「古くなったポータブル電源、どうやって処分すればいいんだろう?」「モバイルバッテリーって、燃えないゴミでいいんだっけ?」
アウトドアや防災の備えとして便利なポータブル電源や、日々の生活に欠かせないモバイルバッテリーですが、いざ不要になったときの処分方法に迷う方は少なくありません。
実は、これらの製品にはリチウムイオン電池が使われており、間違った方法で捨てると火災などの思わぬ事故につながる危険性があるのです。
この記事では、不要になったモバイルバッテリーやポータブル電源をどうやって安全に処分するのか、具体的な方法から費用の目安、注意点まで、あなたの疑問をまるっと解決します。
最後まで読めば、もう処分方法で迷うことはありません。ご自身に合った最適な方法を見つけて、正しく安全に手放しましょう。
ポータブル電源とモバイルバッテリーの処分の違いとは?
まずはじめに、ポータブル電源とモバイルバッテリーでは、処分の方法が異なる場合が多いことを知っておきましょう。
一番の大きな違いは、そのサイズとバッテリー容量です。
この違いによって、回収してくれる場所や方法が変わってくるのです。
モバイルバッテリーは小型家電リサイクルが基本
モバイルバッテリーは比較的小さいため、多くの家電量販店や一部の自治体が設置している「小型充電式電池リサイクルBOX」で回収してもらえます。
JBRCという団体に加盟しているメーカーの製品であれば、全国約22,000箇所に設置されたリサイクルボックスで無料で回収できるので、比較的処分しやすいのが特徴です。

ポータブル電源はサイズが大きく回収先が限られる
一方、ポータブル電源はサイズが大きく重いため、モバイルバッテリーと同じリサイクルボックスには入れられません。
そのため、自治体のルールに従って粗大ごみとして出すか、メーカーの回収サービスを利用するなど、別の方法を探す必要があります。
残念ながら、大手家電量販店ではポータブル電源の回収は基本的に受け付けていないのが現状です。
不要になったポータブル電源の処分方法6選
では、具体的にポータブル電源はどうやって処分すればいいのでしょうか?
ここでは、主な6つの処分方法を紹介します。ご自身の状況に合わせて最適な方法を選んでくださいね。
①自治体の処分方法に従う
まず基本となるのが、お住まいの自治体のルールに従って処分する方法です。
ただし、ポータブル電源の回収方法は国で明確な決まりがないため、自治体によって対応が大きく異なります。
「自分の住んでいる自治体名 + ポータブル電源 + 回収」などで検索し、必ず事前に処分方法を確認しましょう。
ここでは、いくつかの主要な自治体の例を見てみましょう。
- 大阪市:「粗大ごみ」として有料で回収。事前の申し込みが必要です。
- 横浜市:「小型家電」として市内約100カ所の回収ボックスで無料回収(40cm×20cm以内)。
- 名古屋市:「小型家電」として回収ボックスで無料回収(30cm×15cm以内)。それ以上は環境事務所へ持ち込み。
- 川崎市:市では回収しておらず、提携するリサイクル業者を紹介する形をとっています。
- 那覇市:市では回収しておらず、メーカーへの返却や県内のリサイクル業者への依頼を推奨しています。
②メーカーに回収してもらう
ポータブル電源のメーカーによっては、自社製品の回収サービスを行っている場合があります。
環境保護の観点からリサイクルに力を入れているメーカーも多く、安心して任せられるのが大きなメリットです。
代表的なメーカーの対応は以下の通りです。
メーカー名 | 回収の有無 | 費用の目安 |
---|---|---|
Jackery(ジャクリ) | あり | 無料(送料は自己負担) |
Anker(アンカー) | あり | 無料(送料は自己負担の場合あり) |
PowerArQ(パワーアーク) | あり | 無料(送料は自己負担) |
EcoFlow(エコフロー) | あり | 無料(送料は自己負担の場合あり) |
BLUETTI(ブルッティ) | あり | 無料(送料は自己負担の場合あり) |
JVCケンウッド/Victor | なし | 自治体に相談 |
このように、回収サービスがあるメーカーでも送料は自己負担となるケースがほとんどです。まずは購入したメーカーの公式サイトを確認してみましょう。
③不用品回収業者に依頼する
「自治体の手続きが面倒」「すぐに処分したい」という方には、不用品回収業者に依頼するという選択肢もあります。
費用はかかりますが、電話一本で自宅まで回収に来てくれるため、手間がかからないのが最大のメリットです。
他の不用品も一緒に処分したい場合には特に便利ですよね。
④フリマアプリで売る
まだ十分に使える状態のポータブル電源であれば、フリマアプリで売却するのも一つの手です。
思わぬ収入になる可能性がありますし、必要としている人に再利用してもらえるので環境にも優しい方法です。
ただし、故障しているものや寿命が近いものを出品するのはトラブルの原因になります。
製品の状態を正確に記載し、安全に取引することを心がけましょう。
⑤家電量販店での回収は基本的に不可
繰り返しになりますが、ヤマダ電機やヨドバシカメラといった大手の家電量販店では、ポータブル電源の回収は基本的に行っていません。
モバイルバッテリーの回収ボックスと間違えて持ち込まないように注意しましょう。
⑥リサイクルショップでの売却も難しい
リサイクルショップでも、一度使用したポータブル電源の買い取りは難しいのが現状です。
PSEマーク付きの新品未使用品など、厳しい条件が設けられていることがほとんどのため、あまり期待はできないでしょう。
ポータブル電源の処分にかかる費用は?
