慌てて拭いたけど、電源ボタンを押してもパソコンがうんともすんとも言わない。「パソコンに水をこぼして電源がつかない…これって修理できるの?修理代は一体いくらかかるんだろう?」大切なデータや、高価なパソコンのことを考えると、頭が真っ白になってしまいますよね。
でも、安心してください。適切な対処をすれば、あなたのパソコンは元通りになる可能性があります。
この記事では、パソコンに水をこぼして電源がつかない場合の修理代の相場から、すぐにやるべき正しい対処法、やってはいけないNG行動まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは冷静に必要な行動を理解し、最善の選択ができるようになっているはずです。まずは落ち着いて、一緒に解決策を見つけていきましょう。
パソコンに水をこぼして電源がつかない!まずやるべき5つの応急処置
パニックになってしまう気持ちは痛いほどわかりますが、まず深呼吸してください。この最初の数分間の行動が、パソコンの運命を大きく左右します。ここでは、電源がつかない場合に絶対にやるべき5つの応急処置をステップ・バイ・ステップで解説します。
Step1:すぐに電源を切り、すべてのケーブルを抜く
最も重要なことは、パソコン内部の通電を完全に断つことです。
水分が内部の電子回路に触れた状態で電気が流れると、「ショート」という現象が起き、マザーボードなどの重要部品が致命的な損傷を受けてしまいます。
- 電源ケーブルを抜く:コンセントからすぐに引き抜きましょう。
- シャットダウンする:もし画面がまだついていれば、通常の手順でシャットダウンします。反応がなければ、電源ボタンを長押しして強制終了してください。データの心配よりも、今はショートを防ぐことが最優先です。

Step2:バッテリーを取り外す(ノートパソコンの場合)
電源ケーブルを抜いても、ノートパソコンにはバッテリーが搭載されています。このバッテリーが通電の原因となるため、可能であれば取り外しましょう。
最近の薄型ノートパソコンは、バッテリーが内蔵されていて簡単に取り外せないモデルが多いです。その場合は無理に分解しようとせず、電源を完全にオフにした状態で次のステップに進んでください。
Step3:接続している周辺機器をすべて外す
USBメモリ、マウス、外付けキーボード、モニターなど、パソコンに接続しているものはすべて取り外してください。これらが接続されたままだと、そこから電気が供給されたり、周辺機器自体も故障の原因になったりする可能性があります。
Step4:乾いたタオルで徹底的に水分を拭き取る
次に、目に見える水分を徹底的に拭き取ります。吸水性の高いマイクロファイバータオルや、なければ乾いたタオルを使いましょう。キーボードの隙間や通気口など、細かい部分もしっかりと拭き取ります。
この時、パソコンを激しく振るのは絶対にやめてください。水分が内部の奥深くまで浸透し、被害が拡大する恐れがあります。
Step5:パソコンを開いて内部の水分を逃がす
ノートパソコンの場合、ディスプレイをできるだけ大きく開き、「V」の字を逆さにしたような形にして、タオルの上に置きましょう。キーボード面を下に向けることで、内部に入り込んだ水分が重力によって流れ出てくるのを助けます。
この状態で、最低でも24時間以上、できれば数日間は自然乾燥させてください。風通しの良い、直射日光の当たらない場所に置くのが理想です。

【料金表】ノートパソコンの水濡れの修理費用!相場を徹底解説
応急処置をしても電源がつかない場合、専門業者による修理が必要です。気になるのは、やはりその修理費用ですよね。ここでは、パソコンの水濡れ修理にかかる費用の相場を、症状や作業内容ごとに詳しく解説します。
結論から言うと、パソコンの水濡れ修理費用は、被害の範囲によって大きく異なり、約1万円~10万円以上と非常に幅が広いのが実情です。
水濡れの修理費用の内訳と料金体系
多くの修理業者では、修理費用は以下の合計で計算されます。
修理費用 = ①診断料 + ②作業料(分解・洗浄など) + ③部品代
以下に、パソコン修理専門店「パソコン修理PCバル」の料金表を参考に、各項目の費用相場を見ていきましょう。
項目 | 料金(目安) | 内容 |
---|---|---|
水濡れ診断料【必須】 | 5,500円~ | 本体を分解し、内部の腐食状況、修理の可否、修理後のリスクなどを診断します。修理に至らない場合でも発生します。 |
分解修理・部品交換作業 | 2,200円~ | 部品の点数や作業の難易度によって変動します。 |
薬剤洗浄作業 | 5,500円~ | 液体が付着したパーツを取り外し、特殊な薬剤で洗浄・乾燥します。液体の種類や範囲で料金が変わります。 |
