「あれ?エコキュートを使っていないはずなのに、お湯のメモリが減ってる…」
この記事では、冬にエコキュートのお湯が減ってしまう原因から、故障かどうかを見分けるチェックポイント、そして今日からすぐにできる対策まで、あなたの不安を解消する情報をわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、スッキリしてくださいね!
結論:エコキュートを使ってないのにお湯が減るのは「冬の寒さ」が主な原因!
さっそく結論からお伝えします。冬にお湯を使っていないのにエコキュートの残湯量メモリが減る最大の原因は、「外気温の低下による放熱」です。
エコキュートは、夜間に沸かした高温のお湯を魔法瓶のような構造の貯湯タンクに貯めておき、日中に使います。しかし、どんなに高性能なタンクでも、外が寒ければ少しずつ熱は奪われてしまいます(これを放熱ロスと言います)。
タンク内のお湯の「量」そのものは変わっていなくても、お湯の「温度」が下がってしまうのです。
エコキュートは「タンクのお湯」と「水道水」を混ぜて設定温度のお湯を作ります。そのため、タンクのお湯の温度が低いと、設定温度のお湯を作るためにより多くの量が必要になり、結果として「使用できるお湯の量が減った」と判断してリモコンのメモリを減らすのです。
つまり、故障ではなく、エコキュートの仕組みと冬の寒さが原因で起こる現象というわけですね。
なぜ?エコキュートのお湯が勝手に減る5つの原因
冬の寒さによる放熱が主な原因ですが、それ以外にもお湯が減る理由はいくつか考えられます。あなたのケースがどれに当てはまるか、チェックしてみましょう。
原因①:貯湯タンクのお湯の温度が下がっている(放熱)
先ほど解説した通り、これが最も多い原因です。特に外気温が0℃近くまで下がるような寒い地域や、風が強く当たる場所にエコキュートが設置されている場合は、放熱の影響を受けやすくなります。
夜間に90℃で沸かしたお湯も、夕方には80℃、70℃と徐々に温度が下がっていきます。これにより、リモコンの残湯量表示が減ってしまうのです。
原因②:自動保温・追いだき機能が作動している
フルオートタイプのエコキュートをお使いの場合、お風呂のお湯の温度を保つ「自動保温」や、冷めたお湯を温め直す「追いだき」機能が知らず知らずのうちに作動していることがあります。
これらの機能は、浴槽のお湯をタンクに戻して直接温めるわけではありません。浴槽のお湯をエコキュートに循環させ、貯湯タンクの熱を利用して「熱交換」することで温め直します。
そのため、お風呂のお湯が温かくなる代わりにタンクのお湯の温度は下がり、結果的に使用可能なお湯の量が減ってしまうのです。
原因③:自動配管洗浄機能が働いている
メーカーや機種によっては、浴槽の栓を抜くと自動で配管内を洗浄してくれる機能が搭載されています。これは非常に便利な機能ですが、洗浄の際に貯湯タンクのお湯を使用する場合があります。
例えば、パナソニックのエコキュートの場合、この機能が作動すると1回あたり約10Lのお湯を消費します。お風呂に入るたびに作動するので、気づかないうちにお湯が減っている原因の一つになります。
原因④:凍結防止機能が作動している
これも冬ならではの原因です。外気温が3℃以下など、一定の温度まで下がると、エコキュートは配管の凍結を防ぐために自動で「凍結防止機能」を作動させます。
この機能は、ポンプを動かしてお湯を循環させたり、ヒーターを稼働させたりすることで配管が凍るのを防ぎます。この循環によって、タンクのお湯の熱が消費され、残湯量が減ることがあります。
原因⑤:水漏れや故障が発生している
ここまでの原因に当てはまらない場合、残念ながら機器の不具合や故障の可能性も考えられます。
- 浴槽の栓の劣化・閉め忘れ: 栓がきちんと閉まっていないと、お湯が少しずつ抜け、エコキュートが自動で「たし湯」をしてしまい、お湯が減ります。
- 配管の亀裂・劣化: 目に見えない場所の配管が劣化して、水漏れを起こしているケースです。
- エコキュート本体の故障: 貯湯タンクやヒートポンプユニット内部の部品が故障し、水漏れしている可能性があります。
