「エアコンをつけたらバチン!と電源が落ちた…」
真夏や真冬にこのトラブルが起きると、パニックになりますよね。
実は、エアコンでブレーカーが落ちる原因の8割以上は、「室外機」のトラブルや故障にあると言われています。
この記事では、室外機が原因でブレーカーが落ちる理由を解明し、初心者でも安全にできる5つの復旧手順を解説します。
「修理代はいくらかかる?」「もう買い替え時?」といった疑問も解決できますので、ぜひ最後までご覧ください。
まずは確認!落ちたブレーカーの種類
対処法を実践する前に、分電盤を確認してください。
「どのブレーカーが落ちたか」によって、危険度と原因が全く異なります。
エアコン専用ブレーカーの場合
分電盤の中にいくつもある小さなスイッチの一つ(「エアコン」等の名称があるもの)だけが落ちている場合です。
これは「過電流(使いすぎ)」の可能性が高いです。
室外機に負荷がかかりすぎて、一時的に許容量を超える電気が流れたことが考えられます。
漏電ブレーカーの場合
分電盤の中央にある大きなスイッチ(メインの隣にあることが多い)が落ち、家中の電気が消えている場合です。
これは「漏電(ショート)」の可能性が非常に高い危険な状態です。
室外機内部で雨水によるショートや絶縁不良が起きている可能性があります。

室外機が原因でブレーカーが落ちる4つの原因
なぜ室外機が原因でブレーカーが落ちるのでしょうか。主な原因は、以下の4つに分類されます。
雨や台風による内部への浸水
室外機は雨に濡れる前提で作られていますが、「想定外の浸水」には弱いです。
- 豪雨で室外機の下部が冠水した。
- 台風の横殴りの雨で、モーター部分に水が入った。
- 経年劣化で防水パッキンが腐食していた。
これらが原因で電気回路が水に触れると、漏電ブレーカーが作動します。
汚れや直射日光による過負荷
室外機の裏側(フィン)にホコリがびっしり詰まっていたり、直射日光で高温になりすぎたりしていませんか?
熱を放出できない状態(熱交換不足)で運転すると、エアコンは冷やすために必死にコンプレッサーを動かそうとします。
その結果、異常な電流が流れて「安全ブレーカー」が落ちるのです。
コンプレッサー等の部品故障
エアコンの心臓部である「コンプレッサー」が焼き付いてロックしたり、コイルが絶縁不良を起こしたりするケースです。
これは寿命による故障が多く、スイッチを入れた瞬間に「バチン」と落ちるのが特徴です。
害虫や小動物の侵入
意外と多いのが、室外機の中にナメクジ、ヤモリ、ゴキブリ、ムカデなどが侵入し、基板に触れてショートするケースです。
暖かい場所を求めて入り込み、基板の裏側で感電してショートを引き起こします。
自分でできる5つの復旧手順と対処法
業者を呼ぶ前に、自分でできる「復旧手順」を試してみましょう。
一時的なエラーであれば、これで直ることがあります。
手順1:電源プラグを抜き時間を置く
エアコン内部の制御コンピューター(マイコン)が誤作動している可能性があります。
一度完全に電気を遮断し、リセットしましょう。
- エアコンの電源プラグを抜く。
- 最低でも5分~10分間放置する。(コンデンサの放電を待つため)
- 再びプラグを差し込む。
手順2:室外機を乾燥させる
雨上がりや洗車後にブレーカーが落ちた場合は、漏電の可能性があります。
- プラグを抜いたまま、半日~1日程度放置する。
- 晴れた日にしっかり乾燥させてから、再度通電テストを行う。
手順3:室外機周りの掃除と整理
室外機の放熱を妨げているものを取り除きます。
- 吹き出し口を塞ぐ植木鉢や荷物をどかす(前方50cm以上あける)。
- 裏側のアルミフィンに付いた枯れ葉やクモの巣をブラシで取る。
- 可能であれば、室外機用日除けカバーを設置する。
手順4:他の家電との併用をやめる
エアコン自体に問題がなくても、同じ回路でドライヤーや電子レンジを使っていれば容量オーバーになります。
他の家電をオフにした状態でエアコンだけをつけ、ブレーカーが落ちないか確認してください。
手順5:リモコンのエラーコード確認
ブレーカーが落ちずにエアコンが止まる場合、リモコンにエラーコード等が表示されていませんか?
メーカーの公式サイトでコードを検索すると、具体的な故障箇所(室外機ファン異常など)が分かります。

修理代はいくら?買い替えの判断基準
上記を試してもブレーカーが落ちる場合は、物理的な故障です。修理すべきか、買い替えるべきか、判断するための目安をまとめました。
費用相場:故障箇所別の修理代
室外機の修理は高額になりがちです。特に心臓部の故障は注意が必要です。
| 故障箇所 | 修理費用の目安 | 作業時間の目安 |
|---|---|---|
| 制御基板の交換 | 2.5万円 〜 4.5万円 | 1〜2時間 |
| ファンモーター交換 | 3万円 〜 5万円 | 1〜2時間 |
| コンプレッサー交換 | 6万円 〜 12万円 | 3〜4時間 |
| 冷媒ガス漏れ修理 | 3万円 〜 6万円 | 2〜3時間 |
「10年」が買い替えのボーダーライン
メーカーの部品保有期間は、製造終了から約10年です。
以下の条件に当てはまる場合は、修理よりも買い替えをおすすめします。
- 購入から10年以上経過している(部品がない可能性)。
- 修理見積もりが5万円を超えた。
- 冷えが悪くなっていたり、異音が以前からしていた。
最新のエアコンは10年前の機種と比べて電気代が約10%〜20%安くなることもあり、長い目で見るとお得になります。
Amazonで人気のエアコンを見る楽天市場で人気のエアコンを見る
よくある質問(Q&A)
A. 絶対にやめてください。ブレーカーが落ちるのは異常があるサインです。何度も強制的に通電させると、配線が発熱して発火したり、エアコンの基板が完全に焼き切れて修理不能になる恐れがあります。
A. 備え付けのエアコンの場合、まずは管理会社や大家さんに連絡しましょう。修理費用の負担区分を確認する必要があります。勝手に修理すると、費用が自己負担になるトラブルがあります。
A. 一般的に、冷房よりも暖房の方が消費電力が大きいためです。特に起動時は最大のパワーを使うため、契約アンペア数がギリギリだと落ちやすくなります。
まとめ:焦らず原因を特定し、安全に対処を
エアコンのブレーカーが落ちるトラブルについて、室外機を中心とした原因と対策を解説しました。
- まずは種類の確認:「エアコン専用」か「漏電」かを確認する。
- 応急処置:プラグを抜き、乾燥と掃除を行ってリセットする。
- 絶対NG:何度もブレーカーを無理やり上げない。
- 判断:10年以上の機種やコンプレッサー故障は買い替えを検討。
エアコンが使えない時間は辛いですが、焦って通電し続けるのが一番危険です。
まずは電源を抜き、一呼吸置いてから、この記事の復旧手順を一つずつ試してみてください。
もし復旧しない場合は、プロに点検を依頼して、安全で快適な生活を取り戻しましょう。
