ふと気づくと、ホコリや指紋で汚れているテレビ画面。「キレイにしなきゃ」と思いつつ、正しい掃除方法がわからず困っていませんか?
手近にあるメガネ拭きでサッと拭いたり、「アルコールで除菌もできるかな?」と考えたり…。
実は、その何気ない行動が、デリケートなテレビ画面を傷つけ、取り返しのつかない故障に繋がる可能性があるのです。
この記事では、多くの方が疑問に思う「テレビ画面の掃除にメガネ拭きやアルコールは使えるのか?」という問題にハッキリお答えします。
さらに、誰でも簡単にできる正しい掃除の基本から、しつこい汚れを安全に落とす方法、そして絶対にやってはいけないNG例まで、網羅的に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたはもうテレビの掃除で迷うことはありません。大切なテレビを長持ちさせ、いつでもクリアな映像を楽しめるようになりますよ。
テレビ画面の掃除にメガネ拭きやアルコールは使える?結論から解説
多くの方が一番知りたいであろう結論からお伝えします。
テレビ画面の掃除において、メガネ拭きは「条件付きでOK」、しかしアルコールは「絶対NG」です。
なぜそう言えるのか、それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
メガネ拭きは条件付きで使える!注意点とは?
メガネ拭きは、メガネのレンズというデリケートなものを拭くために作られているため、テレビ画面の掃除にも使えそうですよね。
実際に、乾いていて清潔なマイクロファイバー製のメガネ拭きであれば、ホコリを取るための乾拭きに使用できます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 使えるメガネ拭き:乾いたマイクロファイバー製のもの、清潔でホコリやゴミが付着していないもの
- 使えないメガネ拭き:ウェットタイプのもの、クリーナー液などが染み込んでいるもの、汚れているもの
要するに、「何も付いていない、キレイで乾いた布」としてなら使える、ということです。わざわざ新品のメガネ拭きをおろすよりは、テレビ画面専用のクリーニングクロスを用意するのが最も安全でおすすめです。
アルコールは絶対NG!その理由とは?
除菌効果もあって便利そうなアルコールですが、テレビ画面への使用は絶対に避けてください。
現在のテレビ画面(液晶、有機ELなど)の表面には、光の反射を抑えたり、画質を向上させたりするための特殊なコーティングが施されています。
アルコール(エタノール)などの強力な溶剤は、この大切なコーティングを化学的に分解し、剥がしてしまうのです。
一度コーティングが剥がれてしまうと、画面にムラができたり、光が乱反射して非常に見づらくなったりします。そして、このダメージは修理することができません。
アルコール入りのウェットティッシュや除菌スプレーなども同様にNGです。大切なテレビを壊さないためにも、アルコール類は絶対に使わないと覚えておきましょう。

【基本編】正しいテレビ画面の掃除方法を3ステップで解説
では、具体的にどのように掃除すれば良いのでしょうか?
誰でも簡単にできる、安全で基本的な掃除方法を3つのステップでご紹介します。基本は「乾拭き」です。
ステップ1:電源を切り、画面を冷ます
まず最初に、必ずテレビの電源をコンセントから抜いてください。
これは、感電などの事故を防ぐ安全対策であると同時に、画面が黒くなることでホコリや汚れが格段に見やすくなるというメリットがあります。
また、電源が入っているとテレビは熱を持ち、静電気が発生しやすくなります。電源を切って画面が冷めるのを待つことで、静電気の発生を抑え、掃除中にホコリが再付着するのを防げます。
ステップ2:乾いた柔らかい布で優しくホコリを取る
画面が完全に冷めたら、柔らかく乾いた布で画面のホコリを優しく拭き取ります。
この時に使う布は、マイクロファイバークロスが最適です。なければ、前述の条件を満たしたメガネ拭きや、カメラレンズ用のクリーニングクロスでも代用できます。
拭き方のコツは、上から下へ、または右から左へ、一方向に優しく撫でるように動かすことです。円を描くように拭くと、拭きムラが残りやすくなるので避けましょう。

ステップ3:落ちない汚れは固く絞った布で拭く
乾拭きだけでは落ちない指紋や皮脂汚れがある場合は、水拭きを行います。
ただし、ここでも注意が必要です。絶対に画面に直接水を吹きかけないでください。水分がテレビの内部に入り込み、故障の原因となります。
マイクロファイバークロスを水で濡らし、水滴が垂れてこないレベルまで固く、固く絞ります。その布で、汚れた部分を優しく拭き取ってください。
水拭きをした後は、必ず乾いた別のマイクロファイバークロスで、水分が残らないように優しく乾拭きして仕上げます。水分が残ると、水垢となって新たな汚れの原因になってしまいます。
【応用編】手垢や油汚れなど頑固な汚れの落とし方
お子様が触ってしまったり、キッチン近くにテレビがあったりすると、手垢や油汚れといった頑固な汚れが付くこともありますよね。
そんな時は、少しだけステップアップした方法を試してみましょう。
