「テレビを見ていたら、プツンと音が消えてしまった…」
「映像はキレイに映るのに、なぜか音声だけ全く聞こえない」
急にテレビの音が出なくなると、「故障してしまったのでは？」と不安になりますし、修理代のことが頭をよぎりますよね。
しかし、どうぞ安心してください。突然の音声トラブルの約8割は、故障ではなく「一時的なシステムエラー」や「設定のうっかりミス」が原因です。
この記事では、家電のプロが現場で行う「テレビの音が出ない状態から5分で復旧させるための具体的な手順」を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
※2025年11月24日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
まずは再起動！放電でシステムをリセットする
細かい設定を確認する前に、最も効果が高く、かつ手軽な方法から試しましょう。
それは、テレビの「完全放電（再起動）」です。
近年のテレビは「大きなスマートフォン」のようなもので、内部で複雑なプログラムが動いています。長時間稼働し続けると処理が追いつかなくなり、音声出力の機能だけがフリーズしてしまうことがあるのです。
これを直すには、リモコンで電源を切るだけでは不十分です。以下の手順でリセットを行ってください。
効果絶大な再起動（放電）のやり方
- テレビ本体の電源ボタンで電源を切る
- 電源プラグをコンセントから抜く
- テレビ内部の電気を逃がすため、2分〜3分ほど放置する（※重要）
- 再度コンセントを差し込み、電源を入れる
この「コンセントを抜いて待つ」という作業だけで、システムのエラーが解消され、嘘のように音が戻ることが多々あります。
再起動で直らない原因
放電を行っても音が出ない場合、原因は「設定」「接続」「外部機器」のいずれかにあります。
どこに原因があるのかを特定するため、以下の項目を順番にチェックしてください。
1. 消音や音量ゼロのうっかりミス
「まさかそんな…」と思うかもしれませんが、意外と多い原因です。
- リモコンの「消音（ミュート）」ボタンを無意識に押していませんか？
- 家族が音量を「0」に設定していませんか？
画面に消音マークが出ていなくても、内部的にミュートになっていることがあります。
一度、リモコンの「音量＋」ボタンを押して、画面に音量バーが表示されるか、数値が上がるかを確認してください。
2. イヤホン・ヘッドホン・Bluetoothの接続
テレビが「外部に音を出しているつもり」になっているパターンです。
- 有線接続：テレビ側面のイヤホンジャックに、ヘッドホンなどが刺さったままになっていませんか？
- 無線接続：Bluetoothイヤホンやスピーカーに勝手に接続されていませんか？
特に最近のテレビはBluetooth機能が搭載されているため、カバンの中にあるイヤホンに自動接続してしまい、テレビスピーカーが無音になるケースが増えています。
設定メニューの「Bluetooth設定」から、接続中の機器がないか確認しましょう。
3. 音声出力先の設定ズレ
サウンドバーなどを使っていないのに、設定がズレている可能性があります。
リモコンの「設定」ボタンから「音声設定」または「サウンド」の項目を開いてください。
「スピーカー出力」の設定が「テレビスピーカー（本体）」になっているかを確認します。これが「オーディオシステム」や「外部スピーカー」になっていると、テレビ本体からは音が出ません。
周辺機器や特定の放送に原因があるケース
テレビ本体は正常でも、接続している機器や特定の放送局に問題がある場合があります。
「すべて音が出ない」のか「これだけ音が出ない」のかを確認しましょう。
HDMIケーブル・サウンドバーの接触不良
Fire TV Stick、ブルーレイレコーダー、サウンドバーなどを使用している時だけ音が出ない場合、HDMIケーブルの不具合が疑われます。
HDMIケーブルは、映像と音声を一本で送るデリケートなケーブルです。見た目は刺さっていても、内部で接触不良を起こしていることがあります。
- テレビと機器の電源を切る
- HDMIケーブルを両端とも抜く
- 端子のホコリを「フッ」と吹き飛ばす
- カチッと手応えがあるまで奥まで差し直す
特にサウンドバーを使用している場合、テレビ側の端子が「ARC（またはeARC）」と書かれた場所に正しく接続されているかも再確認してください。
