賃貸(入居中)のエアコンクリーニング代は誰が負担？ 連絡手順と費用を抑える業者選びの全知識

「賃貸のエアコンからカビ臭いニオイが…」
「入居中にクリーニングしたいけど、費用は大家さん？ 自己負担？」
「そもそも、管理会社に勝手に頼んだらマズい？」

賃貸物件の備え付けエアコンの汚れ、気になりますよね。特に入居中のエアコンクリーニングは、「費用負担」や「連絡の要否」など、賃貸ならではのルールが多くて悩ましいものです。

もし、その汚れを放置してしまうと、健康被害や電気代の高騰、さらには退去時のトラブルにつながる可能性も…

この記事では、賃貸（入居中）のエアコンクリーニングで失敗しないための全知識を徹底解説。費用負担の原則から、大家さんへの交渉術、正しい連絡手順、そして費用を抑える業者の選び方まで、あなたの疑問をすべて解決します。

放置は危険！ 賃貸のエアコンの汚れを放置する3つの深刻リスク

「フィルター掃除はしてるし、まだ大丈夫」と汚れを放置していませんか？エアコン内部の汚れは、あなたが思っている以上に深刻なリスクを招きます。

リスク1：カビやホコリによる健康被害

エアコン内部は、ホコリを栄養源に、結露で湿気がこもり、カビにとって最適な環境です。
そのカビの胞子やハウスダストが、エアコンの風に乗って部屋中にまき散らされます。
咳やくしゃみ、アレルギー性鼻炎、さらには夏型過敏性肺炎といった健康被害を引き起こす原因になるため、特に小さなお子様やアレルギー体質の方がいるご家庭は注意が必要です。

リスク2：電気代の高騰

内部のフィルターやフィンがホコリで目詰まりすると、エアコンは空気を効率よく冷やしたり暖めたりできなくなります。
設定温度に到達させようと、余計なパワーを使うため、電気代が大幅に上がってしまうのです。
クリーニングすることで、冷暖房効率が回復し、節電につながります。

リスク3：エアコンの故障・寿命の短縮

汚れを放置すると、エアコンに過度な負荷がかかり続けます。
その結果、水漏れや異音、最終的には故障につながるケースも少なくありません。
もし故障した場合、あなたの「清掃不足（善管注意義務違反）」が原因と判断されると、高額な修理費用や交換費用を請求される可能性があり、これは退去時の大きなトラブルとなります。

賃貸（入居中）のエアコンクリーニング、費用は誰が負担？

最も重要な「費用負担」の問題。結論から言うと、「通常の生活で発生した汚れ」のクリーニング費用は、原則として入居者（借主）の負担です。

原則は入居者（借主）の負担（善管注意義務）

賃貸契約では、入居者に「善管注意義務（ぜんかんちゅういぎむ）」があります。

エアコンのフィルター掃除などを怠った結果、内部にカビや汚れが蓄積した場合、そのクリーニングは入居者の責任範囲と判断されます。
また、故障ではない「ニオイ」や「汚れ」の除去は、生活の快適性を高めるための「維持管理」と見なされるため、入居者が費用を負担するのが一般的です。

大家（貸主）が負担すべきケース

ただし、以下のようなケースでは、大家さん（貸主）が費用を負担すべき、あるいは交渉の余地があります。

• 入居してすぐに（1ヶ月以内など）ニオイや汚れが発覚した
• エアコンの「機能不全（水漏れ、冷えない、暖まらない）」を伴う
• 専門業者が見て「経年劣化」による汚れや不具合だと判断された
• （まれに）賃貸借契約書に「定期クリーニングは貸主負担」と記載がある

これらの場合は、自分で業者を手配する前に、必ず管理会社や大家さんに相談してください。

費用負担を大家さんに交渉する上手な伝え方

自己負担が原則とはいえ、状況次第では交渉が可能です。
上記の「大家負担のケース」に当てはまりそうな場合、以下のように伝えてみましょう。

感情的に「臭いから何とかしろ」と伝えるのではなく、「入居時から」「機能不全がある」といった客観的な事実を冷静に伝えるのが交渉のコツです。

自分で設置したエアコンの場合

当然ながら、大家さんの許可を得て、自分で購入・設置したエアコンの場合は、所有者はあなたです。
クリーニング費用は100%自己負担となり、管理会社への連絡も原則不要です。

