「健康のためにオートミールでパンを焼きたい!」
「でも、ホームベーカリーで小麦粉なしのパンを作ると、全然膨らまないし、石みたいに硬くなってしまう…」
そんな悩みを抱えていませんか?
ヘルシーで美味しいと話題のオートミールパンですが、小麦粉を使わずにホームベーカリーで焼こうとすると、多くの方が失敗を経験します。せっかく材料を揃えて挑戦したのに、美味しくないとガッカリしてしまいますよね。
ご安心ください。この記事では、なぜ小麦粉なしのオートミールパンが膨らまないのか、その原因を徹底的に解明し、誰でも失敗せずに、ふっくら美味しいパンを焼くための「5つの秘訣」を詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはオートミールパン作りの名人になっているはずです。さあ、一緒に小麦粉なしでも美味しい、夢のようなオートミールパン作りを始めましょう!

なぜ?オートミールパンがホームベーカリーで膨らまない原因
まず最初に、なぜ小麦粉なしのオートミールパンがホームベーカリーでうまく膨らまないのか、その根本的な原因を知ることが重要です。敵を知り、己を知れば百戦危うからず。パン作りも同じです。主な原因は以下の4つが考えられます。
グルテン不足が最大の原因
パンがふっくらと膨らむために最も重要な成分、それが「グルテン」です。グルテンは、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のたんぱく質が、水を加えてこねられることで網目状に形成されます。
この網目構造が、イースト菌が発生させる炭酸ガスを風船のように包み込むことで、生地が膨らんでいくのです。しかし、オートミールにはこのグルテンが一切含まれていません。
そのため、いくらイーストが頑張ってガスを発生させても、そのガスを保持する骨格がないため、生地が膨らまず、目が詰まった重いパンになってしまうのです。これが、小麦粉なしのオートミールパンが膨らまない最大の理由です。
水分量の調整が難しい
オートミールは種類にもよりますが、非常に吸水率が高い食材です。小麦粉と同じ感覚で水分量を決めてしまうと、生地がパサパサになったり、逆にお餅のようにベタベタになったりしてしまいます。
特にホームベーカリーの場合、途中で生地の状態を確認して水分を微調整するのが難しいですよね。最適な水分量を見極められないと、イーストの働きが悪くなったり、生地がうまくまとまらなかったりして、膨らまない原因に直結します。
イーストの働きが弱い
ドライイーストなどのイースト菌は、糖分をエサにして発酵し、炭酸ガスを発生させます。小麦粉のパンであれば、小麦粉自体に含まれるデンプンが糖に分解されてイーストのエサになります。
オートミールにも糖質は含まれていますが、小麦粉とは性質が異なります。また、グルテンがない生地ではイーストの活動が制限されがちです。イーストが元気に活動できる環境を整えてあげないと、ガスの発生量が少なくなり、結果としてパンが膨らみません。
オートミールの種類が合っていない
一言でオートミールと言っても、加工方法によって様々な種類があります。
- ロールドオーツ(圧ぺんえんばく): 粒がしっかり残っているタイプ。食感は楽しめますが、生地に馴染みにくく、パンがまとまりにくいことがあります。
- クイックオーツ: ロールドオーツを細かく砕いたもの。水分を吸いやすく、生地に馴染みやすいです。
- インスタントオーツ: 一度調理してから乾燥させたもの。最も細かく、溶けやすいです。
- オートミールパウダー(燕麦粉): オートミールを粉末状にしたもの。最もパン作りに適しています。
粒の大きいロールドオーツなどをそのまま使うと、生地の繋がりを阻害してしまい、膨らみを妨げる原因になることがあります。
【秘訣1】オートミールのみで作るパン成功の鍵は「サイリウム」
