エアコンをつけたら、酸っぱいニオイやホコリっぽい悪臭がしませんか? 吹き出し口を覗き込むと、黒い点々(カビ)が見えてゾッとした…そんな経験があるかもしれません。
そのカビ、見て見ぬフリをしていませんか? エアコン内部のカビを放置すると、家族が深刻な健康被害を受けるリスクや、電気代が余計にかかる原因になります。
この記事では、エアコンのカビがなぜ発生するのか、放置するとどうなるのか、そして最も効果的な除去方法であるプロの「エアコンクリーニング」について徹底解説します。自分でできる掃除の限界と、失敗しない業者選びのコツまで網羅。この記事を読めば、カビの悩みから解放され、快適で安全な空調を取り戻す方法がすべてわかります。
エアコンにカビが繁殖する3つの原因
なぜ、あれほどエアコンの内部はカビだらけになってしまうのでしょうか。カビが好む条件を知ることで、対策のヒントが見えてきます。
カビが繁殖するには、主に以下の3つの条件が揃う必要があります。
- 湿度:70%以上
- 温度:20℃~30℃
- 栄養源:ホコリ、汚れ、人間の皮脂など
エアコン、特に冷房や除湿運転中は、これら3つの条件が完璧に揃ってしまいます。
まず、冷房運転をすると、室内の暖かい空気がエアコン内部で急激に冷やされます。このとき、内部の「熱交換器(アルミフィン)」という部品が結露し、大量の水滴が発生します(=高い湿度)。
そこへ、室内の空気を吸い込む際に、カビの栄養源となるホコリやキッチンの油煙、人間の皮脂汚れも一緒に吸い込まれます。そして、エアコンが快適に稼働する温度(=カビが好む温度)が維持されるため、エアコン内部はカビにとって絶好の繁殖場所となってしまうのです。
放置厳禁!エアコンのカビが引き起こす3大リスク
「少し臭うだけ」「見えないところだから」とエアコンのカビを放置すると、目に見えない胞子が風に乗って部屋中に撒き散らされ、深刻な事態を引き起こす可能性があります。
リスク1:深刻な健康被害(アレルギー・肺炎)
カビの胞子を日常的に吸い込むことで、さまざまな健康被害につながる恐れがあります。
特にエアコン内部で繁殖しやすいのは、「アスペルギルス」や「クラドスポリウム(黒カビ)」といった種類のカビです。これらは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などを引き起こしたり、悪化させたりする原因となります。
中でも注意が必要なのが「夏型過敏性肺炎」です。これは、カビ(トリコスポロン)の胞子を吸い込むことで発症するアレルギー性の肺炎で、咳、発熱、倦怠感などの症状が出ます。エアコンを使い始める夏に症状が出やすいのが特徴です。(参照:日本呼吸器学会)

特に、免疫力が低い小さなお子様やご高齢の方、アレルギー体質の方がいるご家庭では、エアコンのカビ対策は非常に重要です。家族の健康を守るためにも、カビは徹底的に除去する必要があります。
リスク2:エアコン性能の低下と電気代の高騰
カビやホコリが熱交換器や送風ファンにびっしりと付着すると、空気の通り道が塞がれてしまいます。
その結果、エアコンは設定温度に到達させようと余計なパワーを使うことになり、冷暖房の効率が著しく低下。「なかなか冷えない」「暖まらない」と感じるだけでなく、無駄な電力を消費し、電気代が上がってしまう大きな原因になります。(参照:資源エネルギー庁「空調」)
リスク3:不快な悪臭の発生
エアコンをつけた瞬間に広がる、あの酸っぱいニオイや雑巾のような悪臭。その正体は、カビや雑菌が繁殖する際に発生させる代謝物(フンなど)のニオイです。せっかく快適な室温にしても、悪臭が漂う空間ではリラックスできません。
エアコンのカビは自分で掃除できる?限界と正しい手順
カビのリスクを知ると、「今すぐ自分で掃除しなきゃ!」と思いますよね。しかし、自分で安全に掃除できる範囲は非常に限られています。正しい手順と「限界」を知っておきましょう。
自分で掃除できるのはフィルターと外側だけ
一般の方が安全に掃除できるのは、基本的に以下の範囲のみです。
1. フィルターの掃除(2週間に1回が目安)
カビの栄養源となるホコリを除去する最も基本的な掃除です。
- エアコンの電源を切り、コンセントを抜く
- 前面パネルを開け、フィルターを取り外す
- フィルターの「表側」から掃除機でホコリを吸い取る
- 汚れがひどい場合は、「裏側」からシャワーで水洗いし、中性洗剤で優しく洗う
- 完全に乾かしてから元に戻す
※お掃除機能付きエアコンの場合、ダストボックスに溜まったホコリも定期的に捨ててください。
