「Wi-Fiルーターをテレビの横に置いたら、ネットが遅くなった気がする…」
「テレビのアンテナ端子の近くにしか、ルーターを置く場所がない…」
Wi-Fiルーターの設置場所について、このように悩んでいませんか?
結論から言うと、テレビのすぐ近くや裏側は、Wi-Fiルーターにとって「最も避けるべき場所」の一つです。
しかし、「なぜダメなのか?」「どうしてもそこにしか置けない場合はどうすればいいのか?」を正しく理解している人は意外と多くありません。
この記事では、テレビ線とWi-Fiルーターの本当の関係性から、誰でもすぐに実践できる「通信速度を劇的に改善する配置テクニック」までを網羅的に解説します。
今日からできるちょっとした工夫で、家のネット環境をサクサク快適に変えていきましょう。
※2025年11月23日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
誤解していませんか?テレビ線とWi-Fiルーターの関係性
まず、最も重要な「配線の仕組み」について解説します。
多くの人が「テレビ線の近くにルーターを置かなければならない」と思い込んでいますが、これは契約している回線タイプによって正解が異なります。
光回線の場合:完全に無関係
ドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、NURO光などの「光回線」を使用している場合、テレビ線(アンテナ端子)とWi-Fiルーターは機能的に全くの無関係です。
- テレビ線(同軸ケーブル):テレビ放送の電波を受信するもの。
- ルーター(LANケーブル):インターネット通信を行うもの。
壁のコンセントプレートで差込口が隣り合っていることが多いため混同されがちですが、内部の配線は完全に別系統です。したがって、無理にテレビの近くに置く必要は一切ありません。
CATV(ケーブルテレビ)の場合:線は繋がっています
J:COMなどの「ケーブルテレビ局」のインターネット契約をしている場合は例外です。
この場合、テレビ用のケーブル(同軸ケーブル)を使ってインターネット信号を送受信するため、ルーター(モデム)はテレビ線と繋がっています。
しかし、ここが重要なポイントです。

なぜテレビの近く・裏に置くとWi-Fiが遅くなるのか?
回線の種類に関わらず、「Wi-Fiルーター本体をテレビのそば(特に裏側)に置くこと」は推奨されません。
それには、電波の性質に関わる3つの明確な理由があります。
1. テレビは巨大な電波遮断壁になる
Wi-Fiの電波は、障害物にぶつかると弱くなる性質があります。その中でも特に相性が悪いのが「金属」です。
テレビ(特に大型液晶や有機EL)の内部には、基盤やパネル背面のシールドなど、大量の金属部品が含まれています。
ルーターから見て、テレビは「巨大な金属の壁」そのものです。テレビの裏にルーターを隠すと、画面前方への電波が物理的にブロックされ、リビング全体に電波が届かなくなります。
2. 電子機器のノイズが干渉する
テレビやレコーダー、ゲーム機などの電子機器は、稼働中に微弱な電磁波ノイズを出しています。
Wi-Fiルーターをこれらに密着させると、ノイズの影響を受けて通信エラーが発生しやすくなります。これが「動画が急に止まる」「ラグが発生する」原因の一つです。
3. 熱によるパフォーマンス低下
テレビもルーターも、使用中は熱を持つ家電です。
特にテレビの裏側は熱がこもりやすいデッドスペースです。ここにルーターを閉じ込めると、お互いの熱で高温になり、ルーターの保護機能が働いて速度が制限されたり、熱暴走(フリーズ)を起こして接続が切れたりするリスクが高まります。
速度改善!Wi-Fiルーターの最適な置き場所5選
では、具体的にどこに置けばよいのでしょうか。
以下の5つの条件を意識して場所を変えるだけで、高価なルーターに買い替えなくても速度が劇的に改善する可能性があります。
① テレビから最低30cm〜1m離す
もしテレビ周辺にしか置けない場合でも、テレビの裏に隠すのだけはやめましょう。
テレビの横に出し、できれば30cm〜1m以上距離を離してください。これだけでノイズや遮蔽の影響は大きく軽減されます。
② 床から1〜2mの高さに置く
Wi-Fiルーターを床に直置きするのはNGです。
床材(フローリング等)に電波が反射・吸収されるうえ、家具の陰になりやすいためです。
見通しの良い棚の上(高さ1m〜2m)に置くのがベストです。高い位置からシャワーのように電波を降らせるイメージで設置しましょう。
③ 家の中心に置く
Wi-Fiの電波はルーターを中心に同心円状(球体状)に広がります。
