「あれ、まだお湯を使ったばかりなのに、エコキュートの残湯量メモリの減りが早い…」
「特に冬になると、すぐにお湯が足りなくなりそうでヒヤヒヤする…」
エコキュートをお使いのご家庭で、こんな風に感じたことはありませんか?急な湯切れは、日々のバスタイムの快適さを損なうだけでなく、家事にも影響が出てしまい困りますよね。
エコキュートの残湯量の減りが早いのには、簡単な設定ミスから、もしかしたら故障のサインまで、いくつかの原因が考えられます。
そこでこの記事では、エコキュートの残湯量が早く減ってしまう主な原因と、ご家庭で今すぐできる具体的な対処法を分かりやすく解説します。最後まで読めば、湯切れの不安から解放され、安心してエコキュートを使いこなせるようになりますよ。
まずは落ち着いて!エコキュートの残湯量が早く減る主な原因【使い方・設定編】
「もしかして故障?」と焦る前に、まずは日々の使い方や設定を見直してみましょう。意外と簡単なことで解決するケースも多いんですよ。
原因1:お風呂の「追いだき」や「自動保温」を多用している
フルオートタイプのエコキュートに搭載されている「追いだき」や「自動保温」は非常に便利な機能ですよね。しかし、これらの機能は貯湯タンク内の熱を使って浴槽のお湯を温め直す仕組みです。
そのため、頻繁に使用すると、その分タンクのお湯(熱)が消費され、残湯量メモリが減っていきます。家族の入浴時間がバラバラで、長時間保温機能を使い続けているご家庭は特に注意が必要です。
原因2:冬場で給水温度が低い
エコキュートは、取り込んだ水(給水)を温めてお湯にしています。そのため、冬場のように給水温度が低い時期は、お湯を沸かすのにより多くのエネルギーが必要になります。
また、タンクに貯めたお湯と冷たい水道水を混ぜて設定温度にするため、給水温度が低い冬は、同じ量のお湯を使うのにも夏場より多くのタンク内のお湯を消費します。
結果として、リモコンの残湯量表示の減りかたが夏場に比べて早くなるのです。これは故障ではなく、エコキュートの特性によるものです。
原因3:お湯の使用量がいつもより多い
エコキュートは、過去1週間のお湯の使用量を学習し、最適な湯量を自動で沸き上げる賢い機能を持っています。しかし、来客があったり、普段シャワーだけのご家庭がお湯はりをしたりと、急にお湯の使用量が増えた日には、沸き上げ量が追いつかず、お湯が足りなくなりがちです。
「今日はたくさんお湯を使いそうだな」という日は、事前の対策が必要になります。
原因4:「自動配管洗浄」が作動している
浴槽のお湯を抜いた後に、自動で配管を洗浄してくれる便利な機能。実はこの時、貯湯タンク内のお湯が使われています。
機種にもよりますが、1回の洗浄で約10Lのお湯を消費するものもあります。毎日お湯はりをするご家庭では、知らず知らずのうちにこの分のお湯を消費していることになります。
原因5:湯量設定が「少なめ」になっている
そもそも、エコキュートの沸き上げ湯量の設定がご家庭の使用量に合っていない可能性もあります。節約のために「少なめ」に設定していたり、家族構成が変わったのに設定はそのままだったりすると、湯切れを起こしやすくなります。
もしかして故障?修理が必要なケース
設定や使い方を見直しても改善しない場合は、エコキュート本体や配管の不具合が原因かもしれません。以下の症状が見られたら、専門業者による点検を検討しましょう。
原因6:本体や配管から水漏れしている
エコキュートの貯湯タンクユニット本体や、ヒートポンプ、浴槽につながる配管などから水(お湯)が漏れていると、当然ながらお湯はどんどん減っていきます。
特に冬場は、配管の凍結によって亀裂が入り、水漏れが発生しやすくなります。
原因7:エコキュート内部の部品が故障している
エコキュート内部には、「三方弁(さんぽうべん)」というお湯の流れを制御する重要な部品があります。この部品が故障すると、沸き上げたお湯がうまくタンクの上部に溜まらず、十分な量のお湯が沸き上がる前に沸き上げが完了したと誤認してしまうことがあります。
その結果、タンク内のお湯の量がもともと少ない状態になり、少し使っただけですぐに残湯量が減ってしまうのです。この場合、リモコンにエラーコードが表示されることもあります。
今すぐできる!残湯量の減りが早い時の対処法
原因がわかったところで、具体的な対処法を見ていきましょう。ご家庭で簡単に試せるものからご紹介します。
対処法1:「沸き増し」運転を行う
「今日は来客がある」「いつもより多くお湯を使いそう」という日には、手動で「沸き増し」を行いましょう。日中でもお湯を沸き増すことができるので、湯切れを防ぐ最も簡単で効果的な方法です。
操作方法はメーカーによって異なりますので、取扱説明書をご確認ください。
対処法2:湯量設定を「たっぷり」や「おまかせ」に見直す
常に湯量が足りないと感じる場合は、湯量設定を見直しましょう。多くの機種には「おまかせ(自動)」「たっぷり」「少なめ」などの設定があります。
- 普段から湯切れしがちなら:「たっぷり」に設定する
- 使用量が日によって違うなら:「おまかせ」に設定し、エコキュートの学習機能に任せる
ご家庭のライフスタイルに合った設定に変更してみてください。
対処法3:「追いだき」や「自動保温」の使い方を工夫する
お湯の消費を抑えるために、これらの機能の使い方を少し工夫するのも有効です。
