「引越した先の壁に、見慣れない丸いコンセントがある…」
「新しいテレビを買ったけど、どのケーブルを繋げばいいのか分からない…」
実は、その丸い端子はテレビを視聴するために欠かせない、とても重要なパーツなんです。
この記事を読めば、以下のことがすべて分かります。
- 「丸いやつ」の正体と役割
- アンテナ端子の種類と見分け方
- 正しいアンテナケーブルの選び方と接続方法
- 接続しても映らないときの対処法
専門用語をできるだけ使わず、写真や図を交えて誰にでも分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたも今日からテレビ配線のプロに!
もう迷うことなく、快適なテレビライフをスタートできますよ。
テレビのコンセントの「丸いやつ」の正体とは?
結論から言うと、その「丸いやつ」の正体は「テレビアンテナ端子」です。
テレビアンテナ端子は、屋外に設置されたアンテナが受信したテレビの電波を、室内のテレビまで届けるための中継地点の役割を担っています。
この端子にアンテナケーブルを接続することで、初めてテレビで地デジやBS/CS放送が見られるようになるのです。
正式名称は「テレビアンテナ端子(壁面端子)」
一般的に「テレビのコンセント」や「アンテナの差し込み口」などと呼ばれていますが、正式名称は「テレビアンテナ端子」や「壁面端子」と言います。
電気を供給する電源コンセントとは全く別のものなので、混同しないようにしましょう。

アンテナ端子の役割:アンテナからの電波をテレビに届ける
屋根の上などにある魚の骨のような形をしたアンテナ(UHFアンテナ)や、お皿のような形をしたアンテナ(BS/CSアンテナ)がテレビの電波を受信します。
その電波が、ケーブルを通って家の中まで引き込まれ、各部屋の壁にある「テレビアンテナ端子」に送られています。
つまり、アンテナ端子は「電波の最終出口」のようなもの。
この出口とテレビをアンテナケーブルで繋いであげることで、ようやく番組が映るという仕組みです。
【種類別】テレビアンテナ端子の見分け方と特徴
テレビアンテナ端子には、実はいくつか種類があります。
種類を間違えるとケーブルが接続できなかったり、テレビが映らなかったりする原因になるため、ご自宅の端子がどのタイプか確認してみましょう。
主な種類は以下の3つです。
F型端子(主流のタイプ)
現在、最も普及しているのがこのF型端子です。
中央にネジのような切り込みがあり、アンテナケーブルの先端(F型接栓)をくるくると回して固定するタイプです。
しっかりと固定できるため、ケーブルが抜けにくく、電波の損失が少ないのが特徴です。
最近建てられた家やマンションは、ほとんどがこのF型端子になっています。
直付型(フィーダー)端子(古いタイプ)
築年数の古い建物でよく見られるのが、この直付型(フィーダー)端子です。
端子に2つのネジがあり、アンテナケーブルの先端を直接ネジで固定するタイプです。
現在の主流であるF型ケーブルは直接接続できないため、「整合器(せいごうき)」や「フィーダー線」と呼ばれる変換器が必要になります。
プッシュ型端子
こちらも比較的新しい建物で見られるタイプです。
F型端子のようにネジ切りはなく、ケーブルの先端をそのままカチッと押し込む(プッシュする)だけで接続できます。
抜き差しが非常に簡単なのがメリットです。
F型端子用のケーブルをそのまま使用できます。

アンテナ端子の種類に合ったケーブルの選び方
ご自宅のアンテナ端子の種類が分かったら、次はそれに合ったアンテナケーブルを選びましょう。
正しいケーブルを選ばないと、接続できないだけでなく、テレビ映りが悪くなる原因にもなります。
F型端子・プッシュ型端子には「F型接栓付きアンテナケーブル」
現在主流のF型端子やプッシュ型端子には、「F型接栓(せっせん)」というプラグが付いたアンテナケーブルを使用します。
家電量販店やネット通販で「テレビ アンテナケーブル」として売られているもののほとんどがこのタイプです。
ケーブルの両端の形状が同じものが一般的ですが、壁側はL字型、テレビ側はストレート型など、設置場所に合わせて形状を選ぶと配線がスッキリしますよ。
直付型端子には「整合器」+「F型接栓付きアンテナケーブル」
古いタイプの直付型端子の場合は、少し注意が必要です。
前述の通り、そのままでは現在のF型接栓付きケーブルは接続できません。
そこで、「整合器(せいごうき)」という変換アダプターを使います。
整合器を直付型端子に取り付けることで、差し込み口をF型端子に変換できます。
変換さえしてしまえば、あとは通常のF型接栓付きアンテナケーブルを接続するだけです。
整合器は家電量販店などで数百円程度で購入できます。
ケーブルの長さや品質もチェックしよう!