家の隅に置くと、電波の半分は家の外に逃げてしまいます。できるだけ家の中心(リビングや廊下の中央付近)に設置することで、すべての部屋に均等に電波を届けることができます。
④ 水回りや水槽の近くを避ける
金属だけでなく、「水」もWi-Fi電波の天敵です。
水槽、花瓶、ウォーターサーバー、キッチンの近くなどは電波が吸収されて弱くなってしまうため、避けてください。
⑤ Fire TV Stick等は延長ケーブルを使う
テレビのHDMI端子に直接挿すタイプのストリーミング端末(Fire TV StickやChromecastなど)を使用している場合、端末自体がテレビの裏側に隠れてしまい、Wi-Fiを受信しづらくなっているケースがあります。
この場合は、ルーターの位置を変えるだけでなく、ストリーミング端末に付属している「HDMI延長ケーブル」を使って、端末本体をテレビの裏から少しはみ出させるようにすると受信感度が向上します。
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テレビ線付近にしかLANポートがない場合の対処法
「理屈はわかったけど、部屋の構造上、どうしてもテレビの近くにしかLANコンセントがない…」
そんな場合でも諦める必要はありません。以下の3つの方法で解決できます。
長いLANケーブルで物理的に離す
最も確実でコストがかからない方法です。
3m〜5m程度の長いLANケーブルを購入し、ルーター本体だけをテレビから離れた棚の上などに移動させましょう。
「配線が見えるのが嫌だ」という場合は、壁紙の色に合わせた「配線モール」を使えば、見た目もスッキリ隠せます。
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メッシュWi-Fiを導入する
配線を這わせたくない方や、広い家にお住まいの方におすすめなのが「メッシュWi-Fi」です。
親機をテレビの近くに置かざるを得ない場合でも、別の場所に「サテライト(子機)」を設置することで、そこから強い電波を出し直すことができます。
テレビの干渉を受けて弱まった電波エリアを、子機がカバーしてくれるため、家中どこでも快適になります。
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中継機で電波を迂回させる
メッシュWi-Fiよりも安価に対策したい場合は、「Wi-Fi中継機」も有効です。
テレビの裏にある親機から、廊下や別の部屋のコンセントに挿した中継機へ電波をバトンタッチさせることで、テレビの遮蔽エリアを回避して電波を遠くまで届けることができます。
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よくある質問(Q&A)
Wi-Fiルーターの設置に関して、よくある質問をまとめました。
アンテナ内蔵型の場合、一般的に「縦置き」を想定して設計されています。横に寝かせたり、逆さまに置いたりすると電波の飛び方が変わってしまうため、製品のロゴが正しく読める向き(縦置きスタンドがあるなら使用する)で設置するのが基本です。
インテリアの邪魔になるから隠したい場合は、市販の「ルーター収納ボックス」を活用しましょう。ただし、金属製の箱はNGです。木製やプラスチック製で、かつ放熱用のスリット(隙間)が空いているものを選んでください。
テレビの近くに置かざるを得ない場合、基本的には「5GHz帯(〇〇-a/ax)」に接続することをおすすめします。2.4GHz帯は電子レンジやBluetoothと干渉しやすいためです。ただし、5GHzは障害物(テレビ本体)に弱いため、ルーターをテレビの裏から出すことが大前提です。
まとめ:ルーターを解放して快適なネット生活を
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 光回線なら、テレビ線とWi-Fiルーターは無関係。
- CATV回線でも、ルーター本体はテレビから離して設置すべき。
- テレビは「金属の壁」であり、裏に置くと電波が遮断される。
- 最適な場所は「見通しの良い高い場所(棚の上など)」。
- 場所が変えられないなら、長いLANケーブルや中継機を活用する。
「ルーターなんてどこに置いても同じでしょ?」というのは大きな間違いです。
Wi-Fiルーターをテレビの裏という過酷な環境から「解放」してあげるだけで、動画の読み込み速度やダウンロード時間が劇的に改善することは珍しくありません。
ぜひ今すぐ、ご自宅のルーターの場所をチェックして、最適な位置へ移動させてみてくださいね。


