「パキッ…」という不吉な音と共に、テレビ画面に蜘蛛の巣のようなヒビが。
掃除中に掃除機をぶつけたり、お子さんがおもちゃを投げたり。「まさかうちのテレビが」と呆然としていませんか?
「この液晶割れ、自分で直せる?」
「修理代はいくら?買い替えた方が安い?」
結論から言うと、テレビの液晶割れを自分で直すことは不可能です。しかし、高額な修理代を払わずに解決できる「裏ワザ」的な方法は存在します。
この記事では、絶望的な状況から損をせずに立ち直るための「正しい直し方(対処法)」と「修理代の相場」を、家電のプロ目線で徹底解説します。
焦って誤った行動をとる前に、まずは3分だけこの記事を読んでみてください。
※2025年12月16日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
テレビの液晶割れの直し方はある?
あなたが一番知りたいのは、「DIYで安く修理できないか」ということでしょう。
しかし、残念ながら個人での修理は100%不可能と言い切れます。その明確な理由を解説します。
自分で修理することは不可能
ネット上にはスマートフォンの画面交換動画などがありますが、テレビの液晶パネルは構造が全く異なります。
- 部品が入手困難
メーカーは純正の液晶パネルを個人向けに流通させていません。 - 高度な接着技術
ガラスとフィルムは工場レベルの設備で圧着されており、手作業での交換はできません。 - 高電圧の危険性
内部には高電圧パーツがあり、コンセントを抜いた後でも感電するリスクがあります。
無理に分解するとメーカー保証が完全に無効になるだけでなく、火災の原因にもなります。絶対にやめましょう。
テープ等の応急処置は危険な理由
「修理に出すまでの間、とりあえずセロハンテープで補強して見続けよう」と考える方もいますが、これも非常に危険です。
使い続けると発火のリスクも
画面が割れていても映像が映るケースはありますが、そのまま電源を入れることは推奨されません。
放置・継続使用のリスク
- ショート・発火:割れ目から湿気やホコリが侵入し、内部ショートを起こす。
- 症状の悪化:液晶漏れが広がり、修理可能な基盤まで腐食させる。
- ガラス片の飛散:目に見えないガラス片が落ち、子供やペットが怪我をする。
最も安全で正しい応急処置は、すぐに電源を切り、コンセントを抜くことです。
サイズ別:テレビの液晶修理代の相場
では、メーカーに正規修理を依頼した場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
液晶パネルはテレビの原価の大部分を占めるため、修理費は高額になりがちです。サイズ別の目安(技術料+部品代+出張費)を見てみましょう。
| サイズ | 修理費用の目安 |
|---|---|
| 〜32型 | 3万円 〜 6万円 |
| 40〜49型 | 5万円 〜 10万円 |
| 50〜59型 | 7万円 〜 13万円 |
| 60型〜 | 10万円 〜 20万円以上 |
ソニー、パナソニック、シャープなどの主要メーカーであれば、概ねこの範囲に収まります。有機ELテレビの場合は、さらに数万円高くなる傾向があります。

修理代を安くする3つの秘策
高額な修理代を見て落ち込む必要はありません。状況によっては、自己負担をほぼゼロにできる可能性があります。
火災保険が使えるケースとは
これが最も強力な解決策です。持ち家でも賃貸でも、加入している「火災保険(家財保険)」を確認してください。
契約内容に「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」が含まれていれば、以下のようなケースで保険金が下りる可能性があります。
- 子供が投げたおもちゃが当たった
- 掃除機がコードに引っかかり倒れた
- 模様替え中にぶつけてしまった
免責金額(自己負担額)が0円〜5,000円程度であれば、修理代のほとんどをカバーできます。まずは保険証券を探し、保険会社に問い合わせてみましょう。
購入店の長期保証を確認する
家電量販店の延長保証に加入している場合も確認が必要です。
ただし、一般的な保証は「自然故障」のみ対象で、「物損(過失)」は対象外のことが多いです。「ワイド保証」や「プレミアム保証」といった特別なプランに入っているかどうかがカギとなります。
街の修理業者へ依頼する
メーカー保証も保険も使えない場合は、メーカー以外の「修理専門業者」に見積もりを取るのも一つの手です。
メーカーよりも技術料が安く設定されていることが多く、少しでも出費を抑えたい場合に有効です。
修理か買い替えか判断する基準
「直すべきか、新しく買うべきか」。迷った時は、以下の3つの基準(損益分岐点)で判断しましょう。
修理代が購入額の半額以上
修理見積もりが、同等スペックの新品価格の50%〜60%を超える場合は、買い替えの方がお得です。新品には新しい保証もつき、機能も向上しています。
購入から5年以上経過している
テレビの平均寿命は7年〜10年です。液晶を直しても、すぐに電源基盤やバックライトが故障する可能性があります。5年以上使っているなら、寿命と考えて買い替えるのが賢明です。
4Kやネット動画を見たい
もし今のテレビがフルハイビジョンなら、4Kテレビへの買い替えで画質が劇的に向上します。YouTubeやNetflixボタン付きのリモコンなど、利便性も上がります。
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割れたテレビの正しい処分方法
買い替えを決断した場合、割れたテレビはどうすれば良いのでしょうか。不法投棄は犯罪ですので、必ず正しい手順で処分しましょう。
買い替え時に引き取ってもらう
新しいテレビを購入する際、お店に「リサイクル回収」を依頼するのが最もスムーズです。リサイクル料金と収集運搬費がかかりますが、配送と同時に回収してくれます。
ジャンク品として買取に出す
意外な選択肢ですが、液晶割れテレビ専門の買取業者や、フリマアプリで売れることがあります。
液晶はダメでも、内部の基盤や電源パーツには価値があるからです。処分費を払うどころか、数千円のお小遣いになる可能性もあります。「テレビ 液晶割れ 買取」で検索してみましょう。
二度と割らないための予防策
新しいテレビを迎えたら、二度と同じ悲劇を繰り返さないために「防御」を固めましょう。
液晶保護パネルが最強の盾
小さなお子さんやペットがいる家庭には、アクリル製の「液晶保護パネル」の設置が必須です。
画面の前に透明なパネルを吊り下げるだけで、おもちゃの直撃や猫の爪研ぎから完璧にガードします。1万円程度の出費で十数万円のテレビを守れるなら、決して高い買い物ではありません。
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よくある質問(Q&A)
Q. ほんの少しのヒビでも修理は必要ですか?
A. はい、必要です。液晶のヒビは自然治癒しません。温度変化や振動でヒビは確実に広がり、いずれ全く映らなくなります。
Q. 見積もりだけで料金はかかりますか?
A. メーカーや家電量販店に出張見積もりを依頼すると、修理しなくても「出張診断料(3,000円〜5,000円程度)」がかかる場合がほとんどです。電話やメールで概算見積もりが取れるか、事前に確認しましょう。
まとめ:まずは保険の確認から!
テレビの液晶が割れた時の対処法について解説しました。最重要ポイントを振り返りましょう。
- DIY修理は不可:感電のリスクがあるため、コンセントを抜いて待機する。
- 保険を確認する:火災保険(家財保険)で修理代がカバーできるか確認する。
- 50%ルール:修理代が新品価格の半額以上なら買い替えを検討する。
- 再発防止:次は必ず液晶保護パネルを設置する。
画面が割れたショックは大きいですが、「火災保険」という救済措置を知っているだけで、結果は大きく変わります。
まずは深呼吸をして、保険証券や保証書を探すところから始めてみてください。あなたが最適な選択をし、再び快適なテレビライフを送れることを願っています。