アンテナケーブルを選ぶ際は、端子の種類だけでなく以下の点も確認しましょう。
- 長さ:壁の端子からテレビまでの距離を測り、少し余裕のある長さを選びましょう。長すぎると信号が劣化する原因になるので注意が必要です。
- 太さ(4C・5Cなど):ケーブルには太さがあり、「4C」や「5C」といった規格で表されます。数字が大きいほど太く、ノイズに強く信号の劣化が少ないです。BS/CS放送も見るなら4C以上がおすすめです。
- BS/CS対応:BS/CS放送(4K8K放送)を視聴する場合は、「4K8K対応」や「BS/CS対応」と記載されたケーブルを選びましょう。対応していないケーブルを使うと、うまく映らないことがあります。
テレビとアンテナ端子の正しい接続方法
ケーブルの準備ができたら、いよいよテレビとアンテナ端子を接続します。
作業はとても簡単なので、落ち着いて行いましょう。
F型端子・プッシュ型端子の場合の接続手順
- アンテナケーブルの片方を、壁のアンテナ端子に接続します。
(F型は回し入れ、プッシュ型は押し込む) - もう片方を、テレビの裏側にある「地上デジタル(地デジ/UHF)入力」と書かれた端子に接続します。
- テレビの電源を入れ、初期設定(チャンネルスキャン)を行えば完了です!
直付型端子の場合の接続手順
- 壁の直付型端子のネジを少し緩めます。
- 整合器のY字になっている先端を、ネジに挟み込むようにして取り付け、ネジを締めて固定します。
- 整合器の反対側(F型に変換された側)に、アンテナケーブルを接続します。
- アンテナケーブルのもう片方を、テレビの「地上デジタル(地デジ/UHF)入力」端子に接続します。
- テレビの電源を入れ、初期設定を行えば完了です!
接続してもテレビが映らない!そんな時のチェックリスト
「正しく接続したはずなのに、テレビが映らない…」
そんな時は、慌てずに以下の点を確認してみてください。
- ケーブルの差し込みは確実か?
F型端子の場合、ネジの締め付けが緩いと接触不良を起こします。もう一度、しっかりと締まっているか確認しましょう。 - B-CASカードは挿入されているか?
テレビ本体にB-CASカード(またはACASチップ内蔵)が正しく挿入されていないと、地デジ放送は映りません。 - テレビ側の入力端子は合っているか?
テレビには「地上デジタル入力」の他に「BS/CS入力」など複数の端子があります。正しい場所に接続されているか確認しましょう。 - チャンネル設定(スキャン)は完了したか?
引越し後や新しいテレビでは、その地域で受信できるチャンネルを検索する「チャンネルスキャン」が必要です。 - そもそも電波が来ていない可能性も…
集合住宅の場合、建物全体のアンテナ設備に問題がある可能性も。他の部屋でも映らない場合は、管理会社や大家さんに相談しましょう。
テレビの「丸いやつ」に関するQ&A
ここでは、テレビのアンテナ端子に関してよくある質問にお答えします。
A. いくつか方法があります。
- 室内アンテナを設置する:手軽ですが、電波の受信感度が周囲の環境に左右されやすいです。
- 別の部屋のアンテナ端子から長いケーブルで引く:ドアの隙間を通せる薄いケーブルなどもありますが、見栄えが悪くなる可能性があります。
- 光回線やケーブルテレビのテレビサービスを利用する:別途契約が必要ですが、アンテナなしで安定した視聴が可能です。
- アンテナ端子を増設する:電気工事業者に依頼して、アンテナ端子を新しく設置してもらう方法です。費用はかかりますが、最も確実です。
A. 勝手に交換するのはNGです。
アンテナ端子は建物の設備の一部です。直付型からF型への交換など、工事が必要な場合は、必ず事前に大家さんや管理会社に許可を取りましょう。無断で工事を行うと、退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。
A. 可能です。
「分配器」という機器を使えば、1つのアンテナ端子からの電波を複数に分けることができます。ただし、電波を分けるとその分信号が弱くなるため、映りが悪くなる場合は「ブースター(増幅器)」の設置が必要になることもあります。本格的な増設は、専門の業者に相談するのがおすすめです。
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まとめ:もう迷わない!テレビのコンセントは「アンテナ端子」
今回は、テレビのコンセントの「丸いやつ」、すなわち「テレビアンテナ端子」について、その正体から種類、接続方法までを詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 壁の丸い端子の正体は「テレビアンテナ端子」
- 主流はネジ式の「F型端子」で、古い家には「直付型端子」があることも
- 直付型の場合は「整合器」という変換アダプターが必要
- ケーブルは長さや太さ、4K8K対応かどうかもチェックする
- 接続しても映らないときは、ケーブルの緩みやB-CASカードをまず確認
この記事を参考にすれば、もうアンテナの接続で迷うことはありません。
ご自宅の環境に合った正しい方法でテレビを接続し、快適なテレビライフをお楽しみください!
【参考資料】