「パソコンの電源は入るのに、モニターが映らない…」
「HDMIで繋いだら、『NO SIGNAL』や『信号なし』と表示されて真っ暗なまま…」
「昨日まで普通に使えていたのに、どうして急に?」
パソコンを使って作業をしようとした瞬間、こんなトラブルに見舞われると、本当に焦りますよね。大切なデータが消えてしまったのではないか、パソコンが壊れてしまったのではないかと、不安な気持ちでいっぱいになるかもしれません。
でも、安心してください。パソコンのモニターがHDMI接続で映らない「ノーシグナル」問題は、意外と簡単な原因で発生していることが多く、専門知識がなくてもご自身で解決できる可能性が高いのです。
この記事では、パソコンの画面がつかないトラブルの原因と対処法を、初心者の方でも分かりやすいように、基本のチェックから専門的な対処法まで、網羅的に徹底解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたのパソコンモニターが映らない原因を特定し、ご自身の力で解決へと導くことができるでしょう。さあ、一緒にトラブルを解決していきましょう!
まず試して!パソコン画面がつかない電源は入る時の5つの基本チェック
パソコンの画面はつかないけど、本体の電源ランプは点いている…。そんな時、いきなり難しい対処法を試す必要はありません。まずは、誰でも簡単にできる5つの基本チェックから始めましょう。うっかりミスが原因であることも非常に多いので、一つひとつ丁寧にご確認ください。
1. モニターとパソコン本体の電源を再確認する
「そんな初歩的なこと…」と思われるかもしれませんが、これが最も多い原因の一つです。思い込みを捨てて、もう一度確認してみましょう。
- モニターの電源ランプ:点灯していますか?多くのモニターは、電源ONの時は「青」や「白」、スタンバイ(スリープ)状態の時は「オレンジ」に点灯します。ランプが消えている場合は、モニターの電源ボタンを押してみてください。
- パソコン本体の電源ランプ:点灯していますか?ファンの回る音は聞こえますか?こちらも併せて確認しましょう。
- 電源ケーブル:モニター側とコンセント側、両方の電源ケーブルがしっかり奥まで刺さっているか確認します。特にモニターの裏側は緩みやすいので、一度抜いてから強く挿し直してみてください。
- テーブルタップ(タコ足配線):スイッチ付きのタップの場合、スイッチがOFFになっていませんか?また、タコ足配線は電圧が不安定になることがあるため、一度壁のコンセントに直接挿して試すことをおすすめします。

2. HDMIケーブルの接続を再確認する
電源の次に確認すべきは、映像信号を送るHDMIケーブルです。これも緩みや接触不良が原因で「ノーシグナル」と表示される典型的なパターンです。
- パソコン側とモニター側の両方のHDMIケーブルを一度引き抜き、カチッと音がするまで、あるいは奥までしっかりと挿し直してください。
- 端子部分にホコリが溜まっている場合は、息を吹きかけたり、乾いた布で優しく拭き取ったりしてから接続しましょう。
- HDMI以外のケーブル(DisplayPortやVGAなど)が同じモニターに接続されている場合は、一度HDMIケーブル以外をすべて抜いてみてください。
3. モニターの「入力切替」設定を確認する
「ノーシグナル」と表示される原因として、モニター側が正しい入力端子を選択できていないケースも非常に多いです。
最近のモニターには、HDMI端子が複数あったり、DisplayPortやUSB-Cなど、さまざまな入力端子が備わっています。モニターは「今、どの端子から来た映像を映しますか?」という設定(入力切替)が必要なのです。
多くのモニターは自動で認識してくれますが、何らかの拍子で設定が変わってしまうことがあります。モニター本体の側面や下部にあるボタン(「INPUT」「SOURCE」「入力切替」などと書かれていることが多い)を押して、メニュー画面からご自身が接続しているHDMIポート(HDMI 1, HDMI 2など)を正しく選択してください。
4. パソコンの省電力モード(スリープ)を解除する
パソコンの電源は入っているように見えても、実は省電力モードである「スリープ状態」になっているだけかもしれません。この状態では、画面への出力が停止しているためモニターは映りません。
以下の方法でスリープ状態から復帰するか試してみてください。
- マウスを動かす、またはクリックする
- キーボードの任意のキーを押す([Shift]キーや[Enter]キーがおすすめです)
- 電源ボタンを短く1回押す(長押しは強制終了になるので注意!)
