「ノートパソコンに付属のACアダプターって、大きくて重いし、持ち運ぶのが面倒…」と感じたことはありませんか?カフェやコワーキングスペースで作業しようにも、あの巨大なアダプターを見ると少し憂鬱になりますよね。
「スマートフォンみたいに、もっとスマートに充電できたらいいのに」「このType-Cポートで給電できたら、ケーブル1本で済むのに…」そんな風に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください。その悩み、USB Type-C(タイプC)での給電で解決できるかもしれません。
この記事では、Type-Cで給電できるパソコンの見分け方から、充電できないときの原因と対処法、さらにはあなたの使い方にピッタリな充電器の選び方、そして専門家が厳選したおすすめ製品まで、どこよりも詳しく、網羅的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは重くてかさばるACアダプターから解放され、もっと身軽で快適なPCライフを手に入れているはずです。
そもそもノートパソコンはタイプCで給電できる?USB PDが鍵!
結論から言うと、多くの最新ノートパソコンはUSB Type-Cポートからの給電・充電が可能です。ただし、それには「USB Power Delivery(USB PD)」という規格に対応している必要があります。
まずは、この便利な技術の基本から理解していきましょう。
USB Power Delivery(USB PD)とは?
USB Power Delivery(通称:USB PD)は、USB Type-C端子を利用して、最大240W(USB PD 3.1時点)という大きな電力を供給できる充電規格のことです。
従来のUSBポートの出力が数W程度だったのに比べ、飛躍的にパワーアップしたのが特徴です。この高出力化によって、これまで専用のACアダプターが必要だったノートパソコンのような消費電力の大きい機器でも、USB Type-Cケーブル1本で充電できるようになりました。

Type-Cポートがあれば何でもOK?見分け方を解説
「じゃあ、自分のノートパソコンにType-Cポートがあれば、すぐにでもUSB充電器で充電できるの?」と思うかもしれませんが、残念ながらそうではありません。
すべてのUSB Type-CポートがUSB PDによる充電に対応しているわけではないのです。データ転送専用のポートも存在します。
では、どうやって見分ければいいのでしょうか?最も確実な方法は、お使いのノートパソコンの取扱説明書や公式ウェブサイトのスペック表を確認することです。「USB Power Delivery対応」や「PD対応」といった記載があれば、そのポートで充電できます。
また、ポートの近くに特定のマークがある場合もあります。
- バッテリーやコンセントのマーク: これがあれば充電に対応している可能性が高いです。
- Thunderbolt(稲妻)のマーク: Thunderbolt 3以降の規格はUSB PDに準拠しているため、このマークがあれば充電可能です。高速なデータ転送や映像出力もできる高性能なポートの証でもあります。
これらのマークがない場合でも充電に対応しているモデルもあるため、最終的にはスペック表の確認が最も確実です。
USB PDを使う3つの大きなメリット
なぜここまでUSB PDがおすすめされるのでしょうか?それには、従来のACアダプターにはない、大きなメリットがあるからです。
メリット1:とにかくコンパクトで持ち運びが楽!
