エアコンをキレイにするためにクリーニングを依頼したのに、なぜか水漏れが…。「せっかく掃除したのに故障？」「業者の作業ミス？」と、不安や焦りを感じてしまいますよね。
しかし、慌てる必要はありません。エアコンのクリーニング後に水漏れが発生するケースは、実は珍しくないのです。
この記事では、クリーニング後にエアコンが水漏れする主な原因から、ご自身で今すぐできる応急処置、安全な対処法、そしてクリーニング業者への連絡手順や保証の確認方法まで、この問題解決に必要な情報をすべて網羅して解説します。
まずは落ち着いて！水漏れ発見時に今すぐやるべき応急処置
水が垂れてきたら焦りますが、まずは被害の拡大を防ぎ、安全を確保することが最優先です。
ステップ1：安全の確保（運転停止・コンセント）
真っ先にエアコンの運転を停止してください。水漏れは、漏電や感電、エアコン本体の故障に直結する非常に危険な状態です。
リモコンで運転を停止したら、必ず電源コンセントを抜きましょう。コンセントが濡れていて危険な場合や、手が届かない場合は、自宅のブレーカーを落としてください。
ステップ2：被害拡大を防ぐ（水を受ける・拭き取る）
エアコン本体から垂れる水をバケツや洗面器で受け、床や壁が濡れた場合はすぐにタオルで拭き取りましょう。水漏れを放置すると、床材の腐食やカビの発生、階下への漏水といった二次被害につながる恐れがあります。
ステップ3：状況の記録（写真・動画撮影）
これは非常に重要です。後でクリーニング業者に連絡したり、保証や保険を申請したりする際に、客観的な証拠が必要になります。
- 水漏れしている箇所のアップ（動画が望ましい）
- エアコン本体と水漏れの状況がわかる全体の写真
- 濡れてしまった床や壁、家財の写真
「いつから」「どこから」「どのくらいの量」水漏れしているかをメモしておくと、状況説明がスムーズです。
焦る気持ちはわかりますが、まずは安全確保と状況記録を徹底してください。特に写真は、業者に対応を依頼する上で「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも必須ですよ。
エアコンクリーニング後に水漏れが起こる主な原因5つ
クリーニング直後に水漏れが起こる場合、その原因はクリーニング作業と関連している可能性が非常に高いです。
原因1：ドレンホースの詰まり
最も多い原因が「ドレンホース」の詰まりです。ドレンホースは、エアコン内部で発生した結露水（ドレン水）を屋外に排出する管です。
クリーニングの高圧洗浄によって内部にこびり付いていたカビやホコリの塊が剥がれ落ち、それがドレン水と一緒に流れて細いホースの途中で詰まってしまうのです。水が行き場を失い、室内機側へ逆流して水漏れとなります。
原因2：ドレンパンの設置不良・傾き
ドレンパンは、結露水を受け止める「受け皿」の部品です。
分解洗浄を行う際、このドレンパンを取り外して洗浄します。その後の組立時に正しく取り付けられていない（ズレや傾き、ツメがしっかりはまっていないなど）と、結露水が受け皿からこぼれ、水漏れの原因となります。
原因3：エアコン本体の傾き（作業によるズレ）
エアコンは、結露水がドレンパンを通ってドレンホース側へ自然に流れるよう、わずかに（ドレンホース側に）傾けて設置されています。
クリーニング作業中に本体に体重をかけるなど過度な力が加わると、この微妙な設置バランスが崩れ、水の流れが変わってしまい、意図しない場所から漏れ出すことがあります。
原因4：内部部品の破損（分解・組立ミス）
頻度は高くありませんが、分解や組立の作業中に、ドレンパンやドレンホースの接続部、熱交換器といった部品にヒビが入ったり、破損してしまったりするケースです。これは完全な作業ミスと言えます。
原因5：熱効率の向上（不具合ではないケース）
これは不具合ではなく、クリーニングが成功した証拠とも言えます。汚れが落ちて熱交換の効率が格段に良くなると、以前よりもエアコンがよく冷えるようになります。
その結果、発生する結露水の量も一時的に増え、排水が追いつかずに水漏れのように見えることがあります。この場合は、設定温度を少し上げることで改善する可能性があります。
業者に連絡する前に！自分でできるドレンホースの詰まり確認・解消法
水漏れ原因の多くは「ドレンホースの詰まり」です。業者に連絡する前に、まず屋外のドレンホース出口が詰まっていないかを確認してみましょう。
※作業前には必ずエアコンのコンセントを抜いてください。
ステップ1：ドレンホースの出口を点検する
まず、室外機の近くにあるドレンホースの先端（出口）を確認します。
- ホースの先がゴミや泥、虫の巣などで物理的に塞がっていないか
- ホースの先が植木鉢の受け皿や水たまりに浸かっていないか
- ホースが途中で折れ曲がったり、何かの下敷きになって潰れていないか
出口付近のゴミを取り除いたり、ホースの位置を直したりするだけで改善するケースもあります。
