ふとテレビ画面を見ると、子供の手垢やホコリで白く曇っていませんか?「今すぐキレイにしたい」と焦る気持ち、よく分かります。
「手元にあるメガネ拭きでゴシゴシ拭いてもいい?」
「アルコール除菌シートなら油汚れも落ちそうだけど…」
ちょっと待ってください!その自己流の掃除が、テレビの寿命を縮め、修理代数万円の故障を招く危険性があります。
この記事では、プロの視点から「テレビの画面掃除にメガネ拭きやアルコールは使えるのか?」という疑問に完全回答します。
さらに、誰でも失敗せずに新品のような輝きを取り戻せる「正しい掃除の5つの手順」まで網羅的に解説します。
※2025年11月21日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
アルコールは絶対NG!メガネ拭きなどの可否一覧表
まずは、多くの人が迷う「掃除に使っていいもの・ダメなもの」を明確にします。
結論から言うと、テレビ画面にアルコールは「絶対NG」、メガネ拭きは「条件付きでOK」です。
| アイテム | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| アルコール・エタノール | × NG | コーティングを溶かし、画面が白濁する |
| ウェットティッシュ | × NG | 成分不明な水分やアルコールが含まれる |
| ティッシュペーパー | △ 非推奨 | 繊維が硬く、微細な傷(スクラッチ)がつく |
| メガネ拭き | ○ 条件付OK | 乾いた清潔なマイクロファイバー製なら可 |
| 専用クロス | ◎ 推奨 | 画面保護に特化した素材で最も安全 |
アルコールが画面のコーティングを破壊する理由
「スマホはアルコールで拭いているのに、なぜテレビはダメなの?」と思いますよね。
現在のテレビ画面(液晶・有機EL)には、映り込みを抑えたり画質を向上させたりするための特殊なコーティングが施されています。
アルコール(エタノール)などの溶剤は、このコーティングを化学的に分解し、剥がしてしまいます。一度剥がれると、修理(パネル交換)以外に直す方法はありません。

メガネ拭きを使うなら素材に注意
メガネ拭きは代用可能ですが、必ず以下の条件を満たしたものを使用してください。
- 素材がマイクロファイバー(超極細繊維)であること
- 曇り止めなどの薬剤が染み込んでいないこと
- 乾いていて、汚れが付着していない清潔なもの
不織布タイプの使い捨てメガネ拭きは、繊維が荒い場合があるため使用しないでください。
テレビ画面を掃除する正しい5つの手順
では、家にあるもので安全に、かつ確実にキレイにする手順を解説します。基本は「傷をつけない乾拭き」です。
手順1:電源を切りコンセントを抜く
まずはテレビの電源を切り、コンセントを抜いてください。
- 静電気の防止:通電していると静電気でホコリを吸い寄せます。
- 汚れの視認性:画面が黒くなることで、指紋や手垢が見えやすくなります。
手順2:ハンディモップで表面のホコリを払う
いきなりクロスで拭くのはNGです。画面に付着している大きなホコリを引きずり、傷をつける原因になります。
まずはハンディモップやエアダスターを使い、画面に触れずに表面のホコリを落とすことが重要です。
手順3:マイクロファイバーで優しく乾拭き
表面の砂埃がなくなったら、清潔なマイクロファイバークロス(またはメガネ拭き)で優しく乾拭きします。
「上から下へ」「右から左へ」と一方向に動かしましょう。円を描くようにゴシゴシ擦ると、拭き跡が残ります。
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手順4:落ちない汚れは息で湿らせる
乾拭きで落ちない指紋汚れには、画面に「ハァーッ」と息を吹きかけて曇らせ、その僅かな水分を利用して優しく拭き取ります。
水滴を使わないため、故障のリスクが最も低い安全な方法です。
手順5:頑固な油汚れは中性洗剤で水拭き
子供のベタベタした手垢や油汚れがひどい場合のみ、以下の手順で水拭きを行います。
- 水100mlに対し中性洗剤(台所用)を1滴垂らす(濃度1%以下)。
- クロスを浸し、水滴が垂れない限界まで固く絞る。
- 汚れた部分を優しく拭く。
- 水だけで濡らして固く絞った別のクロスで、洗剤分を完全に拭き取る。
- すぐに乾いたクロスで乾拭きし、水分をゼロにする。

既にアルコールを使ってしまったら?
「この記事を読む前に、アルコールで拭いてしまった…」という方もいるかもしれません。
もし拭いてしまった直後なら、すぐに乾いた布で優しく成分を拭き取ってください。
既に画面に「拭きムラ」や「白濁」が出てしまっている場合、残念ながらそれは汚れではなく「コーティングの剥がれ」である可能性が高いです。
- こすらない:ムラを消そうとして強くこすると、さらに被害が広がります。
- 洗剤を使わない:傷ついたコーティングに洗剤が入り込み、悪化させます。
軽微なムラであれば、画面点灯時には気にならないこともあります。それ以上触らず、様子を見るのが賢明です。どうしても気になる場合はメーカー修理となります。
故障の原因!やってはいけないNG掃除
良かれと思ってやりがちな、実は危険なNG行為をまとめました。
- ティッシュペーパーの使用:
ティッシュは「木材パルプ」でできており、繊維が硬いため画面に傷がつきます。また紙粉が出て余計に汚れます。 - 画面への直接スプレー:
洗剤や水を画面に吹きかけると、重力で下に垂れ、枠の隙間から内部基盤へ侵入しショートします。 - ガラスクリーナーの使用:
研磨剤や発泡剤が含まれていることが多く、コーティングを一瞬で破壊します。 - 爪でカリカリ削る:
固まった汚れを爪で取ろうとすると、液晶パネルが圧迫され「ドット抜け(黒点)」の原因になります。
よくある質問(Q&A)
テレビ掃除に関する、よくある疑問にQ&A形式でお答えします。
はい、ホコリを取る目的なら非常に有効です。ただし、「吸着剤」が含まれていないノンオイルタイプを選んでください。吸着剤がついていると、画面に油膜のような跡が残ることがあります。
はい、基本は同じです。有機ELパネルは非常に薄く、圧力に弱いため、液晶テレビ以上に「優しく」拭くことを意識してください。
まとめ:正しい知識で大切なテレビを長持ちさせよう
テレビ画面の掃除は、道具選びと手順さえ間違えなければ怖くありません。
- アルコール・ウェットティッシュ・ティッシュはNG
- メガネ拭きは「清潔なマイクロファイバー」ならOK
- 基本は「ホコリ払い」→「優しく乾拭き」
- 頑固な汚れだけ「中性洗剤」を薄めて慎重に
正しいメンテナンスを行えば、テレビは長く美しい映像を届けてくれます。
もし、「掃除しても画面が暗い」「なんとなく画質が悪くなった」と感じるなら、それは汚れではなくテレビの寿命かもしれません。最近のテレビはAIによる高画質化が進んでおり、買い替えるだけで世界が変わりますよ。
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(参考:一般財団法人 家電製品協会)


