことはありません!
この記事では、なぜN100搭載の日本製ミニPCが存在しないのかという理由から、あなたのニーズに合わせた最適な代替案まで、どこよりも詳しく解説します。
この記事を読めば、あなたが本当に選ぶべきミニPCが必ず見つかりますよ。
【結論】なぜN100搭載の日本製ミニPCは存在しないの?
冒頭でお伝えした通り、残念ながら富士通やNEC、マウスコンピューターといった主要な国内BTOメーカーのラインナップに「Intel N100搭載の日本製ミニPC」は存在しません。
これには、市場の構造と、国内外メーカーのビジネス戦略の違いという、2つの明確な理由があります。
理由1:グローバルな価格競争と海外メーカーの得意分野
N100搭載ミニPC市場は、そのほとんどが中国・深圳などに拠点を置くグローバルブランドによって作られています。
彼らは現地の効率的なサプライチェーンと大規模生産を武器に、驚異的な低価格を実現しています。N100チップの「低消費電力(=発熱が少ない)」という特性が、冷却システムを簡素化し、小型で安価なPCの製造を可能にしました。
この「低コスト・大量生産」モデルは、まさに彼らのお家芸であり、市場を席巻している大きな理由なのです。

N100の最大の魅力である「安さ」を最大限に活かすためのビジネスモデルが、海外で確立されているんですね。
理由2:国内BTOメーカーのビジネス戦略とのミスマッチ
一方、パソコン工房やマウスコンピューターといった日本のメーカーは、全く異なるビジネスモデルで事業を展開しています。
彼らが提供する価値は、最安値ではなく、高品質な国内生産、柔軟なカスタマイズ性、そして信頼性の高い国内サポート体制です。
そのため、彼らが国内で生産するミニPCには、より高性能で単価も高いIntel Core iシリーズなどが採用されるのが一般的。薄利多売が前提となる低価格なN100プロセッサーは、国内生産ラインに乗せるには採算が合わないと判断されているのが現状です。
「ミニPCはやめとけ」と言われるのはなぜ?
ミニPCを調べていると、「やめとけ」「おすすめしない」といったネガティブな意見も目にしますよね。これには、ミニPCが持ついくつかの特性が関係しています。
購入してから後悔しないように、デメリットもしっかり理解しておきましょう。
スペックが低いモデルが多い
ミニPCのメリットは安さですが、価格を抑えるためにCPUの性能が低かったり、数世代前のものを搭載している機種も多いです。
特にグラフィック性能はCPU内蔵のものがほとんど。動画視聴やSNS程度なら問題ありませんが、本格的なオンラインゲームや動画編集には向かない場合があります。
拡張性が低い
デスクトップPCの魅力の一つは、後からメモリやストレージを増設できる「拡張性」の高さです。
しかし、ミニPCは本体が小さい分、パーツを追加するスペースが限られています。購入後に「DVDドライブを付けたい」「ストレージを増やしたい」と思っても、物理的に不可能な場合があるので注意が必要です。

ただ、最近は拡張性を考慮したモデルも増えています!購入前に空きスロットの有無を確認するのがおすすめですよ。
海外メーカーが多くて不安
先述の通り、低価格なミニPC市場は海外メーカーが中心です。「聞いたことないメーカーだけど大丈夫?」「故障したらサポートは?」と不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、最近では日本の正規代理店が販売・サポートを行うケースが増えており、安心して購入できる環境が整ってきています。この記事でも、そういった信頼できるメーカーの製品を紹介していきますね。
N100搭載!日本で安心なミニPCおすすめ4選
「日本製」という選択肢がない今、最も合理的な選択肢は「日本国内で安心して購入・使用できる、信頼性の高い海外ブランドのN100ミニPC」を選ぶことです。
ここでは、国内代理店によるサポートが受けられるなど、安心して選べるおすすめのN100搭載モデルを4つ厳選してご紹介します。
MINISFORUM UN100L:バランスの取れた優等生
N100ミニPCの代表的メーカーであるMINISFORUMの定番モデルです。性能、価格、拡張性のバランスに優れ、2.5インチのSSD/HDDを増設できるのが大きな魅力。マルチモニター環境を構築したいユーザーにも最適で、迷ったらこれを選べば間違いない一台です。
Beelink MINI S12 Pro:高い冷却性能で安定動作
MINISFORUMと並んで人気の高いBeelinkのモデル。コンパクトながら冷却性能に定評があり、高負荷時でも安定した動作が期待できます。デュアルHDMIポートを備え、リビングのテレビに接続してメディアセンターとして使うのにも適しています。
HiMeLE PCG02 Pro:驚異の超小型ファンレスPC
