「ポータブル電源を充電している間も、スマホや家電を使えたら便利なのに…」
「キャンプ場や避難所でコンセントが1つしかない!本体とデバイスを同時に充電したい!」
ポータブル電源を持っていると、こんな風に思うこと、ありますよね。
特にアウトドアや災害時など、電力も時間も限られている状況では、効率的に充電したいものです。
結論から言うと、特定の機能に対応したポータブル電源なら「充電しながら給電」できます。
この記事では、ポータブル電源を充電しながら給電できる「パススルー充電」の仕組みから、メリット・デメリット、バッテリーを長持ちさせる秘訣、さらにはパススルー充電におすすめの最新ポータブル電源まで、あなたの疑問をすべて解決します。
ぜひ最後まで読んで、ポータブル電源を最大限に活用してくださいね。
ポータブル電源は充電しながら給電できる?答えは「パススルー充電」
ポータブル電源を充電しながら、接続したスマートフォンや家電に給電できるのか?
この便利な機能の鍵を握るのが「パススルー充電」です。
まずは、このパススルー充電の仕組みから詳しく見ていきましょう。
結論:パススルー充電対応モデルなら可能です!
すべてのポータブル電源ができるわけではありませんが、「パススルー充電」に対応しているモデルであれば、充電と給電を同時に行うことができます。
これにより、コンセントが一つしかない場所でも、ポータブル電源本体を充電しつつ、別のデバイスへ電気を送ることが可能になります。
まさに、忙しい現代人や、もしもの時に備えたい方にとって、非常に心強い機能と言えますよね。
「パススルー充電」とは?その仕組みをわかりやすく解説
パススルー充電とは、ポータブル電源を家庭のACコンセントなどで充電している最中に、そのポータブル電源に接続されているスマートフォンやノートパソコン、小型家電などへ同時に電力を供給(給電)する機能のことです。
電力の流れとしては、「ACコンセント → ポータブル電源 → 接続デバイス」という順になります。
この時、ポータブル電源は、ACコンセントから得た電力を、まず接続されているデバイスへ優先的に供給します。
そして、デバイスへの供給で余った電力を、自身のバッテリー充電に使う、という仕組みになっています。

パススルー充電とUPS機能の違いは?
パススルー充電とよく似た言葉に「UPS機能」があります。
この2つは混同されがちですが、実は役割が異なります。
UPS(Uninterruptible Power Supply)は、日本語で「無停電電源装置」と言います。
その名の通り、停電などで電力供給が途絶えた際に、瞬時にポータブル電源からの給電に切り替え、接続機器の電源が落ちるのを防ぐための機能です。
パススルー充電が常にポータブル電源を経由して電力を供給するのに対し、UPS機能付きモデルは普段、壁のコンセントから直接機器へ給電し、停電時のみバッテリー給電に切り替わります。
この切り替え速度が非常に速いため、デスクトップパソコンやデータサーバーなど、電源が急に落ちると困る精密機器を守るのに役立ちます。
ポータブル電源はソーラー充電しながら使用もできる?
コンセントがない屋外でも、ソーラーパネルを使えばポータブル電源を充電できますよね。
では、ソーラーパネルで充電しながら、同時に家電などを使用することは可能なのでしょうか?
結論:ソーラー充電しながらの給電も可能です!
はい、こちらもパススルー充電に対応しているモデルであれば、ソーラーパネルで充電しながら家電などへ給電することが可能です。
太陽光さえあれば、電気を自給自足しながら家電を使い続けられるため、連泊のキャンプや車中泊、さらには長期の停電といった防災シーンで絶大な効果を発揮します。
日中にソーラーパネルで発電した電気を家電で使い、余った分をポータブル電源に蓄える、という非常に効率的なエネルギー運用が実現できます。
ソーラー充電しながら使う際の注意点
非常に便利なソーラーパネルとの連携ですが、一つ注意点があります。
それは、天候によって発電量(充電電力)が不安定になることです。
例えば、曇りや雨の日では発電量が大きく低下します。
この時、使っている家電の消費電力(出力電力)がソーラーパネルの発電量(充電電力)を上回ってしまうと、ポータブル電源本体のバッテリー残量は充電されるどころか、逆に減っていってしまいます。
ポータブル電源のパススルー充電はバッテリーが劣化する?
