「オンラインゲームや動画配信を快適に楽しみたいけど、Wi-Fiだと時々途切れる…」
「テレワークで大事な会議中に固まるのは絶対に避けたい!」
そんな悩みを抱えていませんか?近年、Wi-Fi(無線LAN)が主流ですが、通信の速度や安定性を求めるなら、やっぱり有線LAN接続が最強です。
しかし、いざ有線で繋ごうと思っても、「そもそもパソコンの有線接続で必要なものって何?」「ケーブルをどこに挿せばいいの?」と戸惑ってしまう方も少なくないでしょう。
ご安心ください!この記事では、パソコンの有線接続に必要なものリストから、初心者でも迷わない接続手順、そして「つながらない!」という時の対処法まで、どこよりも詳しく徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたもサクッと有線接続を完了させ、ストレスフリーなインターネット環境を手に入れているはずです。さっそく見ていきましょう!
パソコンの有線接続とは?無線LANとの違いをサクッと理解
まずはじめに、「有線LAN接続」がどのようなものか、主流の「無線LAN(Wi-Fi)」と比較しながら基本を理解しておきましょう。
LAN(Local Area Network)とは、自宅やオフィスのような限られた範囲のネットワークのことです。このLANには、ケーブルを使う「有線LAN」と、電波を使う「無線LAN」の2種類があります。
有線LANは、パソコンやゲーム機などの機器とルーターを「LANケーブル」という物理的な線で直接つなぐ接続方法です。一方、無線LAN(Wi-Fi)は、ルーターから飛ぶ電波を使ってインターネットに接続します。
この「物理的なケーブルで直接つなぐか、電波でつなぐか」という違いが、それぞれのメリット・デメリットを生み出します。

有線LAN接続の3つのメリット
なぜ今、あえて有線LAN接続が注目されるのでしょうか?それには、無線LANにはない明確なメリットがあるからです。
- 通信速度が速く、安定性が高い
有線LAN最大のメリットは、通信の速度と安定性です。ルーターとパソコンを直接ケーブルでつなぐため、データのやり取りにロスが少なく、高速通信が可能です。また、無線LANのように壁や家具などの障害物、電子レンジなどの家電が出す電波の影響を受けないため、通信が非常に安定します。オンラインゲーム、高画質の動画視聴、大容量ファイルのダウンロード、Web会議など、通信の遅延や中断が致命的になる場面で絶大な効果を発揮します。 - セキュリティ性が高い
有線LANは物理的にケーブルが繋がっていないとネットワークに侵入できないため、無線LANに比べてセキュリティリスクが低いと言えます。無線LANは電波を傍受(盗み見)されることで、通信内容や個人情報が漏洩するリスクがゼロではありません。その点、有線LANは電波のタダ乗りといった不正アクセスの心配がなく、セキュリティ面で非常に安全です。 - 設定が比較的かんたん
有線LANの接続は、基本的には機器同士をLANケーブルで「つなぐだけ」です。無線LANのように、SSID(Wi-Fiの名前)を探して、長いパスワードを入力するといった複雑な設定は不要な場合がほとんど。パソコンの設定が苦手な方でも、比較的かんたんにインターネット環境を構築できます。
有線LAN接続の3つのデメリット
もちろん、有線LAN接続にはデメリットも存在します。これらも理解した上で、自分に合った接続方法を選びましょう。
- 配線がごちゃごちゃする
物理的なケーブルを使うため、どうしても配線が必要になります。接続する機器が増えたり、ルーターとパソコンの距離が離れていたりすると、ケーブルが床を這ってしまい、部屋の景観を損ねる可能性があります。足を引っかけて転倒する危険や、掃除の邪魔になることも。 - 利用場所が制限される
LANケーブルが届く範囲でしかインターネットを利用できません。ノートパソコンを持って家の中を自由に移動しながら作業する、といった使い方には不向きです。 - 接続できる機器の数が限られる
基本的に、ルーターにあるLANポートの数までしか機器を同時に有線接続できません。一般的な家庭用ルーターのLANポートは4つ程度なので、それ以上の機器を接続したい場合は、「スイッチングハブ」という機器を追加で購入する必要があります。