最大のメリットはこれでしょう。ノートパソコン付属のACアダプターは、レンガのように大きくて重いものが多く、持ち運びには不向きです。
しかし、USB PD対応の充電器は非常にコンパクト。特に「GaN(窒化ガリウム)」という新素材を採用したモデルは、付属アダプターの半分以下のサイズ・重量のものも珍しくありません。カバンやポーチがスッキリし、移動の負担が劇的に軽くなります。
メリット2:ケーブル1本で様々な機器を充電できる
USB Type-Cは、今やノートパソコンだけでなく、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリー、携帯ゲーム機など、あらゆるデバイスで採用されている標準規格です。
USB PD対応の充電器が1つあれば、これらの機器すべてを1本のケーブルで充電できます。旅行や出張の際に、機器ごとに別々のアダプターやケーブルを持ち歩く必要がなくなり、荷物を大幅に減らせます。
メリット3:充電速度もACアダプターと遜色なし
「小さい充電器だと、充電が遅くなるんじゃないの?」と心配する方もいるかもしれませんが、その心配は不要です。
USB PDは高出力なため、お使いのノートパソコンが必要とする電力(W数)を満たしていれば、従来のACアダプターと比べても充電時間に大きな差はありません。むしろ、急速充電によってより短時間で充電が完了することもあります。

なぜ?パソコンがタイプCで充電できない原因と対処法
「USB PD対応の充電器とケーブルを買ったのに、なぜか充電できない!」そんなトラブルに遭遇することもあります。しかし、慌てる必要はありません。原因はいくつかのパターンに絞られます。
ここでは、パソコンがタイプCで充電できない主な原因と、誰でも簡単にできる対処法をステップバイステップで解説します。
考えられる5つの原因
充電ができない場合、以下の5つの原因が考えられます。ほとんどの場合、どれか1つ、あるいは複数が当てはまっています。
- パソコン本体がUSB PD充電に非対応
これが最も基本的な原因です。前述の通り、Type-CポートがあってもUSB PDに対応していなければ給電はできません。 - 充電器の出力(W数)が不足している
ノートパソコンはスマホと比べて多くの電力を必要とします。例えば、パソコンが65Wの電力を要求しているのに、30Wしか出力できない充電器を使っていると、充電が極端に遅くなったり、全く充電されなかったりします。 - ケーブルがUSB PD充電に非対応
見た目は同じType-Cケーブルでも、中身は様々です。100円ショップなどで売られている安価なケーブルは、充電用ではなくデータ転送専用だったり、USB PDのような高出力に対応していなかったりする場合があります。また、ケーブルにも60W対応、100W対応といったスペックの違いがあります。 - パソコン側のUSB Type-Cポートが充電に対応していない
少し古いモデルや、複数のType-Cポートを持つパソコンの場合、特定のポートだけが充電に対応していることがあります。違うポートに挿しているだけ、という可能性も考えられます。 - BIOSやOSに問題がある
稀なケースですが、パソコンの根幹を制御するBIOSや、Windows/macOSといったOSが古いバージョンのままだと、USB PDの制御がうまく機能しないことがあります。
【実践】原因の切り分けと対処法フローチャート
どこに問題があるのかを特定するために、以下の手順で一つずつ確認していきましょう。
ステップ | 確認すること | 対処法 |
---|---|---|
STEP 1 | パソコンのスペック | 取扱説明書や公式サイトで、お使いのパソコンがUSB PD充電に対応しているか、どのポートが対応しているか再確認します。 |
STEP 2 | 充電器の出力(W) | 充電器本体やパッケージに記載されている出力(W数)を確認します。パソコン付属のACアダプターに記載のW数と同等かそれ以上であるかを確認しましょう。不明な場合は、65W以上の充電器を試すのがおすすめです。 |
STEP 3 | ケーブルの仕様 | そのケーブルでスマートフォンが急速充電できるか試してみます。もし急速充電できない場合、そのケーブルが原因の可能性大です。USB PD対応、できれば100W対応と明記されたケーブルに交換してみましょう。 |
