「30A(アンペア)と40A、どちらを契約すればいいのかわからない」「賃貸マンションに引っ越す際、電力会社やガス会社は自由に選べるの?」
毎日使う電気やガスだからこそ、仕組みをよく理解せずに契約してしまうと、毎月無駄な基本料金を払い続けたり、頻繁にブレーカーが落ちてストレスを感じたりする原因になります。
この記事では、アンペア数の違いによる料金目安や、賃貸物件で「指定」がある場合の対処法、さらにガス会社とのセット契約について徹底解説します。
この記事を読めば、あなたのライフスタイルに最適な契約内容が見つかり、光熱費の節約につなげることができるでしょう。
電力会社の30Aと40Aの違い
電力会社の契約プランでよく目にする「30A」や「40A」という数字。
これは「一度に使える電気の量」を表しており、数字が大きくなるほど多くの家電を同時に使えますが、基本料金も高くなります。
それぞれの具体的な違いを見ていきましょう。
基本料金の差と計算方法
アンペア制を採用している電力会社(北海道・東北・東京・中部・北陸・九州エリアなど)では、契約アンペア数に応じて基本料金が設定されています。
一般的な目安として、10A上がるごとに基本料金は約300円アップします。
| 契約アンペア | 基本料金目安(月額) | 年間コスト |
|---|---|---|
| 30A | 約900円 | 約10,800円 |
| 40A | 約1,200円 | 約14,400円 |
※東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」等の標準的な価格設定を参考にした概算です。
つまり、40Aから30Aへ契約を変更するだけで、年間約3,600円の固定費削減になります。
ただし、無理に下げすぎると生活に支障が出るため注意が必要です。

使える家電の量とブレーカーの色
では、具体的にどれくらいの家電が使えるのでしょうか。
電圧を100Vとした場合、30Aなら合計3,000W(ワット)、40Aなら合計4,000Wまで同時に使えます。
主な家電の消費電力(目安)
- ドライヤー:1,200W(12A)
- 電子レンジ:1,500W(15A)
- IHクッキングヒーター:2,000W〜3,000W(20A〜30A)
- エアコン(冷房):600W〜(6A〜)
- ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時):1,000W〜(10A〜)
30A契約の場合
電子レンジ(15A)+ドライヤー(12A)=27A
これだけで容量の9割を使ってしまいます。ここに照明、冷蔵庫、テレビなどの電力が加わると、ブレーカーが落ちる可能性が高いです。
現在の契約の確認方法
ご自宅の分電盤(ブレーカー)に取り付けられている「アンペアブレーカー」の色で契約容量を確認できる場合があります。(※電力会社により色は異なりますが、東京電力エリアの例は以下の通りです)
- 30A:緑色
- 40A:紫色
- 50A:赤色
- 60A:茶色
※スマートメーター設置済みの住宅では、アンペアブレーカーが設置されていない場合もあります。その場合は検針票やWeb明細で確認しましょう。
アンペア制ではない地域
関西・中国・四国・沖縄電力エリアなどは、「アンペア制」ではなく「最低料金制」を採用しています。
これらの地域では、契約アンペア数を自分で決める必要はなく、使った量に応じて料金が決まります。
(※ただし、近年登場した新電力会社の中には、全国一律でアンペア制のような基本料金設定をしている場合もあるため、プラン内容の確認は必須です)
賃貸で電力会社に指定がある場合
「賃貸アパートだから電力会社は変えられない」と思っていませんか?
