「エアコンクリーニングって本当に必要なの?」「お金もかかるし、しないほうが良いって聞いたけど…」そんな疑問をお持ちではありませんか?
確かに、エアコンクリーニングには費用がかかりますし、状況によっては急いで行う必要がないケースもあります。しかし、汚れたまま放置すると、ご家族の健康被害や電気代の高騰、最悪の場合はエアコン本体の故障に繋がるリスクも潜んでいます。
この記事では、「エアコンはクリーニングしないほうが良い」と言われる5つの理由を深掘りしつつ、掃除をしないことの本当のリスク、そしてプロに依頼すべき正しい判断基準まで徹底解説します。あなたの家のエアコン状況と照らし合わせながら、最適な判断を下すためにお役立てください。
「エアコンはクリーニングしないほうが良い」と言われる5つの理由
エアコンクリーニングをためらう背景には、いくつかの理由があります。まずは、どのようなケースで「しないほうが良い」と言われるのか、具体的な理由を見ていきましょう。
1. クリーニング費用(コスト)がかかる
最も大きな理由が費用面です。エアコンクリーニングをプロに依頼すると、1台あたり数千円から数万円の費用が発生します。特に複数のエアコンを所有している場合、その総額は決して安くありません。
「まだ動くし、特に不便もない」と感じている状況で、予防的にコストをかけることに抵抗を感じるのは自然なことかもしれません。
2. 故障やトラブルのリスクがある
残念ながら、クリーニング業者の中には技術力が低い、あるいは作業が雑な業者が存在するのも事実です。クリーニングが原因で以下のようなトラブルが発生するケースがあります。
- 電装部品に水がかかりショートした
- 内部の部品が破損した
- 洗浄後に水漏れが発生するようになった
こうした「業者選びの失敗」によるトラブルを恐れて、クリーニングをためらう人もいます。
3. 製造から10年以上経過した古いエアコンの場合
エアコンの設計上の標準使用期間(耐用年数)は、多くのメーカーで約10年と設定されています。(参照:経済産業省など)
製造から10年以上が経過した古いエアコンは、以下の理由からクリーニングが推奨されない、あるいは業者から断られることがあります。
- 部品が経年劣化しており、クリーニングの刺激で故障しやすい
- 故障しても、メーカーの部品保有期間(製造終了後約10年)が過ぎており修理できない
- クリーニング費用をかけても、近いうちに寿命で買い替えになる可能性が高い
これについては、後ほど「古いエアコンの対処法」で詳しく解説します。
4. エアコンの使用頻度が極端に低い
例えば「寝室に設置しているが、夏と冬に数回しか使わない」「来客用の部屋にあり、ほとんど稼働していない」といった場合です。
エアコン内部のカビや汚れは、主に冷房運転時の結露と室内のホコリが原因で発生します。使用頻度が極端に低ければ、それだけ汚れの蓄積も遅くなります。このようなケースでは、毎年のクリーニングは不要と判断されることもあります。
5. 自分で掃除(セルフクリーニング)で済ませようとする
「業者に頼むのは高いから、自分でやれば良い」と考えるケースです。しかし、これは「しないほうが良い」というより「内部の掃除は、絶対にやってはいけない」に近い選択肢です。詳しくは次章で解説します。
危険!エアコンを掃除しないで放置する4大リスク
では、エアコンクリーニングを「しない」という選択をした場合、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここが最も重要なポイントです。
1. 健康被害(カビ・アレルギー)
エアコン内部は、冷房使用時の結露で湿度が高く、ホコリやダニなどの栄養分も豊富なため、カビにとって絶好の繁殖場所です。
