「さあ、新しいテレビを設置しよう!」と思ったら、壁のアンテナ端子が2つあって、「え、どっちに繋げばいいの…?」と手が止まってしまった経験はありませんか?
アンテナケーブルを適当に挿してみたけど、地デジしか映らなかったり、逆にBS放送しか映らなかったり…。
単純な作業のはずなのに、意外とつまずきやすいポイントですよね。
この記事では、そんなお悩みをスッキリ解決します。
なぜアンテナ端子が2つあるのかという基本的な理由から、誰でも一目でわかる見分け方、そして地デジとBS/CSの両方を楽しむための正しい接続方法まで、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、アンテナ接続に関する疑問はすべて解消されているはずです。
ぜひ最後までご覧いただき、快適なテレビライフをスタートさせてくださいね!
【結論】アンテナ端子が2つあるのは「地デジ」と「BS/CS」用!
さっそく結論からお伝えします。
壁のアンテナ端子が2つある場合、そのほとんどは「地上デジタル放送(地デジ)用」と「BS/CS放送(衛星放送)用」に分かれています。
建物の屋根などについているアンテナには、地デジを受信するものと、衛星放送を受信するものの2種類があります。
その電波が別々のケーブルで壁の端子まで来ているため、差し込み口が2つになっているのです。

【一番かんたん】ラベル(文字)で見分ける方法
では、どっちが地デジで、どっちがBS/CSなのでしょうか?
最も簡単で確実なのは、端子の近くに書かれているラベル(文字)を確認する方法です。
一般的には、以下のように表記されています。
- 地デジ用端子:「UHF」「地デジ」「地上デジタル」
- BS/CS用端子:「BS・CS」「衛星放送」「BS/110度CS」
ご自宅の端子にこれらの文字がないか、まずはじっくり確認してみてください。
ラベルがない!そんな時の見分け方
「うちの端子には、何も文字が書いてない…」という場合もありますよね。
その場合は、少し原始的ですが「実際にテレビに接続してみる」のが一番手っ取り早い見分け方になります。
- まず、どちらか一方の端子にアンテナケーブルを接続します。
- テレビの電源を入れ、地デジのチャンネルが映るか確認します。
- 次に、BS/CSのチャンネルが映るか確認します。
この作業で、どちらの端子が何の役割を持っているのかを特定できます。
片方に繋いで地デジが映ればそこが地デジ用、というわけですね。
【実践】テレビとアンテナ端子の正しい接続方法
端子の役割がわかったら、いよいよテレビと接続していきましょう。
見たい放送に合わせて、接続パターンは3つあります。
ケース1:地デジだけ見たい場合
「BSやCSは契約していないし、地デジだけ見られればOK」という方は、接続もシンプルです。
壁の「地デジ(UHF)」と書かれたアンテナ端子と、テレビの「地上デジタル入力」端子を1本のアンテナケーブルで繋ぐだけで完了です。
ケース2:地デジとBS/CSの両方を見たい場合
せっかくなら、地デジも衛星放送も両方楽しみたいですよね。
この場合は、テレビ側の入力端子がどうなっているかによって、接続方法が少し変わります。
テレビ側にも入力端子が2つある場合
最近のテレビの多くは、地デジ用とBS/CS用にアンテナ入力端子が分かれています。
この場合は、接続も非常に簡単です。
2本のアンテナケーブルを用意し、それぞれを対応する端子に繋ぐだけです。
- 壁の「地デジ(UHF)」端子 → テレビの「地上デジタル入力」端子
- 壁の「BS・CS」端子 → テレビの「BS・110度CS-IF入力」端子
たったこれだけで、両方の放送が視聴できるようになります。
テレビ側の入力端子が1つしかない場合
少し前のテレビや一部の小型テレビなどでは、入力端子が1つしかないモデルもあります。
この場合、壁から来ている2つの電波(地デジとBS/CS)を、テレビに入力する前に1本にまとめる必要があります。
そこで登場するのが「分波器(ぶんぱき)」という機器です。
分波器には、壁の端子側につなぐ2本のケーブルと、テレビ側につなぐ1本のケーブルがあります。
- 壁の「地デジ(UHF)」端子と、分波器の「UHF」側を接続します。
- 壁の「BS・CS」端子と、分波器の「BS/CS」側を接続します。
- 分波器から出ている1本のケーブルを、テレビの入力端子に接続します。
これで、1つの端子しかないテレビでも、無事に地デジとBS/CSの両方を見ることができるようになります。
アンテナ端子に関する「困った!」を解決するQ&A
ここからは、アンテナ接続でよくあるトラブルや、さらに一歩進んだ疑問についてお答えしていきます。
Q1. 正しく繋いでも映らない!原因とチェックリスト
「ちゃんと接続したはずなのに、テレビが映らない…」そんな時は、慌てずに以下のポイントを確認してみてください。
意外と単純な見落としが原因かもしれません。
- ケーブルの緩み・抜け:壁側とテレビ側の両方で、ケーブルが奥までしっかり挿さっているか確認しましょう。ネジ式のF型プラグの場合は、しっかり締めてください。
- B-CAS/ACASカード:カードが正しい向きで奥まで挿入されていますか?一度抜いて、ICチップ部分を乾いた布で拭いてから挿し直してみましょう。
- チャンネル設定:引越し後など、地域が変わった場合はチャンネルの再スキャンが必要です。テレビのリモコンの「設定」メニューから実行できます。
- 入力切替:テレビのリモコンで、入力が「地上デジタル」や「BS/CS」に正しく切り替わっているか確認します。
- アンテナレベルの確認:テレビの設定画面から「アンテナレベル」を確認できます。この数値が極端に低い場合、アンテナ本体やケーブル、ブースター(増幅器)などに問題がある可能性があります。
Q2. そもそも壁のアンテナ端子が1つしかない場合は?
冒頭でも少し触れましたが、最近の住宅ではアンテナ端子が1つしかないケースも増えています。
この場合、壁の端子に来る前段階で、地デジとBS/CSの電波が「混合」されている可能性が高いです。
この混合された電波をテレビで見るためには、テレビ側で再び電波を分ける必要があります。
ここでも活躍するのが「分波器」です。
壁のアンテナ端子と分波器の入力側(1本)を接続し、分波器の出力側(2本)をそれぞれテレビの「地デジ入力」「BS/CS入力」に繋ぎます。

