「新しいテレビを買ったのに、壁のアンテナ端子が古くてケーブルが挿せない…」
「この昔ながらの端子、どうやって今のケーブルに繋げばいいの?」
もしかして、あなたのお部屋のテレビ端子も、ケーブルを直接ネジで固定する「直付端子(じかづけたんし)」ではありませんか?
業者に頼むと費用がかかるし、なんとか自分で交換できないものかと悩んでしまいますよね。
ご安心ください!この記事では、そんなお悩みを解決します。
古い直付端子を現在の主流である「F型端子」へ交換する方法を、誰にでも分かりやすく徹底的に解説していきます。
必要な道具から、失敗しないための重要なコツまで網羅しているので、この記事を読み終える頃には、あなたも自信を持って作業に臨めるはずです。
まずは確認!その端子、本当に「直付端子」?
作業を始める前に、まずはご自宅のテレビ端子が本当に「直付端子」なのかをしっかり確認しましょう。
見分け方はとても簡単ですよ。
直付端子とは?見た目の特徴を解説
直付端子とは、アンテナケーブルの先端を加工し、芯線と網線を直接ネジで固定するタイプの古いテレビ端子です。
フィーダー端子とも呼ばれます。
見た目の最大の特徴は、ケーブルを差し込む丸い穴がなく、代わりに2つのネジが付いている点です。
昭和の時代に建てられた家屋でよく見かけるタイプですね。

主流の「F型端子」との違い
一方、現在主流となっているのが「F型端子」です。
F型端子は、アンテナケーブルの先端にある「F型接栓」というプラグを、くるくると回してねじ込むか、そのまま押し込むだけで接続できるのが特徴です。
誰でも簡単に、そして確実に取り付けられるため、現在の建物ではほぼこのF型端子が採用されています。
なぜ交換が必要なの?
直付端子を使い続けることも不可能ではありませんが、いくつかのデメリットがあります。
まず、接続には手間がかかりますし、芯線がむき出しになるため、ノイズの影響を受けやすく、テレビの映りが悪くなる原因になります。
また、接続部分が緩みやすく、接触不良を起こしやすいのも難点です。
快適なテレビ視聴環境を整えるためにも、早めにF型端子へ交換することをおすすめします。
テレビ直付端子の交換(つけ方)に必要な道具一覧
直付端子からF型端子への交換は、特別な工具がなくても、ホームセンターやネット通販で揃えられる道具だけで行うことができます。
事前にしっかり準備しておきましょう。
これだけは揃えたい!必須の道具リスト
最低限、以下の道具があれば交換作業が可能です。
- 新しいテレビ端子(壁面ユニット): これがなければ始まりません。選び方は後述します。
- プラスドライバー: 壁のプレートや端子本体のネジを外すのに使います。一般的なサイズでOKです。
- マイナスドライバー: 古い端子の種類や、プレートをこじ開ける際に役立つ場合があります。
- ニッパー: アンテナケーブルの先端を加工する際に使用します。
- カッターナイフ: アンテナケーブルの被覆を剥くのに使います。
あると便利な道具
必須ではありませんが、以下の道具があると作業がよりスムーズに進みます。
- ペンチ(またはワイヤーストリッパー): ケーブルの加工が楽になります。
- 懐中電灯(またはヘッドライト): 壁の中は暗いので、手元を照らすのに重宝します。
- 軍手: 手の保護と滑り止めになります。
新しいテレビ端子(壁面ユニット)の選び方
新しいテレビ端子を選ぶ際には、いくつか種類があるので注意が必要です。