【リスト】パソコンの有線接続に必要なもの一覧
それでは、本題である「パソコンの有線接続に必要なもの」を具体的に見ていきましょう。基本的には以下の4つがあればOKです。多くはインターネット回線を契約した際に設置されているものですが、ご自身で用意が必要なものもあります。
必要なもの | 主な入手方法 | 自分で用意する必要 |
---|---|---|
① ONU(モデム) | 回線事業者からレンタル | なし |
② ルーター | 回線事業者からレンタル or 家電量販店などで購入 | あり(レンタルでない場合) |
③ LANケーブル | 付属している場合もあるが、基本的には購入 | あり |
④ パソコン(LANポート) | – | – |
① ONU(モデム):光信号をデジタル信号に変える装置
ONU(Optical Network Unit)は、光回線を利用する際に必須となる機器で、「光回線終端装置」とも呼ばれます。壁の光コンセントから来た光信号を、パソコンが理解できるデジタル信号に変換する役割を持っています。
ADSL回線の場合は「モデム」がこの役割を担います。これらの機器は、インターネット回線を契約した際に、回線事業者から無料でレンタルされるのが一般的なので、自分で用意する必要はありません。
② ルーター:複数の機器をネットに繋ぐための分配器
ルーターは、ONUが変換したデジタル信号を受け取り、パソコンやスマホ、ゲーム機など複数の機器にインターネット接続を分配する役割を持つ機器です。
ONUにルーター機能が内蔵されている一体型のタイプもありますが、基本的には別途用意する必要があります。有線接続だけできれば良い場合は「有線LANルーター」、Wi-Fiも使いたい場合は「Wi-Fiルーター(無線LANルーター)」を選びます。現在販売されているルーターのほとんどはWi-Fiルーターで、有線LANポートも搭載されているので、迷ったらWi-Fiルーターを選んでおけば間違いありません。

③ LANケーブル:機器同士を繋ぐための線
LANケーブルは、ONUとルーター、ルーターとパソコンなどを物理的に接続するためのケーブルです。有線接続の主役とも言えるアイテムで、基本的には自分で用意する必要があります。
ルーターなどに短いものが1本付属していることもありますが、長さが足りなかったり、性能が低かったりすることも。快適な通信環境のためには、利用環境に合ったLANケーブルを選ぶことが非常に重要です。
LANケーブルには通信速度や形状など様々な種類があります。選び方の詳細は後ほど詳しく解説しますね。
④ パソコン(LANポート):ケーブルの差し込み口
当然ですが、接続先となるパソコン本体も必要です。重要なのは、パソコンにLANポート(LANケーブルの差し込み口)があるかどうかです。
デスクトップパソコンや、少し前のノートパソコンにはほとんど搭載されていますが、最近の薄型ノートパソコンやMacBookなどにはLANポートがないモデルも増えています。
ご自身のパソコンの側面や背面を確認してみてください。電話線の差し込み口より少し大きい、四角い差し込み口があればそれがLANポートです。
【番外編】LANポートがないパソコンに必要なもの
もしお使いのパソコンにLANポートがなかった場合でも、諦める必要はありません。「LANアダプター」という製品を使えば、USBポートなどを通じて有線接続が可能になります。
- USB-Aタイプ:一般的な長方形のUSBポートに接続します。
- USB-C(Type-C)タイプ:MacBookや最近の薄型ノートPCに多い、小さく楕円形のUSBポートに接続します。
お使いのパソコンのUSBポートの形状に合ったLANアダプターを用意しましょう。
パソコンの有線接続のやり方|超簡単5ステップ
必要なものが揃ったら、いよいよ接続作業です。ここでは、ONU、ルーター、パソコンを接続する最も一般的なケースで手順を解説します。作業はとても簡単なので、落ち着いて進めましょう。
