「Web会議の時間なのに、パソコンから音が出ない」「イヤホンを挿したのにスピーカーから音が流れてしまう」
こんなトラブルに直面していませんか?パソコンの設定は複雑に見えますが、実は「認識しない」原因の9割は単純な設定ミスや接触不良です。
この記事では、「パソコンがイヤホンを認識しない!」という悩みを解決する具体的な手順を網羅的に解説します。
基本の確認から、意外と知られていない設定の落とし穴まで順番に試すだけで、すぐに元の快適な環境を取り戻せますよ。
まずは再起動と物理接続
パソコン内部の設定を触る前に、まずは「物理的な原因」と「一時的なエラー」を疑いましょう。ここを見直すだけで解決するケースが大半です。
パソコンの再起動
長時間スリープ運用をしていると、システムが不安定になり、デバイスの認識に失敗することがあります。まずは作業中のファイルを保存し、パソコンを完全に再起動してください。これだけでドライバーが正常に読み込まれ、音が聞こえるようになることが多いです。
ジャックの清掃と再接続
イヤホンジャックの中にホコリが溜まっていると、接触不良を起こして認識されません。以下の手順で確認しましょう。
- エアダスターや乾いた綿棒でジャック内のホコリを取り除く
- プラグを一度抜き、少し強めに「カチッ」と音がするまで奥まで挿し込む
- USB接続の場合は、別のUSBポートに差し替えてみる

出力デバイスの設定確認
物理的に繋がっていても、パソコン側で「どこから音を出すか」の指定が間違っていると音は聞こえません。
スピーカーを選択する
Windowsの画面右下にある設定を確認します。
- タスクバー右下の「スピーカーアイコン」をクリックする
- 音量バーの右横にある矢印(または現在のデバイス名)をクリックする
- リストから接続したイヤホン(例:Headphones、Realtek Audioなど)を選択する
ここにイヤホンの名前が出てこない場合は、パソコンがデバイス自体を見失っています。次のステップへ進んでください。
無効なデバイスを表示
Windowsのアップデートなどがきっかけで、イヤホン設定が勝手に「無効(使わない設定)」に切り替わっていることがあります。
サウンドの詳細設定
通常の設定画面には表示されない「隠れたデバイス」を探し出します。
- 「スタート」を右クリックし、「設定」を開く
- 「システム」>「サウンド」へ進む
- 「サウンドの詳細設定」または「サウンドコントロールパネル」をクリックする
無効化を解除する
開いたウィンドウの「再生」タブで操作します。
- デバイス一覧の何もない白い部分を右クリックする
- 「無効なデバイスの表示」「切断されているデバイスの表示」の両方にチェックを入れる
- グレーアウトしたイヤホンアイコンが現れたら、右クリックして「有効」にする
ポップアップと専用ソフト
Dell、HP、ASUSなどのメーカー製パソコンや、自作PCでよくある原因がこれです。「Realtek Audio Console」などの専用ソフトが邪魔をしている場合があります。
ダイアログの確認
イヤホンをジャックに挿した瞬間、画面の右下や中央に「どのデバイスを接続しましたか?」というポップアップ画面が出ることがあります。
この画面で「ヘッドフォン」や「ヘッドセット」を選択してOKを押さないと、音が出ない仕様になっているパソコンが多いです。通知を無視して閉じてしまっていないか確認し、一度抜き差しして画面が出るか試してください。
Bluetoothのペアリング
ワイヤレスイヤホンの場合、有線とは違ったアプローチが必要です。
接続を一度削除する
「接続済み」と表示されていても、内部でエラーが起きていることがあります。
- 「設定」>「Bluetoothとデバイス」を開く
- 対象のイヤホンの右側にある「…」をクリックし、「デバイスの削除」を行う
- イヤホンをペアリングモードにし、再度「デバイスの追加」から接続し直す
また、同時に複数のBluetooth機器(マウス、キーボード、スピーカーなど)を接続していると電波干渉を起こすことがあるため、不要な機器の電源を切ってみてください。
ドライバーの更新と削除
ここまでの設定で直らない場合、音を制御するプログラム(ドライバー)の不具合が疑われます。
デバイスマネージャー
ドライバーの更新よりも、「一度削除して再起動」するほうが確実に直るケースが多いです。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を開く
- 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の左の矢印を押して展開する
- 「Realtek High Definition Audio」などのデバイス名を右クリックする
- 「デバイスのアンインストール」を選択する(※ドライバーソフトウェアを削除するチェックは入れない)
- パソコンを再起動する
再起動すると、Windowsが自動的に正常なドライバーを再インストールしてくれます。
プライバシー設定の穴
意外と見落としがちなのが、マイクのプライバシー設定です。「マイク付きイヤホン」を使用している場合、マイクへのアクセスが許可されていないと、イヤホン全体の機能が制限されることがあります。
アプリの許可を確認
以下の手順で設定を見直しましょう。
- 「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「マイク」を開く
- 「マイクへのアクセス」がオンになっているか確認する
- 「アプリがマイクにアクセスできるようにする」もオンにする
故障の切り分けと対応
あらゆる設定を試しても認識しない場合は、ハードウェアの故障を疑う必要があります。
他の機器でテストする
問題のイヤホンをスマートフォンや別のパソコンに接続してみてください。
| テスト結果 | 原因の所在 | 推奨される対応 |
|---|---|---|
| 他の機器でも聞こえない | イヤホンの故障 | 断線などの寿命。買い替えを推奨 |
| 他の機器なら聞こえる | PC側の故障 | PCの端子故障。USB変換アダプタの使用などで代用 |

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よくある質問(Q&A)
最後に、読者の皆さんが疑問に思いやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
A. ZoomやTeamsなどのアプリ内設定を確認してください。Windowsの設定とは別に、アプリ側で「マイクの入力デバイス」を選択する必要があります。また、イヤホンケーブルにミュートスイッチが付いていないかも確認しましょう。
A. Windowsには音質を良くするための機能がありますが、これが逆に不具合の原因になることがあります。「サウンドの設定」>イヤホンのプロパティから「オーディオの強化」をオフにすることで改善する場合があります。
A. 接触不良の可能性が高いですが、「設定」>「アクセシビリティ」>「オーディオ」の中にある「モノラルオーディオ」がオンになっていないか、または左右のバランス設定が偏っていないかも確認してみてください。
まとめ:焦らず一つずつ確認を
パソコンがイヤホンを認識しないトラブルについて、解決策を解説しました。
記事の要点を振り返ります。
- 再起動とジャックの清掃・奥までの差し込みを徹底する
- 出力先としてイヤホンが選択されているか確認する
- 「無効なデバイス」を表示させ、有効化する
- メーカー専用のポップアップ画面を見逃さない
- ドライバーの再インストールやプライバシー設定を見直す
音が出ないトラブルは焦ってしまいますが、順番に対処すれば必ず原因が見つかります。もしイヤホン自体の故障であれば、新しいモデルへの買い替えで、より良い音質環境を手に入れるチャンスかもしれません。
ぜひこの記事の手順を試し、快適なPCライフを取り戻してくださいね。


