「あれ、カメラの電源を切ったのにレンズが元に戻らない…」
大切な撮影の途中や、旅の思い出を記録している最中に、愛用のキャノンのカメラレンズが引っ込まなくなるトラブルに見舞われたら、焦ってしまいますよね。
「もしかして故障?修理代はいくらかかるんだろう…」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください。その症状、もしかしたら自分で解決できるかもしれません。この記事では、キャノンのカメラレンズが引っ込まない原因から、自分で試せる対処法、修理に出す際の費用目安や判断ポイントまで、網羅的に詳しく解説します。
この記事を読めば、あなたのカメラが復活する道筋がきっと見えてくるはずです。
まずは落ち着いて!キャノンのカメラレンズが引っ込まない時に表示されるエラー
レンズが引っ込まなくなるトラブルが発生した際、多くの場合、カメラの液晶モニターには特定のエラーメッセージが表示されます。
例えば、以下のようなメッセージに見覚えはありませんか?
このメッセージが表示されたら、カメラがレンズ部分に何らかの異常を検知している証拠です。指示通りに電源を入れ直しても改善しない場合、次にご紹介する原因が考えられます。
なぜ?キャノンのカメラレンズが引っ込まない主な原因4つ
レンズが引っ込まなくなる原因は一つではありません。考えられる主な原因を4つご紹介します。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
原因1:バッテリーの一時的な不具合
単純なことですが、バッテリー残量が不足していたり、一時的な接触不良を起こしていたりすると、レンズを動かすための十分な電力が供給されず、エラーが発生することがあります。
原因2:レンズ内部への異物混入(ホコリ・砂など)
レンズが伸縮する隙間に、目に見えないほどの小さなホコリや砂粒が入り込んでしまうことがあります。これがギアや可動部分に挟まることで、レンズの動きを妨げてしまうのです。特に、屋外での撮影が多い方は注意が必要です。
過去には、砂が噛んで動作不良を起こしたという事例も報告されています。
原因3:落下など物理的な衝撃による破損
「カメラを落としてしまった」「どこかにぶつけてしまった」という経験はありませんか?
たとえ見た目に大きな傷がなくても、内部の精密な部品が歪んだり、破損したりしている可能性があります。衝撃によってレンズユニットが正常に動作しなくなるのは、典型的な故障原因の一つです。
原因4:経年劣化による内部部品の故障
カメラを長年愛用していると、内部の部品も少しずつ劣化していきます。特に、レンズの伸縮に伴って屈曲する「フレキシブルケーブル」という配線部品が断線するのは、コンパクトデジタルカメラで非常に多い故障事例です。
突然、衝撃を与えていないのにエラーが出るようになった場合、この経年劣化が原因である可能性が高いと考えられます。
【自分で試せる】キャノンのカメラレンズが引っ込まない時の対処法5選
修理に出す前に、まずはご自身で試せる対処法がいくつかあります。簡単な順にご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
対処法1:バッテリーを入れ直す
最も簡単で、最初に試すべき方法です。
- カメラの電源をOFFにする
- バッテリーを一度取り出す
- 数十秒〜数分間放置する
- 再びバッテリーをセットし、電源をONにする
これだけでカメラがリセットされ、正常に動作することがあります。
対処法2:ブロワーでホコリを飛ばす
異物の混入が疑われる場合に有効です。レンズの隙間や鏡筒の周りに、カメラ用のブロワーで優しく風を送り、ホコリを吹き飛ばしてみてください。
対処法3:レンズ周りを軽く叩いてみる
軽度の部品の引っかかりや異物が原因の場合、ほんの少しの振動で解消されることがあります。
レンズの根元あたりを、手のひらで優しくトントンと叩いてみてください。衝撃を与えるのが目的ではないので、力加減には十分注意してください。
対処法4:レンズをゆっくり手で押し込んでみる
レンズの動きが完全に止まっている場合、電源を入れた状態で、レンズを収納方向にゆっくりと、均等に力をかけて押し込んでみる方法です。
「ギギギ」といった異音がする場合は、内部で何かが無理に動こうとしている証拠かもしれません。少し動く気配があれば、何度か電源のON/OFFを繰り返すと直る可能性があります。
対処法5:【交換レンズの場合】収納操作を確認する
もしお使いのカメラがレンズ交換式(一眼レフやミラーレス)で、レンズが短くならない場合、それは故障ではなく「収納操作」をしていないだけかもしれません。
一部のズームレンズ(例:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMなど)は、持ち運びのためにコンパクトに収納する機構がついています。ズームリングを特定の指標に合わせる操作をしないと、最も短い状態にはなりません。取扱説明書を確認してみましょう。
それでも直らない…修理に出すべき?費用と期間の目安
上記の対処法を試しても改善しない場合、残念ながら内部部品の故障が考えられます。その場合は、修理を検討しましょう。
Canon(キャノン)の修理費用は?
キャノンのコンパクトデジタルカメラの修理は、故障箇所によらず一定の料金が設定されている「定額修理」が適用されることが多いです。
過去の事例では、「PowerShot S110」のレンズユニット関連の故障で、税抜11,500円(税込13,000円程度)だったという報告があります。現在の料金は機種によって異なるため、あくまで目安としてお考えください。
正確な料金は、キャノンの公式サイトにある「修理お申込み/修理状況確認」ページで確認できます。修理を申し込む前に、ご自身の機種の修理料金を確認することをおすすめします。
修理か買い替えか?判断のポイント
修理代と新しいカメラの価格を天秤にかけ、買い替えを検討するのも一つの手です。判断のポイントは以下の通りです。
- 保証期間内か:購入から1年以内であれば、無償修理の対象になる可能性が高いです。
- カメラの購入時期と使用頻度:長年使ってきたカメラであれば、他の部品の寿命も近いかもしれません。思い切って新しいモデルにするのも良いでしょう。
- 修理代と新品の価格:修理代が2万円近くかかる場合、同等かそれ以上の性能を持つ新しいカメラが購入できることもあります。
カメラの買い替えや処分を検討するなら
新しいカメラを探すなら、様々なメーカーを比較検討してみましょう。以下の記事でおすすめのメーカーを紹介しています。

