「2階の子供部屋にエアコンを新設したいけど、ベランダがない…」
「外観を考えて、室外機は1階の目立たない場所に置きたい」
このように、エアコンの取り付けを2階に希望し、室外機を1階に設置したいと考えるケースは少なくありません。 しかし、通常とは異なる設置方法になるため、「そもそも可能なのか?」「追加料金はいくらかかる?」「何かデメリットはない?」といった不安や疑問が湧いてきますよね。
この記事では、エアコンの取り付けを2階、室外機を1階に設置した場合のあらゆる疑問を解決します。
具体的な設置方法から、気になる追加費用の相場、事前に知っておくべき注意点、さらには最適な機種選びのポイントまで、プロの視点で網羅的に解説します。失敗しない業者選びのコツも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エアコンの取り付けを2階、室外機を1階に設置するのは可能?
結論から言うと、2階のエアコン(室内機)から1階の室外機への接続は、技術的にほとんどの場合で可能です。
ただし、通常の設置(室内機と室外機が同じ階層の近くにある)とは異なり、「高低差」と「配管の長さ」が課題となります。これに対応するため、特別な作業や追加部材が必要になります。
主な設置方法(配管の経路)
2階から1階へ配管を通す方法は、主に2つあります。
1. 露出配管(立ち下げ)
最も一般的で、コストを抑えやすい方法です。
2階の室内機から壁に穴を開けて配管を屋外に出し、そのまま建物の外壁に沿って1階の室外機まで配管を下ろしていきます。
配管がむき出しだと見た目が悪いだけでなく、紫外線や風雨にさらされて劣化が早まるため、「化粧カバー(室外用)」の設置が強く推奨されます。
2. 隠蔽(いんぺい)配管
新築時やリフォーム時に採用されることが多い方法です。
配管を壁の中や天井裏にあらかじめ通しておくことで、外壁に配管が一切露出しません。外観を非常にスッキリさせたい場合に適しています。
ただし、設置工事が大掛かりになり、費用が高額になる点や、将来の買い替え時に配管洗浄や交換が困難になるといった大きなデメリットも存在します。
料金相場と追加費用の内訳
エアコンの取り付けを2階、室外機は1階の設置では、標準工事費に加えて、ほぼ確実に追加料金が発生します。
この設置方法は、業者が定める「標準工事」の範囲を大きく超えるためです。
主な追加料金の内訳(目安)
以下は、発生しやすい主な追加費用です。業者によって単価は異なりますので、必ず見積もりで確認してください。
| 項目 | 料金相場(目安) | 内容 |
|---|---|---|
| 配管延長料金 | 2,000円~3,000円 / 1m | 標準の4mを超える配管の延長費用。高低差があるため必須 |
| 高所作業費 | 5,000円~15,000円 | 2階の外壁作業。はしごや足場が必要な場合の作業費 |
| 化粧カバー(室外) | 5,000円~10,000円 (基本セット) | 外壁の配管を保護し、見た目を整えるカバー(推奨) |
| 化粧カバー延長 | 2,000円~ / 1m | 基本セットの長さを超える場合の追加費用 |
| ドレン延長・断熱 | 1,000円~ / 1m | 排水ホースの延長と、結露防止のための断熱処理 |
| 隠蔽配管工事費 | 15,000円~ (要見積) | 壁内に配管を通す場合の特殊作業費(露出配管より高額) |
例えば、2階から1階へ配管を8m延長し、高所作業費と室外化粧カバー(延長含む)を付けた場合、 標準工事費とは別に、3万円~5万円程度の追加費用がかかる可能性が高いと認識しておきましょう。
そもそも「標準工事費」とは?
