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エアコンのローラーの外し方!カビを全滅させる分解手順と3つの注意点

エアコンのローラーの外し方!カビを全滅させる分解手順と3つの注意点

エアコンの吹き出し口から見える黒い筒(ローラー)。そこには、想像を絶する量のカビやホコリが蓄積しています。

「綿棒で掃除してもキリがない……いっそ取り外して丸洗いしたい!」

そう思うのは当然のことです。ローラー(シロッコファン)を外して洗うことができれば、カビ臭さを根本から断ち、新品同様の風を取り戻すことができます。

しかし、ローラーの取り外しは、エアコン掃除の中でも難易度が高い作業です。手順を間違えると「元に戻せない」「異音がする」といったトラブル招くことも。

この記事では、エアコンのローラーを安全に外すための準備から、具体的な手順、そして最も重要な「戻し方」のコツまでを網羅して解説します。プロ並みの仕上がりを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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【監修者】
大谷

家電専門ライターとして10年以上活動し、監修した記事は1万を超える。自身のサイトは月間11万PVを達成。
最新のデータや実体験を交え、分かりやすく信頼できる情報発信を心がけている。

エアコンのローラー(シロッコファン)とは?

まず、作業対象となる部品について正しく理解しましょう。

名称と役割

一般的に「ローラー」と呼ばれている部品は、専門用語で「シロッコファン(送風ファン)」と言います。

円筒状で細かい羽が密集しており、回転することで室内に風を送り出す心臓部です。結露した水滴とホコリが混ざり合う場所にあるため、エアコン内部で最もカビが繁殖しやすい箇所です。

外して洗うメリット

付けたままでの掃除には限界がありますが、取り外すことで以下のメリットが得られます。

  • 羽の裏側までブラシが届き、カビを完全に除去できる
  • 高圧洗浄機がなくても、お風呂場でシャワー洗浄が可能になる
  • カビの胞子が飛び散るリスクを減らせる
大谷
大谷
表面を拭くだけでは、回転したときに奥のカビが飛んできてしまいます。アレルギー対策としても、一度取り外して丸洗いするのが最も効果的です。
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作業前に確認!メーカー別の難易度と必須道具

いきなり分解を始めるのは危険です。お使いの機種が「自分で外せるタイプ」かどうかを確認し、必要な道具を揃えましょう。

メーカーごとの分解難易度

エアコンの構造はメーカーによって大きく異なります。

  • 難易度:低(挑戦しやすい) 三菱電機(霧ヶ峰の一部)、ダイキンの一部 ※ドレンパンと本体が別構造になっていることが多く、隙間を作りやすい。
  • 難易度:中~高(工夫が必要) 東芝、日立 ※機種により構造が大きく異なる。
  • 難易度:激高(非推奨) パナソニック、シャープ、富士通、および「お掃除機能付き全般」 ※ドレンパンがケーシング(本体)と一体化していることが多く、配線も複雑なため、素人の分解は破損のリスクが高い。

絶対に用意すべき道具リスト

通常のドライバーだけでは届かないネジがあります。以下の道具を必ず準備してください。

道具名 用途・備考
ロングドライバー 長さ30cm以上のプラスドライバー。ファンの奥にある固定ネジを回すために必須。
養生テープ・マスカー 壁や床を汚さないための保護シート。
ペンライト 暗い内部のネジ穴を探すために必要。スマホのライトでは作業しにくい。
脚立 安定した足場の確保。椅子に乗っての作業は転倒の危険がある。

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実践!エアコンのローラーの外し方5ステップ

ここからは具体的な手順を解説します。必ずコンセントを抜いてから作業を開始してください。

1. 本体カバーとルーバーを外す

まずは外側の化粧カバーと、風向きを変える羽(ルーバー)を取り外します。

  • 前面パネルを開け、フィルターを取り出す
  • 吹き出し口の下にある「隠しネジキャップ」を外し、ネジを緩める
  • 本体カバーの下部を手前に引き、上部のツメを外してカバー全体を取り外す

2. 電装部周辺を養生する

エアコンの右側には基盤などの「電装部」が集中しています。ここに水滴や洗剤がかかると一発で故障します。

  • タオルやマスカーテープで右側の電装部を厳重に覆う
  • これから触る部分以外の壁や床も養生する

3. ドレンパンを浮かせる(または外す)