小麦粉なしのオートミールパン作りにおける救世主、それが「サイリウムハスク」です。これさえあれば、グルテンがなくても、ふっくら、もっちりとしたパンを焼くことが可能になります。まさに「魔法の粉」と言っても過言ではありません。
サイリウムとは?驚きの保水力と粘性
サイリウムハスク(以下、サイリウム)とは、オオバコ属の植物の種子の殻を粉末状にしたものです。食物繊維が非常に豊富で、健康食品として知られています。
サイリウムの最大の特徴は、自身の重さの約30倍~50倍もの水分を吸収し、ゲル状に膨らむという性質です。この性質が、グルテンの代わりとなってパン生地に粘りとまとまりを与え、イーストが発生させたガスをしっかりと閉じ込めてくれるのです。
サイリウムを加えることで、以下のような効果が期待できます。
- 生地にまとまりと粘りが生まれる
- パンがパサつかず、しっとり&もっちりする
- しっかりと膨らみ、ボリュームが出る
- 食物繊維を手軽に摂取できる
サイリウムを入れる最適な量とタイミング
サイリウムの量は、多すぎるとお餅のようにネッチョリとした食感になり、少なすぎると膨らみが悪くなります。一般的には、オートミール(粉末)100gに対して、サイリウムを8g~12g程度加えるのが黄金比です。
入れるタイミングも重要です。サイリウムは水分を吸うとすぐに固まり始めるため、ダマにならないように注意が必要です。
- まず、オートミールパウダーやドライイースト、砂糖、塩などの粉類をすべてホームベーカリーのケースに入れ、スプーンなどで軽く混ぜ合わせます。
- 次に、サイリウムを加えて、再度粉類全体と均一になるようにしっかりと混ぜ合わせます。
- 最後に、水を加えます。
この順番を守ることで、サイリウムがダマになるのを防ぎ、生地全体に均一に行き渡らせることができます。
サイリウムを使った基本のオートミール100%パンレシピ
まずはこの基本のレシピを試してみてください。あまりの簡単さと美味しさに驚くはずです。
材料(1斤分)
- オートミール(粉末状のもの):250g
- サイリウムハスク:20g
- ドライイースト:3g
- 砂糖(またはラカントなど):15g
- 塩:3g
- ぬるま湯(30~40℃):300ml
- 米油(または他の植物油):15g
詳しい作り方は、後の章「オートミールだけ!簡単パンレシピ【ホームベーカリー版】」で詳しく解説しますので、お楽しみに!
【秘訣2】オートミールの下準備で食感が激変!
使用するオートミールの状態も、パンの出来栄えを大きく左右する重要なポイントです。ちょっとした下準備をするだけで、口当たりが滑らかになり、より美味しく仕上がります。
オートミールは粉末化がおすすめ!
前述の通り、ロールドオーツのような粒が大きいオートミールをそのまま使うと、生地の繋がりが悪くなり、膨らみにくくなる原因となります。そこでおすすめなのが、オートミールをミキサーやフードプロセッサーで粉末状(オートミールパウダー)にしてから使うことです。
粉末化することで、以下のようなメリットがあります。
- 生地が滑らかになり、キメの細かいパンになる
- 水分が均一に行き渡りやすくなる
- サイリウムなどの他の材料と混ざりやすくなる
市販のオートミールパウダーを使ってももちろんOKですが、ご家庭にミキサーがあれば簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。粉末にするだけで、驚くほど食感が変わりますよ。
事前に水分を吸わせておく「浸水」の重要性
時間があればぜひ試していただきたいのが、オートミールパウダーを事前に水分(レシピの水分の一部)と混ぜて、15分〜30分ほど置いておくという工程です。これを「浸水」や「オートクレーブ」と呼びます。
オートミールは吸水に少し時間がかかります。あらかじめ水分をしっかりと吸わせておくことで、生地がよりしっとりとまとまりやすくなり、パサつきを防ぐことができます。特に、ホームベーカリーの「早焼きコース」など、こね時間が短いコースで作る場合に効果的です。

ロールドオーツとクイックオーツ、どっちがいい?