【重要】作業を始める前に、必ずONU(モデム)、ルーター、パソコンなど、すべての機器の電源をOFFにしてください。電源が入ったままだと、機器が正しくお互いを認識できず、インターネットに接続できない原因になります。
STEP1:ONU(モデム)とルーターをLANケーブルで接続する
まず、1本目のLANケーブルを使って、ONU(モデム)とルーターを接続します。
- LANケーブルの片方を、ONU(モデム)の「LANポート」に差し込みます。
- もう片方を、ルーターの「WANポート」に差し込みます。
ここが最大の注意点です!ルーターにはよく似た形のポートが複数ありますが、「WAN」と書かれたポートに挿してください。多くのメーカーでは、WANポートだけ青色にするなど、他のLANポートと見分けがつくようになっています。「INTERNET」と表記されている場合もあります。

STEP2:ルーターとパソコンをLANケーブルで接続する
次に、2本目のLANケーブルを使って、ルーターとパソコンを接続します。
- LANケーブルの片方を、ルーターの「LANポート」に差し込みます。(WANポート以外の、複数あるポートのどれでもOKです)
- もう片方を、パソコンの「LANポート」に差し込みます。
LANケーブルを差し込む際は、奥までしっかりと挿し込み、「カチッ」と音がするのを確認しましょう。この音が、コネクタの爪が引っかかってロックされた合図です。
STEP3:機器の電源をONにする
すべてのケーブル接続が終わったら、いよいよ電源を入れていきます。ここでも電源を入れる順番が非常に重要です。以下の順番を必ず守ってください。
【電源を入れる順番】 ① ONU(モデム) → ② ルーター → ③ パソコン
インターネットの信号は、回線 → ONU → ルーター → パソコンという川の流れのようにやってきます。上流から順番に電源を入れ、それぞれの機器が起動して準備が整うのを待つイメージです。各機器の電源を入れてから、ランプの点灯・点滅が落ち着くまで1〜2分ほど待ち、次の機器の電源を入れるようにしましょう。
STEP4:インターネット接続を確認する
パソコンが起動したら、ブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Edgeなど)を開いて、任意のWebサイト(Yahoo! JAPANなど)が表示されるか確認してみましょう。無事にページが表示されれば、有線接続は成功です!
STEP5:【必要な場合のみ】プロバイダ設定(PPPoE設定)を行う
STEP4でインターネットに接続できなかった場合、お使いの回線によっては「PPPoE接続設定」という初期設定が必要なケースがあります。
これは、インターネットに接続するための「ID」と「パスワード」をルーターまたはパソコンに設定する作業です。IDとパスワードは、インターネットの契約時にプロバイダから送られてくる「契約書類」や「会員証」などに記載されています。
設定方法はルーターのメーカーやパソコンのOSによって異なります。詳しくは後述の「パソコンの有線接続設定を確認する方法」で解説します。
ノートパソコンの有線接続方法も基本は同じ
「デスクトップパソコンじゃなくて、ノートパソコンを有線接続したいんだけど…」という方もご安心ください。ノートパソコンの有線接続方法も、これまで説明した手順と全く同じです。
ノートパソコンの側面や背面にあるLANポートに、ルーターから伸ばしたLANケーブルを接続すればOKです。
LANポートがない薄型ノートPCの場合
問題は、最近増えているLANポートのない薄型ノートパソコンの場合です。この場合は、先ほど「必要なもの」で紹介した「LANアダプター」を使います。
- LANアダプターをノートパソコンのUSBポート(USB-A or USB-C)に差し込みます。
- ルーターから伸ばしてきたLANケーブルを、LANアダプターのLANポートに差し込みます。
たったこれだけで、USBポートをLANポート代わりに使うことができます。製品によってはドライバーのインストールが必要な場合もありますが、最近の製品はOS標準のドライバーで動作する「プラグアンドプレイ」対応のものがほとんどで、挿すだけで使えることが多いです。
