「半日出かける時、エアコンは消すべき?それともつけっぱなし?」
「寝る時に5時間のタイマーを設定しているけれど、電気代はいくらかかるの?」
電気代が高騰する中、少しでも無駄な出費は抑えたいですよね。特に「5時間」という時間は、消すか迷う微妙なラインではないでしょうか。
結論からお伝えすると、5時間の外出なら「エアコンは消した方が確実にお得」です。
この記事では、エアコンを5時間使用した際の具体的な電気代を畳数別に算出し、「つけっぱなし」で損をしないための境界線を最新基準で解説します。これを読めば、もうリモコンの前で迷うことはなくなります。
エアコンを5時間稼働させた時の電気代一覧表
まずは、エアコンを5時間稼働させた時にかかる実際のコストを把握しましょう。
エアコンの電気代は、部屋の広さ(対応畳数)やパワーによって大きく異なります。公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金目安単価(31円/kWh)をもとに、サイズ別の目安を計算しました。
部屋の広さ別コスト比較
一般的なエアコンの平均的な消費電力をもとに試算した結果が以下の通りです。
| 広さ | モード | 1時間の電気代 | 5時間の電気代 |
|---|---|---|---|
| 6畳用 (2.2kW) |
冷房 | 約14円 | 約70円 |
| 暖房 | 約16円 | 約80円 | |
| 10畳用 (2.8kW) |
冷房 | 約19円 | 約95円 |
| 暖房 | 約22円 | 約110円 | |
| 14畳用 (4.0kW) |
冷房 | 約25円 | 約125円 |
| 暖房 | 約30円 | 約150円 |
この表からわかるように、一人暮らし向けの6畳タイプであれば、5時間使っても冷房なら缶コーヒー1本分以下で済むことが多いです。一方、リビング用の大きなエアコンで暖房を使うと、5時間で150円以上かかるケースもあります。

5時間の外出は消すべき理由
「エアコンはつけっぱなしの方が安い」という噂を聞いたことがあるかもしれません。しかし、5時間の不在に関しては、間違いなく「電源を切る」のが正解です。
なぜそう言い切れるのか、メーカーの実証データをもとに解説します。
損益分岐点は30分から1時間
エアコンの世界的メーカーであるダイキン工業が行った実験によると、日中の冷房において「つけっぱなし」がお得になるのは、「30分程度の外出」までという結果が出ています。
- 30分以内の外出:つけっぱなし推奨(再起動の電力負荷が高いため)
- 1時間以上の外出:こまめに消す推奨
- 5時間の外出:消した方が大幅に安い
5時間も誰もいない部屋を冷やし続ける電力(約70円〜150円)は、帰宅後に部屋を一気に冷やすための電力(約20円〜40円程度)をはるかに上回ります。
暖房の場合の判断基準
冬の暖房は、外気温と室温の差が大きいため、冷房よりも立ち上がり時の消費電力が激しくなります。
そのため、冷房よりは「つけっぱなしがお得な時間」が少し伸びる傾向にありますが、それでも5時間は長すぎます。2時間以内の外出ならつけっぱなしを検討しても良いですが、5時間空けるならオフにして出かけましょう。
就寝時の5時間タイマーは正解?
外出時だけでなく、「寝る時に5時間の切タイマーをかけている」という方も多いですよね?
健康面と電気代のバランスを考えると、5時間という設定は理にかなっているのでしょうか。
夏の就寝時はつけっぱなし推奨
近年の猛暑においては、夏は朝までつけっぱなしにすることを強くおすすめします。
5時間でタイマーが切れると、明け方の4時や5時に室温が上昇し、睡眠の質が下がるだけでなく熱中症のリスクも高まります。先ほどの計算の通り、6畳用エアコンなら8時間つけっぱなしでも一晩約120円程度です。
5時間で切って数十円を節約するよりも、翌日のパフォーマンスと健康を守る方がコストパフォーマンスは高いと言えます。
冬は「起床1時間前」に入る設定を
冬の場合は、布団に入ってしまえば寒さはしのげるため、タイマーで切るのも有効です。
おすすめは「切タイマー」ではなく、「入タイマー(おはようタイマー)」の活用です。起きる1時間前に暖房が入るようにセットしておけば、布団から出る時の辛さを解消しつつ、就寝中の無駄な電気代をカットできます。
電気代を極限まで下げる3つの技
エアコンを5時間使うとしても、使い方ひとつで電気代はさらに安くなります。今日からできる具体的な節約術を3つ紹介します。
風量は「自動」一択にする
「弱風」や「微風」が一番安いと思っていませんか?実はこれが一番の落とし穴です。
弱風だと設定温度になるまで時間がかかり、コンプレッサー(エアコンの心臓部)が長時間フル稼働してしまいます。「自動」設定なら、最初は強風で一気に冷やし、設定温度になったら微風で維持するという、最も効率の良い運転を機械が勝手に行ってくれます。
サーキュレーターで空気を攪拌
冷たい空気は床に、暖かい空気は天井に溜まります。この温度ムラがあると、エアコンは「まだ設定温度になっていない」と勘違いして無駄に働き続けます。
サーキュレーターを併用して空気を混ぜるだけで、体感温度が変わり、設定温度を冷房なら1℃上げ、暖房なら2℃下げることができます。これで電気代は約10〜20%削減可能です。
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2週間に1回のフィルター掃除
フィルターがホコリで目詰まりしていると、空気を吸い込むのに余計なパワーを使います。環境省のデータによると、フィルター掃除をするだけで年間約860円〜990円の節約になるとされています。
「最近、効きが悪いな」と感じたら、まずはフィルターをチェックしてみてください。

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よくある質問(Q&A)
最後に、エアコン利用に関する細かい疑問を解決しておきましょう。
A. いいえ、安くありません。「弱冷房除湿」なら冷房と同程度ですが、「再熱除湿」という方式だと冷房よりも電気代が高くなります。どちらにせよ5時間の不在なら消した方がお得です。湿気が気になる場合は、エアコンではなく消費電力の少ない除湿機を使うのがおすすめです。
A. 古い機種の場合、もう少し高くなる可能性があります。最新機種は省エネ性能が格段に進化しています。もし10年以上前のモデルを使っているなら、記事内の目安の1.2倍〜1.5倍程度の電気代がかかると見積もっておいた方が安全です。
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A. いいえ、ペットがいる場合は迷わずつけっぱなしにしてください。犬や猫は人間よりも体温調節が苦手です。数百円の電気代よりも、大切な家族の命と健康を優先しましょう。設定温度は少し高め(28度程度)でも十分効果があります。
まとめ
エアコンを5時間使用した場合の電気代と、つけっぱなしの判断基準について解説しました。
今回のポイントを振り返りましょう。
- 5時間の電気代は、6畳用なら冷房約70円、暖房約80円が目安
- 5時間の外出であれば、必ず電源をオフにする(つけっぱなしは損)
- つけっぱなしがお得なのは「30分以内の外出」まで
- 夏の就寝時は、5時間タイマーよりも「朝までオン」が健康的に推奨される
- 風量は「自動」、サーキュレーター併用でさらに節電可能
「5時間」という時間は、外出するなら「消す」、寝る時なら「状況に応じて判断する」というのが正解です。
電気代の目安を知ることで、過度に恐れることなく、快適にエアコンを使えるようになったのではないでしょうか。ぜひ、ご自身のライフスタイルに合わせて、賢くエアコンを活用してください。
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