「10月に入ってもまだ暑い日があるけれど、いつまで冷房をつけていいの?」
「近所の家はもう窓を開けているけれど、うちはまだエアコンをつけていて恥ずかしい…」
季節の変わり目、特に秋口や春先は、エアコンの「やめ時」と「つけ始め」に悩みますよね?
電気代も気になるし、体調管理も難しい時期です。
この記事では、「最高気温」と「最低気温」を基準にした明確な切り替えラインと、快適さを保ちながら電気代を最小限に抑える「端境期(はざかいき)の空調テクニック」を解説します。
これを読めば、もうリモコンの前で迷うことなく、家族全員が快適に過ごせる室温管理ができるようになります。
冷房はいつまで?気温と湿度の目安
冷房を終了するタイミングは、カレンダーの日付ではなく「体感温度」と「データ」で判断するのが正解です。多くのご家庭で目安となるラインを紹介します。
最高気温25度が冷房納めのサイン
結論から言うと、日中の最高気温が25度を下回る日が続いたら、冷房終了の目安です。
人間が「暑い」と感じ、発汗による体温調節が必要になるのがおよそ25度以上(夏日)と言われています。
気象庁のデータに基づく一般的な傾向は以下の通りです。
| 時期 | 最高気温の傾向 | エアコン使用状況 |
|---|---|---|
| 9月下旬 | 25度以上が多い | 日中は冷房が必要 |
| 10月上旬 | 25度前後 | 晴れた昼間のみ使用 |
| 10月中旬以降 | 20度〜23度 | 冷房終了・送風へ |

気温より不快指数が高い日
気温が23度〜24度程度でも、雨の日などは蒸し暑く感じることがありませんか?
これは湿度が関係しています。
湿度が60%を超えると、汗が蒸発しにくく体に熱がこもります。
この場合は「冷房」ではなく「除湿(ドライ)機能」または「弱冷房除湿」を活用しましょう。
室温を下げすぎずに湿度だけを取り除くことで、肌寒さを感じずに快適に過ごせます。
暖房はいつから?室温20度の壁
続いて、寒くなり始めてから暖房をつけるタイミングについてです。
最低気温10度・室温20度が基準
暖房が必要になるのは、一般的に以下の条件が揃った時です。
- 最低気温(朝晩):10度〜12度以下
- 室温:20度以下
環境省の「ウォームビズ」では、暖房時の室温目安として20度を推奨しています。
朝起きて布団から出るのが辛いと感じたり、足元が冷えると感じたりする室温がおよそ20度未満です。
地域と住宅環境による違い
「いつから?」の答えは、お住まいの建物の「断熱性」によって大きく異なります。
戸建て(木造)
気密性がマンションに比べて低いため、外気の影響を受けやすいです。
目安:10月下旬〜11月上旬には暖房(またはこたつ等)が必要になります。
マンション(鉄筋コンクリート)
気密性が高く、上下左右の部屋に挟まれている中層階は特に暖かいです。
目安:11月中旬〜12月上旬まで暖房なしで過ごせることも珍しくありません。
電気代を抑える秋の空調3つのコツ
「冷房をつけるほどではないが、窓を開けるだけでは暑い」
「暖房には早いが、少し肌寒い」
そんな中途半端な時期(中間期)こそ、工夫次第で電気代を大幅に節約できます。
1. サーキュレーターで空気を回す
エアコンをつける前に、まずはサーキュレーターや扇風機を天井に向けて回してみてください。
空気が循環することで体感温度が下がります。
逆に肌寒い時は、天井付近に溜まった暖かい空気を下に下ろすことで、暖房なしでも過ごせる時間が長くなります。
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2. 自動運転に任せる
「弱運転」の方が節約になると思っていませんか?実は逆効果なことが多いのです。
エアコンは「設定温度にするまでの立ち上がり」に最も電力を使います。
中途半端な時期こそ「自動運転」に設定し、エアコン自身に最適なパワーコントロールを任せるのが、結果的に最も電気代を安く抑えるコツです。
3. 服装と湿度調整で乗り切る
エアコンのリモコンに手を伸ばす前に、以下の対策を試してみましょう。
- 暑い時:麻や接触冷感素材のルームウェアを着る。
- 寒い時:「首」「手首」「足首」の3つの首を温める。靴下やレッグウォーマーが有効。
- 湿度:加湿器を使って湿度を上げると、体感温度が上がり暖かく感じます。
冷房終了後は必ず内部クリーンを!
「もう今年は冷房を使わない」と決めたその日、絶対にやっていただきたいのがエアコン内部の乾燥です。
これをサボると、来年の夏に黒カビだらけの風を浴びることになります。
送風運転でカビを撃退
冷房運転後のエアコン内部は結露でビショビショの状態です。
そのまま放置すると、カビにとって最高の繁殖環境になってしまいます。
実行すべき手順
- 晴れた湿度の低い日を選ぶ。
- 窓を開けて換気する。
- 「送風モード」または「最高温度(30度など)の暖房」で2〜3時間運転する。

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よくある質問(Q&A)
季節の変わり目のエアコン利用について、読者が気になりやすい疑問にお答えします。
大人よりも体温調節機能が未熟なため、基準を厳しくしましょう。赤ちゃんは室温20度〜23度、湿度は50〜60%が理想です。大人が「少し肌寒いかな?」と感じるくらいが赤ちゃんには適温の場合があります。直接風が当たらないよう風向きには注意してください。
全く変ではありません。近年の高気密住宅では、料理や家電の排熱で室温が上がりすぎることがあります。「外は寒いのに中は暑い」という現象はよくあることです。無理せず冷房をつけ、快適な睡眠環境を作ることが優先です。
必須です。夏場にフィルターに溜まったホコリをそのままにして暖房を使うと、温風と共にホコリやカビの胞子を部屋中に撒き散らすことになります。また、目詰まりは電気代高騰の最大の原因です。本格的に寒くなる前にフィルター掃除だけは済ませておきましょう。
まとめ:日付よりも室温計を見て判断しよう
エアコンのやめ時、始め時について解説しました。
最後に重要なポイントを整理します。
- 冷房終了:最高気温25度を下回り、湿度が落ち着いた頃(10月中旬目安)
- 暖房開始:最低気温10度台、室温20度を下回った頃(11月上旬〜目安)
- 端境期対策:サーキュレーターや衣類で調整し、無理なら「自動運転」で活用
- 必須メンテ:冷房終了時には「送風」で内部乾燥し、暖房前にフィルター掃除
「もう10月だから」というカレンダーの数字に縛られる必要はありません。
我慢して体調を崩しては元も子もありませんので、「室温計」をチェックし、その日の気温に合わせて柔軟にエアコンを活用することが、健康的で賢い暮らし方です。
まずは今週末、夏の疲れが溜まったエアコンのフィルターを掃除して、気持ちよく秋を迎える準備をしませんか?