LANアダプターの選び方
LANアダプターを選ぶ際は、以下の2点を確認しましょう。
- USBポートの形状:ご自身のノートパソコンに搭載されているUSBポートが「USB-A」なのか「USB-C」なのかを確認し、それに合った製品を選びます。
- 通信速度:契約している光回線の速度に対応しているかを確認しましょう。1Gbpsの光回線を契約しているなら、「1000Mbps」や「1Gbps」対応のアダプターを選ばないと、せっかくの回線速度を活かせません。「2.5Gbps」対応などのより高速な製品もあります。
最重要!LANケーブルの選び方で速度が変わる|3つのポイント
有線LAN接続の快適さを左右する最も重要なアイテムが「LANケーブル」です。どんなに速い光回線を契約していても、どんなに高性能なルーターを使っていても、LANケーブルの性能が低いと、そこがボトルネックになって通信速度が大幅に低下してしまいます。
ここでは、最適なLANケーブルを選ぶための3つの重要なポイントを解説します。
ポイント①:カテゴリ(通信規格)で選ぶ
LANケーブルには「カテゴリ」という通信規格があり、このカテゴリによって最大通信速度が決まっています。カテゴリは数字が大きいほど新しく、性能が高くなります。
重要なのは、契約している光回線の速度に合ったカテゴリを選ぶことです。
規格 | 最大通信速度 | 伝送帯域 | おすすめの光回線 |
---|---|---|---|
カテゴリ5 (CAT5) | 100Mbps | 100MHz | (旧規格のため非推奨) |
カテゴリ5e (CAT5e) | 1Gbps | 100MHz | 〜1Gbpsの光回線 |
カテゴリ6 (CAT6) | 1Gbps | 250MHz | 〜1Gbpsの光回線(安定性重視) |
カテゴリ6A (CAT6A) | 10Gbps | 500MHz | 10ギガ光回線 |
カテゴリ7 (CAT7) | 10Gbps | 600MHz | 10ギガ光回線(ノイズ耐性重視) |
カテゴリ8 (CAT8) | 40Gbps | 2000MHz | (主に業務用) |
現在、主流の光回線は最大通信速度1Gbpsなので、最低でも「カテゴリ5e」以上、できればノイズに強く安定している「カテゴリ6」を選ぶのがおすすめです。
もし10ギガなどの高速プランを契約している場合は、その性能を最大限に引き出すために「カテゴリ6A」以上を選びましょう。カテゴリ5のケーブルを使ってしまうと、せっかくの1Gbps回線が100Mbpsまでしか出なくなってしまうので注意が必要です。

ポイント②:ケーブルの形状・素材で選ぶ
LANケーブルには、配線する場所に合わせて様々な形状があります。
- スタンダードタイプ:最も一般的で安価な丸いケーブル。ノイズに強く安定していますが、少し硬くて取り回しにくい場合があります。
- フラットタイプ:きしめんのように平べったいケーブル。カーペットの下やドアの隙間を通しやすく、配線が目立ちにくいのがメリットです。ただし、スタンダードタイプに比べてノイズの影響をやや受けやすいとされています。
- 極細(スリム)タイプ:スタンダードタイプより細く、狭い場所での配線に便利です。取り回しがしやすいですが、耐久性は少し劣ります。
お部屋のレイアウトや、どこに配線したいかに合わせて最適な形状を選びましょう。
ポイント③:ケーブルの長さ・芯の構造で選ぶ
LANケーブルの長さは、短すぎると届かず、長すぎると余って邪魔になります。接続する機器同士の距離をメジャーなどで測り、少し余裕を持たせた長さのものを選ぶのがおすすめです。
また、ケーブル内部の芯線の構造には「単線」と「より線」の2種類があります。
- 単線:1本の太い銅線でできています。ケーブルが硬く曲げにくいですが、信号が安定しており、長距離の配線に向いています。10m以上の長いケーブルにおすすめです。
- より線:7本の細い銅線を束ねて作られています。ケーブルが柔らかく取り回しがしやすいですが、単線に比べて信号がやや不安定になります。抜き差しが多い5m以下の短いケーブルにおすすめです。
Wi-Fiルーターで有線LAN接続はできる?
