「仕事から帰って、テレビをつけたまま寝落ちしてしまった…」
「一人暮らしでシーンとするのが嫌で、一日中テレビをつけている」
このように、テレビを長時間つけっぱなしにする生活を送っていませんか?
そこで気になるのが「莫大な電気代」と「テレビが壊れないか」という不安です。
結論から言うと、一般的な50インチ液晶テレビを一ヶ月(24時間×30日)つけっぱなしにした場合、電気代は約3,348円になります。
この記事では、サイズ別の詳細なコストだけでなく、「つけっぱなし」VS「こまめに消す」論争の決着、そして意外と知られていない火災リスクや健康への影響まで徹底解説します。
読み終える頃には、無駄な出費をゼロにし、賢くテレビと付き合う方法が身についているでしょう。
※2025年11月21日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
テレビを一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代
まずは、最も関心の高い「電気代」について、サイズや種類ごとに詳しく見ていきましょう。
※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価「31円/kWh(税込)」で計算しています。
サイズ別:電気代の一覧表
液晶テレビをつけっぱなしにした場合の、「1時間」「24時間」「1ヶ月(30日)」の電気代一覧です。
| サイズ | 消費電力 | 1時間 | 24時間 | 1ヶ月 |
|---|---|---|---|---|
| 32V型 | 約70W | 約2.2円 | 約52円 | 約1,562円 |
| 40V型 | 約90W | 約2.8円 | 約67円 | 約2,008円 |
| 50V型 | 約150W | 約4.7円 | 約112円 | 約3,348円 |
| 65V型 | 約250W | 約7.8円 | 約186円 | 約5,580円 |
1時間単位で見ると数円ですが、塵も積もれば山となります。
50インチの場合、年間で考えると約4万円もの出費になります。これは無視できない金額ですよね。
液晶と有機ELとプラズマの違い
注意が必要なのは、テレビのパネル種類による違いです。
特に古いプラズマテレビを使っている方は、以下の数字に注目してください。
- 液晶テレビ(50V型):月額 約3,348円
- 有機ELテレビ(55V型):月額 約7,812円
- プラズマテレビ(50V型):月額 約10,044円
プラズマテレビをつけっぱなしにすると、液晶の3倍以上の電気代がかかります。
もし現在もプラズマを使用しているなら、節約意識を持つ以前に、買い替えを検討したほうが経済的メリットは大きいです。

自分で計算する簡単な式
正確な電気代を知りたい場合は、以下の計算式で求められます。
例:消費電力200Wのテレビを5時間つけた場合
200 ÷ 1000 × 5 × 31 = 31円
つけっぱなしとこまめに消す場合の比較
「テレビはつけたり消したりすると、逆に電気代がかかるし壊れやすい」
この説は、令和の今でも正しいのでしょうか?
電気代はこまめに消すが安い
結論から言うと、現代のテレビはこまめに消す方が圧倒的に安くなります。
昔の蛍光灯やブラウン管テレビは、点灯時に大きな電力を使っていました。
しかし、現在のLEDバックライト搭載テレビは、起動時の電力負荷が非常に少なくなっています。
トイレに行く2〜3分程度ならそのままでも構いませんが、お風呂や食事などで15分以上離れるなら、電源を切った方が節約になります。
寿命を縮めるのは熱と稼働時間
「頻繁なオンオフで壊れる」ことよりも、「長時間稼働による熱」の方がテレビにとっては有害です。
テレビ内部の電子部品(コンデンサなど)は、熱に弱く、高温状態が続くと劣化が早まります。
また、液晶画面を照らす「バックライト」にも寿命(約6万時間)があり、見ない時間もつけっぱなしにすることは、寿命をドブに捨てているのと同じことなのです。
電気代だけじゃない3つの危険性
金銭的なデメリット以外にも、つけっぱなしには深刻なリスクが潜んでいます。
内部パーツの劣化と故障
前述の通り、テレビは熱を持つ家電です。
24時間通電し続けると、放熱が追いつかず内部に熱がこもり、基盤のショートや画面の変色といった故障を引き起こしやすくなります。
トラッキング現象による火事
これが最も怖いリスクです。
テレビの裏側やコンセント周り、ホコリだらけになっていませんか?