「スマホより小さい」を謳う、スティックPCに近い超小型・ファンレスモデルです。厚さわずか19mmで、動作音は完全にゼロ。静かな寝室やオフィスでの利用に最適です。このサイズで2画面出力に対応する点も驚きです。
Skynew M10:日本市場を意識した超薄型モデル
厚さ22mm、重量約150gという驚異的なコンパクトさが魅力。最新の無線LAN規格であるWi-Fi 6に対応し、高速なワイヤレス通信が可能です。日本国内でのサポート体制も整っており、安心して選べる一台です。
スペック比較表
モデル名 | メーカー | メモリ | ストレージ | 特徴 |
---|---|---|---|---|
UN100L | MINISFORUM | 16GB | 256GB SSD | 拡張性が高くバランスが良い |
MINI S12 Pro | Beelink | 16GB | 500GB SSD | 冷却性能に定評あり |
PCG02 Pro | HiMeLE | 8GB | 128GB eMMC | 超小型・完全ファンレス |
M10 | Skynew | 12GB | 512GB SSD | 超薄型・Wi-Fi 6対応 |
「日本製」重視!国内メーカーのミニPCおすすめ3選
「やっぱり海外メーカーは不安。価格が高くても、品質や手厚いサポートを重視したい!」
そんなあなたには、N100は搭載していませんが、信頼と実績のある国内BTOメーカーの超小型PCがおすすめです。ここでは代表的な3つのメーカーと、その特徴をご紹介します。
パソコン工房:豊富なラインナップとカスタマイズ性
BTOパソコンの老舗であるパソコン工房は、用途に応じた多彩なラインナップが特徴です。iiyama PCブランドの超小型PCは、島根県や山口県の国内工場で生産されており(一部モデル除く)、高い品質を誇ります。メモリやストレージのカスタマイズ幅も広く、自分好みの一台を組むことができます。
富士通:法人レベルの品質と絶大な信頼性
法人向け市場で培われた絶大な信頼性と品質が魅力の富士通。そのデスクトップPC「ESPRIMO」シリーズには、非常にコンパクトなモデルがラインナップされています。24時間連続稼働を想定したモデルもあり、その安定性は折り紙付きです。
マウスコンピューター:手厚い24時間国内サポート
長野県飯山市の工場で国内生産(一部モデル除く)を行うマウスコンピューター。最大の強みは、24時間365日の電話サポート体制です。PCに不慣れな方や、万が一のトラブル時に手厚いサポートを求める方にとって、これ以上ない安心感を提供してくれます。

これらのメーカーは、Core i3やi5など、N100より高性能なCPUを搭載していることが多いです。その分価格は上がりますが、動画編集など少し負荷のかかる作業も視野に入れている方にはピッタリですよ!
TSUKUMO(ツクモ)のミニPCはどう?
ヤマダ電機グループが運営するTSUKUMOも、ミニPCの選択肢として有力です。特に最新世代のIntel Coreプロセッサーをいち早く搭載するモデルをラインナップしているのが魅力。ミニPCでもスペックに妥協したくない、という方におすすめのメーカーです。
ASUSのミニPCはおすすめ?
世界的なPCパーツメーカーであるASUSも、高品質なミニPCを多数販売しています。デザイン性も高く、信頼性も抜群です。ただし、今回ご紹介しているN100搭載の低価格モデルとは少し価格帯やターゲット層が異なり、より高性能・高価格帯の製品が中心となります。品質と性能を両立させたい場合には良い選択肢となるでしょう。
ミニPCはなぜこんなに安い?3つの理由を解説
「それにしても、ミニPCってどうしてこんなに安いの?」と不思議に思いませんか?その安さには、大きく3つの理由があります。
理由1:構成を必要最低限に絞っているから
ノートPCと違い、ミニPCにはモニター、キーボード、マウス、バッテリーなどが付属していません。PC本体の機能に特化することで、部品コストを大幅に削減しています。既にお気に入りの周辺機器を持っている人にとっては、非常に合理的ですよね。
理由2:サポートコストを抑えているから
ミニPCは構成がシンプルなため、故障する可能性のある部品(可動部のあるHDDやバッテリーなど)が少ないです。また、周辺機器に関する問い合わせ対応も不要なため、メーカーはサポートにかかる人件費などのコストを低く抑えることができます。その分が、製品価格に還元されているのです。
理由3:グローバルな大量生産によるコスト削減
最初にお話しした通り、海外メーカーは世界市場を相手に大量生産を行っています。一度に大量の部品を仕入れ、効率的なラインで組み立てることで、一台あたりの製造コストを極限まで下げることが可能になります。これが、国内生産では真似のできない圧倒的な価格競争力を生み出しているのです。
こんな人にはミニPCをおすすめしない!
