「クーラーの取り付け工事、半日くらい潰れてしまうのかな?」
「業者が家に来る時間は、なるべく短く済ませたい……」
エアコンの新設や買い替えを検討する際、工事にかかる時間は気になるポイントですよね。
知らない人が長時間家の中にいるのは、どうしても気疲れしてしまうものです。
結論から申し上げますと、クーラー取り付け時間の目安は平均90分(1時間半)です。
ただし、これはあくまでスムーズに進んだ場合の話。準備不足だと3時間以上かかってしまうケースも少なくありません。
この記事では、標準的な工事時間の内訳から、時間が長引いてしまう意外な落とし穴、そしてプロの滞在時間を最短にするための「5つの事前準備」までを完全網羅しました。
この記事を読めば、当日のスケジュールを正確に把握でき、スムーズな工事で快適な部屋をすぐに手に入れられるようになります。
クーラーの取り付け時間の目安
まず、工事の種類によって所要時間は異なります。
ご自身の状況がどちらに当てはまるか確認し、スケジュールの参考にしてください。
新規設置は90分が標準
部屋にエアコンがなく、新しく取り付ける場合の所要時間は、約1時間半(90分)です。
壁に配管用の穴がすでに開いている標準的なケースを想定しています。
何もない状態から設置するため、比較的スムーズに進行します。
交換工事は2時間かかる
古いエアコンを取り外して、新しいものに付け替える場合は、約2時間を見ておきましょう。
取り付け作業(90分)に加え、既存エアコンの取り外し作業(30分)が追加されるためです。
取り外しには「ポンプダウン」というガス回収作業が必要なため、単に機械を外すだけでは済みません。
作業別タイムスケジュール
「90分間、何をしているの?」と気になる方のために、標準工事の時間内訳を表にまとめました。
| 作業工程 | 所要時間 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1. 養生・搬入 | 10分 | 床の保護、機材の運び込み |
| 2. 室内機設置 | 30分 | 据付板の固定、配管接続、本体設置 |
| 3. 室外機設置 | 30分 | 屋外への設置、配管接続、テープ巻き |
| 4. 真空引き | 15分 | 配管内の空気・水分除去(重要) |
| 5. 試運転・片付 | 5分 | 動作確認、ゴミ回収、清掃 |

時間が長引く4つの原因
予定よりも大幅に時間がかかってしまう場合、以下のような特殊な事情が含まれていることがほとんどです。
ご自宅の環境に当てはまるものがないか、事前にチェックしておきましょう。
特殊な場所に設置する
室外機を地面やベランダに置く「標準設置」以外の場合、足場の確保や危険作業を伴うため時間がかかります。
- 屋根置き(+40分): 屋根の上に専用架台で固定する。
- 壁面設置(+60分): 外壁の高い位置に吊り下げる。
- 天吊り(+30分): マンションなどの天井ボルトに吊るす。
- 二段置き(+40分): 室外機を2台重ねて設置する。
追加の電気工事が必要
最近の高機能エアコンは200V(ボルト)仕様のものが増えています。
部屋のコンセントが100Vの場合、電圧切替やコンセント交換工事(+30分)が必要です。
化粧カバーの取り付け
配管をきれいに見せる「化粧カバー」を取り付ける場合、パーツの切断やネジ止め作業が発生するため、+30分程度かかります。
見た目や耐久性を重視するなら必須ですが、時間はプラスされるとお考えください。
隠蔽配管(いんぺいはいかん)
壁の中に配管が埋め込まれている「隠蔽配管」の場合、高度な技術が必要となり、通常の倍以上の時間(3〜4時間)がかかることもあります。
また、業者によっては対応不可の場合もあるため、事前の申告が必須です。
工事を最短にする5つの裏技
当日の作業時間を少しでも短くし、スムーズに終わらせるために、依頼主側でできる「時短のコツ」があります。
これらを準備しておくだけで、業者の作業効率が劇的に上がります。
1. 作業スペースを確保する
最も効果的なのは、徹底したスペース確保です。
- 室内: エアコン下の畳2枚分は空けておく。
- ベランダ: 室外機を置く場所までのルートにある植木や洗濯物はどかす。
業者が到着してから片付け始めると、その分だけ工事開始が遅れます。
2. 搬入経路を確保する
玄関から設置場所までの廊下や階段に、荷物が置かれていませんか?
大きな機材を持って移動するため、スムーズに通れる幅を確保しておきましょう。
3. ペットや子供の安全確保
作業中は玄関や窓を開け放つ時間が長くなります。
ペットが脱走しないようケージに入れたり、小さなお子様が工具に触れないよう別室で待機させたりすることで、業者は作業に集中でき、スピードアップにつながります。
4. 駐車スペースの確認
意外と盲点なのが、工事業者の駐車場所です。
自宅に駐車スペースがある場合は空けておき、ない場合は近くのコインパーキングを調べておくと親切です。
当日になって「どこに停めればいいですか?」と迷う時間をカットできます。
5. 申し込み時の正確な情報伝達
「当日見ればわかるだろう」は禁物です。
配管穴の有無、コンセントの形状、室外機の置き場所などを事前に正確に伝えておくことで、業者は必要な部材を完璧に準備して訪問できます。
部材不足による「工事中断」や「買い出し時間」を防ぐ最強の予防策です。
季節と時間帯による注意点
工事そのものの時間だけでなく、「予約の取りやすさ」や「当日の到着時間」も季節によって大きく変動します。
繁忙期(6月〜8月)の事情
夏場はエアコン工事の最盛期です。
1日に何件も工事を詰め込むため、前の現場が長引くと、到着時間が予定より1〜2時間遅れることが日常茶飯事です。
この時期は、工事完了時間に3時間程度の余裕を持たせておくのが賢明です。
午前か午後か?
時間を確実に読みたければ、「朝一番(午前枠)」の予約がおすすめです。
前の現場の遅れの影響を受けないため、ほぼ定刻通りにスタートし、午前中に完了させることができます。
よくある質問(Q&A)
最後に、取り付け工事に関してよく寄せられる疑問を解決します。
おすすめしません。素人が行うと準備や作業で4〜5時間以上かかる上、ガス漏れや水漏れのリスクが非常に高いです。専用工具(真空ポンプなど)を揃える費用もかさむため、プロに頼むのが「時間」も「費用」も最も効率的です。
小雨程度なら可能ですが、養生や安全確認に手間取るため、通常より時間がかかる傾向があります。また、配管内に水分が入るリスクを避けるため、激しい雨の場合は延期になることが多いです。
基本的には不要です。お気遣いはありがたいですが、業者は次の現場へ急いでいることも多いため、作業の邪魔にならないよう見守っていただくのが一番の協力になります。もし渡すなら、ペットボトルのお茶などが持ち帰れて喜ばれます。
まとめ:事前準備で90分の壁を切ろう
クーラーの取り付け時間について、詳しく解説してきました。
記事の要点を振り返ります。
- 基本の時間: 新規90分、交換2時間が目安。
- 延長の要因: 特殊設置、電圧切替、化粧カバーなどは+30分以上。
- 時短の鍵: 作業スペースの確保と、事前の正確な情報伝達。
- おすすめの予約: 時間が読める「朝一番」がベスト。
エアコン工事は、単なる設置作業ではなく、長く安全に使うための大切な工程です。
「早く終わってほしい」と思うのが本音ですが、プロが必要な手順を確実に踏める環境を整えてあげることが、結果として「最短かつ高品質」な工事につながります。
ぜひ今回の記事を参考に事前準備を済ませ、スムーズな工事で快適な空調ライフをスタートさせてくださいね。
