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【解決】カメラのF値が下がらない!5つの原因と対処法を初心者向けに徹底解説

【解決】カメラのF値が下がらない!5つの原因と対処法を初心者向けに徹底解説
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「背景をふんわりボカした写真を撮りたいのに、なぜかF値が下がらない…」
カメラの本にはF1.8に設定すると書いてあるのに、自分のカメラはF3.5より下にいかない!」

一眼レフカメラを手にしたばかりのころ、こんな壁にぶつかった経験はありませんか?

実はその現象、カメラの故障ではありません。ほとんどの場合、レンズの特性やカメラの簡単な設定が原因です。

この記事では、カメラのF値が下がらない主な原因とその解決策を、初心者の方にも分かりやすく解説します。原因を正しく理解すれば、誰でも簡単におしゃれなボケ写真が撮れるようになりますよ。

【執筆者】
大谷

家電ライター/家電製品アドバイザー
ライターとして5,000記事以上執筆し、自身のサイトは月間11万PVを達成。
多数の専門家と連携し、多角的な視点を取り入れた質の高いコンテンツ制作を常に心掛けている。

そもそもF値とは?基本をおさらい

原因を探る前に、まず「F値(えふち)」の基本について簡単におさらいしましょう。

F値とは、レンズがカメラに光を取り込む量を数値化したものです。絞り値とも呼ばれます。この数値を変えることで、写真の明るさと「ボケ感」をコントロールできます。

  • F値を小さくする(絞りを開く) → 光を多く取り込む → 写真が明るくなり、背景がボケやすくなる
  • F値を大きくする(絞りを絞る) → 光を少なく取り込む → 写真が暗くなり、全体にピントが合いやすくなる

つまり、あのプロが撮ったような「背景がふんわりボケた写真」を撮るには、このF値をできるだけ小さくする必要がある、ということですね。

カメラのF値が下がらない!考えられる5つの原因

「理屈はわかったけど、それでもF値が下がらない!」という方へ。考えられる原因は、主に以下の5つです。一つずつチェックしていきましょう。

  1. 使っているレンズの限界(最小F値)
  2. ズームするとF値が変わるレンズの仕様
  3. 撮影モードが「絞り優先」になっていない
  4. レンズとカメラボディの組み合わせが不適切
  5. 自分のレンズのF値を知らない

ほとんどの場合、①か②が原因です。詳しく見ていきましょう。

原因1:使っているレンズの「最小F値」の限界

最もよくある原因が、使っているレンズが物理的にそれ以上F値を下げられない、というものです。

レンズにはそれぞれ、「どこまでF値を小さくできるか」という限界値(最小F値または開放F値)が決まっています。例えば、カメラ購入時にセットで付いてくる「キットレンズ」の多くは、「F3.5-5.6」といった表記がされています。これは、「このレンズで設定できる最も小さいF値は3.5ですよ」という意味。どんなに頑張っても、このレンズでF1.8やF2.8といった設定にすることはできません。

F1.8まで下げたいのであれば、「F1.8」と書かれたレンズを使う必要があります。

原因2:ズームするとF値が変わるレンズの仕様

「さっきまでF3.5にできたのに、被写体に寄ろうとズームしたらF5.6までしか下がらなくなった!」という経験はありませんか?

これもレンズの仕様です。特に安価なズームレンズによく見られる特徴で、ズームして望遠側にすると、最小F値が大きくなってしまうのです。

例:「AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」の場合

  • 18mm(広角側)で撮影 → 最小F値は F3.5
  • 55mm(望遠側)で撮影 → 最小F値は F5.6

このように、ズームする(ミリ数を大きくする)と、F値が下がりにくくなります。

ちなみに、ズームしても最小F値が変わらない高性能なレンズもあります。これらは「通しレンズ」(例: F2.8通し)と呼ばれますが、価格が非常に高価になる傾向があります。

原因3:撮影モードが「絞り優先」になっていない

カメラの撮影モードダイヤルが「P(プログラムオート)」や「S(シャッタースピード優先)」になっていませんか?

これらのモードでは、F値の変更に制限があったり、カメラが自動でF値を決めてしまったりすることがあります。F値を自分で自由にコントロールしてボケ感を楽しみたい場合は、撮影モードを「A」または「Av」(絞り優先オート)に設定しましょう。

このモードにすれば、あなたが設定したF値に合わせて、カメラが最適なシャッタースピードを自動で決めてくれます。

原因4:レンズとカメラボディの組み合わせが不適切

少しマニアックな話になりますが、カメラの「センサーサイズ」とレンズの種類が合っていない場合も、性能を100%引き出せないことがあります。

例えば、プロ向けの「フルサイズ」という大きなセンサーを搭載したカメラに、初心者向けモデルに多い「APS-C」という小さなセンサー用のレンズを装着すると、カメラが自動的に性能を制限する(クロップ機能)ことがあります。これにより意図せず画角が狭まったり、F値の挙動が変わったりすることがあります。

