「リビングと寝室、エアコンを二台同時に使ったら電気代はいくらになるんだろう…」
「夏の電気代が怖いけど、暑さや寒さを我慢したくない」
複数の部屋でエアコンを使いたいけれど、エアコン二台の電気代がどれほど高くなるのか、不安に感じる方は多いですよね。
この記事では、エアコンを二台使用した場合の電気代の目安、ブレーカーが落ちる心配、そしてすぐに実践できる7つの賢い節約術まで、あなたの疑問を徹底的に解説します。
この記事を読めば、電気代を賢く抑えつつ、家族みんなが快適な室温を手に入れる方法がわかります。
エアコン二台の電気代はいくら?
結論から言うと、当然ですが二台同時に使えば電気代は高くなります。しかし、使い方やエアコンの性能によって、その金額は大きく変わります。
まずは、二台使用した場合の電気代の目安を見ていきましょう。
二台同時使用時の電気代の計算方法と目安
電気代は以下の計算式で求められます。
※消費電力(kW) = 消費電力(W) ÷ 1000
※電力量料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWh(税込)で計算します。(参照:公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会)
例えば、6畳用エアコン(消費電力500W)と10畳用エアコン(消費電力800W)を同時に1時間使用した場合、
- 6畳用:0.5kW × 1h × 31円/kWh = 15.5円
- 10畳用:0.8kW × 1h × 31円/kWh = 24.8円
- 合計:40.3円(1時間あたり)
これを1日8時間、30日間使用すると、約9,672円になります。あくまで一例ですが、二台分の電気代がしっかりとかかることがわかりますね。
【比較】一台つけっぱなしとの電気代
よく「エアコンはつけっぱなしの方が安い」と聞きますよね。これは、エアコンが最も電力を消費するのが「室温を設定温度まで急速に変化させる運転開始時」だからです。
外気温と設定温度の差が大きい猛暑日や、建物の断熱性が低い場合、30分~1時間程度の短時間の外出であれば、つけっぱなしの方がトータルの消費電力が少なくなる可能性が高いです。
しかし、二台のエアコンを両方とも24時間つけっぱなしにするのは、さすがに電気代がかさみます。人の出入りが激しいリビングはつけっぱなしにし、寝室はタイマーを使うなど、部屋の用途に合わせて使い分けるのが現実的です。
夏の冷房と冬の暖房の電気代の違い
エアコンの電気代は、夏よりも冬の方が高くなる傾向があります。なぜなら、外気温と設定温度の差が、夏よりも冬の方が大きいからです。
- 夏の冷房:外気温35℃ → 設定28℃(差 7℃)
- 冬の暖房:外気温 5℃ → 設定20℃(差 15℃)
このように、冬は室温を上げるためにより大きなパワーが必要となります。そのため、二台同時に暖房を使うと、冷房時よりも電気代が跳ね上がる可能性があるので注意が必要です。

特に暖房は消費電力が大きいので、二台同時使用は家計に響きやすいです。冬こそ、後述する節約術が重要になりますよ!
エアコン二台でブレーカーは落ちる?
エアコンを二台同時に使ったとき、もう一つの心配事が「ブレーカーが落ちる」ことではないでしょうか。特に古い住宅や、契約アンペア数が小さいご家庭では現実的な問題です。
エアコンに必要なアンペア数
エアコンは起動時に大きな電力(アンペア)を必要とします。一般的な目安は以下の通りです。
| 畳数目安 | 起動時の電流(目安) |
|---|---|
| 6畳用 | 約10~15A |
| 10畳用 | 約15~20A |
| 14畳用以上 | 20A以上(専用回路推奨) |
※あくまで目安です。正確な数値は機種により異なります。
二台同時に起動すると、一時的に25A~35A以上の電流が流れる可能性があります。
契約アンペアの確認と変更方法
ご家庭の契約アンペア数は、分電盤(ブレーカー)に記載されている「アンペアブレーカー」の色や数字で確認できます。(例:30A、40Aなど)
もし契約アンペアが30Aの場合、エアコン二台を同時に起動し、さらに電子レンジ(約15A)やドライヤー(約12A)を使うと、契約アンペアを超えてブレーカーが落ちる可能性が非常に高いです。
エアコンを二台以上同時に使う場合は、契約アンペアを40A以上に見直すことを検討しましょう。契約アンペアの変更は、契約している電力会社に連絡すれば対応してもらえます(工事が必要な場合もあります)。
ブレーカーを落とさないための工夫
契約アンペアをすぐ変更できない場合でも、工夫次第でブレーカーが落ちるのを防げます。
- 時間差で起動する: 最も電力がかかる起動時をずらす(例:1台目を起動して5分後に2台目を起動する)
- 他の大型家電と同時に使わない: 電子レンジ、ドライヤー、炊飯器、食洗機などとの同時使用を避ける
- 運転モードを調整する: 起動時のパワーを抑える「弱運転」や「セーブ運転」モードがあれば活用する(ただし効率は悪くなる可能性あり)
エアコン二台の電気代を節約する賢い方法7選
電気代が気になるエアコン二台使いですが、工夫次第で賢く節約できます。今日から実践できる7つの方法をご紹介します。
1. 自動運転を最大限に活用する
節約のために「弱運転」を使っていませんか?実は、最も効率的なのは「自動運転」です。
自動運転は、室温が設定温度になるまでは強風で一気に冷や(暖め)、その後は微風で温度をキープするように、AIが最も効率の良い運転を自動で選択してくれます。無駄な電力消費を抑える最適な方法です。
2. フィルター掃除をこまめに行う
エアコンのフィルターが目詰まりすると、空気を吸い込む力が弱まり、部屋を冷やす(暖める)ためにより多くのパワーが必要になります。