掃除をしないと、エアコンの風に乗ってカビの胞子やホコリ、ダニの死骸が部屋中に撒き散らされます。これらを吸い込むことで、以下のような健康被害を引き起こす可能性があります。
- アレルギー性鼻炎、咳
- 気管支喘息(ぜんそく)の悪化
- アトピー性皮膚炎の悪化
- 夏型過敏性肺炎(カビが原因で起こる肺炎)
特に小さなお子様や高齢者、アレルギー体質の方がいるご家庭では、深刻な問題に発展する前に対応することが重要です。
2. 電気代の高騰(冷暖房効率の低下)
エアコン内部のフィルターや熱交換器(フィン)にホコリや汚れが詰まると、空気の通り道が妨げられます。
すると、エアコンは設定温度に到達させようと必要以上に電力を消費し、フルパワーで稼働し続けることになります。その結果、冷暖房の効きが悪くなるだけでなく、電気代が大幅に上がってしまうのです。
環境省のデータによれば、フィルターを2週間に1度清掃するだけで、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減になるとされています。
3. 不快なニオイの発生(カビ臭・雑巾臭)
エアコンをつけた瞬間に「モワッ」と広がる酸っぱいニオイや、湿った雑巾のようなニオイ。その主な原因は、内部で繁殖したカビや雑菌です。
これらのニオイは、市販の消臭スプレーでは根本的な解決になりません。不快なニオイがするということは、すでに内部がカビの温床になっている証拠です。
4. エアコンの故障・水漏れ(寿命の短縮)
汚れの放置は、エアコン本体の寿命も縮めます。
ホコリや汚れが内部に蓄積すると、冷房時に発生した結露水が正常に排出されなくなります(ドレンパンの詰まり)。行き場を失った水が室内機からポタポタと漏れ出す「水漏れ」は、壁や床、家財を濡らす原因にもなります。
また、常に高負荷で運転し続けることは、コンプレッサーなどの重要部品にも負担をかけ、故障を早めることに繋がります。
自分で掃除はどこまでOK?セルフクリーニングの限界と危険性
「業者に頼むのは高いけど、放置も怖い…」という方のために、「自分でやっても良い掃除」と「絶対にやってはいけない掃除」の境界線を明確にします。
自分でやってもOKな掃除範囲
ご自身で行っても良いのは、以下の2点のみです。
- フィルターのホコリ掃除(2週間に1回が目安)
フィルターを取り外し、掃除機でホコリを吸い取ります。汚れがひどい場合は水洗いし、完全に乾かしてから戻します。 - 外側パネル・ルーバー(吹き出し口)の拭き掃除
固く絞った雑巾などで、外側や手の届く範囲のルーバーを拭き上げます。
【絶対NG】エアコン洗浄スプレーをおすすめしない理由
市販のエアコン洗浄スプレーを使った内部のセルフクリーニングは、絶対に避けてください。
1. メーカーが推奨していない(保証対象外に)
ダイキンやパナソニック、三菱電機といった主要なエアコンメーカーの多くは、市販の洗浄スプレーの使用を推奨していません。(参照:各種エアコンメーカー公式サイト)
万が一スプレー使用が原因で故障した場合、保証期間内であってもメーカー保証の対象外となる可能性が極めて高いです。
2. 故障・火災の原因になる
エアコン内部には、精密な電装部品(基板)やモーターが集中しています。知識のないままスプレーを噴射すると、洗浄液がこれらの部品にかかり、ショートやトラッキング現象を引き起こし、最悪の場合は発煙・発火に繋がる恐れがあります。
3. カビや汚れを悪化させる可能性
市販のスプレーは水圧が弱いため、洗浄剤や浮かせた汚れを完全に洗い流すことができません。
内部に残った洗浄剤の成分や汚れは、かえってカビの新たな栄養源となり、ニオイや汚れを以前より悪化させるケースも少なくないのです。

