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ポータブル電源は経費計上OK!個人事業主の仕訳ガイド

ポータブル電源は経費計上OK!個人事業主の仕訳ガイド

個人事業主として事業を運営していると、作業の効率化は常に考えたいテーマですよね。

屋外での作業やイベント出店、万が一の停電時にも事業を止めないために、ポータブル電源の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、そこで気になるのが「このポータブル電源、経費にできるの?」という疑問です。

結論から言うと、個人事業主が事業のために使用するポータブル電源は、経費として計上できます。

ただし、その価格によって会計処理の方法がガラッと変わるため、正しい知識がないと損をしてしまう可能性も。

この記事では、個人事業主がポータブル電源を経費計上する際の具体的な仕訳方法や勘定科目、節税に繋がる特例まで、どこよりも分かりやすく徹底解説します。

この記事を読めば、もうポータブル電源の経費計上で迷うことはありません。

監修・執筆者
大谷

年間100製品以上のスペックを分析し、自腹で試す家電マニア。
数々の家電選びの失敗から学んだ、”本当に役立つ知識”だけを発信しています!

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ポータブル電源は個人事業主の経費にできる!ただし条件あり

まず、大前提として個人事業主が事業で使うポータブル電源は経費にできます。

例えば、建設現場での電動工具の使用、キッチンカーでの調理器具への電力供給、フリーランスがカフェや屋外でPC作業をするためなど、事業との関連性を明確に説明できれば問題ありません。

ただし、経費計上の方法はポータブル電源の取得価格によって変わるため、その違いをしっかり理解しておくことが重要です。

大谷
大谷
プライベートと事業の両方で使う場合は、使用時間や頻度に応じて「家事按分」という処理が必要になるので注意してくださいね。

ポイントは取得価格!10万円が大きな分岐点

経費処理の大きな分かれ道となるのが、取得価格10万円です。

10万円未満か、10万円以上かによって、会計処理の方法が大きく異なります。

  • 10万円未満:消耗品費として、購入した年に全額を経費にできる。
  • 10万円以上:固定資産として資産計上し、数年に分けて経費化(減価償却)する。

「じゃあ、10万円以上の高いものを買うと損なの?」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。

実は、10万円以上でもお得な特例制度が用意されています。

次の章で、価格帯ごとに具体的な経費計上方法を詳しく見ていきましょう。

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【価格別】ポータブル電源の勘定科目と経費計上方法

ここからは、ポータブル電源の取得価格に応じた具体的な勘定科目と経費計上の方法を解説します。

ご自身の購入した(あるいは購入予定の)ポータブル電源がどれに当てはまるか、確認しながら読み進めてみてくださいね。

取得価格 経費処理の方法 勘定科目 ポイント
10万円未満 全額をその年の経費として計上 消耗品費 一番シンプルで簡単な方法
10万円以上 固定資産として6年で減価償却 器具備品 原則的な処理方法
20万円未満 一括償却資産として3年で均等償却 器具備品 償却資産税が非課税になるメリットも!
30万円未満 少額減価償却資産として全額をその年の経費に(※青色申告者限定) 消耗品費 など 節税効果が非常に高い特例制度

10万円未満の場合:「消耗品費」で一括経費に

取得価格が10万円未満のポータブル電源は、「消耗品費」の勘定科目を使って、購入した年に全額を経費として計上します。

これが最もシンプルな処理方法です。

例えば、8万円のポータブル電源を購入した場合、その8万円すべてがその年の経費となり、課税対象の所得を圧縮できます。

中容量(500Wh~700Wh)クラスの製品がこの価格帯に多く、ちょっとしたPC作業やスマホの充電なら十分な性能です。

10万円以上の場合:「固定資産」として減価償却

取得価格が10万円以上のポータブル電源は、原則として「固定資産」として扱います。

購入した年に全額を経費にするのではなく、固定資産台帳に「器具備品」として登録し、後述する法定耐用年数(6年)にわたって分割して経費化していきます。

この手続きを「減価償却」といいます。

例えば、12万円のポータブル電源を購入した場合、個人事業主は原則「定額法」で計算するため、毎年2万円ずつ(12万円 ÷ 6年)を「減価償却費」として6年間経費に計上していくことになります。

大谷
大谷
最初は経費にできる額が少ないですが、長期間にわたって安定して経費を計上できるのが特徴です。会計ソフトを使えば計算も楽ですよ。

【特例①】20万円未満の場合:「一括償却資産」で3年償却

取得価格が10万円以上20万円未満の場合、お得な特例が使えます。

それが「一括償却資産」という制度です。

この制度を利用すると、法定耐用年数に関わらず、取得価格を3年間で均等に分割して経費にできます。

例えば18万円のポータブル電源なら、毎年6万円ずつ(18万円 ÷ 3年)を3年間で経費計上できます。

通常の減価償却(6年)より早く経費化できるため、短期的な節税効果が高まります。

さらに、一括償却資産は固定資産税の一種である「償却資産税」の課税対象から外れるという大きなメリットもあります!