- 家族ができるだけ時間を空けずに入浴する
- 最後の人が入浴したら、自動保温を切る
- お湯がぬるくなったら、追いだきではなく「高温足し湯」を使う(その方が効率が良い場合が多いです)
対処法4:水漏れがないかセルフチェックする
まずはお客様ご自身で、エコキュートの貯湯タンクユニットやヒートポンプの周り、配管などを目視で確認してみましょう。
不自然に濡れていたり、水たまりができていたりしないかチェックするだけでも、異常の早期発見につながります。
対処法5:エラーコードを確認し専門業者に相談する
何を試しても改善しない、明らかにお湯の減りがおかしい、リモコンにエラーコードが表示されている、といった場合は、迷わず専門業者に相談しましょう。
無理に自分で対処しようとすると、かえって状況を悪化させてしまう可能性があります。
信頼できる業者に点検・修理を依頼することが、根本的な解決への一番の近道です。どの業者に頼めばいいかわからない場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

エコキュートの残湯量に関するよくある質問(Q&A)
A1. 貯湯タンクは魔法瓶のように保温性が高いですが、それでも時間とともに少しずつ放熱して温度が下がっていきます。特に外気温が低い冬場は、放熱による温度低下が大きくなり、使えるお湯の量(残湯量)が自然に減ることがあります。これは故障ではありません。
A2. いいえ、少し違います。タンク内には約65℃~90℃の高温のお湯が貯められています。リモコンの残湯量表示は、この高温のお湯と水道水を混ぜて、一般的に使用される「約42℃のお湯」が「あと何リットル使えるか」の目安量として表示されている場合が多いです。そのため、実際のタンク内の湯量とは異なります。
A3. 配管を清潔に保つための機能なので、基本的にはオンにしておくことをおすすめします。もしお湯の使用量を少しでも節約したい場合は、オフにすることも可能ですが、定期的な手動洗浄(市販の配管洗浄剤を使用)を心掛けるようにしましょう。
A4. はい、その可能性があります。前日のお湯の使用量が少なくタンクにお湯が残った場合、そのお湯は翌朝には少し温度が下がっています。そこに新しいお湯を沸き足すため、タンク全体の平均温度が通常より低くなることがあります。結果として、42℃換算の残湯量表示の減りが早くなることがあります。
A5. 「おまかせ」設定は過去の使用状況から学習しますが、急な使用量の変化には対応しきれないことがあります。湯切れが頻繁に起こる場合は、一度「たっぷり」設定に切り替えて様子を見るか、それでも改善しない場合は他の原因(水漏れや故障)を疑ってみましょう。
A6. 一般的に、エコキュートの寿命は10年~15年と言われています。設置から10年以上経過していて、お湯の減りが早いなどの不具合が出てきた場合は、部品の経年劣化も考えられます。修理だけでなく、交換も視野に入れる時期かもしれません。
A7. はい、大いにあります。配管が凍結すると、亀裂が入って水漏れを起こすことがあります。また、凍結防止のために微量の水を流し続ける機能が働いた場合、意図せずお湯や水を消費することもあります。
A8. エコキュートは、電気料金が安い深夜電力を使ってお湯を沸かすのが基本です。昼間に沸き増しをすると、割高な電気料金プランの時間帯にお湯を沸かすことになるため、電気代は少し高くなる傾向があります。しかし、湯切れで不便な思いをするよりは、必要な時にためらわず沸き増し機能を使うことをおすすめします。
A9. はい、早くなります。シャワーの勢いが強いということは、それだけ単位時間あたりのお湯の吐出量が多いということです。節水タイプのシャワーヘッドに交換するだけでも、お湯の消費量を抑える効果が期待できます。
A10. まずはエコキュートの貯湯タンクにある「漏電遮断器」を一度オフにし、再度オンにしてみてください。一時的なエラーであれば、このリセット操作で復旧することがあります。それでも改善しない場合は、専門業者へ連絡しましょう。
まとめ:エコキュートの湯切れは原因の特定がカギ!快適なバスタイムを取り戻そう
今回は、エコキュートの残湯量の減りが早い原因と対処法について解説しました。
最後に、この記事のポイントをもう一度おさらいしましょう。
- まずは設定を確認:「追いだき・保温」の多用や湯量設定が原因のことが多い。
- 季節による違いを理解する:冬場は給水温度が低いため、お湯の減りが早くなるのは自然なこと。
- 使用量の変化に対応する:来客時などはお湯を多く使う日は、事前に「沸き増し」をしておく。
- 改善しない場合は故障を疑う:水漏れのチェックやエラーコードの確認を行い、早めに専門業者に相談する。
エコキュートのお湯の減りが早いと感じたら、まずは焦らず、ご自身の使い方や設定から見直してみてください。それでも解決しない不具合は、大切なエコキュートからのSOSサインかもしれません。
この記事を参考に、原因をしっかりと突き止め、湯切れの不安なく、毎日快適なバスタイムを過ごしてくださいね。
あなたのエコキュートでは、どんな時に「減りが早い」と感じますか?もしよろしければ、あなたの経験も下のコメントで教えてくださいね!
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