パン作りには、どちらかというと細かく加工されている「クイックオーツ」の方が向いています。クイックオーツの方が粉末化しやすく、水分も素早く吸収してくれるからです。
もちろん、ロールドオーツしか手元にない場合でも問題ありません。その場合は、ミキサーにかける時間を少し長めにして、しっかりと粉末状にしてから使うようにしましょう。逆に、少し粒感を残して食感を楽しみたい、という場合は、一部を粉末にせずそのまま加えてみるのも面白いかもしれませんね。
【秘訣3】イーストを活性化させる!発酵のコツ
パンを膨らませる主役、イースト菌。彼らが元気に働ける環境を整えてあげることが、ふっくらパンへの近道です。特にグルテンのない生地では、イーストの力を最大限に引き出してあげることが重要になります。
ドライイーストはぬるま湯で予備発酵させる
ホームベーカリーの多くは、材料をすべて入れてスイッチを押すだけですが、より確実に膨らませるためには「予備発酵」という一手間をおすすめします。
予備発酵とは、本格的に生地をこね始める前に、イースト菌を目覚めさせて活性化させてあげる作業です。やり方はとても簡単。
- レシピで使うぬるま湯(30~40℃)の一部(50ml程度)を取り分けます。
- そこに、レシピ分のドライイーストと、砂糖をひとつまみ(分量内から)加えます。
- 軽く混ぜて、5分~10分ほど置きます。
- 表面がぷくぷくと泡立ってきたら、イーストが元気に目覚めた証拠です。これを他の材料と一緒にケースに加えます。
この作業を行うことで、発酵がスムーズに進み、失敗のリスクをぐっと減らすことができます。
砂糖やはちみつでイーストの栄養補給
すでにお話しした通り、イーストのエサは「糖分」です。レシピに砂糖やはちみつ、メープルシロップなどを加えるのは、パンに甘みをつけるだけでなく、イーストの活動を活発にするという大切な役割があります。
ダイエット中で糖質を気にしている方も、イーストのエサとなる最低限の糖分は加えるようにしましょう。ラカントのようなゼロカロリー甘味料でも代用は可能ですが、イーストの発酵を助ける力は砂糖の方が強いと言われています。少量でも砂糖を加えることで、膨らみが安定します。
ホームベーカリーの「早焼きコース」は避けるべき?
多くのホームベーカリーには「早焼きコース」が搭載されていますが、オートミールパン作りでは、通常の「食パンコース」や、フランスパンコースなど、発酵時間が長めに設定されているコースを選ぶのがおすすめです。
オートミールの生地は、小麦粉の生地に比べて発酵に少し時間がかかる傾向があります。発酵時間が短い早焼きコースでは、十分に膨らむ前に焼き上げ工程に入ってしまい、結果的に小さくて硬いパンになりがちです。じっくりと時間をかけて発酵させることで、イーストがたくさんのガスを発生させ、ふっくらとしたパンに仕上がります。
オートミールとドライイーストをレンジで発酵させることは可能?
「オートミール ドライ イースト レンジ」というキーワードで検索される方も多いようですが、これは主に蒸しパンなどを作る際の方法です。ホームベーカリーを使わずに、ボウルで生地を作り、レンジの発酵機能を使って一次発酵させることは可能です。
しかし、ホームベーカリーで作るパンのような、釜伸びした食感に仕上げるのは難しいでしょう。レンジを使った発酵は、あくまで発酵の補助的な手段として捉えるのが良いかもしれません。基本的には、ホームベーカリーの機能を信じて、じっくりと発酵させるのが成功への一番の近道です。
【秘訣4】水分量を制する者がパンを制す!