気になる処分の費用ですが、これは選ぶ方法によって大きく変わってきます。
ポータブル電源の処分費用の目安をまとめてみました。
- 自治体で処分する場合:無料〜5,000円程度
無料回収の自治体もあれば、粗大ごみとして数百円〜数千円の手数料がかかる場合もあります。 - メーカーに回収してもらう場合:無料(送料は自己負担)
多くのメーカーが回収費用自体は無料としていますが、発送するための送料(1,500円〜3,000円程度)は自己負担となります。 - 不用品回収業者に依頼する場合:数千円〜1万円以上
回収費用や運搬費用がかかるため、他の方法よりは高額になる傾向があります。ただし、手間がかからないというメリットがあります。
費用を抑えたいなら自治体かメーカーの回収サービス、手間を省きたいなら不用品回収業者、というように、何を優先するかで選ぶのがおすすめです。

不要になったポータブル電源を処分する際の3つの注意点
安全に処分するために、必ず守ってほしい注意点が3つあります。
リチウムイオン電池は衝撃や圧力に弱く、扱いを間違えると大変危険です。必ず以下の点を守ってください。
①絶対に自分で解体しない
「小さくすれば普通ゴミで捨てられるかも?」などと考えて、絶対に自分で解体しないでください。
内部のバッテリーを傷つけると、発火や爆発の危険性が非常に高く、大変危険です。
専門的な知識がない限り、絶対に内部には触れないようにしましょう。
②できるだけ放電してから処分する
バッテリー内に電力が多く残ったままだと、輸送中の衝撃などでショートし、発火するリスクが高まります。
処分に出す前には、できるだけバッテリー残量をゼロに近づけておきましょう。
ライトをつけっぱなしにするなどして、自然に電力を消費させるのが安全です。
③燃えないゴミや粗大ゴミとして安易に捨てない
自治体のルールを確認せず、「たぶん粗大ゴミだろう」と自己判断でゴミ集積所に出すのは絶対にやめてください。
ポータブル電源は「処理困難物」に指定されていることも多く、通常のゴミ収集では回収されない場合があります。
回収車や処理施設での火災事故の原因にもなるため、必ず正規のルールに従って処分しましょう。
ポータブル電源・モバイルバッテリーの処分に関するQ&A
ここからは、ポータブル電源やモバイルバッテリーの処分に関する、よくある質問にお答えします。
いいえ、現在ほとんどの家電量販店ではポータブル電源の回収は行っていません。
モバイルバッテリーなどの小型充電式電池は回収していますが、大型のポータブル電源は対象外です。お住まいの自治体やメーカーの回収サービスを利用してください。
折りたたみ式のソーラーパネルは「産業廃棄物」扱いになるため、家庭ごみとしては捨てられません。
お近くの産業廃棄物処理業者に処分を依頼する必要があります。ただし、自治体によっては粗大ごみとして回収している場合もあるので、一度確認してみることをおすすめします。不用品回収業者にまとめて依頼するのも一つの方法です。
先ほどの注意点でも触れましたが、安全のためにできるだけ放電(バッテリーを使い切る)しておくことを推奨します。
また、メーカーに回収を依頼する場合は、事前に製品の型番やシリアルナンバーを控えておくと手続きがスムーズに進みます。
まとめ:ルールを守って安全に処分しよう
今回は、不要になったモバイルバッテリーやポータブル電源の処分方法について解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- モバイルバッテリーは、家電量販店などのリサイクルボックスで回収可能。
- ポータブル電源はサイズが大きく、自治体やメーカー、不用品回収業者での処分が基本。
- 処分費用は無料〜数万円と方法によって大きく異なる。
- 安全のため、「自分で解体しない」「放電する」「ルールを確認する」の3点を必ず守る。
ポータブル電源やモバイルバッテリーは私たちの生活を豊かにしてくれる便利なアイテムですが、その役目を終えたときには、正しい知識を持って適切に手放す責任があります。
この記事を参考に、あなたと、そして環境にとっても安全な方法で処分を進めてくださいね。
そして、もし新しいポータブル電源への買い替えを検討しているなら、将来の処分のことまで考えてメーカーを選ぶのも大切です。以下の記事では、おすすめのメーカーをランキング形式で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。