【特例②】30万円未満の場合:「少額減価償却資産」で即時償却(青色申告者限定)

青色申告をしている個人事業主であれば、さらに強力な特例が使えます。

取得価格が30万円未満の場合、「少額減価償却資産の特例」を適用することで、購入した年に全額を経費として計上できます。

例えば、25万円の高性能なポータブル電源を購入しても、その25万円をまるごとその年の経費にできるのです。

これは非常に節税効果の高い制度ですが、以下の注意点があります。

年間合計300万円までという上限があり、一括償却資産と違って償却資産税の課税対象になります。また、2025年度末までの期間限定の制度です。

どのポータブル電源が自分の事業に合っていて、どの経費処理が最適か迷いますよね。

まずはどんな製品があるか知ることも大切です。以下の記事では、おすすめの人気メーカーをランキング形式で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ポータブル電源のおすすめ人気メーカーランキングTOP3

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ポータブル電源の法定耐用年数は?国税庁の指針を解説

10万円以上のポータブル電源を減価償却する際に重要になるのが「法定耐用年数」です。

法定耐用年数とは、資産を使用できる期間として法律で定められた年数のことで、この年数に基づいて減価償却の計算を行います。

では、ポータブル電源の法定耐用年数は何年なのでしょうか?

国税庁の指針では「6年」

国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」によると、ポータブル電源は「建物附属設備」の中の「電気設備」に含まれる「蓄電池電源設備」に該当します。

そして、この「蓄電池電源設備」の法定耐用年数は6年と定められています。

そのため、10万円以上のポータブル電源を原則通りに減価償却する場合は、6年で計算することになります。

国税庁の公式な指針に基づいているため、税務調査などがあっても明確に説明できるので安心ですね。

個人事業主の減価償却は「定額法」

減価償却の計算方法には「定額法」と「定率法」の2種類があります。

  • 定額法:毎年、同じ金額を償却していく方法。
  • 定率法:初年度の償却額が最も大きく、年々償却額が減っていく方法。

個人事業主の場合は、原則として「定額法」で計算することが所得税法で定められています。(届出をすれば定率法も選択可能です)

計算式は「取得価額 ÷ 耐用年数」と非常にシンプルなので、計算しやすいのが特徴です。

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ポータブル電源を経費計上する際の注意点

ポータブル電源を経費計上する際には、いくつか注意すべき点があります。

特に取得価額の判断を誤ると、適用できるはずの特例が使えなくなる可能性もあるため、しっかり確認しておきましょう。

ソーラーパネルとセット購入した場合の取得価額は?

最近は、ソーラーパネルがセットになったポータブル電源も人気ですよね。

この場合、経費計上の単位をどう判断するかが問題になります。

会計の原則では、「一体として機能するもの」はその合計額で判断します。

ポータブル電源とソーラーパネルはセットで使うことで価値を発揮するため、セット価格が取得価額になると考えるのが一般的です。

例えば、ポータブル電源が25万円、ソーラーパネルが6万円のセット(合計31万円)を購入した場合、取得価額が30万円を超えてしまうため、「少額減価償却資産の特例」が使えなくなってしまいます。

ただし、それぞれが独立して機能するとも考えられるため、個別の判断が必要です。迷った場合は、税理士などの専門家に相談することを強く推奨します。

税込?税抜?どちらの金額で判断する?

取得価額が10万円、20万円、30万円のラインを判断する際、消費税を税込で考えるか、税抜で考えるかは、ご自身の会計処理方式によって決まります。

  • 税込経理方式を採用している場合:消費税を含んだ「税込価格」で判断します。
  • 税抜経理方式を採用している場合:消費税を含まない「税抜価格」で判断します。

消費税の納税義務がある課税事業者はどちらかを選択できますが、納税義務のない免税事業者は税込経理方式しか選べません。

例えば、税抜28万円(税込30.8万円)のポータブル電源を購入した場合、税抜経理なら30万円未満の特例が使えますが、税込経理だと使えない、というケースが発生します。

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Q&A|ポータブル電源の経費計上に関するよくある質問

最後に、ポータブル電源の経費計上について、個人事業主の方からよく寄せられる質問にお答えします。

防災用に購入したポータブル電源も経費にできますか?

はい、経費にできる可能性は高いです。

事業所での停電時に事業継続のために使用するなど、事業との関連性を説明できれば経費として認められます。

その場合、勘定科目は「防災費」や「消耗品費」などが考えられます。10万円以上であれば、通常のルール通り資産計上が必要です。

固定資産台帳にはどのように記載すればいいですか?

会計ソフトを利用している場合は、指示に従って入力すれば自動で作成されます。

手書きやExcelで管理する場合は、「資産の名称(ポータブル電源など)」「取得年月日」「取得価額」「耐用年数(6年)」などを記載し、毎年の償却額を計算・記録していきます。

一括償却資産や少額減価償却資産の特例を適用する場合は、その旨を摘要欄などに記載しておくと分かりやすいでしょう。

大谷
大谷
少額減価償却資産の特例を使う場合は、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に摘要として「措法28の2」と記載する必要があります。
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まとめ:ポータブル電源を正しく経費計上して賢く節税しよう!

いかがでしたか?

今回は、個人事業主がポータブル電源を経費計上する方法について、価格帯ごとに詳しく解説しました。

最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 個人事業主が事業で使うポータブル電源は経費にできる。
  • 取得価格10万円を基準に、処理方法が「一括経費」か「減価償却」に分かれる。
  • ポータブル電源の法定耐用年数は6年。個人事業主は原則「定額法」で償却する。
  • 20万円未満なら「一括償却資産」30万円未満なら「少額減価償却資産」というお得な特例が使える(後者は青色申告者限定)。
  • ソーラーパネルとのセット購入や、税込・税抜の判断には注意が必要。

ポータブル電源は、事業の可能性を広げてくれる非常に便利なアイテムです。

この記事を参考に、あなたの事業に合った方法で正しく経費計上を行い、賢く節税しながら事業をさらに発展させていきましょう!