「うちはWi-Fiルーターなんだけど、有線接続ってできるの?」という疑問をよく耳にします。答えは、「はい、ほとんどの場合できます!」です。
ほとんどのWi-FiルーターにはLANポートがある
現在市販されている家庭用のWi-Fiルーター(無線LANルーター)の背面を見てみてください。ほとんどの製品には、インターネット回線側とつなぐための「WANポート」が1つと、パソコンなどの機器とつなぐための「LANポート」が複数(通常は3〜4つ)搭載されています。
このLANポートにLANケーブルを挿し、パソコンと接続すれば、Wi-Fiルーターをハブとして有線LAN接続が利用できるのです。
有線と無線の同時利用(使い分け)が最強!
Wi-Fiルーターを使えば、有線LANと無線LAN(Wi-Fi)を同時に利用できます。これが最もおすすめの賢い使い方です。
- デスクトップPCやゲーム機など:速度と安定性が重要な機器は有線LANで接続
- スマホやタブレット、ノートPCなど:持ち運んで使うことが多い機器は無線LAN(Wi-Fi)で接続
このように、利用シーンやデバイスの特性に合わせて接続方法を使い分けることで、それぞれのメリットを最大限に活かした、快適で便利なインターネット環境を構築できます。
LANケーブルの接続コネクタに関する注意点
LANケーブルの接続は「挿すだけ」と簡単ですが、コネクタ部分の取り扱いには少しだけ注意が必要です。
「カチッ」と音がするまでしっかり差し込む
LANポートにコネクタを差し込む際は、「カチッ」というロック音がするまで、奥までしっかりと差し込んでください。この音がしない場合、接続が不完全で通信が不安定になったり、認識されなかったりする原因になります。また、少し引っ張ってみて簡単に抜けないかも確認しましょう。
爪(ラッチ)が折れやすいので注意!
LANケーブルのコネクタの上部には、ポートに固定するためのプラスチック製の「爪(ラッチ)」が付いています。ケーブルを抜くときには、この爪を押しながら引き抜きます。
この爪は非常に折れやすく、折れてしまうとポートにしっかり固定できなくなり、接触不良の原因となります。ケーブルを抜く際は、必ず爪をしっかりと押さえることを意識してください。また、ケーブルに足を引っかけるなど、無理な力がかからないように配線にも注意しましょう。
もし爪が折れてしまった場合は、「ラッチ補修カバー」といった製品も販売されています。
パソコンの有線接続ができない!原因と対処法を徹底解説
「手順通りに接続したのに、インターネットにつながらない!」そんなトラブルはつきものです。しかし、慌てる必要はありません。有線接続ができない場合、原因はごく基本的なことであるケースがほとんどです。一つずつ確認していきましょう。
原因①:ケーブルの接続ミス・抜け
最も多い原因が、単純な接続ミスです。もう一度、以下の点を確認してください。
- ルーターの「WANポート」と「LANポート」を間違えていませんか?
ONU(モデム)からのケーブルは「WANポート」、パソコンへのケーブルは「LANポート」です。 - ケーブルは奥までしっかり挿さっていますか?