5. パソコンとモニターを再起動する
一時的なシステムエラーやソフトウェアの不具合が原因で、画面が映らなくなっている可能性もあります。そんな時は、基本にして最強の対処法「再起動」を試しましょう。
正しい手順は以下の通りです。
- パソコンの電源ボタンを長押しして、完全に電源を切ります。
- モニターの電源もOFFにします。
- 念のため、パソコンとモニター両方の電源ケーブルをコンセントから抜いて、1分ほど待ちます。
- 先にモニターの電源ケーブルを接続し、電源をONにします。
- 次にパソコンの電源ケーブルを接続し、電源をONにします。
この手順で起動し直すことで、システムがリフレッシュされ、問題が解決することがあります。
なぜ?PCモニターが「信号なし(ノーシグナル)」になる5つの原因
基本的なチェックを試しても改善しない場合、もう少し踏み込んだ原因を探る必要があります。「PCモニター 信号なし なぜ?」と疑問に思う方のために、考えられる主な5つの原因を解説します。原因を理解することで、より的確な対処が可能になります。
原因1:単純な接続・設定ミス
先ほどの基本チェックでも触れましたが、これが最も頻繁に起こる原因です。
- ケーブルの緩み・抜け:物理的に接続されていなければ信号は届きません。
- 入力切替の間違い:モニターが違う方向(入力端子)を向いている状態です。
- パソコン側の出力設定:特にデュアルモニター環境で、出力設定がオフになっている場合があります。
原因2:ケーブルや端子の物理的な故障
毎日使っているケーブルも、実は消耗品です。
- HDMIケーブルの内部断線:ケーブルを強く曲げたり、家具の下敷きになったりすると、内部で線が切れてしまうことがあります。見た目では分からなくても、信号を送れなくなっています。
- 端子の破損・劣化:パソコンやモニター側のHDMIポート(差込口)が、ホコリや錆で劣化したり、ピンが曲がってしまったりして接触不良を起こしている可能性があります。
原因3:パソコン内部の帯電
パソコンは精密な電子機器のため、内部に不要な電気が溜まってしまうこと(帯電)があります。この帯電が原因で、正常な動作が妨げられ、画面が映らなくなるというトラブルを引き起こすことがあります。特に、長時間連続で使用していたり、湿度の高い環境だったりすると帯電しやすくなります。
原因4:ソフトウェアの問題(ドライバーなど)
パソコンを動かしているOS(Windowsなど)や、映像を映すための専門プログラム「ディスプレイドライバー」に問題が発生しているケースです。
- ドライバーの不具合:Windows Updateの後や、新しいソフトウェアをインストールした後に、ドライバーが不安定になり、映像を出力できなくなることがあります。
- OSのシステムエラー:Windowsのシステムファイルが何らかの原因で破損し、起動プロセス中に画面表示ができなくなることがあります。
原因5:ハードウェアの故障
最も深刻なケースが、パソコンやモニター本体の部品(ハードウェア)が故障している場合です。
- モニター本体の故障:バックライト切れや、内部基盤の故障が考えられます。
- グラフィックボード(GPU)の故障:映像を描画する専門パーツであるグラフィックボードが故障すると、パソコンは動いていても映像だけが出力されません。
- マザーボードの故障:パソコンの全部品を繋ぐ基盤であるマザーボードの故障は、様々な不具合を引き起こします。
- メモリの不具合:作業机の役割を果たすメモリの接触不良や故障でも、画面が真っ暗になることがあります。
ディスプレイが突然NoSignalに!PCモニターが急に映らない時の対処法【実践編】
「さっきまで使えていたのに、ディスプレイが突然NoSignalになった」「パソコンモニターが急に映らなくなった」という緊急事態。ここでは、原因の切り分けを行いながら、具体的な解決策をステップ・バイ・ステップで解説していきます。
ステップ1:ケーブルとポートを交換してテストする
まずは、一番疑わしいケーブル周りから原因を特定していきます。
- 別のHDMIケーブルに交換する:もし予備のHDMIケーブルがあれば、それに交換して映るか試してみましょう。これで映れば、元のケーブルが断線していたことが原因だと確定できます。
- 別のHDMIポートに接続する:パソコンやモニターにHDMIポートが複数ある場合、別のポートに挿し替えてみましょう。特定のポートだけが故障している可能性もあります。
- 別のモニターやテレビに接続する:もし可能であれば、パソコンを別のモニターや家庭用のテレビにHDMIで接続してみてください。これで映れば、元のモニター側に問題がある可能性が高まります。
