「新しいパソコンを買ったが、まだネット環境がない」
「セキュリティが心配で、重要な作業はオフラインでしたい」
「子供にPCを使わせたいが、ネット接続は不安」
こんな悩みをお持ちではありませんか?
インターネットが当たり前の今、パソコンをネット接続しないで使うことに戸惑うかもしれません。しかし、セキュリティ強化や作業への集中など、オフラインならではのメリットも多いのです。
問題は、「どう設定するの?」「ネットなしで何ができるの?」という点ですよね。
この記事では、パソコンをネット接続しないで使う具体的な方法を徹底解説します。Windows11をネット接続なしでセットアップする裏ワザから、オフラインでできること、気になるOffice製品やウイルス対策の注意点まで、あなたの疑問をまるっと解決します。
正しい知識さえあれば、パソコンはネットに繋がなくても十分に活用できます。ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- Windows11をネット接続なしで設定する裏ワザ
- ネットなしパソコンでできること10選
- Officeソフトを使う際の重大な注意点
- オフラインPCのウイルス対策(USB感染)
※2025年11月16日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
ネットに繋がないメリットは?
「パソコンはネットに繋ぐもの」という常識をあえて覆す、オフライン利用。まずは、そのメリットと知っておくべきデメリットを整理しましょう。
ネットに繋がない3つの大きなメリット
- ウイルス感染リスクを極限まで低減
これが最大のメリットです。ウイルスの感染経路の多くはインターネット経由。ネットから物理的に遮断することで、外部からの不正アクセスや攻撃の脅威から守られます。機密データや個人情報を扱う作業に最適です。 - 作業に集中できる環境
ネットは便利な反面、SNSの通知やニュースなど誘惑の宝庫。オフライン環境は、これらを強制的にシャットアウトします。文章作成やデータ整理など、集中力が求められる作業効率が劇的に向上します。 - 子供にも安心して使わせられる
有害サイトへのアクセスやネットトラブルの心配が一切無用です。お絵かきやタイピング練習、プログラミング学習など、創造性を育むツールとして安全に提供できます。
知っておくべきデメリットと注意点
もちろん、不便な点もあります。これらを理解した上で、ご自身の使い方に合うか判断してください。
- 情報のWeb検索ができない
- OSやソフトのアップデートが面倒
- クラウドサービス(Webメール、オンラインストレージ等)が使えない
- データの共有にUSBメモリなど物理媒体が必要
- ソフトのダウンロード購入ができない

Windows11をネット接続なしで設定する方法
オフライン利用の最初の関門が、初期設定(セットアップ)です。特にWindows 11 Homeは、ネット接続とMicrosoftアカウントを強く要求してきます。
ご安心ください。ここでは、その要求を回避し、ネットに接続せず「ローカルアカウント」でWindows 11をセットアップする裏ワザを解説します。
Home版:コマンドでの設定手順
Windows 11 Homeは、少しだけコマンド入力が必要です。手順通りに進めれば難しくありません。
- 「ネットワークに接続しましょう」画面を開く
言語やキーボードレイアウトの設定を進めると、Wi-Fi選択画面(「ネットワークに接続しましょう」)が表示されます。 - コマンドプロンプトを起動
この画面で、キーボードの「Shift」キー + 「F10」キーを同時に押します。(ノートPCでは「Fn」キーも同時に押す必要がある場合があります) - コマンドを入力する
黒い画面(コマンドプロンプト)が表示されます。ここに、以下のコマンドを半角で入力し、「Enter」キーを押します。
oobe\BypassNRO.cmd
(※以前は `cd oobe` と `BypassNRO.cmd` の2行でしたが、現在は1行で実行できる場合がほとんどです) - 自動で再起動
コマンドが実行されると、パソコンが自動的に再起動します。 - 再度設定を進める
再起動後、再び言語設定から始まります。先ほどと同じように進めていくと、再び「ネットワークに接続しましょう」の画面が表示されます。 - 「インターネットに接続しません」を選択
今度は、先ほどはなかった「インターネットに接続しません」という選択肢が右下に表示されています。これをクリックします。 - 「制限された設定で続行」を選択
次の画面で「制限された設定で続行」をクリックします。 - ローカルアカウントを作成
「このデバイスを使うのはだれですか?」と表示されたら成功です。任意のユーザー名を入力し、パスワード等を設定すれば、ネット接続なしでのセットアップは完了です!
Pro版:簡単な設定手順
Windows 11 Proをお使いの場合、上記のようなコマンド入力は不要です。最初から「ネットワークに接続しましょう」の画面に「インターネットに接続しません」という選択肢が表示されています。
そのため、手順は非常にシンプルです。
- 「ネットワークに接続しましょう」画面で「インターネットに接続しません」を選択
- 「制限された設定で続行」を選択
- ローカルアカウントを作成する
Windows 10の場合は?