お持ちのカメラとレンズの規格を確認しましょう!
特に中古でボディやレンズを買い足した場合などに起こりがちなミスです。フルサイズ機にはフルサイズ対応レンズ、APS-C機にはAPS-C対応レンズを組み合わせるのが基本です。

原因5:自分のレンズのF値を知らない

そもそも、自分の持っているレンズの最小F値がいくつなのか、ご存知ですか?確認方法は簡単です。

レンズのF値の確認方法

  • レンズの側面や前面を見る: 「18-55mm 1:3.5-5.6」や「50mm 1:1.8」のように書かれています。この「1:」の後の数字が最小F値です。
  • 絞りリングがあるレンズの場合: レンズ鏡筒にあるダイヤルに「2.8, 4, 5.6…」と刻まれています。その中で最も小さい数字が最小F値です。

一度、ご自身のレンズをチェックしてみてください。

もっとF値を下げたい!背景をボカすための解決策

原因がわかったところで、次はいよいよ解決策です。「もっと背景をボカしたエモい写真を撮りたい!」という願いを叶えるための具体的な方法をご紹介します。

解決策1:絞り優先モード(A or Av)でズームせず撮る

まず、今すぐできる最も簡単な方法です。

お使いのズームレンズで最もF値を下げられるのは、一番ズームしていない広角側です。撮影モードを「A(Av)」にして、一番広角側(例えば18mm)でF値を最小(例えばF3.5)に設定してみてください。その上で、自分が被写体に近づいたり離れたりして構図を決めれば、キットレンズでも背景を最大限ボカすことができます。

解決策2:F値の低い「単焦点レンズ」を手に入れる【一番のおすすめ】

背景のボケ味にこだわるなら、単焦点レンズの導入が一番の近道です。

単焦点レンズとは、ズームができない代わりに、F値が非常に小さい(F1.8やF1.4など)レンズのこと。キットレンズとは比べ物にならないくらい、とろけるような美しいボケが手軽に表現できます。また、解像度も高く、写真全体が驚くほどシャープに写ります。「写真が急に上手くなった!」と感じるほどの変化に、きっと感動するはずです。

初心者におすすめ!最初の単焦点レンズの選び方

「単焦点レンズが良いのはわかったけど、どれを選べばいいの?」という方のために、選び方のポイントと、特におすすめのレンズタイプをご紹介します。

ポイント1:焦点距離は「標準」画角を選ぶ

最初の1本として絶大な人気を誇るのが、「50mm(35mm換算)」の標準単焦点レンズです。

人間が見た景色に近い自然な画角で、スナップ、ポートレート、カフェでのテーブルフォトなど、幅広いシーンで活躍します。非常に使い勝手が良いため、「神レンズ」と呼ばれることも。

センサーサイズで選ぶ焦点距離が変わる!
「50mm(35mm換算)」というのはあくまで基準です。お持ちのカメラのセンサーサイズによって、選ぶべきレンズのミリ数が変わるので注意してください。

  • フルサイズのカメラ → 50mmのレンズ
  • APS-Cのカメラ(多くの初心者向けモデル) → 35mmのレンズ
  • マイクロフォーサーズのカメラ → 25mmのレンズ

ご自身のカメラのセンサーサイズを確認してから選びましょう。

ポイント2:価格と性能のバランスで選ぶ

標準単焦点レンズは、各メーカーが「最初の交換レンズ」として位置づけていることが多く、驚くほど安価で高性能な製品が多いのが特徴です。「撒き餌(まきえ)レンズ」とも呼ばれ、レンズ交換の楽しさを知るには最適な1本です。

【厳選3選】最初に買うべき単焦点レンズのタイプ

数あるレンズの中から、初心者の方がまず検討すべきタイプを3つに絞りました。

  • 初心者向け・コスパ最強タイプ:「F1.8」の標準単焦点
    各メーカーが用意している、最も安価な標準単焦点レンズです。1万円~3万円台で購入できるものが多く、キットレンズからのステップアップには最適。圧倒的なボケと描写力に驚くこと間違いなしです。
  • 描写力重視タイプ:「F1.4」の標準単焦点
    F1.8のレンズより一段と明るく、より大きなボケが楽しめる上位モデル。価格は少し上がりますが、暗い場所での撮影に強く、とろけるような美しいボケ味は格別です。
  • スナップ撮影特化タイプ:「F2」の薄型単焦点
    「パンケーキレンズ」とも呼ばれる、非常に薄くて軽いレンズ。カメラの携帯性が格段に上がり、気軽にスナップ撮影を楽しみたい方におすすめです。ボケの大きさは控えめですが、シャープな写りが魅力です。

迷ったら、まずは各メーカーが出している「F1.8」の標準単焦点レンズを選べば間違いありません。

レンズを買う前に試したいなら「レンタル」がおすすめ!

「いきなり買うのは不安…」「自分の撮影スタイルに合うか試してみたい」という方には、カメラ機材のレンタルサービスがおすすめです。気になる単焦点レンズを数日間レンタルして、その写りを実感してみてはいかがでしょうか。

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F値が下がらない時によくある質問(Q&A)

Q1. キットレンズでは背景をボカした写真は撮れないのですか?