- 別の機器(ゲーム機など)をモニターに接続する:逆に、PS5やNintendo Switchなどのゲーム機を、問題のモニターに接続してみましょう。これで映らなければ、モニター本体かHDMIケーブルの故障が濃厚です。

ステップ2:パソコンの「放電」を試す
パソコン内部に溜まった不要な電気(帯電)が原因の場合、放電作業を行うことで劇的に改善することがあります。手順は簡単なので、ぜひ試してみてください。
デスクトップパソコンの場合
- パソコンをシャットダウンします。
- 接続されている全てのケーブル(電源、モニター、USB機器など)を抜きます。
- その状態で1分~5分ほど放置します。
- 電源ケーブルとモニターケーブルのみを接続し、電源を入れます。
ノートパソコンの場合
- パソコンをシャットダウンします。
- ACアダプターを抜き、接続されている全てのUSB機器などを外します。
- バッテリーが取り外し可能なモデルの場合、バッテリーも外します。
- その状態で1分~5分ほど放置します。
- ACアダプターのみを接続し(バッテリーは付けない)、電源を入れます。
ステップ3:Windowsの画面出力設定を強制的に切り替える
何らかの拍子に、Windowsの画面出力設定が変わってしまい、「外部モニターにのみ表示する」設定になっているのに、そのモニターが接続されていない、といった状況に陥っている可能性があります。
画面が見えなくても、キーボードショートカットでこの設定を切り替えることができます。
- パソコンが起動している状態で、キーボードのWindowsキー + Pキーを同時に押します。
- 画面右側にメニューが表示されているはずです(見えませんが)。
- そのまま、キーボードの↓(下矢印)キーを1回押し、Enterキーを押します。
- これを、「複製」や「拡張」、「PC画面のみ」に切り替わるまで数回繰り返します。(最大4回)
この操作で、意図せず変更されてしまった出力設定が元に戻り、画面が映る可能性があります。
ステップ4:セーフモードでの起動を試す
ドライバーの不具合や、常駐しているソフトウェアが原因の場合、Windowsを必要最低限の構成で起動する「セーフモード」であれば画面が映ることがあります。
セーフモードで起動できれば、ソフトウェア的な問題である可能性が高まります。
- パソコンの電源を入れ、メーカーロゴが表示されたらすぐに電源ボタンを長押しして強制終了します。
- この操作を2~3回繰り返すと、Windowsが「自動修復」モードに入ります。
- 「詳細オプション」が表示されたらクリックします。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」と進みます。
- 「再起動」ボタンをクリックします。
- 再起動後、オプションの一覧が表示されるので、キーボードの4キーまたはF4キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択します。
セーフモードで無事に起動できたら、まずは重要なデータのバックアップを取りましょう。その後、最近インストールしたソフトや、ディスプレイドライバーの再インストールなどを試すことができます。
【PCタイプ別】デスクトップ・ノートPCでモニターが映らない原因と対処法
デスクトップパソコンとノートパソコンでは、構造が違うため、特有のチェックポイントがあります。お使いのパソコンのタイプに合わせて確認してみてください。
デスクトップPCでHDMIモニターが映らない場合の特有チェック
デスクトップパソコン、特にグラフィックボード(グラボ)を搭載しているモデルでは、接続するHDMIポートを間違えているケースが後を絶ちません。
最重要:HDMIケーブルの接続先は正しいですか?
多くのデスクトップPCの背面には、複数のHDMIポートがあります。一つはマザーボード(PCの土台となる基盤)に、もう一つはグラフィックボード(映像処理専門のパーツ)に付いています。
グラフィックボードが搭載されているPCでは、必ずグラフィックボード側のHDMIポートに接続してください。マザーボード側のポートに接続しても、グラボが優先されるため映像は出力されません。これは自作PCだけでなく、BTO(受注生産)パソコンでも非常によくあるミスです。
一般的に、拡張スロット(横長の金属プレートが並んでいる部分)にあるのがグラボのポート、それ以外の場所(USBポートなどが集中しているエリア)にあるのがマザーボードのポートです。
グラフィックボードのファンは回っていますか?
