「パソコンの電源ボタンを押しても画面は真っ暗…でも、側面の充電ランプだけは光っている」
このような状況に直面し、故障ではないかと焦っていませんか?
実は、充電ランプがついている場合、マザーボードなどの心臓部はまだ生きている可能性が高いのです。多くのケースでは、簡単な放電やリセット作業で復活します。
この記事では、パソコンの電源がつかないが充電ランプはつく原因と、修理に出す前に試すべき7つの対処法を網羅的に解説します。
充電ランプがつく・点滅する4つの原因
電源が入らないのにランプだけがついている状態は、パソコンが何らかのサインを出している証拠です。ランプの状態(点灯か点滅か)によっても原因が異なります。
1. 帯電によるシステムロック
長時間使用やケーブルの繋ぎっぱなしにより、パソコン内部に不要な電気が溜まる「帯電」が最も多い原因です。帯電すると、回路を守るために安全装置が働き、電源が入らないようにロックがかかります。
2. スリープモードからの復帰失敗
実は「電源が落ちている」のではなく、「スリープモードのままフリーズしている」ケースも多発しています。システム上は動いているため充電ランプはつきますが、画面信号が送られず、真っ暗なまま反応しなくなっています。
3. モニターやバックライトの故障
パソコン本体は正常に起動している(ファンも回っている)が、液晶画面だけが死んでいる状態です。薄っすらと画面が見える場合はバックライト切れ、完全に真っ暗なら液晶パネルやケーブルの断線が疑われます。
4. バッテリーやマザーボードの不調
充電ランプが「オレンジ色で点滅」したり、「不規則な点滅」を繰り返したりする場合は、バッテリーのエラーやマザーボードの一部故障を知らせるエラーコードである可能性があります。

電源が入らない時の7つの対処手順
ここからは、実際に電源を復旧させるための手順を、リスクが低い順に解説します。上から順番に試してください。
手順1:電源ボタンの長押し(強制終了)
スリープモードでフリーズしている場合、通常のプッシュでは反応しません。
- 電源ボタンを10秒以上(機種によっては30秒ほど)長押しする。
- 一度ランプが完全に消えたことを確認してから、再度電源ボタンを押す。
これだけであっさり起動することも珍しくありません。
手順2:完全放電を行う
強制終了でも変わらない場合、帯電を除去します。
- パソコンの電源ケーブル(ACアダプター)を抜く。
- マウス、キーボード、USBメモリ、外付けHDDなどすべての周辺機器を外す。
- (取り外せる場合のみ)バッテリーを取り外す。
- その状態で5分〜10分放置する。
- ACアダプターのみを接続し、電源を入れる。
手順3:壁のコンセントから直接給電する
タコ足配線や電源タップを使用している場合、電圧が不安定になり、起動に必要な電力が供給されていないことがあります。延長コードを使わず、壁のコンセントに直接ACアダプターを挿してみてください。
手順4:外部モニターに出力確認
「ウィーン」というファンの音や、起動音はするのに画面が映らない場合です。
- HDMIケーブルなどでテレビや外部モニターに接続する。
- 映れば「パソコン本体は無事、液晶画面の故障」と特定できます。
手順5:室温を調整する
冬場の寒い部屋(10℃以下)や、真夏の車内など、極端な温度環境では保護回路が働きます。パソコンを常温(20℃前後)の部屋に移動させ、1時間ほど馴染ませてから電源を入れてください。
手順6:BIOS(UEFI)リセットを試す
内部の設定情報(BIOS)がおかしくなっている可能性があります。画面が真っ暗でも、以下のキー操作でBIOS画面が呼び出せるか試します。
- 電源ボタンを押し、すぐにキーボードの「F2」または「Delete」キーを連打する。
(※メーカーによりF10、F12の場合もあり) - もし青や黒の英語の画面(BIOS画面)が出れば、そこから「Load Setup Defaults(初期値に戻す)」を選択して保存・終了します。
手順7:メモリの抜き差し(上級者向け)
デスクトップPCや、裏蓋が開けられるノートPCの場合、メモリ(RAM)の接触不良が原因のことがあります。
※注意:静電気で故障するリスクがあるため、自信がない場合は省略してください。
- 一度メモリをスロットから抜き、端子のホコリをブロワーで飛ばして、しっかりと挿し直す。
メーカー別:サポートとランプの意味
ランプの点滅パターンはメーカーによって「故障コード」として定義されています。主要メーカーのサポートページを確認し、ランプの意味を特定しましょう。
| メーカー | ランプ点滅の一般的な意味と参照先 |
|---|---|
| NEC(LAVIE) | 赤点滅はバッテリー異常の可能性大。(参照:NEC 121ware) |
| 富士通(FMV) | 点滅回数で部品故障を通知。(参照:富士通サポート) |
| Dell | オレンジと白の点滅パターンで診断。(参照:Dellサポート) |
| HP | Caps Lockキーの点滅回数でエラー判別。(参照:HPカスタマーサポート) |
| Lenovo | 電源ボタンの点滅速度でスリープかエラーかを区別。(参照:Lenovoサポート) |

修理か買い替えか?判断の基準
上記の手順を尽くしても電源がつかない場合、内部パーツ(マザーボード、電源ユニット)の重篤な故障と考えられます。
修理費用の相場と期間
メーカー修理に出した場合の一般的な相場です。
- マザーボード交換: 5万円〜8万円
- 液晶パネル交換: 3万円〜6万円
- 電源ユニット/バッテリー交換: 1.5万円〜3万円
期間は2週間〜1ヶ月程度かかります。
買い替えがお得なケース
「購入から5年以上経過している」かつ「修理見積もりが5万円を超える」場合は、買い替えを強くおすすめします。直してもすぐに別の箇所(HDDなど)が壊れるリスクが高いためです。
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よくある質問(Q&A)
Q. 電源ランプが一瞬ついてすぐ消えるのはなぜ?
A. マザーボードのショートや、ACアダプターの電力不足(劣化)が考えられます。コンセントを変えても直らない場合は、内部故障の可能性が高いです。
Q. ランプがオレンジ色(橙色)で点灯したまま動きません。
A. 多くの機種でオレンジ点灯は「充電中」または「スリープ状態」を示します。もしスリープから復帰しない場合は、ACアダプターを繋いだまま電源ボタンを15秒以上長押しして、強制再起動を試してください。
Q. データだけは救出できますか?
A. 電源が入らなくても、記憶装置(SSD/HDD)が生きていればデータ救出は可能です。パソコン修理業者に依頼するか、分解してSSDを取り出し、別のPCに繋ぐ方法があります。
まとめ:まずは焦らず放電と強制終了を
パソコンの電源がつかないとパニックになりますが、充電ランプがついている限り、完全に電気が遮断されているわけではありません。
- すべての機器を外して10分放電する
- 電源ボタンを長押しして強制終了・再起動する
- 外部モニターやBIOS画面を確認する
まずはこの基本ステップを確実に実行してください。多くのトラブルはこれで解決します。それでもダメな場合は、無理に通電させ続けず、プロの修理業者に見積もりを依頼しましょう。
あなたのパソコンが無事に復旧することを願っています。