また、故障したカメラでも買い取ってくれる場合があります。修理せずに売却するのも賢い選択です。

大切なカメラを長く使うために!故障を予防する3つのポイント
今回のトラブルを教訓に、今後はカメラをより大切に扱っていきたいですよね。故障を未然に防ぐための基本的なポイントを3つご紹介します。
1. 落下や衝撃から守る
ネックストラップやハンドストラップを必ず使用し、不意の落下を防ぎましょう。カメラバッグに入れる際も、クッション性のあるものを選ぶのが基本です。
2. ホコリや砂が多い場所での使用を避ける
ビーチや運動場など、砂埃が舞いやすい場所でのレンズ交換やバッテリー交換は極力避けましょう。精密機械であるカメラにとって、異物の混入は天敵です。
3. 使わない時はケースに保管する
カメラを裸のまま放置せず、必ず専用のケースやカメラバッグ、湿度の低いドライボックスなどで保管しましょう。ホコリの付着を防ぐだけでなく、万が一の衝撃からも守ってくれます。
【Q&A】カメラのレンズが引っ込まない時によくある質問
最後に、このトラブルに関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。
A1. レンズを動かすモーターやセンサー、ケーブル類などに何らかの物理的な異常があり、正常にレンズを収納・繰り出しできない状態であることを示しています。異物の混入や部品の破損が主な原因です。
A2. コンパクトで高倍率なレンズを搭載したモデルは、構造が複雑で繊細になりがちです。そのため、特定の設計部分に負荷がかかりやすく、経年劣化による故障が発生しやすい傾向があると考えられます。
A3. はい、通常使用の範囲で発生した自然故障であれば、保証期間内(通常は購入から1年間)は無償で修理してもらえます。ただし、落下や水濡れなど、使用者側の過失による故障の場合は有償修理となります。
A4. 目安として、修理センターにカメラが到着してから1週間~10日程度かかるのが一般的です。修理部品の在庫状況や混雑具合によって変動します。
A5. はい、可能です。キャノンの修理サービスでは、修理を依頼する際に「見積もり連絡を希望する」を選択できます。提示された金額を確認してから、修理を進めるかキャンセルするかを判断できます。
A6. 非常に危険です。内部のギアやレンズユニットが完全に破損し、修理費用が高額になったり、修理不能になったりする可能性があります。絶対にやめましょう。
A7. デジタルカメラは非常に精密な電子機器です。専門的な知識や工具がない限り、分解修理はおすすめできません。状態をさらに悪化させる可能性が高いため、プロに任せるのが賢明です。
A8. メモリーカードとバッテリーは必ず本体から抜いて、ご自身で保管しておきましょう。また、設定がリセットされる可能性があるため、必要な設定項目はメモしておくことをおすすめします。
A9. キャノン公式以外のカメラ修理専門業者に依頼すると、安くなる場合があります。ただし、技術力や保証内容が異なるため、業者の選定は慎重に行う必要があります。また、前述の通り、修理せずに買取に出して新しいカメラの購入資金にするのも一つの方法です。

A10. カメラのレンタルサービスを利用するのがおすすめです。修理期間中や新しいカメラを選ぶまでの「つなぎ」として、必要な期間だけ高性能なカメラを借りることができます。

まとめ:キャノンのカメラレンズが引っ込まない時は慌てず対処しよう
今回は、キャノンのカメラレンズが引っ込まなくなる原因と対処法について解説しました。
最後に、この記事の要点をもう一度確認しましょう。
- 主な原因:バッテリー不良、異物混入、衝撃、経年劣化が考えられる。
- 自分でできる対処法:バッテリーの入れ直しやブロワーでの清掃から試してみる。
- 自己責任の対処法:軽く叩いたり、そっと押し込む方法はリスクも伴うため慎重に。
- 最終手段:改善しない場合は、無理せずキャノンの修理サービスに相談する。
突然のトラブルは焦りますが、まずは落ち着いて、今回ご紹介した方法を一つずつ試してみてください。それでもダメな場合は、修理や買い替えという次のステップに進むことで、また快適なカメラライフを取り戻せます。
この記事が、あなたの大切なカメラとの思い出を再び紡ぐ一助となれば幸いです。
あなたのカメラは無事に直りましたか?もしよろしければ、どんな方法で解決したか、下のコメントで教えていただけると嬉しいです!
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