テレビの裏側、ふと見るとケーブルがぐちゃぐちゃ…。ホコリも溜まっているし、「このまま配線を束ねても大丈夫なのかな?」「もしかして火事の原因に…?」なんて不安に思ったことはありませんか?
見た目をスッキリさせたい気持ちと、安全性への不安で、どうしていいか分からなくなってしまいますよね。
ご安心ください。この記事では、テレビ裏の配線を束ねる際の潜在的なリスクから、誰でも簡単にできる安全な結束方法、さらにはプロが実践するおしゃれな配線整理術まで、あなたの疑問と不安をすべて解決します。
この記事を読み終える頃には、見た目が美しいだけでなく、火災のリスクも低減された、安心・安全なテレビ周りを手に入れられるはずです。さっそく、その方法を見ていきましょう。
【結論】テレビ裏の配線は束ねても大丈夫!ただし条件付き
早速結論からお伝えします。テレビ裏の配線は、正しい方法で対策すれば、束ねても問題ありません。
むしろ、適切に配線を整理することで、以下のような大きなメリットがあります。
- 見た目の改善:ごちゃごちゃ感がなくなり、お部屋がスッキリします。
- 掃除の効率化:床やテレビ台の掃除が格段にしやすくなり、ホコリが溜まりにくくなります。
- 安全性の向上:ケーブルの絡まりによる断線や、ホコリによる火災のリスクを減らせます。
ただし、何も考えずにただ束ねてしまうのは危険です。「安全に束ねるための条件」を理解することが、何よりも重要になります。
「大丈夫」という言葉を鵜呑みにせず、リスクと正しい対策をセットで理解することが、安全な配線整理への第一歩です。
なぜ危険と言われる?配線を束ねる3つのリスクと原因
「テレビの裏の配線を束ねるのは危険」と言われるのには、ちゃんとした理由があります。主なリスクは、「火災」「映像・音声の乱れ」「ケーブルの劣化」の3つです。なぜそのようなことが起こるのか、原因をしっかり理解して、正しく対策しましょう。
リスク①:火災の危険性(発熱・トラッキング現象)
最も注意したいのが、火災のリスクです。
特に、テレビやレコーダーなどの電源ケーブルは、電気が流れる際に熱を発します。複数の電源ケーブルをきつく束ねてしまうと、その熱がこもってしまい、ケーブルの被覆が溶けたり、最悪の場合、発火に至る危険性があるのです。
さらに、束ねたケーブルにホコリが溜まり、そこに湿気が加わると「トラッキング現象」という放電現象が起きやすくなります。これも火災の大きな原因となるため、非常に危険です。

特に消費電力の大きいプラズマテレビなどは発熱しやすい傾向にあります。電源タップのたこ足配線も熱がこもる原因になるので注意が必要ですよ。
リスク②:映像・音声の乱れ(ノイズ干渉)
「最近、テレビの映りが悪いな…」と感じているなら、もしかしたら配線の束ね方が原因かもしれません。
電源ケーブルと、アンテナケーブルやHDMIケーブルを一緒に束ねると、電源ケーブルから発生する電磁波が、映像や音声の信号に干渉してしまうことがあります。これが「ノイズ干渉」です。
ノイズの影響を受けると、映像にブロックノイズ(四角い乱れ)が出たり、音声が途切れたりといった不具合が発生する可能性があります。
電源ケーブル(電気を供給する線)と信号ケーブル(映像・音を送る線)は、性質が違うため、できるだけ離して配線するのが基本です。
リスク③:断線・ケーブルの劣化
配線をスッキリさせたい一心で、ケーブルをきつく縛りすぎたり、急な角度で折り曲げたりしていませんか?