フィルター掃除は節電にも健康にも非常に効果的です! でも、それより奥の「内部」は、プロの領域だと割り切りましょう。リスクが大きすぎます。
プロにエアコンクリーニングを依頼すべき7つのサイン
フィルター掃除をしても改善しない場合、以下のサインが見えたらプロに依頼するタイミングです。
- 吹き出し口に黒い点々(カビ)が見える
風が出てくる奥の「送風ファン」に黒い点々が見えたら、それはカビです。内部はさらに汚れています。 - エアコンから酸っぱい・カビ臭いニオイがする
運転開始時に不快なニオイがする場合、内部でカビや雑菌が繁殖している証拠です。 - 冷暖房の効きが悪くなった
内部の熱交換器が詰まり、熱効率が低下しています。電気代も無駄になっています。 - 室内機から水漏れがする
内部のドレンパン(水の受け皿)が汚れで詰まり、水が溢れている可能性があります。 - エアコンの運転音がうるさくなった
ホコリや汚れがファンのバランスを崩し、異音の原因になっていることがあります。 - 1〜2年以上、プロの掃除をしていない
目立ったサインがなくても、定期的に使用していれば内部は汚れています。予防的なクリーニングも重要です。 - 家族(特に子供)が咳き込むようになった
エアコンから出るカビの胞子が、アレルギーの原因になっているかもしれません。
エアコンクリーニングの適切な時期と頻度の目安
「依頼するならいつが良いの?」という疑問にもお答えします。
おすすめの時期は「春(4〜5月)」と「秋(9〜10月)」
エアコンクリーニングには「繁忙期」と「閑散期」があります。
- 繁忙期(6〜8月、11〜12月)
冷暖房を本格的に使い始める時期。予約が殺到し、数週間待ちになることも。料金も高めに設定されている場合があります。 - 閑散期(4〜5月、9〜10月)
エアコンの使用が一旦落ち着く時期。予約が取りやすく、割引キャンペーンが行われることも多いため、狙い目の時期です。
夏に溜まったカビ汚れをリセットする「秋」、または本格的な使用前に準備する「春」のクリーニングが最もおすすめです。
頻度の目安は「1〜2年に1回」
使用頻度や環境によりますが、一般的には1〜2年に1回が推奨されます。
- 1年に1回(推奨)
リビングなど使用時間が長い/ペットを飼っている/キッチンが近く油を吸いやすい/アレルギー体質の家族がいる - 2年に1回
寝室など使用頻度が低い/汚れが気になったタイミングで
プロの作業内容は?(分解洗浄の流れ)
「プロに頼むと何をしてくれるの?」と不安な方のために、一般的な作業工程を簡潔にご紹介します。これにより、費用の納得感も増すはずです。
- 動作確認と周辺の養生
まず、エアコンが正常に動くか確認。その後、洗浄水が飛び散らないよう、壁や床、家具をビニールで徹底的に保護(養生)します。 - 本体の分解
外側パネル、フィルター、ルーバーなどを取り外し、内部の熱交換器(フィン)や送風ファンが剥き出しの状態にします。 - 高圧洗浄
専用の薬剤を塗布した後、高圧洗浄機を使って内部の奥に潜むカビやホコリを徹底的に洗い流します。真っ黒な汚水が出てくることも珍しくありません。 - 部品の洗浄
取り外したパネルやフィルターも、浴室などで別途きれいに洗浄します。 - 乾燥・組み立て・動作確認
内部をしっかり乾燥させた後、部品を元通りに組み立てます。最後に、異音や不具合がないか、正常に動作するかを確認して作業完了です。
所要時間は、機種にもよりますが1台あたり1.5時間〜2.5時間程度が目安です。
断られたら?古いエアコン(10年以上)の対処法
「しないほうが良い理由」でも挙げた「製造から10年以上経過したエアコン」は、業者からクリーニングを断られたり、保証対象外となったりすることがあります。
なぜ断られるのか?