特定のアプリ・放送局の不具合
「地上波は聞こえるけどYouTubeだけ音がしない」「特定のチャンネルだけ無音」というケースです。
- アプリの場合：アプリ自体の不具合です。アプリの再起動やアップデート、または再インストールを試してください。
- 放送局の場合：悪天候によりアンテナレベルが低下している可能性があります。設定画面から「アンテナレベル」を確認し、数値が低ければ天候の回復を待ちましょう。
メーカー別：リセット方法とサポートページ
テレビのメーカーによって、推奨されるリセット手順（再起動方法）が異なります。
主要メーカーの方法をまとめましたので、お使いのテレビに合わせて試してみてください。
| メーカー | リセット・再起動の手順 |
|---|---|
| ソニー（ブラビア） | リモコンの電源ボタンを「5秒以上長押し」し、画面に再起動メニューが出たら選択する。Android TV搭載機は特に有効。 |
| パナソニック（ビエラ） | 本体の電源ボタンを「3秒以上長押し」すると電源が切れ、自動的に再起動がかかる。 |
| シャープ（アクオス） | 本体のリセットボタンを押すか、電源プラグを抜く方法が推奨されている。 |
| 東芝（レグザ） | 本体電源ボタンを「約10秒間長押し」することでリセットが可能。 |
| ハイセンス | 電源プラグを抜き、約1分以上放置してから再接続する。 |
（参照：ソニー ブラビア サポート / シャープ AQUOS 故障診断）
それでも直らない場合は？修理と買い替えの判断
ここまでの対処法をすべて試しても音が出ない場合、残念ながら内部スピーカーの破損や、音声基板（メインボード）の故障である可能性が高いです。
修理費用の目安を知っておこう
修理に出す場合、以下の費用が目安となります。
- スピーカー部品の交換：15,000円 〜 30,000円
- 内部基板の交換：30,000円 〜 60,000円
- 出張費・診断料：5,000円 〜 10,000円
メーカー保証期間内（通常1年）や、家電量販店の延長保証に入っていれば無償で直せる可能性が高いので、まずは保証書を探してみてください。
購入から7年以上なら買い替えがお得
もし保証が切れており、購入から7年以上経過しているなら、修理よりも買い替えを強くおすすめします。
理由は2つあります。
- 部品がない：メーカーの部品保有期間（約8年）が過ぎると、修理したくてもできない場合がある。
- コスパが悪い：3〜5万円の修理費を出すなら、最新の4Kテレビを新品で買ったほうが安く済むことが多い。
最新のテレビはネット動画対応も標準装備で、画質も音質も劇的に進化しています。
高額な修理費を払って古い機種を使い続けるより、新しいテレビで快適な時間を手に入れませんか？
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よくある質問（Q&A）
A. 映像も音も出ない場合、電源周りのトラブルか、テレビの寿命（バックライト故障など）が考えられます。電源ランプが赤く点滅していませんか？点滅回数はエラーコードを意味します。回数を確認してメーカーサポートへ連絡しましょう。
A. アンテナレベルの低下や、ケーブルの接触不良が主な原因です。ケーブルをすべて抜き差ししても直らない場合、テレビ内部のチューナーや音声回路の故障の可能性が高くなります。
A. ヘッドホン端子から音が正常に出るなら、音声信号自体は作られています。つまり、テレビ本体の「スピーカー部分」だけが壊れている可能性が高いです。修理が高額になる場合、外部スピーカー（サウンドバーなど）を接続して代用するのも一つの賢い方法です。
まとめ：焦らずにコンセントを抜くことから始めよう
テレビの音が出ないトラブルについて、原因と対処法を解説しました。
最後に、重要なポイントを再確認しましょう。
- まずは「電源プラグを抜いて3分放置（放電）」を試す。
- 消音設定、イヤホンジャック、Bluetooth接続を確認する。
- HDMIケーブルを抜き差しして、接触不良を疑う。
- これらで直らなければ故障の可能性大。使用年数を見て買い替えを検討する。
突然音が聞こえなくなると焦ってしまいますが、多くの場合は再起動や設定見直しで解決します。
まずは落ち着いて、今回ご紹介した手順を一つずつ試してみてくださいね。
無事に音が戻り、あなたのリビングにいつもの賑やかさが戻ってくることを願っています！