こうした行為は、ケーブルの内部にある細い導線を傷つけ、断線の原因になります。また、ケーブルに常に負荷がかかる状態は、被覆の劣化を早め、寿命を縮めることにも繋がります。
一度断線してしまうと、そのケーブルは使えなくなってしまうため、無理な力を加えないことが大切です。
火災を防ぐ!安全に配線を束ねるための5つの鉄則
ここまで解説した3つのリスクを回避し、安全に配線を整理するための具体的な「5つの鉄則」をご紹介します。このルールを守れば、誰でも安心してテレビ裏をスッキリさせることができますよ。
鉄則①:電源ケーブルは他の線と分ける
最も重要なポイントです。
電源ケーブル(テレビ、レコーダーなど)のグループと、信号ケーブル(アンテナ、HDMI、LANなど)のグループに、まず分けましょう。
こうすることで、熱のこもりやノイズ干渉のリスクを大幅に減らすことができます。それぞれのグループを、別々の結束アイテムでゆるくまとめると効果的です。
鉄則②:ケーブルをきつく縛らない・折り曲げない
ケーブルをまとめる際は、指が1〜2本入るくらいのゆとりを持たせて束ねるのが基本です。きつく縛ると断線や劣化の原因になります。
また、ケーブルを直角に折り曲げるのもNG。緩やかなカーブを描くように、優しく配線してあげましょう。
ケーブルに「癖」をつけないイメージを持つと、優しく扱えます。特に光ファイバーケーブルは非常にデリケートなので、絶対に折り曲げないでください。
鉄則③:熱がこもらないアイテムを選ぶ
配線をまとめるアイテム選びも重要です。ビニールテープなどでぐるぐる巻きにすると、熱が逃げられません。
おすすめは、網目状で通気性の良い「スパイラルチューブ」や、繰り返し使える「マジックテープ式の結束バンド」です。これらは熱を効率的に逃がしてくれます。
鉄則④:定期的に掃除してホコリを防ぐ
どんなに綺麗に配線しても、ホコリは溜まります。トラッキング現象を防ぐためにも、半年に1回程度は掃除する習慣をつけましょう。
掃除の際は、必ずテレビや周辺機器の電源プラグをコンセントから抜いてから、乾いた布やエアダスターでホコリを取り除いてください。
鉄則⑤:PSEマークのある製品を選ぶ
電源タップや延長コードなどを使用する場合は、必ず「PSEマーク」の付いた製品を選びましょう。
PSEマークは、日本の電気用品安全法が定める安全基準を満たした製品であることを示す証です。安価なノーブランド品ではなく、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが、安全への投資になります。

この5つの鉄則を守るだけで、安全性は格段に向上します。まずは電源ケーブルと信号ケーブルを分けることから始めてみてください!
【目的別】テレビ裏配線整理のおすすめアイテム5選
安全な束ね方がわかったところで、次は具体的な整理アイテムを見ていきましょう。目的やテレビ周りの環境に合わせて最適なアイテムを選ぶのが、成功への近道です。
手軽にまとめたいなら「結束バンド」「スパイラルチューブ」
まずは基本のアイテムです。ケーブルをグループ分けして、ゆるくまとめるのに最適です。
- マジックテープ式結束バンド:何度でもやり直しがきくのが最大のメリット。締め付け具合を調整しやすく、ケーブルを傷つけにくいので初心者にもおすすめです。
- スパイラルチューブ:複数のケーブルを1本にまとめられるチューブです。見た目がスッキリし、後からケーブルを追加・削除しやすいのもポイント。通気性の良いメッシュタイプがおすすめです。
一度締めると外せないナイロン製の結束バンドは、締めすぎやケーブル交換時の手間を考えると、テレビ周りにはあまりおすすめできません。
見た目もスッキリ隠したいなら「ケーブルボックス」
電源タップやACアダプターごと、ごちゃつく配線をまるごと隠せる箱です。ホコリ除けの効果も絶大で、掃除が非常に楽になります。
選ぶ際は、収納したいタップやアダプターのサイズを測り、熱がこもりにくいように通気口がしっかりあるものを選びましょう。木製やスチール製など、インテリアに合わせて選ぶのも楽しいですね。
