「電池を変えたのに、テレビのリモコンが全く反応しない」
「電源ボタンを押しても、画面が真っ暗なまま…」
突然テレビが動かなくなると故障を疑いますが、実はその原因、リモコンではなくテレビ側(本体)の一時的なエラーであるケースが非常に多いです。
この記事では、不具合の原因が「テレビ側」か「リモコン側」かを30秒で判定する方法と、修理に出す前に試すべき5つの復旧手順を解説します。
手順通りに試すだけで、無駄な出費を抑えて解決できる可能性が高いです。まずは焦らずチェックしてみましょう。
※2025年11月20日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
まずは原因特定!スマホで赤外線チェック
対処法を試す前に、まずは「リモコンが壊れているのか」、それとも「テレビ側が信号を受け取れていないのか」をはっきりさせましょう。
特別な道具は不要です。お手持ちのスマートフォンを使えばすぐに判別できます。
スマホカメラで信号を見る手順
リモコンは目に見えない「赤外線」で信号を送っています。肉眼では見えませんが、スマホのカメラを通すと光として確認できます。
- スマホのカメラアプリを起動する
- リモコンの送信部(先端)をカメラに向ける
- リモコンのボタンを押し、スマホ画面で光るか確認する
【判定結果】
- 光が見える場合:
リモコンは正常に信号を出しています。原因は「テレビ側」にあります。 - 光が見えない場合:
リモコンの電池切れ、またはリモコン自体の故障です。電池交換か買い替えが必要です。

テレビ側が原因の時の5つの対処法
「リモコンは光っているのにテレビが動かない」
この場合、テレビ本体の受光部(じゅこうぶ)やシステムに問題が起きています。修理を呼ぶ前に、以下の5ステップを順番に試してください。
1.受光部周辺の汚れを拭き取る
テレビの「受光部」は、リモコン信号の入り口です。多くの機種では、メーカーロゴの周辺や画面の下端にあります。
ここにホコリが積もっていたり、手垢や油膜が付着していたりすると、信号を遮断してしまいます。柔らかい布(メガネ拭きなど)で、受光部を優しく掃除してみましょう。
2.受光部前の障害物をどかす
意外と多いのが、テレビの前に置いた物が信号の邪魔をしているケースです。
- サウンドバーやスピーカー
- ゲーム機やルーター
- 観葉植物やインテリア雑貨
最近のテレビは枠が薄く、受光部が非常に低い位置についています。「これくらいなら大丈夫」と思うような小物でも、赤外線の通り道を塞いでいることがあります。
一度テレビの前を空っぽの状態にして、操作できるか確認してください。
3.コンセントを抜き完全放電する
テレビもパソコンやスマホと同じ精密機器です。長時間通電していると内部システムがフリーズし、リモコン信号を受け付けなくなることがあります。
この場合、リモコンや本体の電源ボタンではなく、強制的な「再起動(放電)」が最も効果的です。
- テレビの電源を切る
- 電源プラグをコンセントから抜く
- 約2分〜5分間、そのまま待つ
- 再度コンセントを差し込み、電源を入れる
コンセントを抜いて時間を置くことで、内部に溜まった不要な電気が放電され、システムエラーがリセットされます。
4.部屋の環境(照明・日光)を見直す
「昼間だけ効きが悪い」「電気をつけると反応しない」という場合は、光の干渉が疑われます。
- 直射日光:西日などが受光部に当たっていないか
- 照明器具:インバーター式蛍光灯やLEDの光が強すぎないか
強い光は赤外線信号を妨害します。カーテンを閉めたり、照明の向きを変えたりして、反応が変わるか試してみましょう。
5.全ケーブルを抜きHDMI干渉を防ぐ
テレビにレコーダーやゲーム機を接続している場合、それらの機器の信号が干渉し、テレビの操作をロックしてしまうことがあります(HDMI連動機能の誤作動など)。
一度、テレビに繋がっている電源以外のすべてのケーブル(HDMI、USBなど)を抜いてみてください。
この状態でリモコンが効くなら、テレビではなく周辺機器側に原因があります。
見落としがちなリモコンモードのズレ
「リモコンもテレビも壊れていないのに反応しない」という珍しいケースとして、「リモコンモード(操作番号)」の設定ズレがあります。
番号設定が合っていない可能性
ソニー、パナソニック、東芝などのリモコンには、複数のテレビを操作し分けるために「モード1」「モード2」といった番号設定があります。
電池交換のタイミングや、子供が触った拍子にこの設定が変わってしまうと、信号を送ってもテレビ側が「自分宛ての信号ではない」と無視してしまいます。
各メーカーの取扱説明書を確認し、リモコンモードの設定を「1」などの標準に戻して試してみてください。

修理が必要なケースと買い替え判断
これまでの方法をすべて試しても改善しない場合、テレビ本体の受光部センサーや基板の故障である可能性が高いです。
受光部交換の修理費用目安
受光部の修理・交換は、出張費や技術料を含めて約15,000円〜30,000円程度が相場となります。
メーカーの保証期間内であれば無償ですが、保証切れの場合は高額になることもあるため注意が必要です。
(参照:一般財団法人 家電製品協会)
寿命なら買い替えがお得な場合も
テレビの平均寿命は7年〜10年と言われています。
もしお使いのテレビが購入から7年以上経過している場合、受光部を直しても液晶や電源基板など他の部品がすぐに壊れるリスクがあります。
修理代に数万円かけるより、最新の機能がついた新品に買い替えた方が、結果的に安く済むことも多いです。一度、最新モデルの価格をチェックして比較してみましょう。
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よくある質問(Q&A)
多くのテレビメーカー(ソニー、パナソニック、シャープ、東芝など)が、スマートフォン用の「リモコンアプリ」を無料で提供しています。テレビとスマホが同じWi-Fi環境にあれば、受光部が壊れていてもWi-Fi経由で操作可能です。App StoreやGoogle Playで「メーカー名 リモコン」と検索してみてください。
はい、代用可能です。家電量販店で1,000円〜2,000円程度で購入できる汎用リモコンは、主要メーカーの信号を記憶しています。ただし、音声入力やネット動画ボタンなど、純正独自の機能は使えない場合があるため注意が必要です。
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まとめ
テレビのリモコンが反応しない原因は、必ずしも故障とは限りません。特に「テレビ側」の一時的なエラーや環境要因は見落としがちです。
最後に、復旧のための重要ポイントを振り返りましょう。
- まずはスマホカメラでリモコンの赤外線発光を確認する
- 受光部の掃除と、前の障害物撤去を行う
- コンセントを抜いて5分待つ「完全放電」を試す
- リモコンモード(番号設定)がズレていないか確認する
これらの手順を踏むことで、修理に出さずに解決できるケースは多々あります。
もし寿命による故障だったとしても、新しいテレビを選ぶ良い機会と捉え、ライフスタイルに合った最適な一台を見つけてくださいね。