理由は、経年劣化によるプラスチック部品の破損や、電装部品の故障リスクが非常に高いためです。万が一故障しても、メーカーに修理部品がないため、補償(修理)ができません。
断られた場合の選択肢
主な選択肢は以下の2つです。
1. エアコンの買い替えを検討する
10年以上使用したエアコンは、クリーニングで一時的に回復しても、近いうちに寿命で故障する可能性が高いです。また、近年のモデルは省エネ性能が格段に向上しているため、クリーニング費用をかけるよりも、新しいエアコンに買い替えた方が、長期的な電気代の節約に繋がります。
2. 「故障時保証なし」を承知で依頼する
業者によっては、「万が一故障しても一切の責任を負わない」という免責事項に同意することを条件に、作業を引き受けてくれる場合があります。どうしてもクリーニングが必要な場合は、リスクを承知の上で相談してみましょう。
失敗しない!信頼できるエアコンクリーニング業者の選び方
「故障トラブルが怖い」という不安を解消するために、安心して任せられるプロを選ぶ3つのポイントを紹介します。
1. 料金体系が明確か(追加料金の有無)
「激安」をうたう広告には注意が必要です。基本料金が安くても、当日になって「お掃除機能付きだから」「汚れがひどいから」と、高額な追加料金を請求されるケースがあります。
公式サイトに機種ごとの明確な料金表があるか、事前見積もりで追加料金の可能性についてもしっかり説明してくれる業者を選びましょう。
2. 損害賠償保険に加入しているか
どれだけ熟練したプロでも、万が一の事故(破損や水漏れ)の可能性はゼロではありません。信頼できる業者は、必ず「損害賠償責任保険」に加入しています。
万が一の際にしっかりと補償してもらえるか、保険加入の有無を必ず確認してください。
3. 実績や口コミ・評判が良いか
実際にその業者を利用した人の「生の声」は、何よりの判断材料になります。公式サイトの実績だけでなく、口コミサイトやGoogleマップなどで、作業の質やスタッフの対応に関する評価を確認しましょう。

この3点を確認するだけでも、悪質な業者に当たるリスクはかなり減らせますよ!
業者選びが面倒なら「比較サイト」の活用も
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特に、「比較検討する時間がない」「初めてでよくわからない」という方には、希望日時を選ぶだけで最適なプロを自動手配してくれる『おまかせマイスター』というサービスが便利です。価格も相場より安く設定されていることが多く、手軽に頼みたい方にもおすすめです。
「エアコンのニオイが気になるけど、業者選びで失敗したくない…」という方は、まずは「ユアマイスター」で、お住まいの地域のプロをチェックしてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(Q&A)
A. はい、絶対に必要です。
「お掃除機能」は、基本的に「フィルターのホコリ」を自動で掃除する機能に過ぎません。エアコン内部の熱交換器や送風ファンに付着するカビや油汚れは掃除できません。
むしろ、構造が複雑なためクリーニング料金が割高になりますが、お掃除機能なしのエアコンと同様に、定期的なプロによる分解洗浄が必要です。
A. 機種によって異なりますが、以下が一般的な相場です。
| エアコンのタイプ | 費用相場(1台あたり) |
|---|---|
| 壁掛けタイプ(通常) | 8,000円 ~ 12,000円 |
| 壁掛けタイプ(お掃除機能付き) | 13,000円 ~ 20,000円 |
| 天井埋め込みタイプ | 20,000円 ~ 35,000円 |
※上記はあくまで目安です。オプション(室外機洗浄、抗菌コートなど)や時期によって変動します。
まとめ:エアコンクリーニングは「しない」リスクを理解して判断しよう
「エアコンクリーニングしないほうが良い」と言われるのは、
- 製造から10年以上経過し、故障リスクが高い場合
- 使用頻度が極端に低く、汚れていない場合
といった限定的な状況です。また、セルフクリーニング(洗浄スプレー)は故障リスクが非常に高いため絶対に避けるべきです。
多くの場合、エアコンクリーニングを「しない」まま放置すると、
- カビによる健康被害
- 電気代の高騰
- ニオイや水漏れ、故障
といった、金銭的にも健康的にも大きなデメリットが発生します。
まずはご自宅のエアコンの吹き出し口を覗き込み、ニオイをチェックしてみてください。もし「カビ臭い」「黒い点々がある」といったサインを見つけたら、それはプロによるクリーニングが必要な合図です。
信頼できる業者をしっかり見極め、適切なメンテナンスを行うことで、エアコンを長持ちさせ、快適で健康的な室内環境を保ちましょう。


