「車中泊の朝、エンジンがかからない…これってバッテリー上がり?」
「手持ちのポータブル電源で、なんとかエンジン始動できないの?」
楽しいはずのアウトドアや緊急時に、車が動かなくなるのは最大の恐怖ですよね。ロードサービスは到着まで1時間以上かかることもザラにあります。
結論、正しい手順と対応機種さえあれば、ポータブル電源でエンジン始動は可能です。
この記事では、ポータブル電源を使った「2つの復旧方法」と、JackeryやEcoFlowなどメーカー別の対応状況、そして失敗しないための必須知識をどこよりも詳しく解説します。
※2025年11月24日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
結論:ポータブル電源で車のエンジン始動は可能です
ポータブル電源を使って車のバッテリー上がりを解決する方法は、大きく分けて以下の2パターンあります。
| 方法 | 仕組み | 所要時間 |
|---|---|---|
| ① ジャンプスタート | 大電流を一気に流し強制始動 | 即時(1分) |
| ② バッテリー充電 | バッテリー自体に電気を補充 | 15〜40分 |
お使いのポータブル電源がどちらに対応しているかによって、手順が全く異なります。

方法1:ジャンプスターター機能で即始動する
最も推奨されるのが、「ジャンプスターター機能」搭載モデルを使う方法です。
通常のAC/DC出力とは異なる「エンジン始動専用ポート」を使い、瞬間的に300A〜600Aもの大電流を流してセルモーターを回します。
ジャンプスタートの具体的な手順
接続順序を間違えるとショートや火花の原因となり非常に危険です。以下のステップを厳守してください。
- ポータブル電源の残量が十分(60%以上推奨)か確認する。
- 専用のジャンプスターターケーブルを本体に接続する。
- ケーブルの赤いクリップを、車のバッテリーのプラス(+)端子に挟む。
- ケーブルの黒いクリップを、バッテリーのマイナス(ー)端子(またはエンジンの金属部分)に挟む。
- 車のエンジンをかける(セルを回す)。
- エンジンがかかったら、黒→赤の順ですぐにケーブルを外す。
エンジンがかかった後は、発電機(オルタネーター)でバッテリーを充電させるため、30分〜1時間ほど走行してください。
方法2:専用ケーブルでバッテリーを充電する
ジャンプスターター機能がないポータブル電源でも、「車のバッテリーを充電(補充電)する」ことで解決できる場合があります。
EcoFlowなどの専用アクセサリーを活用
EcoFlow(エコフロー)などのメーカーは、オプションで「自動車用バッテリー充電アダプター」を販売しています。
これは、ポータブル電源の電気を車のバッテリーに適した電圧に変換し、安全に電気を移すためのケーブルです。 ![]()
メリット
急激な電流を流さないため、バッテリーや車体への負担が少なく安全です。
デメリット
接続してすぐにはエンジンがかかりません。15分〜40分ほど待ち、バッテリー電圧が回復してからエンジンを始動する必要があります。
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要注意!Jackeryでエンジン始動はできる?
Jackery公式機能では非対応
現在、Jackeryのポータブル電源本体にはジャンプスターター機能は搭載されていません。
また、EcoFlowのような「バッテリー充電用ケーブル」も公式販売されていません。
付属の12Vシガーケーブルは絶対に使わないで!
Jackeryに付属しているシガーソケットケーブルは、「車からJackeryを充電するため(入力)」のものです。
これを車のバッテリーに繋いでも、車側に電気は流れません。最悪の場合、ヒューズが切れたりケーブルが溶けたりする恐れがあるため、絶対に接続しないでください。
解決策:市販のAC充電器を併用する
「じゃあJackeryでは無理なの?」というと、そうではありません。
ホームセンターなどで売っている「コンセント(AC)式カーバッテリー充電器」を別途用意し、Jackeryのコンセントに挿して使えば、車のバッテリーを充電可能です。

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エンジン始動用ポータブル電源の選び方
もし、これから「バッテリー上がり対策」としてポータブル電源を選ぶなら、以下の3点を確認しましょう。
1. ジャンプスターター機能の有無
カタログの仕様表に「ジャンプスターター出力」や「カージャンプ機能」という記載があるか確認してください。専用ポートがあるモデルが対象です。
2. ピーク電流(A)の大きさ
エンジンを回すには大きな電流(アンペア)が必要です。
一般的な軽自動車・普通車なら300A〜400A以上、大型車やディーゼル車なら600A以上出力できるモデルを選びましょう。
3. 電圧(12Vか24Vか)
一般的な乗用車は12Vですが、トラックやバスは24Vです。多くのポータブル電源は12V対応ですが、トラックで使用したい場合は24V対応の専用機が必要です。
よくある疑問(Q&A)
最後に、バッテリー上がり対策でよくある質問にお答えします。
ハイブリッド車の「補機バッテリー(12V)」であれば、基本的にジャンプスタート可能です。ただし、接続場所がエンジンルームではなくトランクや後部座席下にある車種も多いため、必ず車の取扱説明書で「救援端子」の場所を確認してください。
「もしもの時の保険」として車に積みっぱなしにするなら、小型で安価(5,000円〜1万円程度)なモバイルバッテリー型ジャンプスターターがおすすめです。キャンプなど普段使いも兼ねるなら、多機能なポータブル電源が良いでしょう。
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30分以上充電してもかからない、あるいはジャンプスタートしても反応がない場合は、バッテリーが寿命を迎えているか、オルタネーター(発電機)などの故障が疑われます。速やかにロードサービスや修理工場へ連絡してください。
まとめ:備えあれば憂いなし!ポータブル電源を活用しよう
ポータブル電源は、単なるキャンプ道具ではなく、緊急時の命綱にもなります。
記事のポイント
- 即時始動なら「ジャンプスターター機能付き」を選ぶ。
- 時間があるなら「専用アダプター」で充電して回復させる。
- Jackeryなどは「市販のAC充電器」を繋げば充電可能。
- 接続順序(赤プラ→黒マイ)は必ず守る。
「自分は大丈夫」と思っていても、バッテリー上がりは突然やってきます。
この記事を参考に、あなたのポータブル電源が対応しているか確認し、必要なケーブルや充電器を車に積んでおきましょう。その準備が、いざという時にあなたを救います。