オートミールパン作りにおいて、サイリウムと同じくらい重要とも言えるのが「水分量」のコントロールです。ここをマスターすれば、理想のしっとり・もっちり食感を手に入れることができます。
オートミールは小麦粉より水分を多く必要とする
繰り返しになりますが、オートミールは非常に水分をよく吸います。小麦粉のパンと同じレシピで水分を入れると、間違いなく水分不足でカチカチのパンになってしまいます。
目安としては、オートミールパウダーの重量に対して、120%〜140%の水分が必要になります。例えば、オートミールパウダーが250gなら、水分は300ml〜350mlが目安です。これは、使用するオートミールの種類やその日の湿度によっても変わってくるので、あくまでスタート地点の目安として考えてください。
生地の状態を見ながら水分を調整する方法
ホームベーカリーが生地をこね始めてから5分〜10分後、一度フタを開けて生地の状態を確認してみましょう。これができるかどうかが、成功率を大きく左右します。
- 生地がまとまらず、粉っぽい場合: 明らかに水分不足です。大さじ1杯ずつ水を足して、生地がひとつにまとまるまで様子を見ます。
- 生地がベチャベチャで、ケースの底にたまっている場合: 水分が多すぎます。オートミールパウダーを大さじ1杯ずつ加えて、ちょうど良い固さになるまで調整します。
理想的な生地の固さは、「なんとかひとまとまりになっているけれど、触ると手にくっつくくらい柔らかい状態」です。少しベタつくくらいが、焼き上がりがしっとりして美味しくなります。こねている羽の周りに、生地が綺麗にまとまって回っている状態を目指しましょう。
ヨーグルトやお豆腐でしっとり感をプラス
水分の一部をヨーグルト(無糖)や絹ごし豆腐に置き換えるのも、非常におすすめのテクニックです。これらを加えることで、パンがよりしっとり、もっちりとした食感に仕上がります。
ヨーグルトの酸味は、焼き上がるとほとんど感じられませんが、生地の保湿性を高め、風味を豊かにしてくれます。お豆腐は、タンパク質をプラスできるというメリットもありますね。
例えば、水分量が300mlのレシピなら、「水250ml + ヨーグルト50g」や「水250ml + 絹ごし豆腐50g(よく潰しておく)」のように置き換えてみてください。いつものパンがワンランクアップしますよ。
【秘訣5】材料のちょい足しで劇的に美味しくなるアレンジ術
基本のオートミールパンが上手に焼けるようになったら、次はアレンジに挑戦してみませんか?少し材料を足すだけで、風味や食感がガラリと変わり、パン作りの楽しさがさらに広がります。
米粉を少し加えるともっちり感がアップ
「もう少しもっちり感が欲しい!」という方におすすめなのが、オートミールの一部を米粉に置き換える方法です。米粉を加えることで、お米由来の自然な甘みと、もっちりとした食感がプラスされます。
例えば、オートミール250gのレシピなら、「オートミール200g + 米粉50g」のように、全体の20%程度を置き換えてみてください。グルテンフリーであることに変わりはありませんが、食感の違いに驚くはずです。
ナッツやドライフルーツで風味と食感を豊かに
くるみやアーモンドなどのナッツ類、レーズンやクランベリーなどのドライフルーツは、オートミールパンとの相性抜群です。香ばしい風味と食感のアクセントが加わり、満足感が格段にアップします。
これらの具材は、ホームベーカリーの「具材投入ブザー」が鳴るタイミングで加えるのがベストです。最初から入れてしまうと、こねている間に砕けすぎてしまうことがあります。具材投入機能がない機種の場合は、こね始めてから10分後くらいに手動で投入しましょう。

ココアや抹茶でフレーバーパンに挑戦
純ココアパウダーや抹茶パウダーを加えれば、簡単にフレーバーパンが作れます。オートミールパウダー250gに対して、パウダー類を10g〜15g程度加えるのが目安です。パウダー類を加える際は、その分オートミールパウダーの量を減らすと、全体のバランスが崩れにくくなります。
ココアパンにはチョコチップを、抹茶パンには甘納豆やホワイトチョコチップを加えるなど、アレンジは無限大です。
