お風呂でゆっくり温まろうと追い焚きボタンを押したのに、「あれ?なんだかぬるい…」。
楽しみにしていたバスタイムが、これでは台無しですよね。毎日使うエコキュートだからこそ、急な不調は本当に困ります。
「もしかして故障?」「修理代はいくらかかるんだろう…」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、ご安心ください!エコキュートの追い焚きがぬるい原因は、簡単なことで解決できるケースも少なくありません。
この記事では、エコキュートの追い焚きがぬるくなる主な原因と、ご自身で今すぐ試せる対処法を徹底解説します。故障を疑う前に確認すべきポイントから、修理・交換の適切なタイミングまで、あなたの悩みをスッキリ解決します。
故障と決めつけないで!まず確認したい3つのチェックポイント
「追い焚きがぬるい!」と感じたら、すぐに故障と判断するのはまだ早いです。まずは、以下の3つのポイントをご自身で確認してみましょう。意外と簡単な見落としが原因かもしれませんよ。
- 浴槽のリモコン温度設定は適切か?
- 浴槽フィルターは汚れていないか?
- タンクのお湯は十分にあるか?
エコキュートの給湯温度と浴槽の追い焚き温度は、別々に設定されていることがほとんどです。シャワーは熱いのに追い焚きだけぬるい場合、浴槽の温度設定が低くなっている可能性があります。特に季節の変わり目には設定を見直してみましょう。
また、浴槽内にある循環アダプターのフィルターが髪の毛や湯垢で詰まっていると、お湯の循環がうまくいかず、温まりにくくなります。そして、追い焚きはタンク内のお湯の熱を利用して浴槽のお湯を温める仕組み。そもそもタンク内のお湯が少なかったり、温度が低かったりすると、追い焚きに時間がかかったり、ぬるくなったりします。
冬場は設定温度を少し高めに!
快適な入浴温度は、夏場は38~40℃、冬場は40~42℃が一般的です。冬場は外気温も低くお湯が冷めやすいため、いつもより+2℃ほど高めに設定すると快適に入浴できますよ。
【原因別】エコキュートの追い焚きがぬるい7つの原因と対処法
簡単なチェックで改善しない場合、もう少し踏み込んだ原因が考えられます。ここでは、追い焚きがぬるくなる代表的な7つの原因と、それぞれの対処法を詳しく解説していきます。
原因 | 主な症状 | 自分でできる対処法 |
---|---|---|
① 循環フィルターの詰まり | ぬるい・すぐ止まる・お湯の下だけ冷たい | フィルターの掃除 |
② 追い焚き配管の汚れ | ぬるい・すぐ止まる・湯船に汚れが出てくる | 市販の洗浄剤で配管洗浄 |
③ 入浴剤の使用 | ぬるい・追い焚き効率が落ちた | 配管洗浄・使用する入浴剤の見直し |
④ タンクのお湯不足・低温 | ぬるい・追い焚きに時間がかかる | リモコンで「沸き増し」を行う |
⑤ 追い焚き配管の保温材の劣化 | 冬場だけ特にぬるく感じる | 配管の目視確認・業者に相談 |
⑥ 熱交換器の不具合・劣化 | ぬるい・すぐ止まる・エラー表示が出る | 専門業者による点検・修理が必要 |
⑦ エコキュート本体の寿命 | ぬるい以外にも不具合がある・10年以上使用 | 専門業者による点検・交換の検討 |
原因1:循環アダプターのフィルターが詰まっている
最もよくある原因の一つが、浴槽内にある循環アダプターのフィルターの詰まりです。髪の毛や皮脂、石鹸カスなどが溜まるとお湯の循環が悪くなり、温度を正確に検知できずに追い焚きがぬるくなったり、すぐに止まったりします。
【対処法】
フィルターは簡単に取り外せます。歯ブラシなどを使ってこまめに掃除しましょう。フィルターの受け側の溝や穴も忘れずにきれいにしてください。定期的な掃除は、衛生面だけでなく、エコキュートの寿命を延ばすことにも繋がります。
原因2:追い焚き配管が汚れて詰まっている
フィルターを掃除しても改善しない場合、浴槽とエコキュートを繋ぐ追い焚き配管の内部が汚れている可能性があります。配管内に汚れやバイオフィルム(ぬめり)が溜まると、お湯の通り道が狭くなり、追い焚き効率が低下します。
【対処法】
市販の追い焚き配管用洗浄剤(ジャバなど)を使って洗浄してみましょう。説明書をよく読んで、正しく使用してください。長年掃除をしていない場合は、一度の洗浄では汚れが取りきれないこともあります。
配管洗浄で状況が悪化することも?