ご自宅の環境に合わせて選びましょう。
- 端子の数で選ぶ: テレビだけなら「1端子型」、テレビとレコーダーなど2台つなぐなら「2端子型」を選びます。
- 放送の種類で選ぶ: 地デジだけ見る場合は通常の端子でOKです。BS/CS放送も見たい場合は、「電流通過型」または「BS/CS対応」と書かれた端子を選ぶ必要があります。これは、BS/CSアンテナへ電源を供給するために必要です。
- 接続方法で選ぶ: 壁から出ているアンテナケーブルを直接つなぐ「中継用」と、壁内で分配器などから来ているケーブルをつなぐ「入力端子付き」があります。今回は、壁から出ているケーブルを加工してつなぐので「中継用(または直付型)」のF型端子を選びます。
【5ステップで完了】テレビの直付端子のつけ方・交換手順を徹底解説
道具が揃ったら、いよいよ交換作業に入ります。
手順自体はとてもシンプルなので、一つひとつ丁寧に進めていきましょう。
STEP1:安全第一!ブレーカーを落とす
作業を始める前に、必ず分電盤のブレーカーを落としてください。
テレビアンテナの配線に強い電流は流れていませんが、宅内の電気配線と接触している可能性もゼロではありません。
感電事故を防ぐため、安全を最優先しましょう。
STEP2:カバーとプレートを外す
まず、テレビ端子の化粧カバーを外します。
カバーは爪で引っかかっているだけの場合が多いので、隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで、てこの原理で優しくこじ開けます。
カバーを外すと、プレートを固定しているネジが見えるので、プラスドライバーで上下のネジを緩めてプレートを取り外します。
STEP3:古い直付端子を取り外す
プレートを外すと、壁の中に埋まっている古い直付端子が出てきます。
アンテナケーブルを固定している2つのネジをドライバーで緩めて、ケーブルを端子から外しましょう。
その後、端子本体を固定している金属枠のネジを緩めて、古い直付端子を完全に取り外します。
STEP4:新しいF型端子を取り付ける
ここが一番のポイントです。
まず、壁から出ているアンテナケーブルの先端を加工します。
カッターやニッパーを使って、ケーブルの先端から約1.5cmほどの外側の被覆(黒や灰色の部分)を剥きます。
すると、網目状の線(編組線)が現れるので、これを後ろに折り返します。
次に、中心にある銅線(芯線)を覆っている絶縁体を、芯線を傷つけないように注意しながら剥きます。
このとき、芯線の周りに編組線の細い線が1本も触れないようにしてください。ショートの原因になります。
ケーブルの加工ができたら、新しいF型端子の説明書に従って、芯線と編組線をそれぞれ指定の場所に接続し、ネジでしっかりと固定します。
最後に、端子本体を金属枠にネジで固定します。

STEP5:プレートを戻して最終確認
新しい端子をしっかり固定できたら、外した時と逆の手順でプレートとカバーを取り付けます。
ブレーカーを元に戻し、テレビと新しいF型端子をアンテナケーブルで接続してみましょう。
無事にテレビが映れば作業は完了です!お疲れ様でした!
直付端子の交換で失敗しないための重要ポイント
作業を成功させるために、特に注意してほしいポイントを3つご紹介します。
ここを押さえておけば、トラブルを未然に防げますよ。
アンテナケーブルの「芯線」と「編組線」をショートさせない!