交換部品代 | 都度見積 | ショートなどで損傷し、洗浄では修復不可能な部品(キーボード、マザーボード等)の交換費用です。 |

症状別!パソコン水没の修理費用シミュレーション
では、実際にどのくらいの費用がかかるのか、よくある故障パターン別に修理代をシミュレーションしてみましょう。
ケース1:キーボードのみの故障(軽症)
こぼした液体がキーボード部分で食い止められ、内部の基盤まで達していないケースです。
- 症状:特定のキーが打てない、ベタベタする。電源は入る。
- 修理内容:キーボードの交換
- 費用相場:15,000円~30,000円程度
- 水濡れ診断料:約5,500円
- 分解・交換作業料:約5,000円~
- キーボード部品代:約5,000円~20,000円
ケース2:マザーボードの洗浄で復旧(中等症)
液体がマザーボード(パソコンの頭脳にあたる最重要基盤)まで到達したものの、腐食が軽度で、洗浄によって復旧できたケースです。
- 症状:電源が入らない、起動しない。
- 修理内容:完全分解、マザーボードの薬剤洗浄・乾燥
- 費用相場:20,000円~50,000円程度
- 水濡れ診断料:約5,500円
- 薬剤洗浄作業料:約10,000円~
- 分解・組立作業料:約5,000円~
ケース3:マザーボードの交換が必要(重症)
こぼした液体がジュースやコーヒーなどで糖分・塩分を含んでいたり、通電させてしまいショートしてしまったケースです。マザーボード上のチップ部品などが完全に壊れてしまっているため、交換が必要になります。
- 症状:電源が全く入らない、焦げ臭い匂いがする。
- 修理内容:マザーボードの交換
- 費用相場:60,000円~100,000円以上
- 水濡れ診断料:約5,500円
- 分解・交換作業料:約10,000円~
- マザーボード部品代:約40,000円~100,000円超

メーカー保証は効く?パソコンに水をこぼしたのがバレるか解説
「購入してまだ1年経ってないし、メーカー保証で無料で直せないかな?」と考える方もいるかもしれません。また、「少しこぼしただけだし、黙っていればバレないのでは?」という疑問についてもお答えします。
結論:水濡れは保証対象外!100%バレます
残念ながら、メーカーの標準保証(通常1年)では、水こぼしや落下などの「過失による故障」はすべて対象外です。これは、Apple、NEC、富士通、DELLなど、すべてのメーカーで共通しています。
そして、「水こぼしはバレるのか?」という疑問ですが、答えは「絶対にバレます」。
パソコンの内部には「水没マーク(液体浸入インジケータ)」というシールが貼られており、水分に触れると色が変化する仕組みになっています。修理担当者が分解すれば一目瞭然です。
また、マークがなくても、基盤には腐食の跡(シミやサビ)がくっきりと残ります。これを隠すことは不可能です。
例外:有償の延長保証サービスに加入している場合
ただし、希望がないわけではありません。パソコン購入時に、水濡れなどの物損事故に対応する有料の延長保証に加入している場合は、保証を使って安価に、あるいは無料で修理できる可能性があります。
代表的なものに、NECの「あんしん保証サービスパック」や、Appleの「AppleCare+」などがあります。もし加入しているか分からない場合は、購入時の書類やメーカーのサポートサイトで確認してみましょう。

パソコンの水没修理は自分でできる?絶対にお勧めしない理由
「修理代が高いなら、自分で分解して直せないだろうか?」と考える方もいるかもしれません。YouTubeなどを見ると、自分で修理している動画も見つかります。しかし、水没したパソコンの修理を自分で行うことは、専門家として絶対にお勧めしません。
理由1:分解の難易度が非常に高い
現代のノートパソコンは、小型化・薄型化のために非常に複雑な構造になっています。特殊なネジが使われていたり、強力な両面テープで固定されていたり、少しでも力を間違えるとフレームやケーブルを破損させてしまいます。無事に分解できたとしても、元に戻せなくなるケースが後を絶ちません。
理由2:被害を拡大させるリスクがある
知識がないまま分解すると、静電気で部品をショートさせたり、濡れていない箇所まで水分を広げてしまったりと、症状をさらに悪化させる危険性が非常に高いです。洗浄するにも、水道水は不純物を含むため使えず、専用の洗浄液や無水エタノール、そして超音波洗浄機などの専門機材が必要です。
理由3:結局プロに頼むと割高になることも
