家電量販店で「展示品限り」の札を見ると、その安さに心が揺らぎますよね。
「新品より数万円も安い!でも、『テレビの展示品はやめた方がいい』『後悔する』って聞くけど本当?」 「ずっと電源が入りっぱなしで壊れやすいんじゃないの?問題ないかどうかが知りたい…」
そんな不安や疑問を抱えているあなたのために、この記事では展示品のテレビ購入で後悔しないための全知識を徹底解説します。
結論から言えば、やめた方がいいケースと問題ないケースは明確に存在します。 この記事を読めば、その見極め方が完全に理解でき、あなたが展示品のテレビを買うべきかどうかの最終判断ができるようになります。
※2025年11月15日 記事の内容を最新の情報に更新しました。
展示品のテレビはリスクを理解すれば問題ない
いきなり結論からお伝えします。
テレビの展示品は、買ってはいけないわけではありません。しかし、新品とは違う特有のリスクがあるため、購入前に状態をしっかり見極めることが何よりも重要です。
展示品が「やめた方がいい」と言われるのは、長時間稼働による劣化や、不特定多数の人が触れることによる傷などのリスクがあるためです。
一方で、これらのリスクを許容でき、かつ状態の良い個体を見極めることができれば、高性能なテレビを格安で手に入れることができる、非常にお得な選択肢となります。
つまり、展示品購入は宝探しのようなもの。成功の鍵は、デメリットを正しく理解し、後述するチェックリストを徹底することにかかっています。
「やめた方がいい」と言われる5つのデメリット
まず、展示品のテレビの購入を慎重に考えるべき理由、つまりデメリットから見ていきましょう。ネガティブな意見の背景には、主に以下の5つの理由があります。
1. 長時間稼働による内部部品の劣化
家電量販店のテレビは、1日に10時間以上、ほぼ毎日電源が入りっぱなしです。
ある口コミでは「一般家庭で4年分程度使用したくらい」と表現されるほど、稼働時間は長くなります。これにより、電源基板やバックライトなどの内部部品は、新品に比べて確実に劣化が進んでいます。
(参照:内閣府「消費動向調査」)
2. 画面の焼き付きや輝度低下のリスク
特に有機ELテレビで注意したいのが「焼き付き」です。
同じ映像(お店のロゴや価格情報など)を長時間表示し続けることで、画面にその跡が薄く残ってしまう現象です。液晶テレビでも、長時間の使用でバックライトが劣化し、画面の明るさが新品より落ちている(輝度低下)可能性があります。
3. 不特定多数の人が触れたことによる傷や汚れ
展示品は、多くのお客様がリモコンを操作したり、本体に触れたりします。
そのため、画面やフレームに細かい傷が付いていたり、リモコンのボタンが劣化していたりする可能性があります。自宅に持ち帰ってから気づくと、少し残念な気持ちになりますよね。
4. 箱や付属品が揃っていない場合がある
展示品は、箱や取扱説明書、保証書などが欠品しているケースが少なくありません。
箱がないと、自宅まで運ぶ際に破損するリスクが高まります。また、説明書がないと初期設定で戸惑うかもしれません。購入前に、何が付属しているのかをしっかり確認する必要があります。
5. 初期不良でも交換ではなく修理対応になる
展示品は基本的に「一点もの」です。
そのため、万が一購入直後に不具合が見つかっても、新品のように同じ商品と交換してもらえる可能性は低いです。基本的には修理対応となり、修理期間中はテレビが使えないという事態も考えられます。
「問題ない」は本当?展示品購入の3つのメリット
デメリットを見ると不安になるかもしれませんが、もちろん大きなメリットも存在します。多くの方が展示品を選ぶ理由は、やはり以下の3点です。
1. なんといっても価格が圧倒的に安い
最大のメリットは、何と言っても価格の安さです。
モデルや時期によっては、新品価格から数万円、時には十数万円も安く購入できることがあります。予算を抑えつつ、ワンランク上のモデルやより大きなサイズのテレビを手に入れるチャンスです。

2. 現物を見て画質や動作を直接確認できる
新品は箱に入っているため、購入前に実際の映像を見ることはできません。
しかし展示品なら、その場で電源を入れてもらい、画質の発色や明るさ、スピーカーの音質、リモコンの操作感などを自分の目で直接チェックできます。ドット抜けや色ムラといった個体差も事前に確認できるのは、大きな利点です。
3. すぐに持ち帰って使える
「今すぐテレビが欲しい!」という場合、展示品は非常に魅力的です。
在庫を取り寄せたり、配送を待ったりする必要がなく、購入後すぐに自宅に持ち帰って設置・使用することができます。
後悔しないための7つのチェックリスト
「デメリットはわかったけど、やっぱり安さは魅力…」と感じるあなたへ。ここが最も重要なパートです。
以下の7つのチェックリストを店頭で実践すれば、展示品の購入で「やめた方がよかった」と後悔するリスクを大幅に減らすことができます。ぜひ、スマートフォンでこの画面を見ながら確認してください。
チェック1:画面の状態
- 焼き付き・色ムラ:店員さんにお願いして、白、黒、赤、緑、青の単色画面を表示してもらう。お店のロゴや映像の跡が薄く残っていないか、色の均一性は保たれているかを様々な角度から入念にチェックする
- ドット抜け:単色画面で、常に光らない点(黒点)や、常に光り続ける点(輝点)がないか、顔を近づけて確認する
- 傷・汚れ:電源を切った状態で、画面に傷や落ちない汚れがないかを確認する。照明の反射を利用すると見つけやすい
チェック2:本体・リモコンの状態
- 本体の傷:テレビのフレームやスタンド、背面に大きな傷やへこみがないかを確認する