STEP 4 | 別の機器で試す | その充電器とケーブルの組み合わせで、他のUSB PD対応機器(別のノートパソコンやタブレットなど)が充電できるか試します。もし他の機器が充電できるなら、問題はパソコン本体側にある可能性が高まります。 |
STEP 5 | パソコンの再起動・アップデート | パソコンを一度再起動してみましょう。また、メーカーの公式サイトから、BIOSやOSのアップデートが提供されていないか確認し、最新の状態に更新します。 |

これらのステップを試しても解決しない場合は、パソコン本体や充電器の初期不良や故障も考えられます。各メーカーのサポートセンターに問い合わせてみましょう。
【解決策】ノートパソコンのACアダプタをType-Cに代用する
「自分のパソコンはUSB PDに対応してなかった…」と諦めるのはまだ早いです!また、USB PD対応パソコンを使っている方も、より快適な充電環境を構築する方法があります。
ここでは、純正のACアダプターの代わりに、コンパクトなUSB Type-C充電器を使うための具体的な方法、つまり「ノートパソコン 充電器 代用」のテクニックをご紹介します。
代用のために必要なものリスト
ACアダプターをType-C充電器で代用するには、基本的に以下の2つ(場合によっては3つ)のものが必要です。
- ① USB PD対応AC充電器
これがなければ始まりません。お使いのノートパソコンが必要とするW数以上の出力を持つものを選びましょう。 - ② USB PD対応Type-Cケーブル
充電器の性能を最大限に引き出すために重要です。充電器の出力W数に対応したケーブル(例:100W充電器なら100W対応ケーブル)を選びましょう。 - ③【必要な場合のみ】DCプラグ変換ケーブル
お使いのパソコンの充電ポートが、丸型や角型の専用DCプラグである場合に必要です。USB Type-Cからの電力を、そのパソコンのプラグ形状に変換してくれる便利なアイテムです。
DCプラグをType-Cに変換する便利アイテム
USB PDに対応していない、従来のDCプラグ(丸型や角型)で充電するタイプのノートパソコンをお使いの方に朗報です。
エレコムから発売されている「ノートPC用充電ケーブル(USB Type-C to DCプラグ)」のような製品を使えば、USB PD充電器から給電できるようになります。
このケーブルは、片方がUSB Type-C、もう片方が各社ノートパソコンのDCプラグ形状になっています。これを使えば、USB PD非対応のパソコンでも、USB PD充電器のコンパクトさという恩恵を受けられるのです。
製品例:エレコム ノートPC用充電ケーブル
- 丸型プラグ搭載 (DC-PDF20BK): 東芝、富士通、NEC製などのノートパソコンに対応。
- 角型プラグ搭載 (DC-PDL20BK): Lenovo、NEC製などのノートパソコンに対応。

ノートPCのタイプC充電器の失敗しない選び方【6つのポイント】
さて、いよいよUSB Type-C充電器を選んでいきましょう。市場にはAnkerやCIO、エレコムなど多くのメーカーから様々な製品が発売されており、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
ここでは、あなたのノートパソコンと使い方に最適な一品を見つけるための、絶対に押さえるべき6つのチェックポイントを徹底解説します。
ポイント1:【最重要】出力(W数)をチェックしよう
これが最も重要なポイントです。必要なW数は、お使いのノートパソコンに付属している純正ACアダプターを確認するのが一番手っ取り早いです。アダプター本体に「出力: 20V/3.25A」のように記載があれば、電圧(V)×電流(A)でW数を計算できます(この場合は20×3.25=65W)。
もし分からない場合は、パソコンの取扱説明書やメーカーのウェブサイトで確認しましょう。
一般的に、多くのビジネスノートPCは45W~65W程度の出力で十分です。動画編集などを行う高性能なモデルでは100W以上を要求するものもあります。

ポイント2:持ち運ぶならサイズ・重量をチェック
せっかくACアダプターの代わりにするのですから、コンパクトさにはこだわりたいですよね。持ち運びやすさを重視するなら、以下の数値を目標に探してみましょう。
- 大きさ(体積): 80cm³ 以下
- 重さ: 100g 以下
このクラスの製品であれば、カバンのポケットにもすっぽり収まり、常に持ち歩いても全く苦になりません。