「充電しながら使えるなんて便利!でも、バッテリーに負担がかかって寿命が縮んだりしないの?」
こんな心配をされる方も多いのではないでしょうか。
その疑問、非常に的を射ています。使い方によっては、バッテリーの劣化を早めてしまう可能性があるのです。
結論:常用するとバッテリーの寿命が縮む可能性があります
パススルー充電は、ポータブル電源内部のバッテリーからすると、「充電」と「放電」を同時に、そして休みなく行っている状態です。
これは人間でいえば、食事をしながら全力疾走しているようなもの。
当然、バッテリーには大きな負荷がかかります。
この負荷が原因で、バッテリーセルが通常よりも早く劣化し、結果的にポータブル電源全体の寿命を縮めてしまう可能性があるのです。
また、充放電による負荷はバッテリーの温度上昇も引き起こします。高温はリチウムイオン電池の大敵であり、劣化をさらに加速させる原因にもなりかねません。

劣化させないための3つのポイント
便利なパススルー充電を、バッテリーに優しく使うためにはどうすれば良いのでしょうか。
以下の3つのポイントを意識してみてください。
ポイント1:常用は避ける
毎日、常にコンセントに繋ぎっぱなしでパススルー充電を利用するのは避けましょう。必要な時だけ活用するのが賢い使い方です。
ポイント2:高温環境で使わない
特に夏場の車内など、高温になる場所でのパススルー充電はバッテリーへの負荷が非常に大きくなります。風通しの良い、涼しい場所で使いましょう。
ポイント3:パススルー充電に強いモデルを選ぶ
これが最も重要なポイントです。最近では、パススルー充電時のバッテリー負荷を軽減する設計がされたモデルも登場しています。
【朗報】最近はバッテリーに負荷がかからないモデルも登場!
技術の進歩は素晴らしく、近年ではパススルー充電によるバッテリー劣化の問題に対応したポータブル電源が登場しています。
例えば、人気メーカーのJackery(ジャクリ)が販売しているProシリーズ、Plusシリーズ、Newモデルは、独自のバッテリーマネジメントシステム(BMS)により、充電しながら給電してもバッテリーに負荷がかかりにくいように設計されています。
このようなモデルを選べば、バッテリーの寿命を気にすることなく、パススルー充電の利便性を享受できます。
ポータブル電源を選ぶ際には、こうした「バッテリー保護機能」にも注目すると良いでしょう。
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パススルー対応!充電しながら給電できるおすすめポータブル電源
「パススルー充電のことは分かったけど、じゃあ具体的にどの製品を選べばいいの?」
ここからは、そんなあなたのために、パススルー充電に対応したおすすめのポータブル電源の選び方と、具体的なおすすめモデルをご紹介します。
おすすめモデルを選ぶ5つの重要ポイント
パススルー対応モデルを選ぶ際は、以下の5つのポイントをチェックしましょう。
安全性の高さ(リン酸鉄リチウムイオン電池か)
近年主流の「リン酸鉄リチウムイオン電池」は、従来のリチウムイオン電池に比べて安全性が高く、熱暴走のリスクが低いのが特徴です。また、充放電サイクル寿命が2,000回~4,000回と非常に長く、10年以上使えるモデルもあります。長く安心して使うなら、このタイプの電池が絶対におすすめです。
バッテリー容量(Wh)と定格出力(W)
「何を」「どれくらいの時間」使いたいかで選びましょう。スマホ充電や扇風機なら500Wh前後、電子レンジや電気ケトルも使いたいなら1,200Wh以上が目安です。
ポートの数と種類
家族や友人と同時に使いたいなら、ACコンセントやUSBポートの数が多いモデルが便利です。特にUSB Type-CのPD(Power Delivery)対応ポートがあると、ノートPCなども高速充電できます。
UPS/EPS機能の有無
先述の通り、停電対策としてパソコンなどの精密機器を守りたい場合は、UPS(またはそれに準ずるEPS)機能が搭載されているモデルを選びましょう。
ソーラー充電への対応