甘味料の選び方(ラカント、はちみつなど)
パンに加える甘味料も、お好みで変えることができます。
- 砂糖(きび砂糖、てんさい糖など): イーストの発酵が最も安定します。コクのある甘みが特徴です。
- はちみつ、メープルシロップ: 風味豊かで、しっとりとした仕上がりになります。砂糖よりも甘みが強いので、少し量を減らして使いましょう。
- ラカント、エリスリトール: カロリーゼロの甘味料。ダイエット中の方に人気ですが、イーストの発酵を助ける力は弱めです。焼き色がつきにくいという特徴もあります。
それぞれの特徴を理解して、目的に合わせて使い分けてみてください。
オートミールだけ!簡単パンレシピ【ホームベーカリー版】
お待たせしました!これまで解説してきた5つの秘訣をすべて盛り込んだ、決定版の「オートミール100%パン」のレシピをご紹介します。この通りに作れば、きっと美味しいパンが焼けるはずです。
材料(1斤分)
- オートミール(クイックオーツ推奨):250g
- サイリウムハスク:20g
- ドライイースト:3g
- きび砂糖(またはお好みの甘味料):15g
- 塩:3g
- ぬるま湯(35℃前後):320ml
- 米油(またはお好みの植物油):15g
作り方の手順
- 【下準備】 オートミール250gをミキサーやフードプロセッサーに入れ、サラサラの粉末状になるまで撹拌します。
- 【粉類を混ぜる】 ホームベーカリーのパンケースに、粉末にしたオートミール、サイリウムハスク、きび砂糖、塩を入れ、スプーンなどで全体が均一になるようにしっかりと混ぜ合わせます。
- 【イーストをセット】 ドライイーストをイースト投入口にセットします。投入口がない機種の場合は、混ぜ合わせた粉類の中央にくぼみを作り、そこに入れるようにしてください。(※塩と直接触れないようにするため)
- 【液体を入れる】 ぬるま湯と米油を、イーストを避けるようにパンケースの周りからそっと注ぎ入れます。
- 【スタート!】 パンケースを本体にセットし、「食パンコース」(またはそれに準ずる標準的なコース)を選んでスタートボタンを押します。焼き色は「普通」がおすすめです。
- 【生地チェック】 こねが始まってから5〜10分後にフタを開け、生地の固さを確認します。まとまりが悪ければ水を、ベタつきすぎればオートミールパウダーを少量ずつ加えて調整します。
- 【焼き上がり】 ブザーが鳴ったら、ミトンなどを使ってパンケースを取り出します。ケースを逆さにして2〜3回軽く振ると、パンが取り出せます。
- 【冷ます】 取り出したパンは、すぐに網の上などに乗せて粗熱をとります。こうすることで、蒸気がこもってパンが湿っぽくなるのを防ぎます。
さあ、これでふっくら、もっちりの美味しいオートミールパンの完成です!
焼き上がりの見極め方
焼き上がりの目安は、パンのてっぺんにこんがりと美味しそうな焼き色がついていることです。竹串などを刺してみて、生の生地がついてこなければOKです。もし焼きが足りないと感じたら、お使いのオーブンで追加で5分〜10分ほど焼くと良いでしょう。
オートミール100%パンをホームベーカリーで焼く際の注意点
最後に、オートミールパンを焼く際に知っておくと便利な注意点やコツをいくつかご紹介します。
ホームベーカリーの羽に生地が絡みやすい
サイリウムを使った生地は粘りが強いため、焼き上がったパンの底に、こねるための羽が埋まったままになってしまうことがよくあります。これは「あるある」なので、慌てずに。パンが冷めてから、底から羽を優しく取り出してあげましょう。専用の取り出し棒が付属している機種もあります。
釜から取り出しにくい場合の対処法
焼き上がったパンがパンケースからなかなか出てこないことがあります。その場合は、ケースを逆さまにして数回強く振ってみてください。それでも出てこない場合は、ケースの側面に濡れ布巾などを当てて少し冷やすと、金属が収縮してパンとの間に隙間ができ、取り出しやすくなることがあります。
保存方法と美味しく食べるためのリベイク術
オートミールパンは、小麦粉のパンに比べて少し乾燥しやすい傾向があります。粗熱が取れたら、乾燥しないように1枚ずつスライスして、ラップでぴったりと包み、保存袋に入れて冷凍保存するのが最もおすすめです。