この小型・軽量化を実現しているのが、先ほども触れた「GaN(窒化ガリウム)」という半導体素材です。従来のシリコン素材に比べて発熱が少なく、エネルギー効率が高いため、同じ出力でも製品を大幅に小型化できます。今、ノートパソコン用の充電器を買うならGaN採用モデルが断然おすすめです。
ポイント3:ポートの数と種類をチェック
充電したいデバイスはノートパソコンだけですか?多くの方は、スマートフォンやタブレット、ワイヤレスイヤホンなども一緒に充電したいはずです。
そんな方には、USB Type-Cポートを2つ以上、あるいはUSB Type-Aポートも搭載した複数ポートの充電器が便利です。
ただし、注意点があります。複数ポートの充電器は、同時に複数の機器を充電すると、総出力が各ポートに分配されるのです。
例えば、最大65Wの充電器で2ポートを同時に使うと、一方が45W、もう一方が20Wになる、といった具合です。これではノートパソコンの充電が遅くなる可能性があります。
複数ポートの充電器を選ぶ際は、「複数ポート使用時でも、1つのType-Cポートから最低45W以上の出力が確保できるか」を必ずスペック表で確認しましょう。
ポイント4:安全性の証!PSEマークを必ず確認
充電器は常に高い電圧を扱う製品であり、安全性は何よりも重要です。日本国内で販売される電気製品には、電気用品安全法(PSE法)に基づき、国の定めた技術基準に適合していることを示す「PSEマーク」の表示が義務付けられています。
信頼できるメーカーの製品には必ずこのマークが付いています。特にネット通販などで海外製の安価な製品を購入する際は、PSEマークの有無を必ず確認してください。マークのない製品は、発火や感電などの重大な事故につながる恐れがあるため、絶対に購入を避けましょう。
ポイント5:据え置き型か携帯型(モバイルバッテリー)か
USB PDに対応しているのは、コンセントに挿すAC充電器だけではありません。持ち運び可能な「モバイルバッテリー」にもUSB PD対応の高出力モデルがあります。
- AC充電器(据え置き型): 自宅やオフィス、カフェなど、コンセントのある場所で使うのがメイン。常に安定した電力を供給できます。
- モバイルバッテリー(携帯型): 外出先や移動中など、コンセントのない場所で充電したい場合に必須。ノートパソコンを充電するなら、20,000mAh以上の大容量モデルを選びましょう。
自分のライフスタイルに合わせて、どちらが必要か、あるいは両方持っておくべきかを検討しましょう。

ポイント6:プラグが折りたためるか
細かい点ですが、持ち運びやすさに大きく影響するのが、コンセントプラグが本体に収納できる「折りたたみ式」かどうかです。
プラグがむき出しのままだと、カバンの中で他の荷物を傷つけたり、プラグ自体が曲がってしまったりする可能性があります。頻繁に持ち運ぶのであれば、プラグが折りたためるモデルを選ぶことを強く推奨します。
PCのタイプC充電器おすすめ人気ランキング3選
上記の選び方のポイントをすべて踏まえた上で、「これは間違いない!」と自信を持っておすすめできる製品を3つ厳選しました。あなたのニーズに合うものがきっと見つかるはずです。
【第1位】超コンパクト&軽量!持ち運び派の決定版「CIO | NovaPort SOLOⅡ 65W」
「とにかく軽くて小さい充電器が欲しい!」という方に、まず一番におすすめしたいのがこのモデルです。
大阪のガジェットメーカーCIOが手掛けるこの充電器は、65Wという十分な高出力を持ちながら、そのサイズは驚くほどコンパクト。体積は約41.7cm³、重量も約74gと、単三乾電池よりも小さく、卵1個分ほどの軽さです。ポケットに入れても全く気にならないレベルで、まさに持ち運びのために生まれてきたような製品と言えるでしょう。
もちろん、プラグは折りたたみ式。表面には傷がつきにくいシボ加工が施されており、デザイン性と実用性を両立しています。ポートはUSB Type-Cが1つとシンプルですが、ノートパソコンだけを素早く充電したいというニーズには完璧に応えてくれます。
カフェやコワーキングスペースでの作業が多いノマドワーカーや、出張が多いビジネスパーソンにとって、これ以上ない相棒となるはずです。
メーカー | CIO |
製品名 | NovaPort SOLOⅡ 65W |
最大出力 | 65W |
ポート構成 | USB Type-C × 1 |
サイズ/重量 | 約52.5×30×26.5mm / 約74g |
こんな人におすすめ | ・とにかく軽さ、コンパクトさを最優先したい人 ・ノートパソコン単体を充電することが多い人 ・ミニマルな持ち物を好む人 |