トラブル回避！ 業者依頼前に必須の3つの手順

「費用は自己負担でOK」と決めた場合でも、すぐに業者を探してはいけません。
賃貸物件の備品である以上、必ず以下の手順を踏んでください。

ステップ1：賃貸借契約書を確認する

まずは、入居時に交わした「賃貸借契約書」と「重要事項説明書」の「設備」や「修繕」に関する項目を確認します。

• 「エアコンクリーニングは貸主指定の業者に限る」
• 「退去時にクリーニング費用を徴収する」

このような特約が記載されている場合があります。まずはルールを確認しましょう。

ステップ2：管理会社（大家）へ必ず連絡・相談する

契約書を確認したら、次に必ず管理会社（または大家さん）に連絡を入れます。

伝えるべき内容は以下の3点です。

1. エアコンの現状（ニオイ、カビ汚れなど）
2. クリーニング業者を手配して清掃したい旨
3. 費用は自己負担する意思があること

「自己負担でクリーニングしたい」と伝えれば、大抵の場合は許可が下ります。この「連絡して許可を得た」という事実が、後のトラブル防止に非常に重要です。

ステップ3：業者を手配する（許可後）

管理会社から許可が出たら、いよいよ業者を手配します。
許可が出た際に、「指定業者はありますか？」と一言確認しておくとスムーズです。（指定がなければ自分で選んでOKです）

なぜ勝手に依頼はNG？ 管理会社への連絡が必須な理由

「自分のお金でやるんだから、連絡しなくてもバレないのでは？」——その考えは非常に危険です。

故障時の責任問題（善管注意義務違反）

最大の理由は「故障リスク」です。
万が一、無断で依頼した業者がクリーニング作業中にエアコンを故障させた場合、責任の所在が曖昧になります。
「入居者が勝手にやったこと」として、修理費用全額を請求される可能性があります。これは善管注意義務違反にあたります。

退去時の原状回復トラブルを避けるため

連絡せずにクリーニングしたことが退去時に発覚し、「無断で分解した」などと因縁をつけられ、原状回復費用として請求されるケースも考えられます。
事前に許可を得ておくことで、こうした無用なトラブルを回避できます。

管理会社指定の業者がいるケース

物件によっては、エアコンの機種や管理の都合上、クリーニング業者を指定している場合があります。
無断で他社に依頼すると契約違反となる可能性もあるため、事前の確認は必須です。

退去時に高額請求？ 原状回復とエアコンクリーニングの関係

「どうせ退去時にクリーニング代を引かれるなら、入居中は我慢しよう」と考える方もいます。
しかし、それが裏目に出ることもあります。

通常損耗か故意・過失かが焦点

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、エアコンの内部洗浄は、通常の生活（通常損耗）では発生しないレベルの汚れ（例：タバコのヤニ、清掃怠慢によるひどいカビ）でなければ、基本的に大家さん負担とされています。

しかし、問題は「清掃怠慢によるひどいカビ」と判断された場合です。
これは入居者の「過失」にあたり、原状回復費用として退去時にクリーニング代（場合によっては修理・交換費）を請求される正当な理由となります。

入居中のクリーニングが退去時の保険になる

ニオイやカビが気になった時点で（例えば入居から2〜3年経過後）、一度自己負担でプロによるクリーニングをしておくことは、非常に有効な対策です。
「私は善管注意義務を果たし、適切にメンテナンスしていました」という証明になり、退去時の不当な高額請求を防ぐ「保険」の役割を果たします。

失敗しない業者の選び方と費用を抑えるコツ

管理会社の許可も得て、いざ業者を探すとなると「料金」と「信頼性」が気になりますよね。

【種類別】エアコンクリーニングの料金相場

料金はエアコンの種類によって異なります。賃貸物件で一般的なタイプ別の相場を見てみましょう。

※備え付けが「お掃除機能付き」だった場合、料金が高くなるため注意しましょう。

業者選びで失敗しない3つのチェックポイント

安いだけで選ぶと、洗浄が不十分だったり、破損させられたりするトラブルも。
以下の3点は必ずチェックしましょう。

1. 損害賠償保険に加入しているか（万が一の故障・破損時に補償される）
2. 実績や口コミが豊富か（技術力や対応の丁寧さがわかる）
3. 料金体系が明確か（当日になって追加料金を請求されないか）

