「愛用しているポータブル電源が、急に動かなくなってしまった…」
「ポータブル電源を修理したいけど、どこの業者に頼めばいいのかわからない…」
アウトドアや防災に欠かせないポータブル電源ですが、精密機械である以上、突然の故障は避けられません。そんな時、焦って適当な修理業者に依頼してしまうと、かえって状態が悪化したり、メーカー保証が受けられなくなったりする可能性があります。
この記事では、ポータブル電源の修理を業者に依頼する前にご自身で確認すべきポイントから、メーカー修理と専門修理業者の違い、具体的な修理の流れや費用相場まで、どこよりも詳しく解説します。
最後まで読めば、あなたのポータブル電源にとって最善の対処法がわかり、安心して修理を任せられるようになります。
ポータブル電源の修理、業者に依頼する前に確認すべき5つのこと
「故障かも!」と思っても、実は簡単なことで解決するケースも少なくありません。無駄な修理費用や時間をかけないためにも、まずは以下の5つのポイントをセルフチェックしてみましょう。
1. 充電残量はあるか
基本中の基本ですが、まずは充電残量を確認しましょう。バッテリーが完全になくなっている(過放電)状態だと、電源が入らなかったり、充電器を繋いでもすぐに反応しなかったりすることがあります。
表示が消えていても、まずは数時間充電を試してみてください。長期間使用していなかった場合は特に、このケースが考えられます。
2. ケーブルは正しく接続されているか
充電や給電ができない場合、ケーブルがポートの奥までしっかりと差し込まれていないことがあります。本体側と電化製品側の両方を確認してください。
また、ケーブル自体が断線している可能性も考えられます。別のケーブルで試してみると、問題の原因が特定しやすくなります。

3. 給電できない場合は複数の機器で試す
特定の電化製品にだけ給電できない場合、ポータブル電源ではなく、その電化製品側に問題がある可能性が高いです。
スマートフォンやLEDライトなど、消費電力の異なる複数の機器を接続して、正常に給電できるか試してみましょう。すべての機器で給電できない場合は、ポータブル電源本体の不具合が疑われます。
4. エラーコードが表示されていないか
多くのポータブル電源には、異常を検知した際にエラーコードを液晶画面に表示する機能が備わっています。
もしエラーコードが表示されていたら、取扱説明書やメーカー公式サイトでそのコードが何を示しているのか確認してください。高温・低温警告など、使用環境を変えるだけで解決する一時的なエラーも多いです。
5. 保証期間内か確認する
セルフチェックで解決しない場合、次に確認すべきはメーカーの保証期間内であるかどうかです。
保証期間内であれば、無償で修理や交換をしてもらえる可能性が高いです。修理を依頼するには、レシートや納品書などの購入証明書が必須になるため、大切に保管しておきましょう。
ただし、水没や落下、ご自身での分解など、不適切な使用方法による故障は保証対象外となるケースがほとんどなので注意が必要です。
ポータブル電源の修理依頼先は?メーカー vs 専門業者
セルフチェックでも改善せず、保証期間も切れている場合、いよいよ修理の依頼先を探すことになります。主な依頼先は「メーカー」と「専門の修理業者」の2つです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な選択をしましょう。
【結論】まずはメーカーへの相談がベスト
結論から言うと、ポータブル電源の修理はメーカーに依頼するのが最も安全で確実です。
非正規の修理業者に依頼すると、メーカーの保証が無効になってしまう可能性が非常に高いからです。一度でも他社で分解されると、その後メーカーでの修理を一切受け付けてもらえなくなることもあります。
まずは購入したメーカーのカスタマーサポートに連絡し、症状を伝えて指示を仰ぐのが最善策と言えるでしょう。

メーカー修理のメリット・デメリット
- メリット
- ✔ 純正部品で修理してくれる安心感
- ✔ 製品を熟知した専門技術者が対応
- ✔ 修理後の動作保証がある
- ✔ ブランドの信頼性が高い
- デメリット
- ✔ 修理費用が比較的高額になる場合がある
- ✔ 修理に時間がかかるケースがある
専門修理業者のメリット・デメリット
- メリット
- ✔ メーカー修理より安価な場合がある
- ✔ 対応が早い可能性がある
- デメリット
- ✔ メーカー保証が無効になるリスク
- ✔ 技術力や使用部品の品質にばらつきがある
- ✔ 修理後に別の不具合が発生する可能性がある
- ✔ 信頼できる業者を探すのが難しい
そもそも、どのポータブル電源を選べばいいか迷っている方は、修理などのアフターサポートが充実しているメーカーを選ぶのがおすすめです。以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