【第2位】薄さ正義!カバンの隙間に収まる「オウルテック | 薄さ1.25cmウルトラスリム AC充電器」
「厚みがない充電器が欲しい」「PCケースのポケットにスッと入れたい」そんなニーズに応えるのが、この驚異的な薄さを誇る充電器です。
神奈川県の周辺機器メーカー、オウルテックが開発したこの製品の最大の特徴は、わずか1.25cmという圧倒的な薄さ。これは一般的なミント菓子のケースとほぼ同じ厚みしかありません。ノートパソコンと一緒にブリーフケースに入れても全くかさばらず、壁とデスクの狭い隙間にあるコンセントにもスマートに差し込めます。
薄いからといって性能に妥協はありません。出力はしっかりと65Wを確保しており、MacBook Proのような高性能ノートPCも問題なく充電できます。重量も約76gと非常に軽量。表面は傷がつきにくいマット素材で、指紋が目立たないのも嬉しいポイントです。
体積の小ささよりも「厚みのなさ」を重視する方、スマートな収納性を求める方には、この製品が唯一無二の選択肢となるでしょう。
メーカー | オウルテック |
製品名 | 薄さ1.25cmウルトラスリム AC充電器 |
最大出力 | 65W |
ポート構成 | USB Type-C × 1 |
サイズ/重量 | 約87×42×12.5mm / 約76g |
こんな人におすすめ | ・充電器の厚みが気になる人 ・PCケースやカバンの薄いポケットに収納したい人 ・コンセント周りをスッキリさせたい人 |
【第3位】複数充電の決定版!PCもスマホもこれ一台「Anker | 735 Charger (GaNPrime 65W)」
「ノートパソコンとスマートフォンを同時に、しかも両方急速充電したい!」そんなわがままな願いを叶えてくれるのが、充電器のトップブランドAnkerのこのモデルです。
この製品は、USB Type-Cポートを2つ、USB Type-Aポートを1つの合計3ポートを搭載。Anker独自の電力配分技術「GaNPrime」により、接続された機器に応じて最適な電力をインテリジェントに振り分けます。
特筆すべきは、Type-Cポートを2つ同時に使用した場合でも、片方のポートから45Wの出力を維持できる点です。これにより、ノートパソコンをしっかり充電しながら、もう片方のポートでスマートフォンを急速充電する、といった芸当が可能になります。
サイズは単ポートのモデルよりは一回り大きくなりますが、それでも3つの充電器を一つにまとめられると考えれば非常にコンパクト。旅行や出張で持っていく充電器をこれ一つに集約でき、コンセントの取り合いになることもありません。
複数のガジェットを持ち歩くことが多い方、充電環境を一つにまとめたい方にとって、最高の投資となる一台です。
メーカー | Anker |
製品名 | 735 Charger (GaNPrime 65W) |
最大出力 | 合計最大65W |
ポート構成 | USB Type-C × 2, USB Type-A × 1 |
サイズ/重量 | 約66×38×29mm / 約132g |
こんな人におすすめ | ・ノートPCとスマホなどを同時に充電したい人 ・旅行や出張に持っていく充電器を1つにまとめたい人 ・家族や友人と充電器をシェアすることがある人 |
ノートパソコンのタイプC給電で中古品はアリ?ナシ?
少しでもコストを抑えたいと考えたとき、「中古の充電器やモバイルバッテリーはどうだろう?」という選択肢が頭に浮かぶかもしれません。
結論から申し上げますと、ノートパソコンの給電に中古の充電器やバッテリーを使用することは、専門家としては強く推奨しません。
その理由は、新品にはない大きなリスクが伴うからです。
中古の充電器・バッテリーに潜む3つの危険性
- バッテリーの劣化
特にモバイルバッテリーの場合、充放電を繰り返すことで内蔵のリチウムイオン電池は必ず劣化します。中古品は、前の所有者がどれだけ使用したか不明なため、見た目は綺麗でも、本来の容量を大幅に下回っている可能性があります。「20,000mAhのはずなのに、スマホ1回しか充電できない…」なんてことも起こり得ます。 - 安全基準を満たしていない可能性
フリマアプリなどで個人から購入した場合、その製品が本当に日本の安全基準(PSEマーク)を満たしているかどうかの保証がありません。海外からの輸入品や模倣品である可能性もゼロではなく、安全回路が搭載されていない粗悪品だった場合、過充電やショートによる発火事故のリスクが非常に高まります。 - 目に見えない内部の損傷