「自分で試したけどダメだった」と、分解途中の状態で修理に持ち込まれるケースも少なくありません。この場合、通常の修理料金に加えて、分解された部品のチェックや組み立て直しなどの追加料金が発生し、最初から依頼するよりも費用が高くついてしまう可能性があります。
データ復旧も修理も、プロに任せるのが最も安全で確実な方法です。貴重な時間とお金を無駄にしないためにも、まずは専門業者に相談しましょう。
電源がつく場合も油断禁物!パソコンに少量水をこぼしても危険な理由
「こぼした量は少量だし、応急処置をしたら普通に電源がついた!ラッキー!」
そう思っているあなた、それは非常に危険な状態かもしれません。水濡れ故障の最も怖い点は、「時間差で症状が現れる」ことです。
内部で静かに進行する「腐食」という時限爆弾
たとえ少量でも、内部に侵入した水分はすぐには蒸発しません。そして、その水分が基盤上の金属部品に触れることで、「腐食(サビ)」がゆっくりと進行していきます。
この腐食が、数日後、あるいは数週間後に突然、回路をショートさせ、「ある日突然電源が入らなくなる」「データがすべて消える」といった最悪の事態を引き起こすのです。

電源がつく今だからこそ!最優先でやるべきこと
もし水をこぼした後にパソコンの電源がつき、操作できる状態なのであれば、それは不幸中の幸いです。今すぐ、何よりも優先して「データのバックアップ」を取ってください。
いつ動かなくなるか分からない状態です。外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージなどに、大切な写真、書類、仕事のファイルなどをすべてコピーしておきましょう。
バックアップが完了したら、すぐに使用を中止し、専門業者に内部の点検・洗浄を依頼することをお勧めします。早期に洗浄すれば、腐食の進行を食い止め、修理費用を安く抑えられる可能性が高まります。
修理か買い替えか?高額な修理費用に悩んだ時の判断基準
診断の結果、修理費用が6万円、8万円、10万円…と高額になってしまった場合、修理すべきか、それとも新しいパソコンに買い替えるべきか、非常に悩ましい問題ですよね。ここでは、その判断基準を3つのポイントから解説します。
判断基準1:パソコンの使用年数とスペック
- 購入から3年以上経過している場合:パソコンの寿命は一般的に5年程度と言われています。3年以上使っているなら、修理しても他の部品が近いうちに寿命を迎える可能性があります。買い替えを前向きに検討しましょう。
- スペックが低い(動作が遅い)場合:修理代を払って古い低スペックPCを延命させるより、同額か少し足して最新の高性能PCに買い替えた方が、長期的な満足度は高くなります。
判断基準2:修理費用と新品購入価格の比較
修理費用の見積もりが、同等スペックの新品パソコンの価格の50%を超える場合は、買い替えを検討する一つの目安になります。例えば、12万円で購入したパソコンの修理代が7万円だった場合、あと少しで新品が買えることになります。
判断基準3:データの重要性
どうしてもそのパソコンにしかない重要なデータがあり、バックアップも取れていない場合は、修理(またはデータ復旧)を最優先に考える必要があります。ただし、この場合でも「データ復旧のみを依頼」し、パソコン本体は新しく購入するという選択肢もあります。データ復旧と修理は別の作業なので、業者に相談してみましょう。
【厳選】水濡れに備える!おすすめパソコン3選
もし買い替えを決めたなら、次のパソコンは水濡れのリスクに備えたいですよね。ここでは、万が一の際に安心な保証が付けられるモデルや、堅牢性の高いおすすめのパソコンをご紹介します。
1. NEC LAVIE Direct N16 (R) – 手厚い保証で万が一も安心
NECの直販モデルは、水こぼしや落下にも対応する「あんしん保証サービスパック」に加入できるのが最大の魅力です。高額な修理代の心配から解放され、安心してパソコンを使いたい方に最適です。
LAVIE Direct N16 (R)は、16.0型の大画面で見やすいながらも、スタイリッシュで持ち運びもしやすい人気のノートパソコン。CPUやメモリをカスタマイズできるBTO(Build to Order)に対応しているため、自分の使い方に合った最適なスペックを選べます。静音設計のキーボードはタイピングもしやすく、学生のレポート作成からビジネスでの資料作成まで、幅広いシーンで快適な作業環境を提供してくれます。
OS | Windows 11 (Home/Pro) |
CPU | AMD Ryzen(3 7335U/5 7535U/7 7735U) |
メモリ | 8〜32GB |
ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