食べる際は、凍ったままのパンに軽く霧吹きで水をかけ、オーブントースターでリベイク(焼き直し)すると、表面はカリッと、中はもっちりとした焼きたてのような食感が復活します。ぜひお試しください。
よくある質問(Q&A)
ここでは、オートミールパン作りに関して、読者の皆様からよくいただく質問にお答えします。
はい、今回ご紹介したレシピは小麦粉を一切使用していないため、小麦アレルギーの方でも安心してお召し上がりいただけます。ただし、注意点が一つあります。オートミールは、製造過程で小麦が混入(コンタミネーション)してしまう可能性があります。重篤なアレルギー症状をお持ちの方は、必ず「グルテンフリー」と明記されたオートミールを選ぶようにしてください。
サイリウムほどの膨らみやまとまりは期待できませんが、いくつかの代用品が考えられます。例えば、「片栗粉」や「タピオカスターチ」などをオートミールの10%程度加えると、多少のもっちり感を出すことができます。また、「チアシード」や「フラックスシード」を水に浸してジェル状にしたもの(シードエッグ)も、つなぎとして機能します。しかし、ふっくらとしたパンらしい食感を求めるのであれば、やはりサイリウムの使用を強くおすすめします。
使用する材料(特に甘味料)によって変動しますが、一般的な食パンと比較すると、カロリーは同程度か少し低め、糖質はやや低く、食物繊維が非常に豊富であるという特徴があります。血糖値の上昇が緩やかな低GI食品であるため、ダイエット中や健康を意識している方には非常におすすめです。
ベーキングパウダーを使って作ることも可能ですが、その場合はイーストのような発酵による膨らみとは異なる、蒸しパンやスコーンのような、目が詰まったどっしりとした食感のパンになります。「オートミール蒸しパン」のようなものを作りたい場合には適していますが、ふっくらとしたパンを目指すのであれば、ドライイーストとサイリウムの組み合わせが最適です。
はい、もちろん手ごねでも作れます。その場合、サイリウムを加えた生地は非常にベタつくので、打ち粉(米粉やオートミールパウダー)を使ったり、手に油を塗ったりしながらこねると作業しやすいです。ボウルの中でヘラなどを使って混ぜるだけでも作れます。一次発酵、ガス抜き、二次発酵といった工程が必要になりますが、自分で作ったパンは格別の美味しさですよ。
まとめ:小麦粉なしのオートミールパンでヘルシーな食生活を!
いかがでしたか?今回は、ホームベーカリーで小麦粉なしのオートミールパンを焼く際に失敗しないための5つの秘訣と、具体的なレシピを詳しくご紹介しました。
最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 膨らまない最大の原因は「グルテン不足」。
- 【秘訣1】 成功の鍵はグルテンの代わりになる「サイリウム」を入れること。
- 【秘訣2】 オートミールは「粉末化」して使うと食感が格段にアップする。
- 【秘訣3】 「予備発酵」などでイーストが元気に働ける環境を整える。
- 【秘訣4】 こねの途中で生地を確認し、「水分量」を適切に調整する。
- 【秘訣5】 米粉やナッツなどを「ちょい足し」してアレンジを楽しむ。
「小麦粉なしのパンなんて美味しくない」という常識は、もう過去のものです。正しい知識とちょっとしたコツさえ掴めば、誰でも簡単におうちで、ヘルシーで美味しいオートミールパンを焼くことができるのです。
この記事でご紹介した方法で、ぜひあなただけのオリジナルオートミールパンを作ってみてください。焼きたてのパンの香りがキッチンに広がる幸せを、ぜひ体感していただきたいと思います。

本格的にパン作りを始めるなら、自分に合ったホームベーカリー選びも大切ですよね。以下の記事では、初心者から上級者まで満足できる、おすすめのホームベーカリーを徹底解説しています。ぜひ、あなたの最高の相棒を見つける参考にしてください。

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