壁掛けテレビに最適!「配線カバー(モール)」
壁掛けテレビから垂れ下がるケーブルを隠すのに便利なのが、壁に貼り付けて使う配線カバーです。
壁紙の色に合わせれば存在感を消すことができ、非常にスッキリした見た目を実現できます。ケーブルの太さや本数に合ったサイズを選びましょう。
長すぎるケーブルを調整するなら「ケーブルクリップ」
長すぎて余ったケーブルを、くるくると巻いて留めておくためのクリップです。必要な長さ分だけを伸ばせるので、テレビ裏のスペースを有効活用できます。
貼り付けタイプやマグネットタイプなど種類も豊富なので、用途に合わせて選びましょう。
プロが実践!テレビ周りをおしゃれに見せる配線テクニック
ただ隠すだけでなく、もっとおしゃれに配線整理をしたい!という方向けに、ワンランク上のテクニックをご紹介します。
ワイヤーネットや有孔ボードを活用する
テレビの裏の壁面やテレビ台の背面に、100円ショップなどでも手に入るワイヤーネットや有孔ボードを取り付けます。
結束バンドやフックを使って、電源タップやルーター、ケーブル類を「浮かせて」固定するテクニックです。床から離すことで掃除がしやすくなる上、通気性も抜群です。
テレビスタンドの支柱に隠す
お使いのテレビスタンドに、配線を隠せるスペースや機能はありませんか?
スタンドの支柱の内部にケーブルを通したり、背面のパネルに沿ってケーブルを固定したりするだけで、驚くほどスッキリ見せることができます。
「見せる配線」であえてデザインの一部にする
上級者向けのテクニックですが、カラフルな布巻きのケーブルや、デザイン性の高いケーブルクリップを使って、あえて配線を見せるという方法もあります。
壁に幾何学模様を描くように配線するなど、アート感覚で楽しむことで、オリジナリティあふれるテレビ周りを演出できます。
よくある質問(Q&A)
最後に、テレビ裏の配線整理に関するよくある質問にお答えします。
- Q1. アンテナケーブルやLANケーブルも束ねて大丈夫?
- A1. はい、大丈夫です。ただし、鉄則①で解説した通り、必ず電源ケーブルとは別のグループで束ねるようにしてください。また、きつく縛らず、ゆとりを持たせることも忘れずに。
- Q2. 束ねたケーブルから「ジー」という音がする…
- A2. それはノイズ干渉の可能性があります。特にスピーカーケーブルなどが影響を受けているかもしれません。すぐに電源を切り、電源ケーブルと信号ケーブル(音声ケーブルなど)が接触していないか確認し、離して配線し直してください。
- Q3. 掃除はどれくらいの頻度ですればいい?
- A3. お部屋の環境にもよりますが、半年に1回〜1年に1回が目安です。年末の大掃除のついでに行うなど、定期的なメンテナンスを心がけることで、安全な状態をキープできます。
まとめ:正しい知識で、テレビ裏をスッキリ安全な空間に!
今回は、多くの人が悩む「テレビ裏の配線、束ねても大丈夫?」という疑問について、徹底的に解説しました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- テレビ裏の配線は、正しい方法で束ねれば安全で、メリットも多い。
- 何も考えずに束ねると「火災」「ノイズ」「断線」の3大リスクがある。
- 安全の秘訣は「①電源線と信号線を分ける」「②きつく縛らない」「③熱がこもらないアイテムを選ぶ」「④定期的な掃除」「⑤PSEマーク」の5つの鉄則を守ること。
- ケーブルボックスやスパイラルチューブなどの便利アイテムを活用すれば、誰でも簡単に整理できる。
ごちゃごちゃした配線は、見た目が悪いだけでなく、火災などの危険も潜んでいます。この記事を参考に、ぜひご自宅のテレビ裏を見直してみてください。
ほんの少しの手間で、見た目も安全性も格段に向上し、スッキリと快適なリビング空間が手に入りますよ。さあ、今すぐに行動を起こして、安心できるテレビ環境を実現しましょう!
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