「パソコンを飛行機に持ち込みたいけど、保安検査で止められないか不安…」
「LCCだと重量制限が厳しいけど、パソコンを入れても大丈夫?」
出張や旅行に欠かせないパソコンですが、飛行機のルールは複雑で分かりにくいですよね。実は、持ち込み方を間違えると没収されたり、破損してデータを失ったりするリスクがあります。
結論から言うと、パソコンは「機内持ち込み」が鉄則です。
この記事では、パソコンを安全に持ち込むルール、保安検査を1分で通過するコツ、そしてLCCの重量制限対策まで徹底解説します。これを読めば、空港でのトラブルを未然に防ぎ、スムーズに出発できますよ。
パソコンは預け入れ不可!機内持ち込みすべき2つの理由
まず基本ルールとして、ノートパソコンやタブレットは、スーツケースに入れてカウンターで預ける(受託手荷物)ことは推奨されていません。原則として手荷物として機内に持ち込む必要があります。
なぜ「預け入れ」がNGなのか、その理由は大きく分けて2つあります。
1. リチウムイオン電池の発火リスク
パソコンやモバイルバッテリーに使用されている「リチウムイオン電池」は、気圧の変化や衝撃によって発熱・発火する危険性があります。
無人の貨物室で発火すると消火活動が困難になり、最悪の場合、墜落事故につながる恐れがあるため、国際的な航空ルールで貨物室への預け入れが厳しく制限されています。
(参照:国土交通省:機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例)
2. 衝撃による故障・データ消失の防止
空港での荷物の扱いは、想像以上にハードです。ベルトコンベアから滑り落ちたり、他の重いスーツケースの下敷きになったりすることは日常茶飯事です。
- 液晶画面の破損
- 筐体のへこみ
- HDD/SSDの故障によるデータ消失
これらのトラブルを防ぐためにも、精密機器であるパソコンは肌身離さず管理しましょう。
保安検査で引っかからない!パソコンの出し方とスムーズな通過手順
空港の保安検査場(セキュリティチェック)は、行列ができやすく、時間がかかると焦ってしまいますよね。パソコンを持っている場合、通常の検査とは手順が少し異なります。
パソコンはカバンから出し、トレーに単独で載せる
X線検査を通す際、パソコンはカバンから取り出してトレーに載せるのが基本ルールです。
カバンに入れたままだと、パソコンのバッテリーや回路が他の荷物と重なり、X線画像で中身が判別しづらくなります。その結果、再検査(バッグを開けて確認)となり、時間をロスしてしまいます。
スムーズな通過のコツ
- 列に並んでいる間に、パソコンをすぐ取り出せる準備をしておく。
- パソコン本体と、ACアダプター(充電器)などのコード類は分ける(コード類はカバンの中でOKな場合も多いですが、絡まっていると再検査になりやすいので整理しておきましょう)。
- タブレット端末も同様に取り出しが必要です。
ケース(スリーブ)からは出すべき?