A. いいえ、撮れます。望遠側(例えば55mm)で撮影し、被写体にできるだけ近づき、背景をできるだけ遠ざける「3つのテクニック」を駆使すれば、キットレンズでもボケを作り出すことは可能です。ただし、単焦点レンズのF1.8などで撮れるボケの大きさには及びません。

Q2. F値の「通し」って何ですか?

A. ズームしても最小F値が変わらないレンズのことです。例えば「70-200mm F2.8」というレンズは、70mmでも200mmでも最小F2.8で撮影できます。プロ用のレンズに多く、非常に高価ですが、どんな焦点距離でも明るさを維持できるため、撮影の自由度が格段に上がります。

Q3. 単焦点レンズのデメリットは何ですか?

A. ズームができないことです。構図を変えるためには、自分が前後に動く必要があります。これを「足ズーム」と呼び、不便に感じることもありますが、逆にフットワークが軽くなり、構図を考える力が養われるというメリットにもなります。

Q4. F値を下げすぎる(F1.8などにする)とどうなりますか?

A. 背景は大きくボケますが、ピントが合う範囲(被写界深度)が極端に浅くなります。ポートレートで目にピントを合わせたつもりが、鼻にピントが合ってしまった、ということが起こりやすくなります。ピント合わせがシビアになる点は注意が必要です。

Q5. スマホみたいに被写体に寄って撮れません。

A. レンズには「最短撮影距離」という、ピントが合う限界の距離があります。これ以上近づくと、シャッターが切れなくなります。もし寄れないと感じたら、少し被写体から離れてみてください。もっと寄って撮りたい場合は、「マクロレンズ」という専用レンズが必要になります。

Q6. レンズに書いてある「1:1.8」という数字の意味は何ですか?

A. 「1:」の後の数字が、そのレンズの最小F値(開放F値)を表します。「1:1.8」ならF1.8まで、「1:3.5-5.6」なら広角側でF3.5、望遠側でF5.6までF値を下げられる、という意味です。

Q7. フルサイズのカメラにAPS-C用のレンズは使えますか?

A. 使える場合が多いですが、おすすめはしません。カメラが自動的にAPS-Cサイズに合わせて撮影範囲を狭める「クロップモード」になり、カメラ本来の画素数や画質を活かせなくなります。基本的にはカメラのセンサーサイズに合ったレンズを使いましょう。

Q8. 暗い場所で撮影したら、設定していないのにF値が変わってしまいました。

A. 撮影モードが「P(プログラムオート)」やシーンモードになっていませんか?これらのモードでは、カメラが「暗いから光を多く取り込もう」と判断し、自動的にF値を最小にしてしまうことがあります。意図せず設定が変わるのを防ぐには、「A(絞り優先)」や「M(マニュアル)」モードを使いましょう。

Q9. 新しいレンズやカメラボディの購入を検討しています。どのメーカーが良いですか?

A. 各メーカーに素晴らしい特徴があり、一概に「ここが一番」とは言えません。デザイン、色味、操作性など、ご自身の好みに合うかが重要です。
カメラメーカーのおすすめや、趣味で始めたい初心者向けのメーカー紹介記事を参考に、ご自身のスタイルに合ったメーカーを探してみてください。

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もし使わない機材が出てきたら、カメラの買取サービスを利用して、新しい機材の購入資金にするのも賢い方法です。

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Q10. F値とシャッタースピード、ISO感度の関係がよくわかりません。

A. これらは写真の明るさを決める「露出の3要素」と呼ばれます。F値(絞り)で光の通る穴の大きさを、シャッタースピードで光を取り込む時間を、ISO感度で光を電気信号に増幅する度合いを調整します。この3つのバランスで写真の明るさが決まります。最初は難しいですが、一つずつ役割を理解していくのが上達の近道です。

まとめ:レンズの仕組みを理解して、思い通りの写真を撮ろう!

今回は、「カメラのF値が下がらない」という初心者がつまずきがちな問題について、その原因と解決策を詳しく解説しました。

F値が下がらないのは、故障ではなくレンズの仕様やカメラの設定が原因です。

  • 原因の多くはレンズの最小F値の限界や、ズームによるF値の変動。
  • 今すぐできる対策は、「絞り優先モード」で「広角側」で撮ること。
  • 理想のボケを手に入れる最強の解決策は、「単焦点レンズ」を導入すること。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、レンズの仕組みがわかると、カメラはもっともっと楽しくなります。まずはご自身のレンズの性能を確認し、設定を見直してみてください。

そして、もし写真の表現力を一気にステップアップさせたいなら、ぜひ単焦点レンズの世界に足を踏み入れてみてください。きっと、あなたのカメラライフが何倍も豊かになりますよ!

あなたのカメラライフでの悩みや、お気に入りのレンズがあればぜひコメントで教えてくださいね!

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