ステップ2：ドレンホースクリーナー（サクションポンプ）を使う
ドレンホース内部の詰まりを取るには、専用の「ドレンホースクリーナー（サクションポンプ）」の使用が最も安全で効果的です。
ホームセンターやネット通販で1,000円〜2,000円程度で購入できます。ホースの出口にポンプを当て、ハンドルを押したり引いたりして、真空の力で詰まりを吸い出す道具です。
ステップ3：掃除機で吸い出す方法と注意点
専用ポンプがない場合の応急処置として、掃除機を使う方法があります。
- ドレンホースの出口に、隙間ができないよう清潔な布やタオルを巻き付けます。
- その上から掃除機のノズルを隙間なく押し当てます。
- 掃除機のスイッチを入れ、「オン・オフ」を2〜3秒間隔で短く繰り返します。
「ゴボッ」という音と共に、詰まっていた汚れと水が吸い出されることがあります。
絶対に水を掃除機に吸い込ませないでください。掃除機が故障する原因になります。必ず布で隙間を埋め、長時間吸い続けないこと。吸い出した水や汚れは、すぐに掃除機から取り除いてください。
やってはいけない危険な対処法（NG例）
詰まりを解消しようとして、以下の行動をとるのは危険です。状況を悪化させる可能性が高いため、絶対にやめてください。
- 針金や細い棒で奥まで突く： ホース内部を傷つけ、穴を開けてしまう恐れがあります。
- ホースの出口から息を吹き込む： 詰まりが解消しないだけでなく、汚水が逆流して室内機側から噴き出す可能性があります。衛生的にも最悪です。
- 出口から水道水を流し込む： 逆流して室内機を破損させる原因になります。
対処しても水漏れが止まらない…業者に連絡する判断基準
ドレンホースの詰まりを解消しても水漏れが止まらない、あるいは原因がドレンホース以外にありそうな場合は、それ以上の自己対処は危険です。すぐにクリーニングを依頼した業者に連絡しましょう。
- ドレンホースの詰まりを解消しても、運転を再開すると水漏れする
- エアコン本体の内部や、プラスチックの接合部から水が染み出している
- エアコン本体が目に見えて傾いている
- エラーコードが点滅している、または異音がする
これらは、ドレンパンの設置不良や部品の破損など、クリーニング作業者の分解・組立ミスが強く疑われる症状です。
クリーニング業者への連絡完全ガイド【保証・伝え方】
業者に連絡する際は、感情的にならず、事実を冷静に伝えることが迅速な解決への近道です。
1. すぐにクリーニングを依頼した業者に連絡する
まずは電話やメールで、水漏れが発生した旨を伝えます。クリーニングから日が経つほど、「クリーニングが原因」であることの証明が難しくなります。水漏れに気づいたら、当日〜翌日中には連絡しましょう。
2. 作業保証（アフターフォロー）を確認する
多くの優良なクリーニング業者は、作業後の不具合に対して「保証期間」を設けています（例：作業後1週間以内は無償対応など）。
契約時の書類や、業者のウェブサイトで保証内容を確認しましょう。保証期間内であれば、無償で再点検や修理（手直し）をしてもらえる可能性が極めて高いです。
3. 業者に伝えるべき内容（5W1H）
以下の情報を整理して伝えると、スムーズに状況が伝わります。
- いつ： クリーニング作業日（例：○月○日）
- いつから： 水漏れが発生した日時（例：今日の午後3時頃から）
- どこが： エアコンの機種・型番
- どこから： 水漏れしている箇所（例：本体の右下から、吹き出し口から）
- 何を： 自分で試した対処法（例：ドレンホースの出口を掃除した）
- どうなった： 対処後の状況（例：改善しない、など）
応急処置の際に撮影した写真や動画もメールなどで送付すると、より正確に状況が伝わります。
4. 業者が損害賠償保険に加入しているか確認する
万が一、水漏れによって壁や床、家財に損害が出た場合、作業不備が原因であれば業者が加入している「損害賠償責任保険」で補償される可能性があります。
被害が大きい場合は、保険適用の可否についても確認しましょう。
【賃貸物件の場合】連絡の順番と注意点
お住まいが賃貸物件の場合は、連絡の順番に注意が必要です。
1. まずは管理会社・大家さんに連絡
エアコンが「設備」として備え付けられていた場合、その所有者は大家さん（オーナー）です。また、水漏れによって壁や床に損害が出た場合、その報告義務もあります。
ご自身の判断でクリーニング業者に再修理を依頼する前に、まずは管理会社や大家さんに「クリーニング後に水漏れが発生した」と一報を入れ、指示を仰ぎましょう。
2. クリーニング業者への連絡
管理会社・大家さんへの報告と同時に、クリーニングを依頼した業者へも連絡し、状況を説明します。修理の手配については、管理会社の指示に従いましょう。
費用負担はどうなる？
クリーニング作業が原因の水漏れであれば、基本的にはクリーニング業者の保証（無償再作業）で対応となります。
