「引っ越した家のテレビ端子が古くて、持ってきたケーブルが繋がらない…」
「このネジ式の端子(直付端子)、どうすれば今のテレビで使えるの?」
築年数の経った建物でよく見かけるこの光景、どう対処すればいいか悩みますよね。
実は、この古い端子を最新のテレビに対応させるための「正しいつけ方」は2つあります。
- 【手軽】数百円の「整合器」を使って、工事なしで繋ぐ方法
- 【確実】壁の端子ごと「F型」に交換して、画質を安定させる方法
この記事では、両方の手順を丁寧に解説します。
あなたの状況に最適な方法を選べば、面倒な工事の立ち会いも不要で、今日からクリアな映像を楽しめるようになりますよ。
※2025年11月21日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
まずは確認!その端子は直付端子で間違いなし?
作業に入る前に、壁についている端子の種類を特定しましょう。ここを間違えると、買った部品が無駄になってしまいます。
直付端子(フィーダー端子)の特徴
直付端子(じかづけたんし)は、昭和〜平成初期の住宅に多い古いタイプの端子です。
最大の特徴は、ケーブルを差し込む穴がなく、金属のネジが2つ(またはプラスチックの爪)がついている点です。アンテナ線の銅線を直接巻きつけて固定する仕組みのため、現在の「プッシュ式」のケーブルはそのままでは刺さりません。

主流のF型端子との決定的な違い
一方、現在の主流は「F型端子」です。
- 形状:丸い穴が空いており、ネジ山が切ってある。
- メリット:誰でもワンタッチで接続でき、ノイズ(電波漏れ)に強い。
今回は、古い直付端子をこの「F型」として使えるようにアップデートする方法を解説します。
つけ方①:一番簡単!整合器を使う
「賃貸だから壁はいじれない」「電気のことはよく分からない」という方に最適なのがこの方法です。
壁の工事をせず、「整合器(せいごうき)」という変換アダプターを挟むだけで解決します。
必要な道具は整合器のみ
家電量販店やホームセンター、Amazonなどで「アンテナ整合器」や「セパレーター(300Ω→75Ω変換)」という名前で販売されています。
価格は500円〜1,000円程度。片方がY字型の金具(または裸線)、もう片方がF型端子のジャックになっているものを選びましょう。
整合器の取り付け手順3ステップ
手順は非常にシンプルです。
- 直付端子のネジを緩める:完全に外さなくても、隙間ができればOKです。
- 整合器の金具を挟む:Y字型の金具をネジの隙間に差し込みます。
- ネジを締めて固定:緩まないようにしっかり締めます。
あとは、整合器の反対側にテレビからのケーブルを繋ぐだけ。これで地デジの視聴が可能になります。
つけ方②:DIY!壁の直付端子をF型へ交換する
「見た目をスッキリさせたい」「接触不良を根本から直したい」という場合は、壁のユニット自体を交換する方法がおすすめです。

交換に必要な道具一覧
作業には以下の道具が必要です。
| 必須アイテム |
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| あると便利 |
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新しい端子選びのコツ
失敗しないポイントは「電流通過型」を選ぶことです。今後BS/CS放送を見る可能性があるなら、「電流通過型」と書かれた赤い印のある端子を選んでおけば間違いありません。
直付端子の交換手順
それでは、具体的な交換手順を解説します。
STEP1:ブレーカーを落としてプレートを外す
感電防止のため、必ず分電盤のブレーカーを落としてから作業を開始します。
化粧カバーの下にマイナスドライバーを入れ、テコの原理で外します。その後、上下のネジを緩めて枠を外し、壁の中からユニット本体を引き出します。
STEP2:古いケーブルを外して加工する
古い端子に繋がっているケーブルを外します。ケーブルが古く劣化している場合は、先端を新しく作り直しましょう。
ケーブル加工の目安
- 外側の黒い被覆:先端から15mm〜20mm剥く
- 網状の線(編組線):丁寧に後ろへ折り返す
- 中心の白い絶縁体:先端から3mm〜5mm残してカットし、銅線(芯線)を出す
STEP3:ショート確認と接続
ここが最重要です。中心の「芯線」に、周りの「編組線」のヒゲが1本でも触れていないか、目を凝らして確認してください。触れているとショートして映りません。
問題なければ、新しいF型端子の裏側に芯線を差し込み、編組線を金具で押さえてネジで固定します。
STEP4:壁に戻して完了
ユニットを枠に戻し、壁に固定します。プレートとカバーを戻し、ブレーカーを上げれば作業完了です。
失敗しない!注意点とトラブル対処法
現場でよくあるトラブルとその対処法を紹介します。
Q. ケーブルが「3C-2V」など細い場合は?
古い家屋では、現在の標準(5C)より細い「3C」というケーブルが使われていることがあります。
F型端子の中には太いケーブル専用のものもあるため、購入時にパッケージ裏を見て「適合ケーブル:3C/4C/5C」と書かれているか確認しましょう。
Q. ネジが錆びて回らない時は?
無理に回すとネジ穴が潰れてしまいます。CRC(潤滑油)を少しだけつけて時間を置くか、ペンチでネジの頭を挟んで回してみてください。それでもダメなら、ケーブルを根元で切断して加工し直す方が早いです。
Q. BS放送だけ映らないのですが…
地デジは映るのにBSが映らない場合、以下の原因が考えられます。
- 端子が「電流通過型」ではない
- ケーブルの加工で、編組線(アース)の接触が甘い
- 壁の中の分配器が古く、BSの周波数に対応していない
よくある質問(Q&A)
A. 端子交換だけであれば、部品代込みで8,000円〜15,000円程度が相場です。受信レベルの調査なども含めると、もう少し高くなる場合があります。
A. 「電気資材」または「テレビ・アンテナ配線」のコーナーにあります。分からない場合は、取り外した直付端子の写真をスマホで撮って、店員さんに見せるのが一番確実です。
まとめ:環境に合った「つけ方」を選ぼう
テレビの直付端子のつけ方について、アダプター接続と交換の2パターンを解説しました。
- 手軽さ優先・賃貸の方 → 「整合器(アダプター)」で接続
- 画質優先・持ち家の方 → 「F型端子」へ交換(※要資格確認)
どちらの方法でも、正しく接続できれば快適なテレビ視聴が可能です。
「自分には難しそうだな」と感じたら、無理せずプロに頼むのも賢い選択です。まずはご自身の状況に合わせて、最適な方法を試してみてくださいね。
(参照:東京都消費生活総合センター)


