引っ越しを控えている皆さん、家電の梱包はどこまでダンボールに入れるべきか、お悩みではありませんか?
特に大型家電や精密機器は、どのように運べば安全なのか、そもそもダンボールに入れるべきなのかと疑問に思うことも多いですよね。
この記事では、引っ越し時の家電梱包について、ダンボールの活用法からプロに任せるべき家電まで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたの引っ越しにおける家電梱包の不安が解消され、スムーズな引っ越しを実現できるでしょう。

引っ越しで家電はどこまでダンボールに入れるべき?基本の考え方
引っ越しで家電を梱包する際、「どこまでダンボールに入れるべきか」という疑問は多くの方が抱くでしょう。
結論から言うと、家電の種類によってダンボールに入れるべきか否かが異なります。
ここでは、家電梱包の基本的な考え方と、それぞれの家電に対する対応策を詳しく解説していきます。
小型家電はダンボール梱包が基本
まず、小型家電は基本的にダンボールに入れて梱包しましょう。
例えば、以下のような家電が挙げられます。
- トースター
- 電子レンジ(小型)
- 炊飯器
- 電気ケトル
- ドライヤー
- 照明器具(シーリングライトなど)
- 電話機
- ゲーム機
- デジタルカメラ
- コードレス掃除機(本体部分)
これらの家電は、衝撃に弱く、コード類が絡まりやすい、または付属品が多いといった特徴があります。
ダンボールに入れることで、輸送中の破損や紛失を防ぎ、まとめて運搬できるメリットがあります。
梱包する際は、家電本体をプチプチなどの緩衝材で包み、隙間なくダンボールに詰めるようにしましょう。
新聞紙やタオルなどを詰めて、動かないように工夫しましょう。
中型家電は状況に応じてダンボールを活用
次に、中型家電については、状況に応じてダンボールを活用するか、または別の方法で梱包するかを検討する必要があります。
中型家電の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- テレビ(32インチ程度まで)
- デスクトップPCのモニター
- 掃除機(キャニスター型など)
- 空気清浄機
- 扇風機
- プリンター
- 小型冷蔵庫(一人暮らし用など)
- ガスコンロ
これらの家電は、小型家電に比べてサイズが大きく、重さもあるため、適切なダンボールを見つけるのが難しい場合があります。
もし、家電の元箱がある場合は、それを使用するのが最も安全です。
元箱がない場合は、家電のサイズに合った頑丈なダンボールを複数組み合わせて補強するなどの工夫が必要です。
また、テレビやモニターのような液晶画面を持つ家電は、特に衝撃に弱いため、厚手の緩衝材で何重にも保護し、ダンボール内でも動かないようにしっかりと固定することが重要です。

大型家電は原則ダンボールには入れない
そして、大型家電は原則としてダンボールには入れません。
大型家電とは、具体的に以下のようなものを指します。
- 冷蔵庫(200L以上など)
- 洗濯機(縦型・ドラム式問わず)
- 大型テレビ(40インチ以上)
- エアコン
- 電子ピアノ
- マッサージチェア
- 食器洗い乾燥機(据え置き型)
これらの家電は、サイズが大きく、非常に重いため、一般的なダンボールでは強度不足で破損の原因となります。
また、無理にダンボールに入れようとすると、家電本体や周囲を傷つける可能性もあります。
大型家電の梱包や運搬は、専門知識と経験を持つ引っ越し業者に任せるのが最も安全で確実な方法です。
引っ越し業者は、家電専用の梱包資材や運搬器具を使用し、適切な方法で安全に運んでくれます。
これらを怠ると、水漏れや故障の原因になることがあります。
引っ越しで家電をダンボールに梱包する具体的な方法と手順
ここでは、実際に家電をダンボールに梱包する際の具体的な手順とポイントをご紹介します。
正しい方法で梱包することで、大切な家電を安全に運ぶことができますよ。
必要な梱包資材を準備する
まずは、家電の梱包に必要な資材を準備しましょう。
最低限、以下のものは用意してください。
- ダンボール(様々なサイズ)