長年蓄積された汚れが中途半端に剥がれると、かえって湯船に汚れが出てきたり、詰まりが悪化したりするケースがあります。作業に自信がない場合や、市販の洗浄剤で改善しない場合は、専門業者によるプロの配管洗浄を依頼するのがおすすめです。
原因3:にごり系の入浴剤を使用している
にごり湯タイプや乳白色、バスソルトなどの入浴剤は、追い焚きがぬるくなる原因になることがあります。入浴剤に含まれる成分が配管や熱交換器に付着し、温度を測定するセンサーに膜を張ってしまい、正しい温度を検知できなくなるのです。
【対処法】
まずは配管洗浄を試してみてください。また、エコキュートの取扱説明書を確認し、使用が推奨されていない入浴剤は避けるようにしましょう。メーカーによっては「にごり湯タイプは使用不可」と明記されている場合があります。
原因4:タンクのお湯が少ない・ぬるい
日中にお湯を使いすぎて、夜の入浴時にタンクのお湯が不足している、またはぬるくなっているケースです。追い焚きはタンクの熱を利用するため、元となるお湯がなければ十分に温めることができません。
【対処法】
リモコンの「沸き増し」や「満タン」ボタンを押して、タンク内にお湯を補充しましょう。沸き上げには時間がかかるため、入浴前にタンクの残量を確認する習慣をつけると安心です。
原因5:追い焚き配管の保温材が劣化している
「これまで問題なかったのに、今年の冬はやけに追い焚きがぬるい…」と感じる場合、エコキュート本体と浴槽をつなぐ配管の保温材が破れたり、劣化したりしている可能性があります。特に屋外に配管が露出している場合、冬場の冷たい外気の影響で、お湯が浴槽に届くまでに冷めてしまいます。
【対処法】
エコキュートのタンクから浴槽までの配管を目で見て確認してみましょう。保温材に破れや剥がれがあれば、それが原因の可能性が高いです。保温材の補修は専門的な作業になるため、業者に相談することをおすすめします。
猫の爪とぎが原因のケースも!
実際にあった事例として、飼い猫が屋外の配管で爪とぎをしてしまい、保温材をボロボロにしてしまったというケースもあります。ペットを飼っているご家庭は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
原因6:熱交換器の不具合・劣化
追い焚きは、熱交換器という部品を使って、タンクのお湯の熱を浴槽のお湯に移すことで温めています。この熱交換器に水道水に含まれるカルシウムや塩素などの成分が付着して劣化すると、熱交換の効率が落ち、追い焚きがぬるくなってしまいます。
【対処法】
熱交換器の不具合は、ユーザー自身での対処は困難です。一時的なエラーであれば、エコキュートの電源(ブレーカー)を一度落とし、数分待ってから入れ直すことでリセットされる場合もありますが、改善しない場合は専門業者による点検が必要です。
井戸水をご利用の場合は特に注意!
井戸水は水道水に比べてカルシウムなどのミネラル成分を多く含むため、配管や熱交換器が詰まりやすく、劣化を早める原因となります。井戸水対応のエコキュートでない場合、この可能性が非常に高くなります。
原因7:エコキュート本体の経年劣化・寿命
エコキュートの寿命は、一般的に10年~15年と言われています。長年使用しているエコキュートで追い焚きがぬるくなった場合、部品の経年劣化や本体の寿命が考えられます。
追い焚き以外にも「お湯の出が悪い」「リモコンにエラーが表示される」「異音がする」などの症状があれば、故障のサインかもしれません。
【対処法】
使用年数が10年を超えている場合、修理しても別の箇所がすぐに故障するリスクがあります。修理用の部品供給が終了していることも多いため、修理費用と新品への交換費用を比較検討し、交換を視野に入れることをおすすめします。
それでもダメならプロに相談!修理・交換の判断基準と業者の選び方
セルフチェックや掃除を試しても改善しない場合は、エコキュート本体や内部の部品に問題がある可能性が高いです。無理に自分で直そうとすると、かえって状況を悪化させてしまうことも。速やかに専門業者に相談しましょう。
修理か交換か?判断のポイントは「使用年数」
専門業者に連絡した際、修理と交換のどちらを提案されるか気になりますよね。大きな判断基準は「エコキュートを何年使っているか」です。
- 使用年数10年未満の場合:故障した部品のみを交換する「修理」で対応できる可能性が高いです。メーカー保証期間内であれば、無償で修理できることもあります。
- 使用年数10年以上の場合:本体の寿命が近づいているため、「交換」をおすすめします。修理しても、すぐに別の部品が故障する「いたちごっこ」になる可能性があり、結果的にコストが高くつくことが多いからです。