PCケースの側面パネルを開けて、パソコンの電源を入れた際に、グラフィックボードに付いている冷却ファンが回転するか確認してみてください。ファンが全く回っていなかったり、異常な音を立てていたりする場合、グラボ自体が故障しているか、補助電源ケーブルが抜けている可能性があります。
ノートPCで外部モニターが映らない場合の特有チェック
ノートパソコンを外部モニターに接続してデュアルディスプレイ環境で使っている方も多いでしょう。その際に映らない場合のチェックポイントです。
出力モードの切り替えを再確認
先ほども紹介したWindowsキー + Pキーのショートカットをもう一度試してみましょう。ノートPCの場合、「PC画面のみ」「複製」「拡張」「セカンドスクリーンのみ」の4つのモードがあります。「PC画面のみ」になっていないか確認し、「複製」または「拡張」を選択してみてください。
外部ディスプレイの検出
Windowsが外部モニターを自動で認識してくれない場合があります。その際は手動で検出を試みましょう。
- デスクトップで右クリックし、「ディスプレイ設定」を選択します。
- 「マルチディスプレイ」の項目までスクロールします。
- 「検出する」というボタンがあればクリックします。
これでモニターが認識され、表示されることがあります。
これは重症かも?修理や買い替えを検討すべきケース
ここまで紹介したすべての対処法を試しても、パソコンの画面がつかない(電源は入る)状態が改善しない場合、残念ながらハードウェアが物理的に故障している可能性が高いです。
故障が疑われる症状
- BIOS画面も表示されない:電源を入れてもメーカーロゴすら表示されない場合、マザーボードやCPU、メモリなど、PCの根幹部分に問題がある可能性が高いです。
- ビープ音が鳴る:電源を入れた際に「ピッピッピ」といった電子音が鳴る場合、その回数やパターンによって故障箇所を特定できることがあります。(マザーボードのメーカーによって異なります)
- 焦げ臭い匂いがする:パソコン内部から焦げ臭い匂いがする場合は、直ちに電源を切り、コンセントを抜いてください。電源ユニットやマザーボードがショートしている危険性があります。
修理か買い替えか?判断のポイント
修理に出すか、新しいパソコンに買い替えるかは悩ましい問題ですよね。判断の基準として、以下の点を考慮してみてください。
判断基準 | 修理がおすすめ | 買い替えがおすすめ |
---|---|---|
使用年数 | 購入から3年未満 | 購入から5年以上経過している |
修理費用 | 購入価格の30%未満 | 購入価格の50%以上かかる |
パソコンのスペック | まだ現役で使える高性能モデル | 動作が遅く、スペックに不満がある |
データの重要度 | どうしても取り出したいデータがある | データはバックアップ済み、または不要 |
一般的に、パソコンの寿命は5年~7年程度と言われています。5年以上使用しているパソコンが高額な修理費用をかけて直っても、またすぐに別の箇所が故障するリスクがあります。長期的な視点で見ると、新しいパソコンに買い替えた方がコストパフォーマンスに優れる場合が多いです。

PCモニターが映らない「ノーシグナル」問題 よくある質問Q&A
自作PCの場合、まずは最小構成での起動を試すのが基本です。マザーボード、CPU、メモリ1枚、電源ユニットのみを接続し、マザーボード上のHDMIポートから出力(CPUが内蔵グラフィックス対応の場合)して映るか確認します。これで映れば、グラボや他のパーツが原因である可能性を切り分けることができます。メモリの挿し直しやCMOSクリアも有効な手段です。
この症状は、Windowsのシステムファイル、特にエクスプローラー(explorer.exe)が正常に起動していない場合に発生することが多いです。Ctrl + Alt + Deleteキーを押し、「タスクマネージャー」を起動します。「ファイル」→「新しいタスクの実行」から「explorer.exe」と入力して実行すると、デスクトップが表示されることがあります。根本的な解決には、システムの復元やOSの再インストールが必要になる場合もあります。
短時間で電源のオン・オフを繰り返すことは、ハードディスク(HDD)やSSDなどのストレージに大きな負荷をかけるため、絶対に避けるべき行為です。パソコンが起動しようとデータを読み込んでいる最中に強制的に電源を落とすことで、システムファイルが破損し、症状をさらに悪化させる可能性があります。一度電源を入れたら、すぐに反応がなくても数分は様子を見るようにしましょう。
まとめ:焦らず一つずつ確認すれば「ノーシグナル」は解決できる!
今回は、パソコンのモニターがHDMI接続で映らない、「ノーシグナル」と表示される問題について、原因と対処法を徹底的に解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- まずは電源やHDMIケーブルの接続、入力切替といった基本的な部分を落ち着いて確認する。
- それでもダメなら、放電作業や別のケーブル・モニターでのテストなど、原因を切り分けるステップに進む。
- デスクトップPCならグラボのポートに接続しているか、ノートPCなら画面出力モードを必ずチェックする。
- ソフトウェアの問題が疑われる場合は、セーフモードでの起動を試してみる。
- すべての対処法を試しても改善しない場合は、ハードウェアの故障を疑い、使用年数や修理費用を考慮して修理か買い替えを検討する。
画面が映らないというトラブルは、非常にストレスが溜まるものですが、その原因の多くは意外と単純なミスや一時的な不具合です。この記事で紹介した手順を上から順番に試していけば、きっとあなたの問題も解決に向かうはずです。
もしこの記事があなたの助けになれたなら、これほど嬉しいことはありません。無事にモニターが映り、快適なパソコンライフが戻ってくることを心から願っています!