全てのポートで「カチッ」と音がするまで挿し直し、軽く引っ張って抜けないか確認しましょう。
原因②:電源を入れる順番が違う
先述の通り、電源を入れる順番は非常に重要です。一度すべての機器の電源を切り、コンセントも抜いて数分待ってから、「①ONU → ②ルーター → ③パソコン」の順番で、時間をおきながら再度電源を入れ直してみてください。
原因③:LANケーブルの劣化・断線
LANケーブルは消耗品です。踏みつけたり、ドアに挟んだり、強く折り曲げたりすることで、内部で断線している可能性があります。見た目ではわからなくても、劣化して通信できなくなっていることもあります。
もし予備のLANケーブルがあれば、交換して試してみるのが最も手っ取り早い確認方法です。別のケーブルで接続できれば、元のケーブルが原因だったと特定できます。
原因④:ルーターやONUの一時的な不具合
ルーターやONUは24時間365日稼働している精密機器なので、熱がこもったりして一時的に動作が不安定になることがあります。多くのトラブルは機器の再起動で解決します。
電源を切り、ACアダプターをコンセントから抜いて5分ほど放置してから、再度電源を入れ直してみてください。これを「コールドスタート」と呼び、内部の電気を完全に放電させることで、多くの不具合がリセットされます。
原因⑤:パソコン側の設定ミス
機器やケーブルに問題がない場合、パソコン側のネットワーク設定が原因かもしれません。意図せずネットワークアダプターが無効になっていたり、IPアドレスの取得に失敗していたりするケースです。次の項目で設定の確認方法を解説します。
パソコンの有線接続設定を確認する方法
通常、有線LANはケーブルを接続するだけで自動的にネットワーク設定が行われますが、何らかの理由で手動設定が必要になったり、設定を確認したい場合があります。
Windowsの場合(Windows 11を例に)
- 「スタートボタン」を右クリックし、「設定」を選択します。
- 左側のメニューから「ネットワークとインターネット」をクリックします。
- 「イーサネット」をクリックします。
- ここの状態で「接続済み」と表示されていれば、物理的には認識されています。「IPアドレスの割り当て」が「自動(DHCP)」になっていることを確認してください。通常はこの設定でOKです。
Macの場合
- アップルメニューから「システム設定」を選択します。
- サイドバーで「ネットワーク」をクリックします。
- 右側で、使用している有線LAN接続(通常「USB 10/100/1000 LAN」などアダプタ名)を選択します。
- 緑色のランプが点灯し、「接続済み」と表示されていればOKです。「TCP/IP」タブで「IPv4の構成」が「DHCPサーバを使用」になっていることを確認します。
PPPoE接続設定が必要なケース
フレッツ光など一部の回線サービスでは、最初に接続する際に「PPPoE設定」が必要になる場合があります。これはプロバイダから提供された「ユーザー名(認証ID)」と「パスワード」を使って、インターネットに接続する権利があることを認証する作業です。
この設定は、ルーターかパソコンのどちらか一方で行います。
- ルーターに設定する場合(推奨):複数の機器でインターネットを利用する場合は、ルーターに設定するのが一般的です。ブラウザからルーターの設定画面(例: http://192.168.1.1 など)にアクセスし、PPPoE設定の項目にIDとパスワードを入力します。詳しい方法はルーターの取扱説明書をご確認ください。
- パソコンに設定する場合:WindowsやMacのネットワーク設定画面から、新しい接続(ブロードバンド接続)を作成し、IDとパスワードを入力します。
【Q&A】パソコンの有線接続に関するよくある質問
ここでは、パソコンの有線接続に関してよく寄せられる質問にお答えします。
A. 基本的には不要です。
ONU(モデム)とパソコンを直接LANケーブルで接続すればインターネットを利用できます。ただし、この場合、ONUがPPPoEの認証機能を持っていない場合は、パソコン側でPPPoE接続設定を行う必要があります。また、セキュリティのリスクもルーターを介する場合より高まるため、特別な理由がなければルーターの使用をおすすめします。
