「あ、しまった!」
作業中に手元のコーヒーや水をこぼしてしまい、パソコンの画面が真っ暗に…。 慌てて拭いたけれど、電源ボタンを押してもパソコンがうんともすんとも言わない。
「パソコンに水をこぼして電源がつかない…これって完全に故障?修理代は一体いくらかかるの?」
大切な仕事のデータや家族の写真、そして高価なパソコンのことを考えると、頭が真っ白になってしまいますよね。 結論からお伝えすると、修理代の相場は軽症であれば1.5万円程度ですが、マザーボード交換などの重症化すると6万円〜10万円以上かかるケースが多いのが現実です。
しかし、諦めるのはまだ早いです!適切な初動対応を行えば、復旧の可能性はグンと高まります。 この記事では、パソコンの水没・水こぼし時の修理代の相場から、被害を最小限に抑えるための「プロ直伝」の応急処置、絶対にやってはいけないNG行動までをどこよりも詳しく解説します。
一刻も早い対処が、あなたのパソコンとデータを救うカギになります。まずは落ち着いて、最善の解決策を一緒に確認していきましょう。
※2025年11月26日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
パソコンに水をこぼして電源がつかない!まずやるべき5つの応急処置
水をこぼした直後の数分間の行動が、パソコンの運命を決定づけます。焦る気持ちを抑え、以下の手順で迅速かつ冷静に対応してください。
Step1:すぐに電源を切り、すべてのケーブルを抜く
最も重要なことは、パソコン内部への電気の供給を「即座に・完全に」断つことです。
水分が内部に入り込んだ状態で通電していると、電子回路が「ショート」し、マザーボードなどの重要部品が致命的なダメージを受けてしまいます。
- 電源ケーブル(ACアダプター):コンセントからすぐに引き抜きます。
- 強制終了:もし画面がついている、あるいはスリープ状態なら、電源ボタンを長押しして完全に電源を落としてください。
- 周辺機器:USBメモリ、マウス、外付けHDDなど、接続されているものはすべて取り外します。

Step2:バッテリーを取り外す(ノートPCの場合)
電源ケーブルを抜いても、ノートパソコンにはバッテリーから電力が供給され続けています。バッテリーが取り外せるモデルであれば、すぐに取り外してください。
最近のMacBookや薄型ノートPCなど、バッテリー内蔵型で簡単に取り外せない場合は、無理に分解せず、電源オフの状態を維持して次のステップへ進みます。
Step3:表面の水分を乾いたタオルで拭き取る
表面に見えている水分を、乾いたタオルや吸水性の高い布で優しく、かつ迅速に拭き取ります。
キーボードの隙間、タッチパッドの縁、USBポート、通気口などは水分が侵入しやすい箇所です。こすらずに、タオルを押し当てるようにして水分を吸い取ってください。
Step4:パソコンを逆さにして内部の水分を逃がす
表面を拭いたら、内部に入り込んだ水分を外に逃がす姿勢をとります。
ノートパソコンであれば、タオルを敷き、その上にキーボード面を下にして「へ」の字(逆V字)になるように置きます。これにより、重力を使って基盤への浸水を少しでも防ぎます。
デスクトップPCのキーボードにこぼした場合は、キーボードを逆さにして振ることで水分を排出できる場合がありますが、本体にこぼした場合はすぐに電源を抜き、動かさずに修理業者へ相談してください。
Step5:最低24時間は自然乾燥させる
この状態で、最低でも24時間、できれば2〜3日間は風通しの良い日陰で自然乾燥させてください。
「数時間で乾くだろう」という油断は禁物です。内部の湿気は簡単には抜けません。
料金表:パソコン水没・水濡れの修理代相場
応急処置を行っても電源がつかない場合、あるいは「ジュースをこぼした」「内部の腐食が心配」という場合は、専門業者による修理が必要です。 修理代は「どの部品まで水が達しているか」によって大きく変動します。
一般的な修理費用の内訳は以下の通りです。
修理総額 = ①診断料 + ②作業工賃(洗浄など) + ③交換部品代