2. 吹き出し口(ルーバー)の掃除
目に見える黒カビを拭き取ります。
- 電源を切り、コンセントを抜く
- 水で薄めた中性洗剤を布に含ませ、固く絞る
- 吹き出し口のルーバー(羽)を優しく拭く
- (手が届く範囲で)内部の見える部分を拭く
- 乾いた布で乾拭きする
危険!自分で内部洗浄してはいけない理由
市販の「エアコン洗浄スプレー」を使ったDIY洗浄は、絶対に推奨できません。カビの根本原因である「熱交換器の奥」や「送風ファン」の洗浄は、プロの領域です。
- 故障・火災のリスク
エアコン内部には、電装部品(基板など)が集中しています。知識なくスプレーや水をかけると、ショートして故障したり、最悪の場合、火災につながったりする危険性が非常に高いです。 - カビを悪化させるリスク
スプレーの洗浄力は弱く、高圧洗浄機のように汚れを洗い流すことはできません。中途半端な洗浄は、汚れやカビを内部の奥深くに押し込むだけになる可能性があります。 - すすぎ残しによる腐食・カビの再発
スプレーの洗浄成分を完全に洗い流すことは不可能です。残った洗剤成分が、内部の金属部品を腐食させたり、新たなカビのエサになったりします。

注意点として、吹き出し口の奥にある「送風ファン」は絶対に自分で触らないでください。細い棒などで掃除しようとすると、ファンが破損してエアコンの買い替えが必要になるケースもあります。見えているカビ=内部はもっと酷い、と考えましょう。
要注意!お掃除機能付きエアコンこそカビの温床?
「うちはお掃除機能付きだから大丈夫」と思っていませんか? それは大きな誤解です。
なぜお掃除機能付きでもカビが生えるのか
お掃除機能付きエアコンの「お掃除機能」とは、一般的に「フィルターのホコリを自動で掃除する機能」のことを指します。
カビが最も繁殖する「熱交換器」や「送風ファン」の湿気や汚れは、一切掃除してくれません。むしろ、お掃除機能のロボットが搭載されている分、内部の構造が複雑で空気がこもりやすく、通常のエアコンよりもカビが生えやすいと指摘する専門家もいるほどです。
クリーニング料金が高い理由
お掃除機能付きエアコンは、プロのクリーニング料金が通常タイプより1.5倍~2倍ほど高くなります。これは、内部の構造が非常に複雑で、電装部品を安全に取り外す「分解」と「組み立て」に、専門知識と倍以上の時間が必要なためです。素人が触ると確実に故障する領域と言えます。
プロのエアコンクリーニング
自分でできない内部のカビは、プロの「エアコンクリーニング」で根本的に除去するのが唯一の方法です。プロが何をしてくれるのか、料金相場や業者選びのコツを見ていきましょう。
プロは何をしてくれる?基本的な作業工程
プロのクリーニングは、高圧洗浄機と専用洗剤を使い、カビや汚れを根こそぎ洗い流します。
▼プロによる分解洗浄の一般的な流れ
- 1. 動作確認:クリーニング前にエアコンが正常に動くか確認
- 2. 養生:エアコン周辺や家財道具が濡れないよう、ビニールで徹底的に保護
- 3. 分解:前面パネル、フィルター、ルーバー、お掃除機能ユニット(該当機種のみ)などを取り外す
- 4. 内部洗浄(高圧洗浄):専用洗剤を塗布し、熱交換器(フィン)や送風ファンに高圧洗浄機で水を噴射し、奥のカビや汚れを洗い流す
- 5. 部品洗浄:取り外した部品を浴室やベランダで洗浄
- 6. 乾燥・組み立て:内部と部品を乾燥させ、元通りに組み立てる
- 7. 最終確認:再度、動作確認を行い作業完了
この工程により、DIYでは不可能な内部の汚れ(洗浄後の真っ黒な汚水を見て驚く方も多いです)を徹底的に除去できます。
クリーニングの料金相場と頻度の目安
料金相場と、依頼すべき頻度の目安をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金相場(通常タイプ) | 8,000円 ~ 12,000円 |
| 料金相場(お掃除機能付き) | 13,000円 ~ 20,000円 |
| 推奨される頻度 | 1年~2年に1回 (リビングなど使用頻度が高い、ペットや喫煙者がいる、アレルギー体質の方がいる場合は年1回推奨) |
| 依頼すべきサイン | ・吹き出し口に黒いカビが見える ・酸っぱい、カビ臭いニオイがする ・フィルター掃除をしても効きが悪い |
失敗しないエアコンクリーニング業者の選び方
「どこに頼めばいいかわからない」という方のために、業者選びの比較ポイントを解説します。
| タイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 大手ハウスクリーニング | ・研修がしっかりしており安心感がある ・損害賠償保険や保証が手厚い |
・料金が比較的高め ・作業員を指名できない |
| 地域の個人業者 | ・料金が比較的安い場合がある ・地域密着で融通が利きやすい |
・技術や対応にムラがある ・保険や保証の有無を要確認 |
| マッチングサイト (ユアマイスター等) |
・料金や口コミを比較して選べる ・相場より安く依頼できる可能性 ・サイト独自の保証がある |
・登録業者が多すぎて迷う可能性 (そのための比較機能) |
「大手は高いし、個人業者は当たり外れが怖い…」という方に最適なのが、「ユアマイスター」のようなマッチングプラットフォームです。 ![]()
業者選びに迷ったらユアマイスターがおすすめな理由
「ユアマイスター」は、エアコンクリーニングを含む100以上のサービスで、プロの職人と利用者を繋ぐ人気のプラットフォームです。
理由1:口コミ・料金・サービス内容を比較して選べる
最大のメリットは、全国各地の登録プロの情報を「比較検討」できることです。実際にサービスを利用した人のリアルな口コミ評価や、料金設定、サービス内容(抗菌コートの有無など)を一覧で比べられるため、「こんなはずじゃなかった」という失敗を防げます。
厳正な審査を経たプロが登録されており、万が一のトラブル時もユアマイスターが間に入る安心感があります。
理由2:選ぶのが面倒ならおまかせマイスターが早い
「比較する時間もない」「とにかく早くカビを何とかしたい」という方には、「おまかせマイスター」機能が便利です。
希望の日時とクリーニング内容を入力するだけで、ユアマイスターが最適なプロを自動で手配してくれます。料金も相場より安価に設定されていることが多く、予約まで最短で完了します。

エアコンクリーニングは、カビが本格的に繁殖する梅雨前や、冷房シーズンが終わった秋口が比較的予約が取りやすくおすすめです。カビが目に見える状態なら、すぐにでも依頼しましょう!
クリーニング後に実践!エアコンのカビ予防策
プロのクリーニングでカビをリセットしたら、今後はカビを発生させない「予防」が重要です。今日からできる簡単な習慣をご紹介します。
- 最重要:冷房・除湿後は「内部クリーン」または「送風」運転
運転停止後に1〜2時間、送風運転(または内部クリーン機能)を行い、内部の湿気を完全に乾燥させます。これが最も効果的なカビ予防です。 - こまめなフィルター掃除(2週間に1回目安)
カビの栄養源となるホコリを取り除きます。 - 定期的な部屋の換気
部屋全体の湿度を下げ、カビの胞子を屋外に排出します。 - 室温20℃以上で暖房運転を(月1回)
エアコンを使わない時期も、月1回ほど1時間程度「暖房運転」をすると、内部を乾燥させることができます。
よくある質問(Q&A)
A1. エアコンが「備え付け」の場合、日常のフィルター掃除は入居者の義務ですが、内部の分解洗浄(クリーニング)は、大家さん(管理会社)が負担してくれるケースが多いです。
ただし、入居者の過失(タバコのヤニ汚れがひどい、フィルター掃除を全くしていない等)が原因の場合は、入居者負担となることも。まずは管理会社や大家さんに「エアコンからカビ臭がする」と相談してみましょう。
A2. 機種によりますが、通常タイプで約1時間~1時間半、お掃除機能付きタイプで約2時間~3時間が目安です。作業中はエアコンを停止させるため、真夏や真冬を避けて依頼するのがおすすめです。
A3. 一定の予防効果は期待できますが、持続期間は短いです。また、カビが既に発生している状態でスプレーしても効果はありません。プロのクリーニングでカビをゼロにした後、予防としてフィルターなどに使用するのが正しい使い方です。
まとめ:エアコンのカビは健康被害の前にプロのクリーニングで対策を
エアコン内部のカビは、悪臭や電気代の無駄遣いだけでなく、家族の健康を脅かす重大なリスクです。目に見えるカビやニオイは、内部が想像以上に汚れているサイン。市販のスプレーでのDIY洗浄は故障や火災のリスクが高く、カビを悪化させる可能性すらあります。
エアコンのカビ対策の最適解は、「1~2年に1回のプロによる分解洗浄」と「日々の送風運転による乾燥予防」です。
どの業者に頼むか迷ったら、「ユアマイスター」で口コミや料金を比較すれば、安心して任せられるプロが見つかります。カビだらけのエアコンから出る汚れた空気を吸い続ける前に、根本的なカビ対策を始めましょう。


