「リモコンのボタンを押しても反応がない…本体の運転ランプすらつかない…」
真夏や真冬にエアコンが動かなくなると、パニックになってしまいますよね。しかし、修理業者を呼ぶのは少し待ってください。実は、エアコンの運転ランプがつかない原因の多くは、故障ではなく「電源周り」や「設定」のうっかりミスなのです。
この記事では、エアコンの運転ランプがつかない時に、誰でもすぐにできる7つの確認ポイントと復旧方法を網羅的に解説します。これを読めば、無駄な修理費用をかけずに問題を解決できるかもしれません。
まずは電源供給を確認する
エアコンの運転ランプが全く点灯しない場合、そもそも本体に電気が届いていない「電源供給のトラブル」が最も疑われます。基本中の基本ですが、意外と見落としがちなポイントから見ていきましょう。
コンセントプラグの状態
掃除の際や、長期間使用していなかった時期にコンセントを抜いていませんか?
- プラグが奥までしっかりと刺さっているか
- プラグが半抜けになっていないか
一度プラグを抜き、もう一度奥までしっかりと差し込んでみてください。これだけであっさり動くこともよくあります。

ブレーカー落ちの確認
エアコンは消費電力が大きいため、通常の家電とは別に専用のブレーカーが設置されていることがほとんどです。
- 分電盤の「エアコン」と書かれた小さなスイッチが「切」になっていないか
- 家全体の契約ブレーカーが落ちていないか
もしエアコンのブレーカーだけが落ちていた場合、一度だけ「入」に戻して様子を見てください。すぐにまた落ちる場合は漏電の危険性があるため、無理に使用せず電気工事店へ相談しましょう。
リモコンの不具合を疑う
本体は正常でも、命令を送る司令塔である「リモコン」が壊れていれば、運転ランプはつきません。リモコンが原因かどうかを切り分ける方法を紹介します。
電池切れと接触不良
液晶画面が表示されていても、信号を飛ばすパワーが残っていないことがあります。
- 新しい電池(アルカリ電池推奨)に交換してみる
- プラスマイナスの向きが合っているか確認する
- 電池ボックスのバネに液漏れの跡やサビがないか確認する
スマホで赤外線チェック
肉眼では見えませんが、スマートフォンのカメラを使えばリモコンの信号が出ているか確認できます。
- スマホのカメラを起動する
- リモコンの送信部(先端)をカメラレンズに向ける
- 運転ボタンを押す
スマホの画面上で送信部が光って見えればリモコンは正常です。光らない場合はリモコンの故障ですので、リモコンの買い替えが必要です。
見落としがちな設定ミス
「壊れた!」と思う前に、エアコンの設定を確認しましたか?実は、正常に動作していても「ランプがつかないように設定されている」場合があります。
ランプ消灯設定の可能性
最近のエアコンには、就寝時に眩しくないよう「運転ランプの明るさを調整する機能」や「消灯モード」が搭載されているものがあります。
- リモコンの「メニュー」や「機能」ボタンを確認する
- 「表示」「明るさ」といった項目がないか探す
知らぬ間にこの設定がオンになっていると、エアコンは動いていてもランプはつきません。

予約タイマーの状態
「入タイマー」が設定されている場合、設定時刻になるまで運転ランプがつかない、または点滅状態で待機することがあります。意図せずタイマーボタンを押してしまっていないか、リモコンの液晶画面を確認しましょう。
本体のリセットを試す
パソコンがフリーズした時に再起動するように、エアコンも内部の基板(マイコン)をリセットすることで不具合が解消されるケースが非常に多いです。これが最も効果的な復旧方法の一つです。
効果的なリセット手順
| 手順1 | エアコンを停止し、電源プラグをコンセントから抜く |
|---|---|
| 手順2 | 1分〜5分程度そのまま待つ(内部の電気を放電させる) |
| 手順3 | プラグを再び差し込み、リモコンで運転操作を行う |
プラグを抜くのが難しい場合は、ブレーカーを落とすことでも同じ効果が得られます。
応急運転で故障を切り分け
リモコンが反応しない場合、エアコン本体についている「応急運転スイッチ」を使います。
前面パネルを開けた右下や、本体表面にある小さなボタンを押してみてください。これでエアコンが動き出し、運転ランプがつくようであれば、エアコン本体は正常で、リモコンか受光部の故障と断定できます。
それでも解決しない場合
ここまで紹介した方法をすべて試しても運転ランプがつかない場合、残念ながら本体内部の基板やヒューズ、ファンモーターなどの故障が考えられます。
メーカー別の修理窓口
ご自身で分解するのは危険ですので、メーカーまたは購入店へ修理を依頼しましょう。主要メーカーのサポートページへのリンクを参考にしてください。
- パナソニック:エアコン サポート
- ダイキン:お客様サポート
- 三菱電機:霧ヶ峰 お客様サポート
- 日立:ルームエアコン お客様サポート
修理費用の目安と寿命
エアコンの標準使用期間(寿命)は約10年とされています。
- 購入から10年未満:修理がおすすめ(保証期間内か確認を)
- 購入から10年以上:部品がない可能性も高く、買い替えがお得
基板交換などの修理費用は、一般的に1.5万円〜3万円程度かかることが多いです。
よくある質問(Q&A)
A. 「つかない」のではなく「点滅」している場合は、エアコンからのSOS(エラーコード)です。点滅回数によって故障箇所を知らせています。一度リセット(プラグ抜き差し)を試し、それでも直らなければ修理が必要です。
A. 暖房運転の開始直後は「予熱運転(デフロスト運転など)」を行うため、風が出ず、機種によってはランプの点灯状態が変わることがあります。故障ではない可能性があるため、10分〜15分ほど様子を見てください。

まとめ:確認順序を守って冷静に対処を
エアコンの運転ランプがつかない原因と対処法について解説しました。最後に、行うべき手順を再確認しましょう。
- コンセントとブレーカーの確認
- リモコンの電池交換と赤外線チェック
- 表示設定(ランプ消灯)の確認
- コンセント抜き差しによる本体リセット
- 応急運転ボタンでの動作確認
これらを順番に試すことで、多くのトラブルは解決します。もしご自身での復旧が難しい場合は、無理をせず専門家の力を借りてください。適切な対処で、快適な空気環境を早く取り戻しましょう。