ローラーの手前にある「ドレンパン(水受け)」が邪魔でローラーが出てきません。ここが一番の難所です。

  • ドレンホースとつながっている部分を確認する
  • ドレンパンを固定しているネジやツメを外す
  • 完全に取り外せなくても、手前に少し「浮かせる」ことができればOK

※無理に引っ張るとドレンホースが抜け、水漏れの原因になるので慎重に行うこと。

4. ファンの固定ネジを緩める

ローラー(ファン)の右側、モーターと繋がっている軸の部分に固定ネジがあります。

  • ファンを手でゆっくり回し、羽が1枚欠けている部分(隙間)を探す
  • その隙間からライトで照らし、奥にあるプラスネジを見つける
  • ロングドライバーを差し込み、ネジを緩める(完全に抜かなくても良い場合が多い)
大谷
大谷
このネジが非常に固いことがあります。ドライバーのサイズが合っていないとネジ山を潰してしまうので、しっかり押し付けながら回すのがコツです。

5. 左側の軸受を外して引き抜く

ローラーの左側を支えている「軸受(ベアリングホルダー)」のネジを外します。

  • 左側の熱交換器(アルミフィン)を少し持ち上げる(手を切らないよう手袋必須)
  • ローラーを左側にスライドさせ、モーター軸から引き抜く
  • 斜め下方向へ慎重に取り出す
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外したローラーの洗浄方法と戻し方

外すことだけに集中しがちですが、綺麗にして「正しく戻す」までが掃除です。

カビを根こそぎ落とす洗浄テクニック

外したローラーはお風呂場や庭で丸洗いできます。

    • カビキラーなどの塩素系漂白剤を全体に吹きかけ、10分ほど放置する
    • 細いブラシで羽の間を擦る
    • シャワーの水圧を強めにして、汚れを一気に洗い流す
    • 最後にしっかりと乾燥させる

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異音を防ぐ「戻し方」のコツ

掃除後に「ガタガタ」「キュルキュル」と音が鳴るのは、戻し方のミスが原因です。

  • 軸にグリスを塗る:モーター軸にシリコングリスを薄く塗ると、滑りが良くなり異音防止になる。
  • ネジの位置を合わせる:モーター軸には平らな面(Dカット面)がある。ファンの固定ネジが、必ずこの「平らな面」に当たるように締め込むこと。これがズレると回転がブレて騒音の原因になる。

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よくある質問(Q&A)

作業前に知っておきたい疑問点をまとめました。

Q. ローラーがどうしても外れません。どうすればいいですか?

錆びついて固着しているか、ドレンパンが一体型でスペースが足りない可能性があります。無理にこじ開けるとプラスチックが割れたり、熱交換器が変形したりします。その場合は分解を諦め、取り付けたまま専用ブラシや加圧式スプレーで掃除する方法に切り替えてください。

Q. 自分で分解したらメーカー保証はどうなりますか?

基本的に、取扱説明書に記載のない範囲の分解(本体カバーを外す以上の行為)を行うと、メーカー保証の対象外となります。故障した際に有償修理となるリスクを理解した上で作業してください。

Q. プロに頼むと「ファン抜き」はやってくれますか?

一般的なエアコンクリーニングでは、ファンを外さずに高圧洗浄機で洗う業者が多いです。「完全分解洗浄」や「背抜き完全分解」といったメニューを掲げている業者であれば、ファンを取り外して洗浄してくれます。依頼前に必ず作業内容を確認しましょう。

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まとめ:リスクを理解した上で、徹底的なカビ対策を

エアコンのローラー(シロッコファン)の外し方について、詳細な手順と注意点を解説しました。

  • 準備が8割:ロングドライバーなどの適切な道具がないと詰みます。
  • 構造の理解:ドレンパンや隠しネジの位置を把握しましょう。
  • 戻し方が重要:軸の向きを合わせないと異音の原因になります。

自分でローラーを外して洗浄できれば、費用をかけずに最高の空気環境を手に入れることができます。しかし、少しでも「自分には難しそうだ」「壊すのが怖い」と感じた場合は、無理をせずプロに任せるのが賢明な判断です。

この記事を参考に、あなたのエアコンがリフレッシュされ、快適な毎日が過ごせるようになることを願っています。

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