経済産業省 資源エネルギー庁によると、フィルターを月に1~2回清掃することで、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減につながるとされています。(参照:経済産業省 資源エネルギー庁)
二台ある分、手間は二倍ですが、節約効果も二倍になります。
3. サーキュレーターや扇風機を併用する
冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすい性質があります。サーキュレーターや扇風機を併用して室内の空気を循環させましょう。
これにより、部屋全体の温度ムラがなくなり、エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも約10%の節電効果が期待できます。
- 冷房時:エアコンに背を向け、床に溜まる冷気を循環させる
- 暖房時:エアコンに向け、天井に溜まる暖気を循環させる
4. 室外機の周辺環境を整える
見落としがちなのが室外機です。室外機の周りに物を置いたり、雑草が生い茂っていたりすると、熱交換の効率が著しく低下します。
- 室外機の周りはスペースを空ける
- 直射日光が当たる場合は「すだれ」などで日陰を作る(吹き出し口は塞がない)
- 冬場に雪が積もる地域では、雪に埋もれないよう対策する
5. 部屋の断熱性を高める
エアコンの効率は、部屋の断熱性に大きく左右されます。窓から熱が出入りする割合は非常に大きいです。
- カーテンを閉める: 特に厚手や遮熱・断熱効果のあるカーテンは効果大
- 窓に断熱シートを貼る: ホームセンターなどで手軽に入手可能
- ドアの開閉を最小限にする: 部屋間の熱の移動を防ぐ
せっかく調整した室温を逃がさない工夫が、節電につながります。
6. 電力会社のプランを見直す
エアコンを二台使う(=電気使用量が多い)家庭は、電力会社のプランを見直すだけで電気代が安くなる可能性があります。
特に日中は仕事で不在がちで、夜間や休日にエアコンの使用が集中するご家庭は、時間帯別料金プラン(夜間電力)が有利になるケースがあります。一度、契約中の電力会社のサイトでシミュレーションしてみることをおすすめします。
7. 最新の省エネ機種に買い替える
もしお使いのエアコンが10年以上前のものであれば、買い替えが最も効果的な節約術かもしれません。
近年のエアコンの省エネ性能は飛躍的に向上しています。10年前の機種と最新機種では、期間消費電力量が半分近くになっているケースも珍しくありません。
二台同時に買い替えるのは初期費用がかかりますが、長期的に見れば毎月の電気代で元が取れる可能性が高いです。
【購入前】大型一台 vs 小型二台、どっちが得?
これから二台目の購入を検討している方や、広いリビングダイニング(LDK)にエアコンを設置する場合、「ハイパワーな大型一台」と「小型二台」で迷うケースがありますよね。
間取りと使い方で判断する
結論としては、間仕切りがある、または時間帯で使う場所が分かれるなら二台設置が有利です。
- 大型一台が有利なケース:
- 間仕切りのない一つの広い空間(例:20畳のLDK)
- 常に空間全体を冷やしたい(暖めたい)
- 小型二台が有利なケース:
- リビングとダイニングキッチンなど、間仕切りで分けられる
- 日中はリビング、夜は寝室など、使う場所・時間が異なる
- 片方だけ使いたい時が多い
小型二台の方が、必要な場所だけを効率よく運転できるため、電気代の節約につながりやすいです。ただし、本体の購入費用や設置費用は二台分かかります。
設置時の電源(専用回路)に注意
エアコンは消費電力が大きいため、基本的に「エアコン専用回路(コンセント)」が必要です。二台目を設置する場合、その部屋に専用回路があるかを確認してください。
もし専用回路がない場合、通常のコンセントから分岐して使うと、発火やブレーカーが落ちる原因となり非常に危険です。必ず電気工事業者に依頼し、専用回路の増設工事を行ってください。
よくある質問(Q&A)
A. 機種にもよりますが、6畳用(消費電力500W)と8畳用(消費電力650W)と仮定した場合、1時間あたりの電気代の目安は合計で約35.7円(15.5円+20.2円)となります。※電力単価31円/kWhで計算。
A. お使いのエアコンの「消費電力(W)」を確認し、「(Aの消費電力W + Bの消費電力W) ÷ 1000 × 31円」で計算できます。例えば、二台の消費電力が合計1500Wなら、1時間あたり約46.5円です。消費電力はカタログや本体のシールで確認できます。
A. 二台とも常につけっぱなしにするのは、電気代の観点ではおすすめできません。人の出入りが激しく、使用時間が長いリビングは「つけっぱなし」が有利な場合もありますが、使用時間が短い寝室や子供部屋は「こまめに消す」か「タイマーを活用する」のが賢明です。
A. 環境省は冬の暖房時の室温目安を20℃としています。二台使う場合も、基本は20℃を目安にし、サーキュレーターや加湿器(湿度を上げると体感温度が上がる)を併用して、設定温度の上げすぎを防ぐのが節約のコツです。
まとめ:エアコン二台でも賢く節電しよう
いかがでしたか? エアコンを二台使うと電気代は確かに高くなりますが、避けられない出費と諦める必要はありません。
今回の記事のポイントを再確認しましょう。
- エアコン二台の電気代は「消費電力」と「使用時間」で決まる
- 冬の暖房は、冷房より電気代が高くなりがち
- ブレーカー落ちは「契約アンペア確認」と「時間差起動」で対策
- 「自動運転」「フィルター掃除」「サーキュレーター併用」は必須の節約術
- 「断熱性アップ」や「電力プラン見直し」も効果大
- 10年以上前の機種なら「買い替え」が最大の節約になることも
エアコン二台の電気代を恐れるのではなく、それぞれのエアコンの特性と部屋の状況を理解し、効率よく使うことが重要です。
今回ご紹介した7つの節約術を実践して、電気代を賢く抑えながら、快適な生活を手に入れましょう。