【メーカー別】ポータブル電源の修理サポート体制
ここでは、代表的なポータブル電源メーカーである「EcoFlow」と「Jackery」のサポート体制を例にご紹介します。メーカーによって特色があるので、製品選びの参考にもなりますよ。
EcoFlow:長期保証と迅速なサポート
EcoFlowは、製品の高い耐久性と充実したアフターサポートが魅力です。
例えば「EcoFlow DELTA 3 Plus」は、電気自動車にも使われるリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、3,000回以上の充放電サイクル(1日1回の使用で約10年)という長寿命を実現しています。
さらに、業界でも最長クラスの5年間の長期保証が付帯しており、万が一の故障時も安心して修理を依頼できます。修理の流れもスムーズで、カスタマーサポートに連絡後、指示に従って製品を送付するだけです。
Jackery:LINEでも相談可能!手厚いサポートと回収サービス
Jackeryは、ユーザーに寄り添った手厚いサポート体制が特徴です。電話やチャットに加え、LINEでも気軽に修理や使い方の相談ができます。
また、特筆すべきは寿命を迎えた製品の無償回収サービスを実施している点です。ポータブル電源は自治体での処分が難しいケースが多いため、メーカーが責任を持って回収してくれるのは非常に大きな安心材料になります。
もちろん、修理サービスも充実しており、長く安心して使える体制が整っています。
ポータブル電源が充電できない!修理に出す前に試したいこと
ポータブル電源の故障で最も多い症状の一つが「充電できない」というトラブルです。これも修理業者に依頼する前に、いくつか試せる対処法があります。
原因の切り分け方法
まずは、原因がポータブル電源本体にあるのか、それ以外にあるのかを切り分けましょう。
- ACアダプターや充電ケーブルを交換する:付属品が断線しているだけの可能性があります。
- 別のコンセントで試す:壁のコンセント自体に問題があるかもしれません。
- 充電ポートを確認・清掃する:ホコリやゴミが詰まっていると接触不良の原因になります。
これらを試しても充電が始まらない場合は、本体の不具合である可能性が高まります。
考えられる本体の不具合
- 過放電状態
長期間放置してバッテリー残量が0%になると、バッテリー保護機能が働き、充電を受け付けなくなることがあります。この場合は、辛抱強く数時間〜半日ほど充電ケーブルを繋いだままにしてみてください。 - 内部回路の不具合
落下などの衝撃や経年劣化で、内部の充電回路が故障している可能性があります。この場合はユーザー自身での対処は難しく、メーカー修理が必要です。 - バッテリーの劣化
充放電を繰り返すことで、バッテリーは必ず劣化します。充電サイクルが寿命に達している場合は、バッテリー交換が必要になります。

ポータブル電源の修理依頼の流れと費用相場
ここでは、実際にメーカーへ修理を依頼する際の一般的な流れと、気になる費用について解説します。
修理依頼の5ステップ
- 購入証明書の用意
保証期間の確認に必須です。レシートや納品書、オンライン購入の場合は注文履歴のスクリーンショットなどを準備します。 - カスタマーセンターへ連絡
電話やメール、公式サイトのフォームから連絡します。製品の型番、シリアルナンバー、具体的な症状を伝えるとスムーズです。 - 見積もりの確認と支払い(有償修理の場合)
メーカーから修理費用の見積もりが提示されます。内容に納得したら、指定された方法(銀行振込など)で支払います。 - 修理したいポーターブル電源を送付
メーカーの指示に従い、製品を梱包して指定の修理センターへ送ります。購入時の箱があればベストですが、なければ緩衝材で厳重に保護しましょう。送料は自己負担の場合が多いです。 - 修理完了・返送
通常1〜2週間ほどで修理が完了し、返送されてきます。修理内容の報告書が同封されていることが多いので、内容を確認し、正常に動作するかチェックしましょう。
気になる修理費用の目安は?
修理費用は、故障の内容や交換する部品によって大きく異なります。参考として、あるメーカーの有償修理料金表を見てみましょう。
機種 | 不良内容 | 料金 |
---|---|---|
PowerArQ 2 | 全動作不良、充電しない、AC出力不良 | ¥19,800 |
PowerArQ mini | AC出力しない | ¥8,800 |
PowerArQ Pro | 充電不良・電源が入らない | ¥22,000 |
バッテリー交換 (PowerArQ 626Wh) | – | ¥33,000 |
※上記は一例です。別途、点検・見積もり費用が発生する場合があります。
このように、軽い症状なら数千円、基盤交換やバッテリー交換となると数万円かかることがわかります。
新しい製品を購入する費用と比較して、修理するかどうかを判断するのも一つの手です。
ポータブル電源の修理に関するQ&A
最後に、ポータブル電源の修理に関してよくある質問にお答えします。
A. メーカーの修理センターに製品が到着してから、通常1〜2週間が目安です。
ただし、故障の程度が深刻な場合や、交換部品の在庫がない場合は、1ヶ月以上かかることもあります。使用予定がある場合は、早めに相談することをおすすめします。
A. はい、リスクが高いと言わざるを得ません。
前述の通り、メーカー保証が無効になるのが最大のデメリットです。また、ポータブル電源は内部に大容量のバッテリーを搭載しているため、専門知識のない業者が修理を行うと、発火や事故につながる危険性もゼロではありません。安全のためにも、必ずメーカーに依頼してください。
A. ポータブル電源は、一般的なごみとして捨てることはできません。
Jackeryのように無償で回収してくれるメーカーのサービスを利用するのが最も確実です。そうでない場合は、お住まいの自治体の廃棄ルールを確認するか、不用品回収業者に相談する必要があります。処分のことも考えると、購入時に回収サービスのあるメーカーを選ぶことがいかに重要かがわかりますね。
まとめ:ポータブル電源の故障はまずメーカーへ!焦らず正しく対処しよう
今回は、ポータブル電源の修理を業者に依頼する際の注意点や流れについて詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- ✔ 故障と思ったら、まずは充電残量やケーブル接続など5つの項目をセルフチェックする。
- ✔ 修理の依頼先は、専門の修理業者ではなくメーカーが絶対におすすめ。
- ✔ メーカー修理は購入証明書を用意し、カスタマーサポートに連絡するところから始める。
- ✔ 修理費用は数千円〜数万円と幅があるため、必ず見積もりを確認する。
大切なポータブル電源が故障すると焦ってしまいますが、この記事で解説した手順に沿って落ち着いて対処すれば、きっと最適な解決策が見つかります。
まずは保証書と購入証明書を手に、メーカーの公式サイトからカスタマーサポートに連絡してみてください。適切なメンテナンスと、万が一の際の正しい対処法で、これからもポータブル電源を長く安全に活用していきましょう。