A. はい、専用のアダプタを使えば可能です。
iPhoneなら「Lightning – Ethernetアダプタ」、AndroidやiPadなら「USB-C – Ethernetアダプタ」などを使うことで有線接続ができます。Wi-Fiが不安定な場所で安定した通信が必要な場合に便利です。
A. 明確な寿命はありませんが、物理的な劣化が主な原因となります。
ケーブルの抜き差しを頻繁に行ったり、踏まれたり、曲げられたりすることで内部が損傷し、通信が不安定になることがあります。一般的に、ケーブルの樹脂部分の耐用年数は10年以上と言われていますが、取り扱い方によって大きく変わります。通信速度が急に遅くなったなどの不調を感じたら、ケーブルの交換を検討してみましょう。
【レビューあり】有線・無線併用におすすめのWi-Fiルーター
有線接続の安定性と、無線接続の利便性を両立させるなら、高性能なWi-Fiルーターが欠かせません。ここでは、特におすすめの製品をご紹介します。
工事不要ですぐ使える!ドコモ「home 5G」
「光回線の工事ができない」「すぐにインターネット環境が欲しい」という方には、ドコモのホームルーター「home 5G」が非常におすすめです。
home 5Gは、コンセントに挿すだけで使える手軽さが魅力のインターネットサービス。5G高速通信に対応しており、最大受信速度はなんと4.2Gbpsと、一般的な光回線にも引けを取らないスペックを誇ります。
最新のWi-Fi規格である「Wi-Fi 6」に対応しているため、無線接続でも高速で安定した通信が可能です。さらに、本体背面には有線LANポートが2つ(1つは最大2.5Gbps対応)付いているため、オンラインゲームをプレイするパソコンは有線で、スマホは無線で、といった理想的な使い分けがこの1台で完結します。
データ容量も実質無制限※で使えるため、動画もゲームも好きなだけ楽しめます。回線工事不要で、届いたその日から快適なインターネットライフをスタートできるのが最大のメリットです。
※データ利用料が特に多い場合は、通信制限や通信が中断されることがあります。
【home 5G (HR02) のスペック】
月額料金 | 4,950円(税込) |
---|---|
機種代 | 71,280円(税込) ※月々サポートで実質無料 |
最大通信速度 | 受信最大4.2Gbps / 送信最大218Mbps |
有線LANポート | 2ポート (2.5GBASE-T ×1 / 1000BASE-T ×1) |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) |
ドコモのスマホをお使いの方なら「home 5G セット割」でスマホ料金が永年割引になるなど、お得な特典も満載です。手軽さと性能を両立したいなら、まず検討したい一台と言えるでしょう。
まとめ:パソコンの有線接続は簡単!必要なものを揃えて快適なネット環境を
今回は、パソコンの有線接続に必要なものから、具体的な接続手順、そしてトラブルシューティングまで、網羅的に解説してきました。
最後にもう一度、重要なポイントをおさらいしましょう。
【パソコン有線接続に必要なもの】
- ONU(モデム):回線事業者からレンタルされる
- ルーター:Wi-FiルーターでOK
- LANケーブル:利用環境に合った「カテゴリ」「形状」「長さ」のものを用意
- パソコン:LANポートがない場合は「LANアダプター」を別途用意
【有線接続の簡単3ステップ】
- ONUの「LANポート」とルーターの「WANポート」を接続
- ルーターの「LANポート」とパソコンの「LANポート」を接続
- ONU → ルーター → パソコンの順番で電源を入れる
有線LAN接続は、決して難しいものではありません。手順さえ間違えなければ、誰でも簡単に行うことができます。
Wi-Fiの手軽さも魅力的ですが、オンラインゲームやWeb会議、高画質動画の視聴など、「ここぞ!」という場面での通信の安定感は、有線LANに勝るものはありません。
この記事を参考に、あなたもぜひ有線LAN接続にチャレンジして、ストレスフリーで快適なインターネット環境を手に入れてくださいね!