- プチプチ(気泡緩衝材)
- 養生テープまたはガムテープ
- 油性ペン
- 新聞紙やタオル、毛布などの隙間を埋める緩衝材
- ハサミやカッター
- ビニール袋(コードや小物をまとめる用)
ダンボールは、家電のサイズに合わせて複数種類用意すると便利です。
家電量販店やホームセンター、インターネット通販などで入手できます。
事前に確認してみましょう。
家電の種類ごとに梱包のポイント
次に、家電の種類ごとの梱包のポイントを見ていきましょう。
テレビ・モニター
- 元箱があれば元箱に入れるのがベストです。
- 元箱がない場合は、液晶画面を厚手のプチプチで何重にも包み、さらに毛布などで保護します。
- ダンボールに入れる場合は、テレビのサイズに合った強度のあるものを選び、縦向きに入れます。
- 隙間には緩衝材をしっかりと詰めて、動かないように固定します。
- 「ワレモノ」「テレビ」などと明記し、上下の向きを矢印で示すことも忘れずに。
- 配線は取り外し、どのケーブルか分かるようにタグ付けしたり、写真に撮っておくと便利です。
取り外して個別に梱包すると、より安全に運べますよ。
電子レンジ・オーブンレンジ
- 庫内を拭き、ターンテーブルや付属の網などは取り出して個別に包みます。
- 本体はプチプチで全体を覆い、ダンボールに入れます。
- ダンボール内で動かないよう、新聞紙やタオルなどで隙間を埋めます。
- アース線やコンセントは外しておきましょう。
炊飯器・電気ケトル
- 内釜やコード類を取り外し、それぞれ個別に包みます。
- 本体はプチプチで包み、ダンボールに入れます。
- 小さな付属品はまとめてビニール袋などに入れ、本体と一緒にダンボールに入れます。
- フタがある場合は、運搬中に開かないようにテープで軽く固定しておくと良いでしょう。
パソコン(デスクトップ・ノート)
- データのバックアップを必ず取っておきましょう。
- デスクトップPCは、本体、モニター、キーボード、マウス、ケーブル類をそれぞれ個別に梱包します。
- 本体はプチプチで何重にも包み、頑丈なダンボールに入れます。
- モニターもテレビと同様に慎重に梱包します。
- ノートパソコンは、専用のケースやバッグに入れるか、プチプチでしっかり包んでダンボールに入れます。
- ケーブル類は束ねて、どの家電のものか分かるようにまとめておくと便利です。
- ディスクドライブがある場合は、中にディスクが入っていないか確認しましょう。

照明器具
- 電球や蛍光灯は取り外し、個別にプチプチで包みます。
- 本体はプチプチで包み、ダンボールに入れます。
- シェードなど破損しやすい部分は、特に丁寧に緩衝材で保護します。
- 取り外し方や取り付け方を忘れないよう、写真を撮っておくと安心です。
ドライヤー・ヘアアイロン
- コードを束ねて本体に固定し、プチプチで包んでダンボールに入れます。
- 比較的丈夫ですが、他の重いものと一緒に入れないように注意しましょう。
掃除機
- キャニスター型の場合、ホースやアタッチメント類を取り外し、本体と分けて梱包します。
- 本体はプチプチで包み、ダンボールに入れます。
- コードレススティック型は、バッテリーを取り外せる場合は外し、本体をプチプチで包んでダンボールへ。
- 紙パック式の場合は、中にゴミが入っていないか確認し、必要であれば新しいものに交換しておきましょう。
どの家電のものか分かるようにマジックでメモを貼っておくと便利です。
引っ越しでダンボールに家電を詰める際の注意点とNG行為
家電をダンボールに詰める際には、いくつか注意すべき点や、絶対にしてはいけないNG行為があります。
これらのポイントを押さえることで、トラブルなく引っ越しを終えられますよ。
ダンボールの選び方と詰め方
まず、ダンボールの選び方と詰め方についてです。
- 家電のサイズに合ったダンボールを選ぶ: 大きすぎると中で動いて破損しやすくなり、小さすぎると無理やり詰め込むことになり、これも破損の原因になります。
- 重くなりすぎないようにする: 重い家電を1つのダンボールに詰め込むと、持ち運びが困難になるだけでなく、ダンボールの底が抜ける危険性があります。