費用を抑えて賢く依頼するなら比較サイトが最強

「でも、たくさんの業者を一つひとつ調べるのは面倒…」
そんな時に最適なのが、「ユアマイスター」のようなハウスクリーニング業者の比較・予約サイトです。

「ユアマイスター」なら、上記のチェックポイントをすべて満たしたプロが全国で多数登録されています。

特に「ユアマイスター」が便利なのは、依頼方法が2種類ある点です。

賃貸のエアコンクリーニングは、トラブルを避けるためにも「信頼できるプロ」に依頼するのが鉄則。
まずは、あなたのお住まいのエリアのプロがいくらで依頼できるのか、料金と口コミをチェックしてみましょう。

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自分で掃除はどこまでOK？ プロに頼むべき境界線

「業者に頼むほどでもない」と、自分で掃除を試みる方もいますが、賃貸では特に注意が必要です。

自分で安全にできるフィルター掃除の方法

入居者が行うべき「日常のメンテナンス」は、基本的に「フィルター」の清掃までです。

• 頻度：2週間に1回が目安
• 方法：フィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取る
• 汚れがひどい場合：中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、陰干しで完全に乾かす

【絶対NG】洗浄スプレーが危険な理由

市販の「エアコン洗浄スプレー」は、絶対に使わないでください。

汚れを完全に洗い流せず、内部で洗剤とカビが混ざり合い、逆にニオイを悪化させることがあります。
さらに、電装部分（電子基板）に洗浄液がかかると、ショートして故障や火災の原因になります。
こうなると、あなたの「過失」として高額な修理費用を請求されることは確実です。

フィルター掃除をしてもニオイが取れない場合は、内部のフィンやファンが汚れている証拠。無理せずプロに任せましょう。

クリーニング当日の流れと準備すること

管理会社の許可も取り、業者も予約した！最後に、当日の流れと準備しておくことを確認しましょう。

当日の作業時間

機種によりますが、作業時間の目安は以下の通りです。

• 壁掛けタイプ（通常）：約1時間～1時間半
• 壁掛けタイプ（お掃除機能付き）：約2時間～3時間

お掃除機能付きは分解と組み立てに時間がかかるため、余裕を持っておきましょう。

作業スペースの確保

業者はエアコン本体と、分解したパーツを洗浄する場所（主にお風呂場やベランダ）を使います。
最低限、エアコンの真下には脚立を立てて作業できるスペース（1畳分ほど）を確保し、貴重品や濡れて困るものは移動させておきましょう。
（業者が来る前に、床や壁を養生（ようじょう）してくれます）

立ち会いは必要？

作業開始時と作業終了時の確認（動作チェックなど）のため、立ち会いは原則必要です。
ただし、作業中ずっと見ている必要はなく、別の部屋で待機していて問題ありません。

よくある質問（Q&A）

A. 使用状況によりますが、1〜2年に1回が推奨されています。
「冷房を使い始める前の春（4〜5月）」や「暖房を使い終わった秋（9〜10月）」は、エアコンの稼働が少なく、業者の予約も取りやすい（＝割引キャンペーンが多い）ため、おすすめです。

A. 必須です。「お掃除機能」は、基本的にフィルターのホコリを自動で取る機能にすぎません。
内部のフィンやファンに付着するカビや汚れは、お掃除機能では取れないため、お掃除機能付きエアコンこそ、定期的なプロによる分解洗浄が必要です。

A. これこそが、信頼できる業者を選ぶ最大の理由です。
「ユアマイスター」などを通じて「損害賠償保険」に加入しているプロに依頼していれば、作業が原因の故障や破損は保険で補償されます。
無許可の業者や、保険未加入の業者に依頼すると、泣き寝入りになるリスクがあります。

まとめ：適切な手順で、快適な空気と退去時の安心を手に入れよう

賃貸（入居中）のエアコンクリーニングは、ルールが複雑に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば簡単です。

最後に、重要なポイントをもう一度おさらいします。

• 放置リスク：カビによる健康被害、電気代高騰、退去時の高額請求リスクがある。
• 費用負担：原則は「入居者」の自己負担。ただし入居直後や故障時は交渉の余地あり。
• 必須手順：自己負担であっても、必ず「管理会社（大家）」に事前連絡し、許可を得ること。
• NG行動：DIY洗浄スプレーは故障・火災のリスク大。絶対に避けること。
• 業者選び：保険加入済みで、口コミや料金を「比較」できるサイト（ユアマイスターなど）で選ぶのが最も安全で効率的。

エアコンの汚れは、我慢していても良いことは一つもありません。
正しい手順を踏んでプロのクリーニングを利用し、万が一のトラブルを避けながら、清潔で快適な空気と、退去時の安心を手に入れましょう。

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