- リモコンの状態:リモコンの全てのボタンが正常に反応するか、実際に操作して試す。電池蓋の爪が割れていないかも見ておく
チェック3:付属品の有無
以下の付属品がすべて揃っているか、店員さんと一緒に確認しましょう。
- リモコン
- スタンド(部品も含む)
- 電源ケーブル
- B-CASカード(必要なモデルの場合)
- 取扱説明書、保証書
チェック4:メーカー保証と延長保証
最も重要な確認項目の一つです。価格が安くても、保証がなければ修理費でかえって高くつく可能性があります。
- メーカー保証の開始日: 必ず「購入日(レシートの日付)」から1年間のメーカー保証が適用されるかを確認する。稀に「展示開始日」から計算されているケースがあり、その場合は保証期間が短くなっているため避けるべき
- 延長保証への加入可否(最重要): 家電量販店独自の延長保証に加入できるかを必ず確認する。展示品は劣化リスクがあるため、延長保証は必須と考えるべき
- 延長保証の対象範囲: 特に有機ELテレビの場合、延長保証が「パネルの焼き付き」を対象外としていないか、店員さんに明確に確認する
チェック5:展示期間・稼働時間
店員さんに「このテレビはいつから展示されていますか?」と尋ねてみましょう。
正確な時間はわからなくても、最新モデルか型落ちモデルかである程度の期間は推測できます。展示期間が短いほど、状態が良い可能性が高いです。
チェック6:価格の妥当性
その場でスマートフォンを使い、同じモデルの新品価格(ネット通販など)を調べて比較しましょう。
リスクを考慮した上で、その値引き額が本当に魅力的かを冷静に判断します。傷などを理由に、さらなる価格交渉ができる場合もあります。
チェック7:持ち帰り方法
箱がない場合、どうやって安全に持ち帰るかを考えましょう。自家用車で運ぶなら、画面を保護するための毛布やクッション材が必要です。店舗の配送サービスを利用できるかも確認しておくと良いでしょう。
有機ELテレビの展示品は特にやめた方がいい?
「有機ELの展示品はデメリットが多いから、やめた方がいい」と聞いたことがあるかもしれません。
これは、有機ELパネルが構造上「焼き付き」が起こりやすいためです。液晶テレビ以上に、チェック1(画面の状態)で紹介した「単色画面の表示」による確認が必須です。
少しでも焼き付きの兆候が見られたら、その個体は避けるのが賢明です。
また、チェック4(保証)で確認した「延長保証が焼き付きをカバーするかどうか」も、購入を決定する上で非常に重要な判断材料になります。
よくある質問(Q&A)
最後に、展示品のテレビに関するよくある疑問にお答えします。
A. 交渉の余地はあります。特に、小さな傷や汚れを指摘して「この傷があるので、もう少しお安くなりませんか?」と丁寧に交渉してみる価値はあります。在庫処分品でもあるため、店舗によっては応じてくれる可能性があります。
A. 一概には言えませんが、理想は半年以内です。新製品が出て型落ちになった直後のものなどは、展示期間が比較的短く狙い目です。1年以上展示されているものは、それだけ劣化が進んでいる可能性が高いと考えましょう。
A. はい、保証期間内であれば修理対応が基本となります。メーカー保証(通常1年)に加え、家電量販店の延長保証に加入していれば、さらに長期間サポートを受けられます。ただし、前述の通り「交換」ではなく「修理」になる点には注意が必要です。
A. 展示品は「未使用品」の扱いで、まだ誰も所有したことがない商品を指します。一方、中古品は一度誰かが購入・所有した商品です。そのため、展示品はメーカー保証が購入日から適用されるのが一般的ですが、中古品は保証がないか、販売店独自の短い保証のみの場合が多いです。
A. 口コミなどを見ると「家に帰ってから焼き付きや傷に気づいた」というケースが最も多いようです。店舗の明るい照明の下では見つけにくい不具合もあるため、購入前の入念なチェックがいかに重要かがわかります。
A. 【おすすめな人】は、少しでも安く高性能なモデルが欲しい方、多少の傷やリスクは許容できる方、自分で商品の状態をしっかりチェックできる方です。
【おすすめできない人(やめた方がいい人)】は、少しの傷も気になる方、長期的に安心して使いたい方、購入後のトラブルを避けたい方です。後者の方は、新品の購入を検討するのが良いでしょう。
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まとめ:展示品のテレビは賢く選べば最高の選択肢になる!
今回は、テレビの展示品はやめた方がいいのか問題ないのかについて詳しく解説しました。
最後に、この記事の要点をもう一度おさらいしましょう。
- 結論:展示品はリスクを理解し、状態を見極められれば問題ない
- やめた方がいい理由:長期間の稼働による劣化、焼き付き、傷のリスクがあるため
- メリット:新品より圧倒的に安く、現物を確認してすぐ持ち帰れる
- 最重要ポイント:後悔しないために7つのチェックリストを徹底すること
展示品のテレビは、デメリットやリスクを正しく理解し、あなたの目でしっかりと状態を確認することで、非常に満足度の高い買い物になります。安物買いの銭失いになるか、賢い買い物になるかは、あなた次第です。
ぜひ、今回ご紹介したチェックリストを武器に、家電量販店で宝探しに挑戦してみてください。
もし、展示品のリスクがどうしても不安な方や、最新モデルの性能も気になるという方は、無理に展示品を選ぶ必要はありません。新品のテレビをじっくり比較検討するのも、後悔しないための賢い選択です。