- 隙間なく詰める: 緩衝材や新聞紙などを利用して、ダンボールの中に隙間ができないようにしっかりと詰めます。
- 重心を意識する: 重いものは下に入れ、軽いものは上に入れるようにしましょう。
- 天地無用を徹底する: 特に精密機器や液漏れの可能性のあるものは、「天地無用」と明記し、運搬中に逆さまにならないように注意を促しましょう。
NG行為!これは絶対に避けよう
次に、家電梱包において絶対に避けるべきNG行為についてです。
- 梱包せずにそのまま運ぶ: 小型の家電であっても、むき出しのまま運ぶのは破損のリスクが高まります。
- 元箱以外の箱に無理やり入れる: サイズが合わない箱に無理に入れると、衝撃吸収が不十分になり、故障の原因となります。
- 緩衝材をケチる: プチプチや新聞紙などの緩衝材は惜しまずに使用しましょう。特に衝撃に弱い部分や角は重点的に保護します。
- ダンボールの表示を怠る: 「ワレモノ」「上向き」「家電名」などを明記しないと、運搬時に不適切な扱いをされ、破損する可能性があります。
- 冷蔵庫や洗濯機の水抜き・霜取りをしない: これらを怠ると、運搬中に水漏れを起こし、他の荷物や運搬車両を汚損したり、家電自体の故障につながったりします。
- 食器などと一緒に家電を梱包する: 異なる性質のものを一緒に梱包すると、破損のリスクが高まります。家電は家電だけでまとめましょう。
- 電池を入れたまま運ぶ: 火災や液漏れの原因になる可能性があるため、リモコンなどから電池は抜いておきましょう。
冷却液が安定するまで時間が必要です。

引っ越し業者に任せるべき家電と依頼のポイント
全ての家電を自分で梱包する必要はありません。
特に大型家電や専門的な知識が必要な家電は、引っ越し業者に任せるのが賢明です。
ここでは、引っ越し業者に任せるべき家電と、依頼する際のポイントについて解説します。
引っ越し業者に任せるべき家電
前述の通り、以下の家電は原則として引っ越し業者に任せましょう。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- 大型テレビ(40インチ以上)
- エアコン
- 電子ピアノなどの重量物
- アンテナの取り外し・取り付けが必要なもの
- 取り付け工事が必要な食洗機など
これらの家電は、運搬時に特殊な技術や工具が必要となる場合が多く、素人が手を出すと故障や事故のリスクが高まります。
引っ越し業者は、これらの家電の取り扱いに慣れており、専用の資材や機材を所有しています。
また、万が一の破損時も保険が適用されるため、安心です。
引っ越し業者への依頼のポイント
引っ越し業者に家電の運搬を依頼する際のポイントをまとめました。
見積もり時に家電の種類を正確に伝える
見積もりを依頼する際に、運搬してほしい家電の種類やサイズ、数を正確に伝えましょう。
特に、大型家電や特殊な家電(例えば、ドラム式洗濯機や大型冷蔵庫など)がある場合は、必ず事前に伝えてください。
これにより、適切な見積もりと準備が可能になります。
引っ越し当日に申告すると、追加料金が発生したり、運搬できないと言われたりする可能性もあります。
オプションサービスの確認
引っ越し業者によっては、家電の取り付け・取り外しサービスや、配線サービスなどをオプションで提供している場合があります。
特にエアコンの取り外し・取り付けや、洗濯機の設置などは専門業者に依頼する必要がある場合もあるため、見積もり時にこれらのオプションサービスについて確認し、必要であれば利用を検討しましょう。
すべて引っ越し業者に任せられると、手間が省けて楽になりますよね。
新居での設置場所についても、事前に業者と打ち合わせをしておくとスムーズです。
保険内容の確認
万が一の破損に備え、引っ越し業者が加入している保険の内容を確認しておきましょう。
特に高価な家電がある場合は、補償額や対象範囲について事前に把握しておくことが重要です。
契約書の内容をしっかりと読み込み、不明な点があれば質問してクリアにしておきましょう。
引っ越し後にトラブルがあった場合、原因の特定がスムーズになります。
【家電別】引っ越し前後の準備と確認リスト