Windows 10の場合も、Home / Proともに初期設定時から「インターネットに接続しません」(または「オフラインアカウント」)の選択肢が左下に表示されているため、特別な操作なしでオフライン設定が可能です。

ネットなしパソコンでできること10選
無事にセットアップが完了したところで、「ネットなしで一体何ができるの?」という疑問にお答えします。実はパソコン単体でできることは非常に多いのです。
- Officeソフトでの文書作成・編集
Word (ワード), Excel (エクセル), PowerPoint (パワーポイント) は、基本的にオフラインで使えます。報告書作成、家計簿管理、プレゼン資料作成など幅広く活躍します。ただし、非常に重要な注意点があるため、後述する「Office使用時の重大な注意点」を必ずお読みください。 - 写真・動画の管理と編集
デジカメやスマホで撮影したデータをPCに取り込み、管理・編集できます。専用ソフトを使えば、明るさ調整やカット編集、テロップ挿入などもオフラインで完結します。 - DVDやBlu-rayでの動画鑑賞
PCにドライブが内蔵または外付けされていれば、市販の映画やライブ映像のディスクを再生できます。 - 音楽の管理・再生
音楽CDをPCに取り込み(リッピング)、自分だけの音楽ライブラリを作成できます。Windows Media PlayerやiTunesなどのソフトで管理・再生が可能です。 - プログラミング学習・開発
エディタやコンパイラ(実行環境)を一度インストールしてしまえば、ネット接続なしでコードを書き、実行し、学ぶことができます。 - ダウンロード済みのゲームをプレイ
オンライン認証が不要な、いわゆる「買い切り型」のゲームソフトであれば、一度インストールすればオフラインでプレイできます。 - ファイルやデータの整理
PCの基本的な機能であるファイルの整理です。写真を用途別にフォルダ分けしたり、不要なファイルを削除したりして、PCの中を整理整頓できます。 - e-book(電子書籍)を読む
あらかじめダウンロードしておいた電子書籍ファイル(PDFやEPUBなど)は、オフラインで読むことができます。 - 年賀状や各種書類の作成
専用の年賀状作成ソフトを使えば、デザインから宛名印刷までオフラインで完結します。履歴書などの作成にも便利です。 - 家計簿の管理
Excelを使うのはもちろん、市販の家計簿ソフトをインストールすれば、より詳細な収支管理が可能です。
Office使用時の重大な注意点
先ほど「Officeソフトはオフラインで使える」と紹介しましたが、これには個人利用において「最大の落とし穴」があります。これを知らないと、「突然Officeが使えなくなった!」という事態に陥ります。
定期的なネット認証が必須
現在主流のMicrosoft 365や、PCにプリインストールされているOffice 2021などの個人向け製品は、不正利用防止のため、定期的にインターネット経由でライセンスの有効性を確認(認証)する仕組みになっています。
つまり、たとえ初回の認証を済ませていても、長期間(一般的に30日以上)ネットに接続しないと、ライセンスが有効か確認できなくなります。
認証切れで機能制限モードに
ライセンス認証が切れると、Officeソフトは「機能制限モード」になります。このモードでは、以下の状態になります。
- ファイルの閲覧や印刷はできる
- ファイルの新規作成、編集、保存が一切できなくなる
これでは実質的にOfficeソフトが使えないのと同じですよね。

完全オフラインでの代替案
では、どうすればいいのでしょうか? 解決策は3つあります。
- 無料の互換ソフトを使う
「LibreOffice(リブレオフィス)」や「WPS Office」といった、Microsoft Officeと互換性のある無料ソフトを使いましょう。これらは一度インストールすれば、ネット認証なしで永続的に使えます。 - 定期的にネット認証を行う
どうしてもMicrosoft Officeを使いたい場合は、「月に一度だけ」などルールを決め、スマホのテザリングなどで短時間だけネットに接続し、ライセンス認証を行う運用が必要です。 - 古いOffice(買い切り版)を探す
非常に古いバージョン(Office 2010などサポート終了済みのもの)はネット認証が不要な場合がありますが、セキュリティリスクが高く推奨されません。
ネットに繋がないパソコンのウイルス対策
「ネットに繋がないからウイルス対策は不要」と考えるのは非常に危険です。オフラインでも感染リスクは存在します。
なぜ対策が必要か?(USB感染)
オフラインPCがウイルスに感染する最大の経路、それはUSBメモリや外付けHDDなどの外部記憶媒体です。
例えば、以下のようなケースです。
- ネットに繋いだ別のPCでダウンロードしたファイルを、USBメモリで移す
- 友人や職場からUSBメモリでデータを受け取る
- コンビニのプリンターなどでUSBメモリを使用する
もし、これらのUSBメモリやファイルがウイルスに汚染されていた場合、オフラインPCに接続した瞬間に感染してしまいます。
オフラインでの対策方法
オフライン環境での対策のキモは「定義ファイル(新しいウイルスを検知するデータ)の更新」です。
- セキュリティソフトを導入する
まずはセキュリティソフトが必要です。標準搭載の「Microsoft Defender」でも構いませんし、市販のソフト(ESETやノートンなど、オフライン更新機能を持つもの)でも良いでしょう。 - 別のPCで定義ファイルをダウンロード