最も重要な注意点がこれです。
ケーブルの中心にある「芯線」は信号を伝える大切な部分です。
その周りを覆う「編組線(あみぐみせん)」は、ノイズを防ぐシールドの役目をしています。
この芯線と編組線が1本でも接触してしまうと、ショート(短絡)してしまい、テレビが全く映らなくなります。
最悪の場合、テレビやブースターの故障につながることもあるので、接続する際は細心の注意を払いましょう。
ネジの締めすぎに注意
ケーブルや端子本体を固定するネジは、緩すぎると接触不良の原因になりますが、逆に締めすぎにも注意が必要です。
特にケーブルを固定するネジを強く締めすぎると、芯線を傷つけたり、断線させてしまったりする恐れがあります。
「ぐらつかない程度に、キュッと締める」感覚を意識してください。
分配器やブースターとの関係もチェック
もしテレビの映りが悪い場合、原因はアンテナ端子だけではないかもしれません。
屋根裏などには、アンテナからの信号を各部屋に分ける「分配器」や、信号を増幅する「ブースター」が設置されていることがあります。
これらの機器が古い場合や、接続が緩んでいる場合も映りに影響します。
端子を交換しても改善しない場合は、これらの機器もチェックしてみると良いでしょう。
「自分でやるのは不安…」そんな時の対処法
ここまで読んでみて、「やっぱり自分ひとりで作業するのは不安…」「失敗してテレビが壊れたらどうしよう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、無理は禁物です。
そんな時は、プロに頼むという選択肢もあります。
無理は禁物!プロの業者に依頼するメリット
専門の業者に依頼すれば、安全かつ確実に作業を行ってくれます。
専用の測定器で電波の受信レベルをチェックしてくれるため、端子交換だけでなく、テレビ映りに関する総合的な問題を解決してくれることもあります。
費用はかかりますが、「時間」と「安心」を買うと考えれば、十分に価値のある選択肢と言えるでしょう。
業者選びのポイントと費用相場
業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」がおすすめです。
料金体系が明確で、実績が豊富な業者を選びましょう。
費用相場は、簡単な端子交換のみであれば8,000円〜15,000円程度が一般的です。
ただし、配線の状況や追加作業の有無によって変動します。
賃貸物件の場合は必ず大家さん・管理会社に確認を!
もしお住まいが賃貸マンションやアパートの場合は、作業前に必ず大家さんや管理会社に連絡し、許可を得てください。
壁の設備は共用部分や専有部分の判断が難しく、無断で工事を行うとトラブルの原因になります。
場合によっては、費用を負担してくれたり、指定の業者を手配してくれたりすることもありますよ。
よくある質問(Q&A)
最後に、テレビの直付端子のつけ方に関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 交換後、テレビが映らない原因は?
A. 最も多い原因は、やはり「芯線と編組線のショート」です。もう一度プレートを外し、ケーブルの接続部分を確認してみてください。その他、ケーブルの断線、端子の接続ミス、そもそもその部屋まで電波が来ていない、といった可能性も考えられます。
Q. BS/CS放送も見たい場合はどうすればいい?
A. BS/CS放送を視聴するには、BS/CS対応のパラボラアンテナが必要です。その上で、壁のテレビ端子を「電流通過型」のものに交換する必要があります。アンテナに電源を送るため、この機能は必須です。
Q. どのテレビ端子を買えばいいか分かりません…
A. 基本的には、現在の端子が1つ穴なら「1端子型」、2つ穴なら「2端子型」を選びます。BS/CSを見るなら「電流通過型」の記載があるものを選びましょう。一番確実なのは、今付いている端子をスマホで撮影し、その写真を持って家電量販店やホームセンターの店員さんに相談することです。
まとめ:正しいつけ方で快適なテレビライフを!
今回は、テレビの古い直付端子を新しいF型端子に交換する「つけ方」について、詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 直付端子は古いタイプ。簡単で安定するF型端子への交換がおすすめ。
- 必要な道具はドライバーやニッパーなど、ホームセンターで揃えられるものばかり。
- 作業で最も重要なのは、アンテナケーブルの芯線と編組線をショートさせないこと。
- 作業前には必ずブレーカーを落とし、安全を確保する。
- 賃貸物件の場合は、事前に大家さんや管理会社への確認が必須。
- 少しでも不安があれば、無理せずプロの業者に依頼するのも賢い選択。
最初は難しそうに感じるかもしれませんが、この記事で紹介した手順と注意点を守れば、きっとご自身で交換できるはずです。
無事に交換が完了すれば、ノイズの少ないクリアな映像で、快適なテレビライフが待っていますよ。
ぜひ、この記事を参考にチャレンジしてみてくださいね!
【参考資料】