防災目的やアウトドアでの連泊を考えるなら、ソーラーパネルで充電できるモデルは必須です。太陽光さえあれば電力を確保できる安心感は計り知れません。
【目的別】おすすめポータブル電源3選
上記のポイントを踏まえ、現在市場で高く評価されている、パススルー充電対応のおすすめモデルを3つ厳選しました。
バランス重視の優等生!「Jackery ポータブル電源 1000 Plus」
パススルー充電時のバッテリー負荷が少ない、安心のPlusシリーズ。1,264Whの大容量と2,000Wの高出力で、キャンプから防災までほとんどのシーンに対応できます。リン酸鉄リチウムイオン電池採用で長寿命なのも嬉しいポイントです。
バランス重視の優等生!「Jackery ポータブル電源 1000 Plus」>>
急速充電が魅力!「Anker Solix C1000」
モバイルバッテリーで有名なAnkerの高性能モデル。約1時間でフル充電できるという驚異の充電スピードが魅力です。パススルー機能はもちろん、長寿命なリン酸鉄リチウムイオン電池やUPS機能も搭載。定格出力も1,500Wと高く、多くの家電を安心して使えます。
拡張性がピカイチ!「EcoFlow DELTA 2」
専用の拡張バッテリーを接続することで、容量を増やせるのが最大の特徴。最初は標準容量で使い始め、後から家族が増えたり、使いたい家電が増えたりした時に対応できます。パススルーやUPS機能も備え、アプリでの遠隔操作も可能です。
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そんなあなたには、以下の記事がおすすめです。
人気メーカーの最新モデルを徹底的に比較検証しているので、きっとお気に入りの一台が見つかりますよ。
ポータブル電源のパススルー充電に関するQ&A
最後に、パススルー充電に関してよくある質問にお答えします。
故障や事故につながる危険性が非常に高いため、絶対にやめてください。
非対応のモデルで無理に行うと、バッテリーや内部の回路に想定外の負荷がかかり、過熱や発火、製品の故障といった重大なトラブルを引き起こす可能性があります。
ポータブル電源本体のバッテリーは充電されず、どんどん残量が減っていきます。
パススルー充電は、あくまで入力された電力を「デバイス優先」で流し、余った分を「本体の充電」に回す仕組みです。そのため、デバイスの消費が激しいと、本体を充電する分の電力が残りません。
充放電を行うため、ある程度の熱を持つのは正常です。しかし、手で触れられないほど熱くなる場合は危険信号です。
多くの製品には冷却ファンが搭載されており、温度が上がると自動で回転します。ファンがずっと回り続けていたり、異常な熱さを感じたりした場合は、一度使用を中止し、涼しい場所で本体を休ませましょう。
まとめ:パススルー機能を理解してポータブル電源を賢く使おう!
いかがでしたでしょうか?
今回は、ポータブル電源を充電しながら給電できる「パススルー充電」について、徹底的に解説しました。
この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- ポータブル電源は「パススルー充電対応」モデルなら充電しながら給電できる。
- ただし、バッテリーに負荷がかかるため、常用は避けるのが基本。
- 近年はJackeryのPlusシリーズのように、負荷を軽減したモデルも登場している。
- 防災も考えるなら「リン酸鉄リチウムイオン電池」で「UPS機能付き」が安心。
パススルー充電は、コンセントが限られる場面や、急いで複数の機器を充電したい時に非常に便利な機能です。
しかし、その特性や注意点を正しく理解しないと、大切なポータブル電源の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
この記事を参考に、あなたのライフスタイルに最適な一台を見つけ、アウトドアや万が一の備えを、より快適で安心なものにしてくださいね。
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