多くの空港では、薄手のインナーケース(スリーブ)に入れたままでも検査を通過できますが、空港や検査員の判断によっては「ケースからも出してください」と言われることがあります。
ファスナーを開けておき、指示があったらすぐに本体を取り出せるようにしておくとスマートです。

LCC(格安航空)の「7kg制限」をクリアする裏ワザ
Peach、Jetstar、ZipairなどのLCCを利用する場合、機内持ち込み手荷物の重量制限は「合計7kg以内」という厳しいルールが一般的です。
一般的なノートパソコン(約1.2kg〜1.5kg)と充電器を入れると、それだけで2kg近くになります。残りの荷物を5kg以内に収めるのは至難の業です。
重量オーバーを防ぐ3つの対策
- 重いものはポケットに入れる
多くの航空会社では、身につけている衣服のポケットに入っている物は重量に含まれません。モバイルバッテリーやスマホ、財布などは上着のポケットに入れて計量を通過しましょう。 - サブバッグを活用する
「手荷物は2個まで」というルールを活用し、パソコンだけを入れたトートバッグと、衣類などを入れたリュックに分けると、重量分散しやすくなります。(※航空会社によっては個別の重さではなく「合計」で計測されます) - 軽量なPCバッグを選ぶ
バッグ自体が重いと損をします。革製のバッグよりも、ナイロン製の軽量なリュックやPCケースを選びましょう。
バッテリー容量制限(Wh)と充電器の持ち込みルール
パソコン本体だけでなく、予備バッテリーやモバイルバッテリーを持ち込む際にも制限があります。特に海外旅行や、ハイスペックなゲーミングPCを持ち込む方は要確認です。
160Wh(ワットアワー)の壁
航空法により、リチウムイオン電池のワット時定格量(Wh)によって持ち込み可否が決まります。
| ワット時定格量(Wh) | 持ち込み | 預け入れ |
|---|---|---|
| 100Wh以下 | ○(個数制限なし※) | × |
| 100Wh超 〜 160Wh以下 | ○(2個まで) | × |
| 160Wh超 | ×(持ち込み不可) | × |
※航空会社によって個数制限がある場合があります。
一般的なビジネスノートPC(MacBook Proなど)は50Wh〜100Wh以内に収まっているため、基本的に制限を気にする必要はありません。
Whの計算方法
バッテリーに「Wh」の記載がない場合は、以下の計算式で求められます。
Wh = 定格容量(mAh) ÷ 1000 × 定格電圧(V)
例えば、「20,000mAh / 3.7V」のモバイルバッテリーなら、
20,000 ÷ 1000 × 3.7 = 74Wh(持ち込みOK)となります。
パソコンを破損から守るパッキングと収納場所
機内持ち込みできたとしても、フライト中の揺れでパソコンが壊れてしまっては意味がありません。
座席の下 vs 上の棚(オーバーヘッドビン)
結論、パソコンは「前の座席の下」に入れるのが最も安全です。
- 上の棚: 飛行中に荷物が滑ってぶつかる、他の乗客が無理やり荷物を押し込んで圧迫されるリスクがある。
- 座席の下: 常に目が届き、揺れの影響も受けにくい。機内で作業したい時もすぐに取り出せる。
ただし、非常口座席など足元に荷物を置けない座席の場合は、上の棚に入れる必要があります。その際は、荷物が動かないよう他の荷物で隙間を埋めるなどの工夫をしましょう。
よくある質問(Q&A)
最後に、パソコンの機内持ち込みに関する細かな疑問にお答えします。
サイズと重量が既定内(例:3辺の合計115cm以内、10kg以内)であれば持ち込み可能です。しかし、iMacのような一体型や大型モニターは規定を超えることが多く、梱包も難しいため、基本的には「パソコン宅急便」などの専門配送サービスの利用を強くおすすめします。
はい、保安検査の規定上は問題ありません。ただし、LCCなどの重量制限(合計7kgなど)には注意してください。また、検査時はすべてのパソコンをトレーに出す必要があります。
機材によります。最近の機体にはユニバーサル電源(コンセント)やUSBポートが付いていることが多いですが、古い機体やLCCでは付いていないこともあります。長時間作業する予定なら、事前にフル充電しておくか、持ち込み可能なモバイルバッテリーを用意しましょう。
まとめ:準備万端で快適な空の旅とモバイルワークを!
パソコンの飛行機機内への持ち込みについて解説しました。重要なポイントを振り返りましょう。
- パソコンは必ず「機内持ち込み」にする(預け入れはNG)。
- 保安検査ではカバンから出し、トレーに載せる準備をしておく。
- LCC利用時は、重量制限(7kg)に注意し、ポケットなどを活用する。
- 破損を防ぐため、クッションケースに入れ、可能な限り足元に収納する。
パソコンは仕事や旅の記録に欠かせない相棒です。
「知らなかった!」で空港で慌てることがないよう、前日には充電とバックアップを済ませ、余裕を持って空港へ向かってくださいね。ルールを守って、空の上でも快適なデジタルライフを楽しみましょう!


