「電気代が高くてエアコンをつけるのをためらってしまう…設定温度を30度にすれば、さすがに安くなるはず」
そう考えて、リモコンの温度を上げてみたものの、暑くて断念した経験はありませんか?
実は、エアコンの設定温度を1度変えるだけで、電気代には大きな差が生まれます。しかし、ただ温度を上げるだけでは、快適さが損なわれ、最悪の場合は熱中症のリスクさえあります。
この記事では、エアコンを30度に設定した際の具体的な電気代のシミュレーションと、涼しさをキープしながら節約効果を最大化する5つの方法を解説します。
我慢だけの節約はもう終わりにして、賢く涼しい夏を過ごしましょう。
冷房30度の電気代はいくら安くなる?
まずは最も気になる「お金」の話です。設定温度を一般的な27度から30度に上げた場合、実際にどれくらいの金額が節約できるのかを検証します。
料金シミュレーション:27度 vs 30度
資源エネルギー庁のデータによると、エアコン(冷房)の設定温度を1度上げると、消費電力は約13%削減されると試算されています。
6畳〜8畳用エアコンの平均的な消費電力を元に、1ヶ月(1日9時間使用)の電気代を比較してみましょう。
| 設定温度 | 1時間の電気代(目安) | 1ヶ月の電気代(目安) |
|---|---|---|
| 27度 | 約20.5円 | 約5,535円 |
| 30度 | 約13.9円 | 約3,753円 |
| 差額(節約額) | -6.6円 | -1,782円 |
※電気料金単価31円/kWhで計算。機種や環境により変動します。
このように、設定温度を3度上げるだけで、1ヶ月あたり約1,800円、ワンシーズン(3ヶ月)で約5,400円もの節約につながる可能性があります。

30度設定は本当に涼しいのか?
節約効果が高いことはわかりましたが、「涼しくなければ意味がない」ですよね。
結論から言うと、外気温が35度を超える猛暑日にエアコン単体で30度設定にするのはおすすめできません。壁や天井に熱がこもっている場合、室温が下がらず、熱中症の危険性が高まるからです。
しかし、外気温が30度〜32度程度の日や、夜間であれば、工夫次第で30度設定でも十分に快適に過ごすことが可能です。
危険!暖房の30度設定は電気代が高騰する
ここで一つ、非常に重要な注意点があります。「冷房」と「暖房」の設定温度を混同してしまうことです。
冬場に「早く部屋を暖めたいから」と、暖房を30度に設定していませんか?これは節約どころか、電気代を跳ね上がらせるNG行為です。
暖房30度がNGな理由
エアコンは「設定温度」と「外気温」の差が大きければ大きいほど、パワーを使います。
- 冷房の場合:外気35度 → 室温27度(差は8度)
- 暖房の場合:外気5度 → 室温30度(差は25度!)
この「25度」もの温度差を埋めるために、エアコンはフルパワーで稼働し続けます。その結果、電気代は冷房時の2倍〜3倍以上に膨れ上がることも珍しくありません。
冬場の環境省推奨温度は20度です。暖房においては、設定温度を上げすぎないことが最大の節約になります。
30度設定でも涼しく快適に過ごす5つのテクニック
話を「冷房」に戻しましょう。設定温度を30度(あるいは28〜29度)に高めても、体感温度を下げて涼しく過ごすための5つの裏技をご紹介します。
1. サーキュレーターで空気を撹拌する
冷たい空気は部屋の下の方に溜まります。30度設定の場合、エアコンから出る風が弱いため、足元だけひんやりして頭は暑いという状況になりがちです。
サーキュレーターや扇風機を併用し、天井に向けて風を送ることで空気を混ぜましょう。部屋全体の温度ムラがなくなり、体感温度が下がります。
2. 湿度を下げて体感温度を下げる
人は湿度が下がると、汗が蒸発しやすくなり涼しく感じます。同じ30度でも、湿度50%と湿度80%では不快指数が全く違います。
もし30度冷房で蒸し暑さを感じる場合は、一度「除湿モード」に切り替えてみてください。または、除湿機を併用するのも効果的です。
3. 風量は最強か自動にする
設定温度が高い時こそ、風量は重要です。「微風」や「弱」にしていませんか?
風が体に当たると、気化熱の効果で体温が下がります。設定温度を上げる代わりに、風量を強めにするのが、電気代を抑えつつ涼しさを感じるコツです。電気代への影響は、温度を下げるよりも風量を上げる方が圧倒的に軽微です。
4. 直射日光を徹底的にブロックする
部屋が暑くなる最大の原因は、窓から入ってくる太陽熱です。
- 遮光カーテンや遮熱カーテン閉める
- 窓の外に「すだれ」や「サンシェード」を設置する
これだけで、室内の温度上昇を2度〜3度抑えることができます。部屋自体が熱くならなければ、30度設定のエアコンでも十分に冷えるようになります。
5. 室外機の周りを冷やす
エアコンの心臓部は、実は室内の機械ではなく外にある「室外機」です。ここが直射日光でチンチンに熱くなっていると、熱を捨てきれずに冷房効率が激減します。
室外機の上に日除けカバーを置いたり、少し離れた場所にすだれを立てて日陰を作ってあげましょう。これだけで余計な電力消費をカットできます。

よくある質問(Q&A)
最後に、エアコンの温度設定に関してよく寄せられる質問に回答します。
30度設定であっても、基本的には「30分〜1時間の外出ならつけっぱなし」がお得です。エアコンは起動時に最大の電力を消費します。30度設定は維持する電力が少なくて済むため、一度切って室温が上がってから再度冷やすよりも、そのまま運転し続けた方が電力消費を抑えられます。
夜間は日射がないため、30度設定でも扇風機を併用すれば眠れる場合があります。しかし、熱帯夜などは室温が下がらず、寝ている間に熱中症になるリスクもあります。タイマーを活用して入眠時だけ27度にするか、28度設定で朝までつけっぱなしにする方が、睡眠の質と安全面ではおすすめです。
冷房時は「水平(上向き)」が鉄則です。冷たい空気は上から下へ落ちてくるため、水平に出すことで部屋全体を効率よく冷やせます。逆に下向きにすると、足元だけ冷えてセンサーが「冷えた」と勘違いし、運転を弱めてしまうことがあります。
まとめ:30度設定は工夫次第で節約の味方に
エアコンの30度設定について、電気代のメリットと快適に過ごすポイントを解説しました。
記事の要点をまとめます。
- 冷房30度は27度に比べて、月間約1,800円の節約効果が期待できる
- ただし、猛暑日の昼間は無理をせず温度を下げるべき
- 暖房の30度設定は電気代が高騰するため絶対に避ける
- 「サーキュレーター」「遮熱」「風量強め」を組み合わせるのが賢い方法
「30度」という数字にこだわりすぎず、ご自身の体調やその日の気温に合わせて柔軟に設定を変えることが大切です。
まずは今日から、「エアコン30度+扇風機」の組み合わせを試して、どれくらい快適か体感してみてください。無理なく続けられる設定温度を見つけることが、長く続く節約の第一歩です。