ここまでミニPCの魅力をお伝えしてきましたが、残念ながら全ての人におすすめできるわけではありません。以下のような使い方を考えている方は、他の選択肢を検討した方が良いかもしれません。
高性能な3Dオンラインゲームをしたい人
ミニPCの多くは、グラフィック処理を専門に行う「グラフィックボード(GPU)」を搭載していません。そのため、美麗な3Dグラフィックスを駆使する最新のオンラインゲームを快適にプレイするのは難しいでしょう。ゲームが目的なら、ゲーミングPCとして設計されたモデルを選ぶのが賢明です。
自分でパーツ交換や拡張をたくさんしたい人
本体が小さいということは、内部に余裕がないということです。メモリ増設やSSD換装くらいなら可能なモデルも多いですが、グラフィックボードの追加や電源ユニットの交換といった大掛かりなカスタマイズは基本的にできません。自作PCのような自由度を求める方には不向きです。
手厚い対面・電話サポートを最優先する人
海外メーカーの製品は、国内代理店による保証があっても、サポートはメールやチャットが中心になることが多いです。「困ったときにすぐ電話で相談したい」「対面で設定を教えてほしい」といった手厚いサポートを最優先する方は、先ほど紹介したマウスコンピューターなどの国内メーカー製品を選ぶ方が安心です。
もっとたくさんのミニPCから選びたい!という方へ
この記事ではN100搭載機と日本製に絞って解説しましたが、世の中には多種多様なミニPCがあります。以下の記事では、様々な用途に合わせたおすすめ機種を網羅的に紹介していますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

N100搭載ミニPCに関するQ&A
最後に、N100搭載ミニPCについてよくある質問にお答えします。
A1. 一昔前の「Core i5」に匹敵する性能を持っています。具体的には、Webサイトの閲覧、YouTubeなどの動画視聴、Officeソフト(Word, Excel)での書類作成といった日常的な作業であれば、全くストレスなく快適にこなせるレベルです。「これで十分」と感じる人が非常に多い、革命的なCPUと言えます。
A2. モデルによります。今回ご紹介したMINISFORUMやBeelinkの製品のように、2.5インチの空きスロットを備え、簡単にSSDやHDDを増設できるモデルも多いです。一方で、HiMeLEのような超小型モデルは基本的に拡張できません。将来的にデータをたくさん保存する可能性があるなら、購入時に拡張スロットの有無を確認することが重要です。
A3. 使う場所で決めるのがおすすめです。家やオフィスなど、決まった場所でしか使わないのであれば、同じ価格帯なら性能が高いことが多いミニPCがおすすめです。画面サイズも好きなものを選べます。一方、外出先に持ち運んで使いたいなら、モニターやキーボードが一体になったノートパソコン一択です。
まとめ:あなたに最適なミニPCを見つけよう!
今回は、「N100搭載の日本製ミニPC」というキーワードを軸に、その答えと最適な選び方について徹底解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 結論:2025年現在、N100搭載の日本製ミニPCは存在しない。
- 理由:海外メーカーの「低コスト・大量生産」戦略と、国内メーカーの「高品質・高付加価値」戦略が異なるため。
- 代替案①:コスパ重視なら、国内代理店が扱う信頼性の高い海外製N100ミニPC。
- 代替案②:安心感重視なら、N100ではないが高品質な国内メーカー製ミニPC。
「日本製」という理想の選択肢がないのは少し残念かもしれませんが、あなたの優先順位が「圧倒的なコストパフォーマンス」なのか、それとも「絶対的な品質と安心感」なのかをハッキリさせることで、必ず満足のいく一台が見つかるはずです。
進化の止まらないミニPC市場は、これからも私たちの生活をより便利で豊かにしてくれるでしょう。この記事が、あなたの最高のパートナーとなるミニPC選びの一助となれば幸いです。