症状別!修理費用のシミュレーション
ケース1:キーボードのみの故障(軽症)
こぼした液体がキーボード部分で食い止められ、メイン基盤(マザーボード)まで達していないラッキーなケースです。
- 症状:特定のキーが反応しない、勝手に文字が入力される、キーがベタつく。
- 修理内容:キーボードユニットの交換
- 費用相場:1.5万円 〜 3万円程度
ケース2:マザーボード洗浄で復旧(中等症)
内部の基盤まで水が達しているものの、特殊な薬剤による洗浄と乾燥のみでショートが解消され、復旧できたケースです。高価な部品交換が不要なため、比較的安価に済みます。
- 症状:電源が入らない、起動しない、ランプだけ点灯する。
- 修理内容:分解・薬剤洗浄・乾燥
- 費用相場:2万円 〜 5万円程度
ケース3:マザーボード交換が必要(重症)
マザーボードがショートして焦げ付いたり、腐食が激しく洗浄では直らないケースです。PCの心臓部を丸ごと交換するため、修理代は高額になりがちです。
- 症状:焦げ臭いにおいがする、電源が全く入らない、煙が出た。
- 修理内容:マザーボード交換
- 費用相場:6万円 〜 10万円以上

メーカー保証は効く?パソコンの水こぼしはバレるか
「買ってからまだ1年経っていないから、メーカー保証で無料で直せるはず」と期待していませんか?
結論:標準保証は対象外!100%バレます
残念ながら、メーカーの標準保証(自然故障への保証)では、水こぼしや落下などの「過失(ユーザーの不注意)」による故障はすべて対象外となります。
また、「乾かせばバレないのでは?」と思うかもしれませんが、プロが見れば一発でバレます。 パソコン内部には「水没シール(液体浸入インジケータ)」が貼られており、水分に触れると赤色などに変色します。また、基盤に残る水シミや腐食跡は隠しようがありません。
例外:有償の延長保証(物損保証)に入っている場合
ただし、購入時に「アクシデンタルダメージプロテクション」や「ワイド保証」「AppleCare+」といった、物損対応の有料延長保証に加入している場合は話が別です。 これらに加入していれば、無償または数千円〜数万円程度の自己負担で修理できる可能性があります。まずは保証書や購入時のメールを確認してみましょう。
絶対にやってはいけない!水没時のNG行動3選
焦って良かれと思ってやった行動が、実はパソコンの寿命を縮めているかもしれません。以下の3つは「絶対に」避けてください。
NG1:ドライヤーの温風で乾かす
「早く乾かしたい」という一心でドライヤーを使うのは危険です。温風を当てるとキーボードが熱で変形したり、内部の精密部品が熱損傷を受けたりする原因になります。どうしても風を送りたい場合は、扇風機の「冷風」を遠くから当てる程度に留めましょう。
NG2:パソコンを激しく振る
「中の水を出そう」としてパソコンを振るのは逆効果です。水没していない奥のエリアまで水分が飛び散り、被害範囲を拡大させてしまいます。
NG3:お米や乾燥剤の中に埋める
ネット上の裏技として「お米の中に入れる」という情報を見かけることがありますが、パソコンにはおすすめしません。お米の微細な粉末やゴミが内部に入り込み、ファンや端子の接触不良など、新たな故障の原因を作るリスクがあるためです。
電源がつく場合も油断禁物!腐食の恐怖とは
「水をこぼしたけど、少し拭いたら普通に使えた!よかった!」 そう思ってそのまま使い続けているあなた、今は良くても、明日突然動かなくなるかもしれません。
時間差で進行するサビ(腐食)
内部に残った水分や、液体に含まれる不純物は、時間の経過とともに金属部品を腐食(サビ)させます。 この腐食が進行すると、ある日突然回路がショートし、「電源が入らない」「データが読み込めない」という最悪の事態を引き起こします。
今すぐやるべきはバックアップと点検
もし電源がつく状態なら、それは「奇跡的なチャンス」です。 何よりも優先して、すぐにデータのバックアップを取ってください。 USBメモリやクラウドストレージに大切なファイルを避難させたら、すぐに電源を切り、専門業者へ内部点検(クリーニング)を依頼することをお勧めします。