引っ越しや固定費見直しの際、最も多い誤解の一つです。
自由に選べるケースと選べないケース
結論から言うと、ほとんどの賃貸物件で、入居者は自由に電力会社を選べます。
しかし、以下の例外(選べないケース)が存在します。
- 高圧一括受電契約(マンション一括受電)
マンション全体で一つの大きな契約を結び、各部屋に変圧して送電している物件です。管理費などに電気代が含まれていたり、特定の会社から請求が来たりします。この場合、個別に変更はできません。 - 大家さん指定のプラン込みの契約
シェアハウスや家具家電付き物件などで、家賃に光熱費が含まれている場合などです。
指定の有無を確認する方法
これから引っ越す物件、あるいは現在の物件で電力会社を変更できるか確認するには、以下の方法が確実です。
- 重要事項説明書・賃貸契約書を見る
「電力会社は指定とする」「一括受電」などの記載がなければ自由です。 - 検針票やメーターを確認する
各部屋に個別の電力メーターがあり、電力会社から自分名義で請求書が届いていれば変更可能です。

電力会社とガス会社の違いとセット割
2016年の電力自由化、2017年のガス自由化により、電力会社とガス会社の垣根はなくなり、どちらも「エネルギーを販売する会社」になりました。
インフラの質は変わらない
「安い電力会社やガス会社に変えると、停電しやすくなったりガスの火が弱くなったりしない?」
このような心配をされる方もいますが、その心配は無用です。
どの会社と契約しても、実際に電気を送る電線や、ガスを送る導管は、地域の既存インフラをそのまま使用するからです。
変わるのは「窓口」と「料金プラン」だけです。
電気・ガスのセット契約のメリット
多くの会社が「電気・ガスセット割」を提供しています。
- 光熱費の管理が楽になる:請求が一本化され、家計簿がつけやすくなります。
- セット割引がある:月額100円〜300円程度の割引や、ポイント還元率アップなどの特典があります。
- 契約の手間が省ける:引っ越しの際、ライフラインの申し込みが一回で済みます。
ただし、プロパンガス(LPガス)エリアの場合、セット契約できる会社が限られる点には注意が必要です。
また、解約時に「セット契約解除の違約金」が発生するプランもあるため、契約期間の縛りがないか事前にチェックしましょう。
自分に合った電力会社を選ぶコツ
最後に、失敗しない電力会社の選び方をまとめます。
以下の3つのステップで検討してみてください。
1. 現在のアンペア数と使用量を確認
検針票やWeb明細を見て、毎月の使用量(kWh)と契約アンペア数を把握します。
もし「頻繁にブレーカーが落ちる」なら、今のアンペア数では足りていません。
2. ライフスタイルで判断
- 一人暮らし・日中不在:基本料金が0円のプランや、使用量が少ない段階の単価が安いプラン。
- ファミリー・ペットあり:基本料金がかかっても、使用量が多い段階(300kWh〜)の単価が安いプラン。または定額プラン。
- オール電化:夜間の単価が安いオール電化専用プラン(※新電力では取り扱いが少ないため注意)。
3. ポイント圏で選ぶ
楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントなど、自分がよく貯めているポイントと連携している会社を選ぶと、実質的な節約効果が高まります。
よくある質問(Q&A)
電力会社の変更やアンペア数に関する、よくある疑問をまとめました。
A. 多くの場合は「スマートメーター」への交換のみで、大規模な工事は不要です。立会いも不要なケースがほとんどです。ただし、60Aなど大きな容量にする場合は、配線工事が必要になることがあります。その際は管理会社や大家さんの許可が必須となります。
A. 基本的に初期費用や切替手数料は無料です。元の電力会社の解約手続きも、新しく契約する会社が代行してくれるため、申し込み一つで完了します。ただし、現在契約中のプランに「年契約」などの縛りがある場合は、違約金が発生することがあるので確認しましょう。
A. 一般的には不要です。次の入居者が新たに契約をするだけなので、退去日に合わせて解約(停止)手続きをすれば問題ありません。ただし、アンペア数を変更した場合は、退去時に元のアンペア数に戻すよう求められる物件も稀にあるため、契約書を確認しておくと安心です。
まとめ:知識をつけて賢く固定費を削減しよう
今回は、電力会社の30A・40Aの違いや、賃貸での契約ルール、ガス会社との関係について解説しました。
改めて記事の要点を整理します。
- 30Aと40Aの違い:基本料金で月額約300円の差がある。2人以上やIH利用なら40A以上が推奨。
- 賃貸の指定:「高圧一括受電」以外は、基本的に入居者が自由に選べる権利がある。
- 選び方のポイント:使用量(kWh)と生活スタイルに合わせて、セット割やポイント還元も活用する。
電力会社の見直しは、一度手続きをしてしまえば、その後はずっと節約効果が続く「効果の高い節約術」です。
「今のプランが高い気がする」「ポイントをもっと貯めたい」と感じた方は、ぜひこの機会に人気の電力会社をチェックし、シミュレーションだけでも試してみてはいかがでしょうか。
手続きはスマホ一つで5分程度で終わるものがほとんどです。明日からの電気代を、賢く安くしていきましょう。