ネットに接続できる別のPCを使い、セキュリティソフトの公式サイト(DefenderならMicrosoftのサイト)から、最新の定義ファイルをダウンロードします。 - USBメモリで移して手動更新
ダウンロードした定義ファイルを(安全確認済みの)USBメモリに入れ、オフラインPCに接続。セキュリティソフトの管理画面から「手動更新」や「オフラインアップデート」を実行します。
この作業を定期的に(できれば週に一度)行うことで、オフラインPCのセキュリティを高く保つことができます。
Defenderの手動更新手順
Windows標準の「Microsoft Defender」の場合、Microsoftの「Microsoft Defender ウイルス対策のセキュリティ インテリジェンス更新プログラム」ページから最新の定義ファイル(`mpam-fe.exe`など)をダウンロードできます。(参照:Microsoft公式サイト)
これをオフラインPCで実行すれば、定義ファイルが最新の状態に更新されます。
用途別おすすめパソコンモデル
ネットに繋がない使い方を前提とした場合、どのようなスペックのPCを選べばよいか、用途別にご紹介します。
文書作成・事務作業メイン
WordやExcel、家計簿管理が主な用途なら、高いスペックは不要です。
- CPU: Core i3 または Ryzen 3 程度
- メモリ: 8GB
- ストレージ: SSD 256GB
写真・動画編集メイン
高画質な写真のRAW現像や動画編集を行う場合は、処理能力が求められます。
- CPU: Core i5/i7 または Ryzen 5/7
- メモリ: 16GB以上
- ストレージ: SSD 512GB以上
- グラフィックボード: 専用GPU搭載が望ましい
子供の学習用
プログラミング学習やお絵かき、タイピング練習なら、価格と性能のバランスが取れたモデルがおすすめです。
- CPU: Celeron または Core i3 程度
- メモリ: 8GB
- ストレージ: SSD 256GB
- ポイント: 堅牢性や、扱いやすい13~14インチ程度のサイズも考慮
一時的にネット接続する方法
OSのアップデートやソフトのダウンロードなど、どうしても一時的にネット接続が必要になる場面もあります。自宅にWi-Fi環境がなくても接続する方法を紹介します。
スマホのテザリング
お持ちのスマートフォンをWi-Fiルーター代わりにして、PCをネット接続する方法です。追加契約が不要で最も手軽です。
- メリット: 手軽ですぐに使える
- デメリット: スマホのデータ通信量とバッテリーを消費する
モバイルWi-Fiルーター
持ち運び可能な通信端末を契約する方法です。外出先でも使えます。
- メリット: 通信が比較的安定している
- デメリット: 月額料金がかかる、端末の充電が必要
公共のフリーWi-Fi
カフェや駅などで提供されている無料のWi-Fiです。手軽ですが、最も注意が必要です。
- メリット: 無料で利用できる
- デメリット: セキュリティが非常に脆弱。通信内容を盗み見られるリスクがあるため、重要な作業は厳禁
自宅回線(ホームルーター)
工事不要で、コンセントに挿すだけでWi-Fi環境が作れる「ホームルーター」という選択肢もあります。
- メリット: 通信が安定し、データ容量を気にせず使える
- デメリット: 月額料金がかかる
よくある質問(Q&A)
A1. いいえ、絶対に必要ではありません。
本記事で紹介したように、文書作成や写真編集など、オフラインでできることは多くあります。ただし、OSアップデートやOffice認証のため、月に一度は一時的に接続できる手段(スマホのテザリングなど)を用意しておくと安心です。
A2. 手動でアップデートする必要があります。
Microsoftの「更新プログラムカタログ」サイトから必要な更新プログラムを別PCでダウンロードし、USBメモリで移して適用します。しかし、どのプログラムが必要か判断するには専門知識が要るため、初心者には困難です。セキュリティ維持のためにも、月に一度はテザリングなどで短時間接続し、Windows Updateを実行することを強く推奨します。
A3. はい、使えます。
本記事の「Win11をネット接続なしで設定する方法」で解説した手順(`oobe\BypassNRO.cmd`)を踏めば、「ローカルアカウント」を作成できます。これにより、MicrosoftアカウントにサインインせずにWindows11を利用可能です。
まとめ:正しい知識で快適なオフラインPCライフを!
今回は、パソコンをネットに接続しないで使う方法について、設定方法から活用術、注意点まで詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- Windows 11 Homeでも、コマンドを使った裏ワザでオフラインセットアップが可能
- ネットなしでも、文書作成や写真編集、動画鑑賞などできることは多い
- 個人向けのOfficeソフトは定期的なオンライン認証が必須(代替案は無料互換ソフト)
- オフラインでもUSBメモリ経由のウイルス感染リスクがあり、対策は必須
- 一時的な接続は、スマホのテザリングが最も手軽で便利
インターネットから物理的に距離を置くことで、セキュリティを高め、作業に集中できる特別な環境が手に入ります。しかし、そのためにはオフライン利用特有のルール(特にOfficeとウイルス対策)を正しく理解しておくことが不可欠です。
この記事が、あなたの「パソコンをネット接続しないで使いたい」という目的を実現するための一助となれば幸いです。
