「朝、急いでパソコンを開いたらPINコードが入力できない…」
「キーボードを叩いても数字が反応しない、入力欄が出てこない…」
仕事や作業を始めたいのにログイン画面で足止めされるのは、本当にストレスですよね。実は、このトラブルの9割は「キーボード設定の誤操作」か「システムの一時的な不具合」であり、修理に出さなくても自宅ですぐに直せることがほとんどです。
この記事では、Windows 11/10でPINが入力できない原因を網羅的に解説し、初心者の方でも今すぐ試せる8つの解決策を手順通りに紹介します。この記事を読めば、焦らずスムーズにパソコンを使える状態に戻れますよ。
パソコンでPIN入力できない主な原因と症状
一口に「入力できない」といっても、状況によって原因が異なります。ご自身の状況がどれに当てはまるか確認してみてください。
| 症状 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| 数字キーを押しても反応しない | NumLockが無効、キーボードの故障 |
| 入力欄が表示されない | システム読み込みエラー、更新プログラムの影響 |
| 「問題が発生しました」と出る | PINデータ(Ngcフォルダ)の破損、セキュリティ機能の誤作動 |

初級編:まずはここを確認!NumLockと入力設定
物理的な故障を疑う前に、まずはキーボードの設定を確認しましょう。
NumLockキーの状態をチェックする
テンキー(右側の数字キー)で入力できない場合、NumLock(ナムロック)が無効になっている可能性が非常に高いです。
- キーボード上の「NumLock」または「NumLk」キーを探す。
- 一度押して、キーボード上のランプ(LED)が点灯するか確認する。
- 再度PINを入力してみる。
※ノートパソコンの一部機種では、「Fn」キーを押しながら「NumLock」を押す必要があります。
スクリーンキーボードで応急処置
物理キーボードがどうしても反応しない場合、画面上のキーボードを使えばログインできる可能性が高いです。
- ログイン画面の右下にある「アクセシビリティ(人の形などのアイコン)」をクリック。
- メニューから「スクリーンキーボード」をオンにする。
- 画面に出てきたキーボードをマウスでクリックして数字を入力する。

中級編:システムの一時的な不具合を解消
キーボード設定に問題がない場合は、Windowsシステムが一時的に不安定になっている可能性があります。
完全シャットダウンを実行する
通常のシャットダウンではシステム情報が一部保持されるため、不具合もそのまま残ることがあります。一度システムを完全にリセットしましょう。
- ログイン画面右下の電源アイコンをクリック。
- キーボードの「Shift」キーを押しっぱなしにした状態で「シャットダウン」をクリック。
- 電源が落ちたら数秒待ち、再度電源を入れる。
放電措置で帯電を解消する
パソコン内部に電気が溜まると、キー入力やUSB機器の動作がおかしくなります。
- パソコンの電源を落とし、電源ケーブル、USB機器すべてを抜く。
- ノートPCでバッテリーが外せる場合は外す。
- その状態で5分~10分放置してから、電源ケーブルとキーボードのみ接続して起動する。
高速スタートアップを無効にする
Windowsの「高速スタートアップ」機能は起動を速くする反面、デバイス認識のトラブルを起こしやすい機能です。もしログインできた場合は、再発防止のために無効化しておきましょう。
- コントロールパネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプション を開く。
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック。
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外して保存。
上級編:エラーが出る・入力欄がない場合の対処
「問題が発生しました」「コード:0xd0000…」などのエラーが出る、あるいは入力欄自体が表示されない深刻なケースへの対処法です。
サインインオプションでパスワード入力に切り替え
PIN機能自体が壊れている場合でも、従来のパスワードなら入れることがあります。
- PIN入力欄の下にある「サインイン オプション」という文字をクリック。
- 「鍵のマーク」を選択する。(数字の並んだマークはPINです)
- Microsoftアカウント、またはローカルアカウントのパスワードを入力する。

セーフモードで起動してPINを再設定
通常起動でどうしても操作を受け付けない場合、最小限の機能でパソコンを起動する「セーフモード」を試します。
- ログイン画面で「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリック。
- 「オプションの選択」画面が出たら、「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「スタートアップ設定」>「再起動」の順に進む。
- 再起動後、キーボードの「4」または「F4」キーを押してセーフモードで起動。
- セーフモードで起動できたら、PINの削除や再設定を試みる。
最終手段:Ngcフォルダ(PIN情報)をリセット
PIN情報が保存されている「Ngcフォルダ」が破損していると、何をしてもエラーになります。このフォルダの中身を削除することでPIN情報を強制リセットできます。※これはログインできた後、またはセーフモードで行う操作です。
場所:
C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Local\Microsoft\Ngc
このフォルダ内の全てのファイルを削除し、再起動後にPINを新規作成します。管理者権限が必要です。
よくある質問(Q&A)
Windows Update直後は、セキュリティプログラムの更新によりPIN機能が一時的にブロックされることがあります。まずは「完全シャットダウン」を試し、それでもダメなら数時間待つか、更新プログラムのアンインストール(回復オプションから可能)を検討してください。
インターネットに接続されていない可能性があります。Wi-Fiアイコンを確認し、接続できているか見てください。ネット環境がないと、Microsoftアカウントの本人確認が行えません。
USBポート側の故障や、マザーボードの不具合の可能性があります。別のUSBポートに挿してみるか、Bluetooth接続のキーボードなど、異なる接続方式を試してみてください。
まとめ:焦らずパスワードでログインしPINを再設定しよう
パソコンのPINが入力できないトラブルは、多くの人が経験する「あるある」ですが、対処法を知っていれば怖くありません。
- まずはNumLockとスクリーンキーボードを試す。
- 次に完全シャットダウンと放電を行う。
- ダメならサインインオプションでパスワード入力に切り替える。
- ログイン後にPINの削除・再設定を行えば完全解決。
もし、キーボードの反応が悪い状態が続くようであれば、経年劣化による寿命かもしれません。作業効率を落とさないためにも、この機会に新しい入力デバイスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
快適なパソコン環境を取り戻し、今日の作業をスムーズに進めましょう。