最後に、引っ越し前後の家電に関する準備と確認リストをまとめました。
このリストを活用して、漏れなく準備を進めましょう。
引っ越し前の準備リスト
- 各家電の電源を抜き、コード類をまとめる(どの家電のものか分かるようにメモを貼る)。
- 冷蔵庫の霜取り・水抜き(前日までに)。中身は空にして、清潔にしておきましょう。
- 洗濯機の水抜き(給水・排水ホース内)。輸送用固定ボルトがある場合は取り付けましょう。
- テレビ・レコーダーの配線図を写真に撮る(新居での設置に役立つ)。
- 取扱説明書や保証書をまとめる(すぐに取り出せるように)。紛失すると修理時に困ることがあります。
- 自分で梱包する家電は、上記「具体的な方法」に従って梱包する。
- 引っ越し業者に依頼する家電は、指示に従い準備を進める。
- 不要な家電は事前にリサイクルや処分を検討する。
引っ越し後の確認リスト
- すべての家電が届いているか確認する。
- 梱包を解く前に、外観に破損がないか確認する。
- 必要に応じて、家電の設置や配線を行う。(特に冷蔵庫は電源を入れるまで時間をおく)
- すべての家電が正常に動作するか確認する。
- 万が一、破損や動作不良があった場合は、すぐに引っ越し業者に連絡する。保証期間内に連絡することが重要です。
- 不要になった梱包資材は、引っ越し業者の回収サービスや自治体のルールに従って処分する。

よくある質問(FAQ)
引っ越しの家電梱包に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1. 家電のコード類はどのようにまとめれば良いですか?
A1. 家電から取り外せるコード類は、それぞれ束ねてマジックテープやひもで固定しましょう。
どの家電のコードか分かるように、マスキングテープなどに家電名を書いて貼っておくと、新居での設置時に迷いません。
小さなコードは、ビニール袋などにまとめてダンボールに入れると良いでしょう。
Q2. 冷蔵庫や洗濯機の水抜きは、いつ行えば良いですか?
A2. 冷蔵庫の霜取り・水抜きは、引っ越し当日の前日までに完了させておくのが理想です。
電源を抜いてから完全に水が抜けるまで時間がかかるため、余裕を持って作業を始めましょう。
洗濯機の水抜きも、引っ越し前日までに済ませておくのが安心です。
給水ホースと排水ホースの両方から水を抜き、本体内部の水分も排出します。
Q3. パソコンのデータはバックアップが必要ですか?
A3. はい、パソコンのデータは必ずバックアップを取っておきましょう。
万が一、輸送中に破損してデータが消失するリスクを避けるためです。
外付けHDDやクラウドサービスなどを利用して、大切なデータを守りましょう。
Q4. 元箱がない家電の梱包はどうすれば良いですか?
A4. 元箱がない家電は、プチプチなどの緩衝材で本体を何重にも包み、家電のサイズに合った頑丈なダンボールに詰めます。
ダンボール内で家電が動かないように、新聞紙やタオルなどで隙間をしっかりと埋めましょう。
特に液晶画面などデリケートな部分は、さらに厚手の保護が必要です。
Q5. 引っ越し当日に、自分で家電の梱包をしていても良いですか?
A5. 小型家電であれば、事前に梱包しておくことで引っ越し作業をスムーズに進められます。
ただし、大型家電や精密機器については、引っ越し業者に任せるのが安全です。
業者によっては、当日専用の資材で梱包してくれる場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
この記事では、家電の種類に応じた適切な梱包方法から、引っ越し業者に任せるべき家電、そして引っ越し前後の準備リスト、さらにはよくある質問まで、網羅的に解説しました。
小型家電はダンボールで丁寧に梱包し、中型家電は状況に応じて、そして大型家電は原則として引っ越し業者に任せるのが最も安全で確実な方法です。
適切な梱包と準備で、大切な家電を安全に新居へ運び、ストレスのない引っ越しを実現してくださいね。
これらの情報が、あなたの引っ越し準備の一助となれば幸いです。
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