修理か買い替えか?高額な見積もり時の判断基準
いざ見積もりを取ったら「8万円」と言われた…修理すべきか、買い替えるべきか悩みますよね。後悔しない判断のための3つの基準をご紹介します。
基準1:修理費が購入額の50%を超えるか
修理見積もりが、新品購入価格(または同スペックの中古価格)の50%を超える場合は、買い替えを検討する目安になります。例えば、10万円で買ったPCの修理代が6万円なら、あと少し足して新品を買った方が、保証も新しくなり長く使えます。
基準2:使用年数が3〜4年以上か
パソコンの平均寿命は5年程度です。3〜4年以上使っている場合、今回修理しても、すぐにハードディスクや液晶など他の部品が寿命を迎える可能性があります。スペック不足を感じているなら、買い替えの良いきっかけかもしれません。
基準3:データの重要性
「どうしてもこのパソコンの中にある写真や書類が必要!」という場合は、「修理」ではなく「データ復旧」を優先しましょう。 パソコン本体は買い替えるとしても、データだけを取り出して新しいPCに移すサービスを行っている業者も多くあります。
水濡れ保証も安心!おすすめノートパソコン2選
もし買い替えを決断されたなら、次は「水こぼし」のリスクに強い保証があるメーカーや、耐久性の高いモデルを選ぶのが賢明です。万が一の時も安心な2機種をご紹介します。
NEC
NECの直販モデルなら、オプションで「あんしん保証サービスパック」に加入できます。これにより、水こぼしや落下による故障も最大5年間、限度額なしで修理可能です。サポートの手厚さは国内メーカーならでは。
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Apple
Macユーザーなら「AppleCare+ for Mac」への加入が鉄則。過失による損傷でも、画面または外部筐体の損傷は12,900円、その他の損傷(水没含む)は37,100円という固定料金で修理可能です。
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よくある質問(Q&A)
最後に、水没トラブルでよくある疑問にQ&A形式でお答えします。
A. 軽度の洗浄作業であれば、預けてから3日〜1週間程度で戻ってくることが多いです。しかし、マザーボード交換など部品取り寄せが必要な重症ケースでは、2週間〜1ヶ月近くかかることもあります。
A. メーカー修理では、個人情報保護の観点から初期化(データ消去)が基本です。データを残したい場合は、「データ保護」や「データ復旧」に対応している民間のパソコン修理業者を選んで依頼してください。
A. 絶対にお勧めしません。 最近のPCは構造が複雑で、分解するだけで破損させるリスクがあります。また、適切な洗浄剤や乾燥設備がない素人がいじると、腐食を広げて再起不能にする可能性が高いです。
まとめ:焦らず正しい対処を!まずはプロへの無料相談から
今回は、パソコンに水をこぼして電源がつかない場合の修理代や対処法について、網羅的に解説しました。
記事の要点を振り返ります。
- 即座の対応:電源とケーブルを抜き、通電を断つことが最優先。
- 修理代の相場:軽症なら1.5万円〜、基盤故障なら6万円以上かかることもある。
- NG行動:ドライヤーの温風、振る、電源を入れる行為は故障を悪化させる。
- 将来のリスク:電源がついても腐食の恐れがあるため、バックアップと点検が必須。
「修理代が高いかも…」と不安で、問い合わせを躊躇してしまう気持ちは痛いほど分かります。 しかし、放置して腐食が進めば進むほど、修理代は高くなり、大切なデータが消えてしまうリスクも上がります。
多くの修理業者では、電話やLINEでの無料相談を受け付けています。 一人で悩まず、まずは現状をプロに相談してみてください。それが、あなたのパソコンとデータを守るための、確実な第一歩になるはずです。