「標準工事費込」と書かれていても、今回のケースではまず適用されません。 多くの業者が定める「標準工事」の一般的な内容は以下の通りです。
- 配管の穴がすでに開いている(または木造・モルタル壁の穴あけ1箇所)
- 配管の長さが4m以内
- 室外機は室内機と同一階層の地面、またはベランダに設置
- 室外機設置用のプラブロック(台)が付属
2階から1階への設置は、「配管4m以内」「同一階層」という条件を完全に逸脱するため、100%追加費用が発生する特殊工事であると理解することが重要です。

「いくらかかるか不安…」という方は、複数のプロの料金を比較できるサービスを利用するのが賢い方法ですよ。
依頼前に知るべき5つの注意点とデメリット
技術的には可能ですが、特有のデメリットや注意点が存在します。メリット(2階ベランダが不要、外観)と天秤にかけて判断しましょう。
1. エアコンの効率が低下し電気代が上がる
最も大きなデメリットです。室内機と室外機を結ぶ配管が長くなると、冷媒ガスを循環させる力が余分に必要となり、エアコンの効率(冷暖房性能)が低下しやすくなります。
特に、高低差(落差)が大きいほど、室外機のコンプレッサー(圧縮機)に負担がかかります。
- 冷房・暖房が効きにくくなる
- 設定温度に達するまで時間がかかる
- 結果的にコンプレッサーが余計に働き、電気代が通常より高くなる
2. 配管の水漏れ・ガス漏れリスク
配管が長くなると、接続箇所が増えたり、ドレンホース(排水)の勾配確保が難しくなったりします。
これにより、通常の設置に比べて、将来的なガス漏れや水漏れのリスクがわずかに高まります。
3. 1階の室外機の騒音と設置場所
室外機を1階に置くことで、その場所が生活スペース(庭、通路など)に近い場合、運転音や振動、冬場の暖房時に出る排気(風)が気になることがあります。
特に以下の場所は避けるべきです。
- 隣家の寝室や窓の真横:騒音トラブルの元
- 狭すぎる通路:通行の妨げ、風通しが悪く効率低下
- 物置や壁で囲まれた場所:排気がこもり(ショートサーキット)、著しい効率低下と故障の原因に
室外機は「風通しが良く、人や隣家の迷惑になりにくい場所」に設置する必要があります。
4. 外壁の見た目(外観)の問題
露出配管で「立ち下げ」を行う場合、建物の正面や目立つ場所に長い配管が通ると、外観を損ねる可能性があります。
前述の「化粧カバー」は、これを軽減するために非常に有効ですが、カバー自体の費用と、壁の色と合わせた選定が必要です。
5. 将来の買い替え(交換)時も高額
見落としがちなのが、エアコンの寿命(約10年~15年)が来て買い替える時です。
配管が特殊なため、交換時にも同様の追加料金(高所作業費など)が発生します。隠蔽配管の場合は、配管の洗浄や交換が極めて困難なため、さらに高額になるか、最悪の場合は再利用できず壁の工事が必要になるケースもあります。
特殊設置に適したエアコンの選び方
エアコンの効率低下を防ぐために「機種選び」も重要になります。
1. 「高低差」「最大配管長」の仕様を確認
エアコンのカタログや仕様書には、必ず「最大配管長〇m」「最大高低差〇m」という記載があります。
2階から1階への設置(高低差約3~5m、配管長約8~12m)であれば、多くの機種が対応可能です。しかし、安価なモデルや小型モデルでは、この上限値が厳しい場合があります。
必ず、設置する場所の実際の配管長と高低差(見積もり時に業者に計測してもらう)が、購入予定のエアコンの仕様範囲内であることを確認してください。
2. 部屋の畳数よりワンランク上のパワーを選ぶ
配管が長くなることによる効率低下を見越して、設置する部屋の畳数目安よりも、あえてワンランク上のパワー(畳数)のモデルを選ぶことも有効な対策の一つです。
パワーに余裕があるため、配管が長くても効率の低下をカバーしやすく、結果的に快適な温度維持と電気代の安定につながる可能性があります。
DIYは絶対NG!失敗しない業者選び
2階から1階への設置はDIY(自分)でできるか
結論として、絶対に推奨しません。
エアコン取り付けは、冷媒ガスを扱う専門技術(真空引きなど)や電気工事(アース接続など)が必要です。
特に2階から1階への設置は、高所作業の危険が伴ううえ、長い配管の適切な処理(勾配、ガス圧調整)が素人には困難です。工事の不備による故障、水漏れ、ガスの漏洩、最悪の場合は火災や感電事故につながる恐れがあります。