長時間稼働でプラグが熱を持ち、そこに溜まったホコリが湿気を吸うと、バチッ!と発火する「トラッキング現象」が発生します。
就寝中や留守中につけっぱなしにしていると、発見が遅れて大火災につながる恐れがあります。
睡眠の質を下げる光の影響
「テレビをつけたまま寝る」という方への警告です。
テレビから発せられるブルーライトや強い光は、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。
自分では寝ているつもりでも、脳は覚醒状態に近くなり、睡眠の質が低下。
「寝ても疲れが取れない」という原因は、実はテレビのつけっぱなしにあるかもしれません。
消し忘れを防ぐ自動設定テクニック
「消したほうがいいのは分かるけど、寂しいし、つい忘れる」
そんな方は、テレビの機能を活用して自動化してしまいましょう。
オフタイマーを習慣にする
寝室のテレビなら、リモコンの「オフタイマー」ボタンを活用しましょう。
布団に入ったら「60分後に切る」と設定するのを毎晩のルーティンにするだけで、寝落ちしても安心です。
無操作電源オフ機能を活用
最近のテレビの多くには、「無操作電源オフ」という省エネ機能がついています。
「リモコン操作が3時間なければ自動で切れる」といった設定が可能です。
初期設定ではオフになっていることも多いので、設定メニューの「省エネ」や「エコ機能」を今すぐチェックしてみてください。
画面消灯モードを使う
「音がないと寂しい」「ラジオ代わりにしたい」
そんな時は、「画面消灯(映像オフ)」モードを使いましょう。
多くのテレビには、画面を真っ暗にして音声だけを流す機能があります。
これなら消費電力を大幅にカットでき、バックライトの寿命も温存できます。

ペットや寂しさ対策の代替案
「留守番中のペットが寂しくないようにテレビをつけている」というケースも多いですよね。
しかし、前述の通り火災のリスクがあるため、テレビはおすすめできません。
スマートスピーカーやラジオ
音を流したいなら、消費電力が少なく、発熱のリスクも低い「スマートスピーカー」や「ラジオ」が最適です。
Amazon EchoやGoogle Nestなら、電気代は月数十円程度。
「静かなジャズを流して」と頼めば、一日中BGMを流してくれますし、ペットにとってもテレビの激しい光の点滅がない分、ストレスが少ないと言われています。
よくある質問(Q&A)
最後に、テレビの電気代や使い方に関する疑問にお答えします。
はい、抜くことをおすすめします。待機電力をゼロにできるだけでなく、雷サージ(落雷による過電流)からテレビを守るためにも、数日以上家を空ける際はプラグを抜きましょう。
コンセントを抜くと、当然ですが録画は実行されません。旅行中などに録画したい番組がある場合は、コンセントは抜かず、主電源を切るだけに留めてください。
はい、微量ですがかかります。テレビを消していても、コンセントから給電されている場合は通信や待機を行っています。節約したい場合は、コンセントからではなくテレビのUSBポートから給電するように配線を変えると、テレビと一緒に電源が落ちるため節電になります。
まとめ
今回は、テレビをつけっぱなしにした場合のコストとリスクについて解説しました。
- 50型液晶テレビのつけっぱなし電気代は、1ヶ月で約3,348円。
- つけっぱなしは、火事や故障の原因になり、睡眠の質も下げる。
- 「つけたり消したり」よりも「こまめに消す」方が、現代のテレビでは正解。
- 寂しさ対策なら、テレビではなくスマートスピーカーが安全で経済的。
テレビは私たちの生活に彩りを与えてくれますが、つけっぱなしは百害あって一利なしです。
今日から「見ない時は消す」「タイマーを使う」という小さな習慣を始めて、お財布にも健康にも優しい生活を送りましょう。