前の所有者が落下させたり、水に濡らしたりしたことがあるかもしれません。外観からは分からなくても、内部の基盤や部品が損傷していると、使用中に突然故障したり、最悪の場合は発煙・発火したりする危険があります。

パソコンのタイプC充電で知っておきたい設定とQ&A
最後に、ノートパソコンのType-C給電に関して、多くの方が疑問に思う点や、知っておくと便利な豆知識をQ&A形式でまとめました。
充電に関する特別な「設定」は基本的に不要
まず大前提として、「パソコン タイプc 充電 設定」というキーワードで検索される方もいますが、USB PDによる充電のために、ユーザーがパソコン側で何か特別な設定をする必要は基本的にありません。
USB PDの優れた点は、対応する機器同士を接続すれば、機器と充電器が自動で「ハンドシェイク(情報交換)」を行い、そのパソコンにとって最適な電力(電圧・電流)を自動的に選択してくれるところにあります。私たちはただ、対応する機器同士をケーブルで繋ぐだけでいいのです。
ノートパソコンのタイプC給電に関するQ&A
A1. はい、全く問題ありません。
純正のACアダプターを使っている時と同じように、充電しながらパソコンを使用しても、バッテリーや本体に悪影響はありません。パソコン側で適切に電力管理が行われますので、ご安心ください。
A2. ほとんどの場合、できません。
一般的なスマートフォン用の充電器は出力が5W~20W程度です。多くのノートパソコンが必要とする45W以上の電力には遠く及ばないため、接続しても充電されないか、画面に「低速充電中」などの警告が表示されるだけの場合がほとんどです。パソコンの電源がオフの状態であれば、非常にゆっくりと充電される可能性はありますが、実用的ではありません。
A3. はい、全く問題ありません。むしろ推奨されます。
USB PDは、パソコン側が必要な電力だけを充電器から受け取る仕組みになっています。そのため、65Wしか必要としないパソコンに100Wの充電器を接続しても、パソコンは65W分しか電力をもらいません。過剰な電力が流れて壊れるといったことは絶対にありません。充電器側も余裕を持って動作するため、発熱が抑えられるというメリットもあります。
A4. 「満充電のまま放置しない」「バッテリー残量0%を避ける」ことが有効です。
リチウムイオン電池は、100%の満充電状態や0%の完全放電状態で放置されると劣化が進みやすくなります。多くのパソコンには、充電量を80%程度に制限してバッテリーの寿命を延ばす機能が搭載されています。メーカーのサポートツールなどから設定できる場合が多いので、ぜひ活用してみてください。
A5. 残念ながら、そうとは限りません。
前述のDCプラグ変換ケーブルは非常に便利ですが、万能ではありません。パソコン側が必要とする電圧(V)と、充電器側が出力できる電圧が一致している必要があります。多くのノートパソコンとUSB PD充電器は20Vに対応していますが、一部の古いモデルや特殊なモデルでは電圧が異なる場合があります。購入前に、お使いのパソコンの電圧を確認することをおすすめします。
まとめ:ノートパソコンのタイプC給電で快適なPCライフを!
今回は、ノートパソコンのUSB Type-C給電について、その仕組みからトラブルシューティング、最適な充電器の選び方まで、徹底的に解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- ✅ 多くのノートパソコンは「USB PD」対応のType-Cポートから給電できる。
- ✅ 充電できない原因は、PC・充電器・ケーブルのいずれかが非対応かスペック不足であることが多い。
- ✅ 充電器選びで最も重要なのは「出力(W)」。迷ったら65W以上がおすすめ。
- ✅ 持ち運びやすさを重視するなら、GaN採用で小型・軽量なモデルを選ぶべき。
- ✅ 複数機器を同時に充電するなら、同時使用時の出力を必ずチェックすること。
- ✅ 安全のために、「PSEマーク」付きの新品を必ず選ぶこと。
重くてかさばる純正のACアダプターは、もう家に置いておきましょう。
コンパクトで高機能なUSB Type-C充電器を一つ手に入れるだけで、あなたのノートパソコンライフは、もっと身軽で、もっとスマートに、そしてもっと快適になるはずです。
さあ、この記事を参考に、あなたにぴったりの一台を見つけて、ACアダプターの呪縛から解放されましょう!