Q3. 賃貸物件でアンテナ端子が見当たらない…
まれに、アンテナ端子自体が見当たらないお部屋もあります。
そんな時は、以下の方法を検討してみましょう。
- 光回線テレビやケーブルテレビ:インターネット回線を利用してテレビを視聴するサービスです。アンテナは不要ですが、別途契約と月額料金が必要です。
- 室内アンテナ:電波の強い地域であれば、室内に置くタイプのアンテナで地デジを視聴できる場合があります。ただし、画質が不安定になることも。
まずは物件の管理会社に、テレビをどうやって視聴すればよいか確認するのが一番確実です。
知っておくと便利!ケーブルや周辺機器の選び方
快適なテレビ視聴のためには、ケーブルや周辺機器選びも重要です。
ここでは特に間違いやすいポイントを解説します。
「分波器」と「分配器」の決定的な違い
アンテナ接続で最も混同されやすいのが、「分波器(ぶんぱき)」と「分配器(ぶんぱいき)」です。
名前も見た目も似ていますが、役割は全く異なります。
- 分波器:1本のケーブルで送られてきた電波を「地デジ」と「BS/CS」のように種類ごとに分ける機器。
- 分配器:1つのアンテナ端子から来る電波を、複数のテレビに同じまま数を分けて均等に送る機器。
今回のケースのように「地デジとBS/CSを分けたい」という目的で使うのは「分波器」です。
「リビングと寝室、両方のテレビで地デジを見たい」といった場合には「分配器」を使います。
間違って購入しないように、パッケージをしっかり確認しましょう。
アンテナケーブルの選び方【4K/8K対応は必要?】
アンテナケーブルも様々な種類があります。
4K/8Kテレビをお持ちの方や、これから購入する予定の方は、「4K8K放送対応」と書かれたケーブルを選びましょう。
4K8K放送は、従来の放送よりも高い周波数の電波を使っているため、対応していない古いケーブルだと電波がうまく届かず、映らない原因になります。
また、ケーブルはノイズの影響を受けにくい太いタイプ(S-5C-FBなど)がおすすめです。
長さは、テレビと壁の端子の距離を測り、少し余裕のあるものを選びましょう。

どうしても解決しない…そんな時はプロに相談!
「色々試したけど、やっぱり映らない」「建物のアンテナ設備に問題があるみたい…」
そんな時は、無理せずプロのアンテナ工事業者に相談するのが最善の策です。
専門家なら、専用の測定器で電波の状況を正確に把握し、原因を的確に突き止めてくれます。
高所での作業や専門的な知識が必要な場合もあるため、安全と確実性を考えれば、プロに任せるのが安心です。
料金はかかりますが、自分で試行錯誤する時間と手間を考えれば、結果的に安くつくことも少なくありません。
複数の業者から見積もりを取って、サービス内容や料金を比較検討してみましょう。
まとめ:アンテナ端子が2つあってももう迷わない!
今回は、2つあるテレビのアンテナ端子の見分け方と接続方法について、詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- アンテナ端子が2つあるのは、ほとんどが「地デジ用」と「BS/CS用」。
- まずは「UHF」「BS/CS」などのラベルで確認するのが一番確実。
- ラベルがない場合は、実際に繋いでみてどちらが映るか試してみる。
- 地デジとBS/CSの両方を見るには、2本のケーブルで繋ぐか、「分波器」を使う。
- 「分波器」と「分配器」は別物なので、間違えないように注意!
この記事で解説した手順通りに進めれば、もうアンテナ接続で迷うことはありません。
ぜひ、快適で楽しいテレビライフをお送りくださいね!
【参考資料】