信頼できる業者を選ぶ3つのコツ
いざ業者に依頼するとなっても、どこに頼めばいいか迷いますよね。安心して任せられる業者を選ぶために、以下の3つのコツを覚えておきましょう。
- 実績が豊富で、エコキュート専門の知識があるか
- 見積もりが明確で、追加料金などについて丁寧な説明があるか
- 施工後の保証やアフターサービスが充実しているか
複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく対応の丁寧さや保証内容を比較検討することが大切です。
エコキュートの追い焚きに関するよくある質問(Q&A)
ここでは、エコキュートの追い焚きに関する、お客様からよく寄せられる質問にお答えします。
A. 循環フィルターや配管の詰まりによる循環不良、または浴槽の残り湯が少なすぎて安全装置が作動している可能性があります。それでも改善しない場合は、熱交換器や制御基板といった内部部品の故障も考えられますので、専門業者にご相談ください。
A. お使いの追い焚きのタイプによって異なります。浴槽に穴が2つある「自然対流式」の場合、温かいお湯が上に、冷たい水が下に溜まるのは正常な仕様です。よくかき混ぜてからお入りください。穴が1つの「強制対流式」でこの現象が起きる場合は、ポンプ等の不具合の可能性も考えられます。
A. 一般的には「高温足し湯」の方が省エネで経済的と言われています。追い焚きはぬるくなったお湯を保温する機能で電力を使いますが、高温足し湯はタンクの熱いお湯をそのまま追加するため、効率が良いとされています。お湯がかなり冷めてしまった場合は、高温足し湯がおすすめです。
A. メーカーや機種によりますが、一般的に「硫黄、酸、アルカリ、塩分」を含む入浴剤や、固形物が入っているもの、にごり湯タイプは配管の腐食や詰まりの原因となるため、使用を禁止している場合が多いです。必ずエコキュートの取扱説明書をご確認ください。
A. 週に1回程度を目安に、こまめに掃除することをおすすめします。汚れが少ないうちなら掃除も簡単ですし、常に清潔な状態を保てます。
A. はい、市販の配管洗浄剤を使えばご自身でも可能です。ただし、年に1回程度はプロの業者による徹底洗浄を行うと、より安心してご使用いただけます。
A. 冬は外気温が低いため、お湯自体が冷めやすいことに加え、エコキュートから浴槽までの配管で熱が奪われやすいからです。配管の保温材が劣化していると、この影響をさらに受けやすくなります。
A. 修理箇所や交換する部品によって大きく異なりますが、簡単な部品交換で1.5万円~5万円程度が目安です。熱交換器やヒートポンプユニットなど主要部品の修理・交換になると10万円以上かかる場合もあります。まずは業者に見積もりを依頼しましょう。
A. エラーコードは不具合の原因を示す重要な情報です。取扱説明書でコードの内容を確認し、リセット操作を試しても消えない場合は、業者に連絡する際にそのエラーコードを伝えると、スムーズに対応してもらえます。
A. はい、設定温度に達していない場合は、もう一度追い焚きスイッチを押すことで、再度加熱が始まります。ただし、根本的な原因が解決しているわけではないため、頻繁に起こるようであれば点検をおすすめします。
まとめ:追い焚きの「ぬるい」は解決できる!まずは自分でできることから試してみよう
今回は、エコキュートの追い焚きがぬるい原因と対処法について解説しました。最後に、この記事のポイントを振り返ってみましょう。
- 追い焚きがぬるいと感じたら、まずは「温度設定」「フィルター」「タンク湯量」をチェック!
- それでも改善しない場合は、「配管の汚れ」「入浴剤」「保温材の劣化」などを疑ってみる。
- 掃除や設定変更で直らない場合は、熱交換器の不具合や本体の寿命の可能性も。
- 使用年数が10年を超えていたら、修理よりも交換を検討するのがおすすめ。
- 困ったときは無理せず、信頼できる専門業者に相談するのが一番の近道。
突然のトラブルは焦ってしまいますが、順番に原因を確認していけば、解決策は見つかります。まずはご自身でできるフィルター掃除や配管洗浄から試してみてください。
それでも改善せず、専門業者の力が必要だと感じたら、早めに相談することが大切です。給湯器が完全に壊れてお湯が使えなくなってしまう前に、適切な対処をしましょう。
この記事が、あなたの快適なバスタイムを取り戻す一助となれば幸いです。
あなたのエコキュートの調子はいかがでしたか?もし同じような経験や、「こんな方法で直ったよ!」という体験談があれば、ぜひ下のコメントで教えてくださいね。
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