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優良な取り付け業者の選び方
では、どのような業者に依頼すれば安心でしょうか。今回のケースで特に重要なポイントは以下の通りです。
- 現地見積もりが必須(無料が望ましい)
(電話やメールだけでなく、必ず現地を見て高低差や配管長を実測し、正確な料金を提示してくれる) - 追加料金の内訳が明確か
(「何に」「いくら」かかるのかを「作業前」に詳しく説明してくれる) - 特殊工事(2階→1階)の実績が豊富か
(施工事例や口コミで確認する) - 工事保証が付いているか
(施工不良による水漏れや故障に対応する保証期間があるか)
家電量販店や引越し業者に頼む場合も、実際に工事を行うのは下請けの業者です。最低でも2~3社から相見積もりを取り、料金と作業内容を比較することが、高額請求や施工不良を避ける最大の防御策です。
業者探しで失敗しないマッチングサービス
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メリット
- 料金や口コミで比較できる
登録プロの料金、サービス内容、実際の利用者からの口コミを比較して選べる - 特殊工事の相談がしやすい
「2階から1階」といった特殊な要望も、事前にメッセージで相談しやすい - 相見積もりが手軽
サイト上で複数のプロを比較できるため、電話で何社も見積もり依頼する手間が省ける - 厳正な審査とサポート
審査を通過したプロのみが登録しており、万が一の際のサポート体制も期待できる
デメリット
- プロによって技術に差がある可能性
(口コミや実績評価をしっかり確認することが重要) - 最終料金は現地見積もりで確定
(サイト上の基本料金=確定料金ではない。これはどの業者でも同じ)
エアコン2階・室外機1階のような複雑な工事こそ、経験豊富で信頼できるプロに、適正価格で依頼したいですよね。
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よくある質問(Q&A)
必ず管理会社や大家さんの許可が必要です。
壁への穴あけ(2階の配管穴)に加え、外壁に化粧カバーを固定するためにビス止めを行うため、建物の資産価値に関わります。
許可なく工事を行うと、退去時に高額な原状回復費用を請求されるトラブルになりますので、絶対に事前に相談してください。
もし2階にベランダや屋根(1階部分の屋根など)がある場合、室外機をそこへ設置する「壁掛け金具」や「屋根置き金具」を使う方法もあります。
1階に下ろす方法と比較したメリット・デメリットは以下の通りです。
- 1階設置のメリット:室外機のメンテナンスや将来の交換が容易
- 2階設置(壁掛け等)のメリット:配管が短く済み、エアコン効率が良い。1階のスペースを圧迫しない
効率を最優先するなら2階設置、将来のメンテナンス性やベランダのスペース確保を優先するなら1階設置が選ばれます。どちらが良いかは、建物の状況、費用、何を優先するかを業者と相談して決めましょう。
まとめ:エアコンを2階、室外機を1階に設置する場合は「相見積もり」が鍵
この記事では、エアコンを2階、室外機を1階に設置する場合の料金相場から注意点、機種選びまで網羅的に解説しました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
- 2階から1階への設置は技術的に可能だが、「特殊工事」である
- 「配管延長」「高所作業費」「化粧カバー」などで3万円以上の追加費用が必ず発生する
- デメリット(効率低下・電気代UP、騒音、将来の交換費用)を理解しておく
- 機種は「高低差」の仕様を確認し、できれば「ワンランク上のパワー」を選ぶ
- DIYは絶対にNG。信頼できるプロの業者に依頼する
この設置方法は、業者によって技術力や見積もり金額に大きな差が出やすい工事です。
後悔しないためには、必ず複数の業者に「現地見積もり」を依頼し、作業内容と料金、保証内容をしっかり比較検討することが最も重要です。
複数の業者に連絡するのが面倒だと感じるかもしれませんが、その手間を惜しむと数万円単位で損をする可能性があります。
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