ディスプレイ | 16.0型ワイド (WUXGA) |
2. NEC LAVIE A27/A23 – デスク周りをスッキリさせたい方に
「そもそもパソコンの近くに飲み物を置かなければいいのでは?」という発想から、デスク周りをスッキリ使える一体型デスクトップPCもおすすめです。LAVIE A27/A23は、モニターと本体が一つになっているため、配線が少なく、作業スペースを広く確保できます。
高性能なAMD Ryzen 7000シリーズCPUを搭載し、動画編集などの重い作業もサクサクこなします。23型または27型の大型・高精細ディスプレイは、映像コンテンツの視聴にも最適。こちらも「あんしん保証サービスパック」の対象なので、万が一の際も安心です。在宅ワークや家族での利用にぴったりの一台です。
3. MacBook Air – 直感的で安心なAppleCare+
クリエイティブな作業をする方や、iPhoneとの連携を重視するならMacBook Airも有力な選択肢です。「AppleCare+ for Mac」に加入すれば、過失や事故による損傷に対する修理を、サービス料(液体による損傷の場合は37,100円)で受けられます。修理代の上限が明確なため、予期せぬ高額請求の心配がありません。
洗練されたデザインと直感的な操作性はもちろん、最新のMシリーズチップによるパワフルなパフォーマンスと、長時間のバッテリー駆動も魅力。持ち運んで使う機会が多い方に特におすすめです。
パソコンの水没修理に関するよくある質問(Q&A)
最後に、パソコンの水濡れや修理に関して、お客様からよく寄せられる質問にお答えします。
A. 被害状況や交換部品の在庫状況によりますが、一般的には1週間~2週間程度を見ておくと良いでしょう。マザーボードなど特殊な部品の取り寄せが必要な場合は、1ヶ月以上かかることもあります。多くの業者では、診断の際に修理期間の目安も伝えてくれます。
A. データを保存しているストレージ(HDDやSSD)が無事であれば、データは消えません。しかし、メーカー修理の場合、初期化(工場出荷状態に戻す)が基本となることが多いため、データはすべて消去されます。データを残したい場合は、「データを保持したまま修理可能」と明記している民間の修理業者に依頼するのが確実です。依頼する際に必ず確認しましょう。
A. 以下のポイントで選ぶことをお勧めします。
- 修理実績が豊富か:特に水没修理の経験が豊富な業者を選びましょう。公式サイトの修理事例などが参考になります。
- 料金体系が明確か:作業前に必ず見積もりを提示し、勝手に修理を進めない業者を選びましょう。
- 総務省登録修理業者か:電波法や電気通信事業法に基づく厳格な基準をクリアした、信頼性の高い業者です。
全国展開している「パソコン修理PCバル」のような信頼できる業者に、まずは無料相談してみるのが良いでしょう。
A. 水没修理は、腐食を完全に除去できたかどうかが鍵となります。信頼できる業者で適切に洗浄・修理を行えば、基本的には問題なく使用できます。ただし、一度水没したという事実は変わらないため、修理後は保証の対象外となることが多いです。このリスクについては、修理前に業者から説明があるはずなので、よく確認しましょう。
まとめ:焦らず正しい対処を!まずはプロへの無料相談から
この記事では、パソコンに水をこぼして電源がつかなくなった場合の修理代から、正しい対処法、NG行動までを網羅的に解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 水濡れ発生時:すぐに通電を断ち、水分を拭き取り、24時間以上自然乾燥させる。
- NG行動:電源を入れる、ドライヤーで乾かす、振る、などは絶対に避ける。
- 修理代の相場:軽症なら1.5万円~、マザーボード交換など重症の場合は6万円~10万円以上になることも。
- 保証について:メーカーの標準保証は対象外。バレずに修理は不可能。
- 電源がついても:油断は禁物。すぐにバックアップを取り、点検を依頼するのが賢明。
- 修理か買い替えか:使用年数や修理費用と新品価格を比較して冷静に判断する。
突然のトラブルで、今は不安でいっぱいかもしれません。しかし、最も大切なのは、慌てて間違った行動を取らないことです。
まずはこの記事で紹介した応急処置を確実に行い、そして信頼できる修理のプロに相談してください。多くの業者では電話やメールでの無料相談を受け付けています。
専門家のアドバイスを受けることで、あなたのパソコンと大切なデータを守るための最善の道筋が見えてくるはずです。この困難な状況を乗り越えるための一助となれば幸いです。