万が一、壁や床の修繕が必要になった場合の費用は、クリーニング業者の損害賠償保険で賄われるのが一般的です。
二度と失敗しない！信頼できるエアコンクリーニング業者の選び方
今回のようなトラブルを経験すると、「次にまたクリーニングを依頼するのが怖い」と感じてしまいますよね。トラブルを未然に防ぎ、万が一の際も誠実に対応してもらうためには、最初の業者選びが非常に重要です。
ポイント1：作業後の保証が明確か
これが最も重要です。「作業後の不具合は○日以内まで無償対応」といったアフターフォローや保証制度が、ウェブサイトや契約書に明確に記載されている業者を選びましょう。
ポイント2：損害賠償保険に加入しているか
作業中の破損や、今回のような水漏れによる家財への損害に備え、「損害賠償責任保険」に加入しているかを確認しましょう。優良な業者であれば必ず加入しています。
ポイント3：実績と口コミ（特にトラブル対応）が豊富か
作業実績の豊富さはもちろんですが、実際に利用した人の口コミをよく確認しましょう。良い口コミだけでなく、万が一トラブルがあった際の対応（悪い口コミ）に、業者がどう返信・対応しているかも重要な判断材料になります。
ポイント4：料金体系と作業内容が明確か
「格安」だけで選ぶのは危険です。料金が安い代わりに、ドレンパンやファンを外さない簡易洗浄である可能性もあります。どこまでの部品を分解し、洗浄するのかが明確な業者を選びましょう。
そうなんです。「安いから」で選んでしまうと、技術が未熟だったり、保証がなかったりして、結局トラブルになるケースが多いんです。次の業者選びは、安さだけでなく「安心」を買う視点が大切ですよ。
安心できるプロ探しは比較サイトの活用が近道
「とはいえ、たくさんの業者を一つ一つ調べるのは大変…」「信頼できる業者をどう見つければいいか分からない」
そんな方には、今回のトラブルを教訓に、「保証」や「口コミ」を客観的に比較できるプラットフォームサービスの活用がおすすめです。
例えば「ユアマイスター」は、全国のハウスクリーニングのプロと利用者を繋ぐサービスで、エアコンクリーニングの依頼が最も多い実績があります。
ユアマイスターを活用するメリット・デメリット
メリット
- 全国の多数の登録プロから料金・サービス内容・口コミを簡単に比較できる
- 利用者のリアルな口コミ（評価）が見えるため、業者の質を判断しやすい
- 「作業後の手直し保証」や「損害賠償保険」が整備されている場合が多く安心
- サイト独自の「おまかせマイスター」なら、希望日時を選ぶだけで安価におすすめのプロを手配してくれる
デメリット
- 個々の業者の技術力や対応に差がある可能性（だからこそ口コミの比較が重要）
- 繁忙期（夏前）は人気のプロは予約が埋まりやすい
ユアマイスターのような比較サイトを使えば、「保証の有無」や「口コミ評価」といった、今回重要となったポイントを事前にしっかり確認した上で、納得のいくプロを選ぶことができます。
よくある質問（Q&A）
A：絶対に放置しないでください。
漏電や火災、エアコン本体の故障につながるだけでなく、壁紙の剥がれ、床材の腐食、カビの発生、階下への漏水など、住まい自体に深刻なダメージを与える可能性があります。被害が拡大する前に、必ず応急処置と業者への連絡を行ってください。
A：保証期間内であれば、無償対応の可能性が高いです。
多くの業者は「作業後1週間以内」などを保証期間としています。まずは契約書やウェブサイトで保証期間を確認し、すぐに業者に連絡してください。期間を過ぎていても、クリーニングが原因である可能性を伝え、誠実に対応を交渉しましょう。
A：関係している可能性があります。
「ポコポコ」という音は、ドレンホースから外気が逆流している音です。これは気密性の高い部屋で起こりやすい現象ですが、この外気の逆流によってドレン水の排出が妨げられ、水漏れにつながるケースもあります。
A：返金ではなく「無償での再作業・修理」が一般的です。
作業不備が原因の場合、まずは保証に基づき、業者の責任で水漏れを直し、正常に動作する状態に戻す（手直しする）のが基本です。返金を要求する前に、まずは完全な状態への復旧を求めましょう。
まとめ
エアコンのクリーニング後に水漏れが発生すると、本当に驚き、不安になりますよね。
ですが、まずは落ち着いて、この記事で紹介した「安全確保」「状況記録」「ドレンホース確認」という初期対応を行ってください。
そして、ご自身での対処が難しい、あるいは作業不備が疑われる場合は、すぐにクリーニング業者に連絡し、保証（アフターフォロー）に基づいた対応を求めましょう。
今回の経験は、次回の業者選びに必ず活かせます。水漏れトラブルが解決したら、今後は価格だけでなく、「保証の有無」「損害賠償保険」「リアルな口コミ」をしっかり比較して、本当に信頼できるプロに依頼するようにしましょう。
この記事が、あなたの不安を解消し、問題を迅速に解決するための一助となれば幸いです。