中性洗剤を薄めた液を使う方法
水拭きでも落ちない皮脂汚れなどには、食器用洗剤などの中性洗剤が有効です。
ただし、原液をそのまま使うのはNG。必ず薄めて使用します。
- 水100に対して中性洗剤1の割合(濃度1%以下)で洗浄液を作ります。
- マイクロファイバークロスをその洗浄液に浸し、固く絞ります。
- 汚れた部分を優しく、ピンポイントで拭き取ります。
- 次に、水だけで濡らして固く絞った別の布で、洗剤成分を完全に拭き取ります。
- 最後に、乾いた布で水分をしっかり拭き取り、仕上げます。
洗剤成分が画面に残ると、コーティングを傷める原因になります。拭き取りと乾拭きの工程は、特に丁寧に行ってください。
テレビ専用クリーナーを使うのもおすすめ
「洗剤を薄めるのは少し面倒…」「もっと手軽に、でも安全に掃除したい」という方には、市販のテレビ画面専用のクリーニングキットがおすすめです。
専用品なので、画面のコーティングに影響を与えない成分で作られており、安心して使用できます。クリーニング液と専用クロスがセットになっている商品が多く、手軽に最適な掃除ができるのが魅力です。
選ぶ際は、「液晶テレビ用」「有機EL対応」など、お使いのテレビの種類に合ったものを選ぶようにしましょう。
これだけは絶対やめて!テレビ画面掃除のNG例
良かれと思ってやったことが、実はテレビの寿命を縮める行為だった、なんてことは避けたいですよね。
ここで、改めてテレビ画面の掃除で絶対にやってはいけないNG例をまとめます。
- ティッシュペーパー、キッチンペーパーの使用繊維が硬く、画面を傷つける可能性があります。また、拭き跡や繊維クズが残りやすいです。
- アルコール、ベンジン、シンナー、除光液などの化学薬品画面のコーティングを溶かし、深刻なダメージを与えます。絶対に使用しないでください。
- ガラスクリーナー(ガラスマジックリンなど)の使用窓ガラス用クリーナーには、研磨剤やアルコール成分が含まれていることが多く、画面のコーティングを剥がしてしまいます。
- 画面を強く押したり、爪でこすったりする行為液晶パネルは圧力に非常に弱いです。部分的に画素が壊れてしまう「画素欠け」の原因になります。
- 画面に直接液体をスプレーする液体が隙間から内部に侵入し、電子回路がショートして故障する危険性が非常に高いです。
テレビ画面の掃除に関するよくある質問(Q&A)
最後に、テレビ画面の掃除に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q1. 掃除の頻度はどれくらい?
A1. ホコリが目立ってきたら、というのが一つの目安です。一般的には、月に1〜2回程度の乾拭きを習慣にすると、キレイな状態を保ちやすいでしょう。
指紋などが付いてしまった場合は、その都度、固く絞った布で拭き取るのがおすすめです。汚れは時間が経つほど落ちにくくなります。
Q2. 有機ELテレビの掃除方法も同じ?
A2. はい、基本的に同じ方法で問題ありません。有機ELテレビの画面も非常にデリケートで、表面には特殊なフィルムやコーティングが施されています。
本記事で紹介した「乾拭き」と「固く絞った布での水拭き」という基本の掃除方法を、より一層優しく行うことを心がけてください。
Q3. 画面を除菌したい場合はどうすればいい?
A3. アルコールが使えないため、完全な除菌は難しいのが実情です。
もし除菌をしたい場合は、「テレビ画面用」や「OA機器用」として販売されているノンアルコールの除菌ウェットティッシュを使用してください。ただし、使用前には必ず、お使いのテレビの取扱説明書で対応しているかを確認しましょう。
Q4. 新しいテレビの購入も検討しているんだけど…
A4. 掃除を機に、最新のテレビに買い替えたくなることもありますよね。
最近のテレビは画質も機能も驚くほど進化しています。どんなテレビがあるのか気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。あなたにピッタリの一台を見つけるための、後悔しない選び方を詳しく解説しています。
まとめ:正しい掃除でテレビを長持ちさせよう!
今回は、テレビ画面の掃除について、メガネ拭きやアルコールの使用可否から、正しい掃除方法まで詳しく解説しました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- メガネ拭きは乾いた清潔なものなら乾拭きに使えるが、薬剤付きはNG。
- アルコール類はコーティングを傷めるので絶対に使用しない。
- 基本の掃除は「乾いた柔らかい布(マイクロファイバークロス)での乾拭き」。
- 頑固な汚れは「固く絞った布での水拭き」か「薄めた中性洗剤」で。
- 掃除後は必ず乾拭きで水分を残さない。
正しい知識さえあれば、テレビの掃除は決して難しいものではありません。
この記事を参考に、ぜひ今日から実践してみてください。ホコリや汚れのないクリアな画面は、いつものテレビ番組や映画を、もっと特別なものにしてくれるはずです。
大切なテレビをいたわりながら、美しい映像を存分に楽しんでくださいね!
【参考資料】