- センサーの異常: 残湯量を計測するセンサーが故障し、正しい量が表示されていないことも考えられます。
【自分でできる】冬にお湯が減るのを防ぐ4つの対策
「故障じゃないなら、何か対策はないの?」と思いますよね。ご安心ください。ちょっとした設定の見直しや工夫で、冬のお湯の減りを抑えることができます。
対策①:沸き上げ温度の設定を高くする
一番手軽で効果的なのが、エコキュートの沸き上げ設定を見直すことです。多くのメーカーで「おまかせ」「多め」「少なめ」などの設定がありますが、冬の間(11月~3月頃)は「多め」や、一段階高い温度設定に変更するのがおすすめです。
こうすることで、夜間のうちにタンク内のお湯をより高温で沸き上げておくことができ、日中の放熱による温度低下をカバーできます。結果として、お湯切れのリスクを減らし、日中の不要な「沸き増し」を防ぐことにも繋がります。
対策②:不要な便利機能(自動保温など)をオフにする
もし自動保温機能をあまり使っていないのであれば、オフに設定してみましょう。お風呂に入る時間が家族でバラバラでない限り、この機能がなくてもそれほど不便は感じないかもしれません。
お湯が冷めてしまった場合は、「追いだき」よりも高温のお湯を直接足す「高温足し湯」機能を使う方が、効率よくお湯を温められるとされています。状況に応じて使い分けるのが賢い使い方です。
対策③:浴槽のフタや保温シートを活用する
基本的なことですが、お風呂のお湯が冷めないように、こまめに浴槽のフタを閉める習慣をつけましょう。さらに、浴槽用のアルミ保温シートを併用すると、保温効果が格段にアップします。
これにより、自動保温や追いだき機能の作動回数を減らすことができ、間接的にタンクの熱消費を抑えることができます。
対策④:エコキュートの凍結対策をする(寒冷地の場合)
特に冷え込みが厳しい地域では、配管に保温材を巻いたり、凍結防止ヒーターを取り付けたりといった物理的な対策も有効です。これは専門的な作業になる場合もあるので、不安な場合は専門業者に相談しましょう。
それでもお湯が減るなら故障かも?確認すべきチェックポイント
対策を試しても改善しない、明らかにお湯の減りが異常だと感じる場合は、故障のサインかもしれません。以下のポイントを確認してみてください。
チェックポイント①:貯湯タンクやヒートポンプの周りが濡れていないか
エコキュート本体の周りの地面が常に湿っていたり、水たまりができていたりする場合、本体や配管から水漏れしている可能性が高いです。深夜、お湯を沸き上げている時間帯にポタポタと水が垂れるのは正常な排水(結露水)ですが、それ以外の時間に濡れているのは異常のサインです。
チェックポイント②:エラーコードがリモコンに表示されていないか
リモコンに「U〇〇」や「H〇〇」といった見慣れないエラーコードが表示されていないか確認しましょう。もし表示されている場合は、取扱説明書やメーカーの公式サイトで内容を確認し、指示に従ってください。
チェックポイント③:水道メーターを確認する
家中の蛇口をすべて閉めた状態で、屋外にある水道メーターの蓋を開けてみてください。中にある「パイロット」と呼ばれる銀色の円盤がクルクルと回っている場合、家のどこかで水漏れが起きている証拠です。エコキュートが原因とは限りませんが、重要な判断材料になります。
故障が疑われる場合の対処法と相談先
チェックの結果、故障の可能性が高いと判断した場合は、速やかに専門家に相談しましょう。
まずはメーカーの相談窓口や購入した販売店へ
保証期間内であれば、まずは購入した販売店や設置業者、またはメーカーの相談窓口に連絡するのが第一歩です。主要メーカーの相談窓口は以下の通りです。
メーカー | 電話番号(フリーダイヤル) | 受付時間 |
---|---|---|
パナソニック | 0120-878-554 | 年中無休 |
三菱 | 0120-139-365 | 平日9時~19時、土日祝9時~17時 |
ダイキン | 0120-881-081 | 年中無休 24時間受付 |
コロナ | 0120-919-302 | 年中無休 24時間受付 |
日立 | 0120-3121-68 | 月~土9時~18時、日・祝日9時~17時 |
東芝 | 0120-1048-19 | 年中無休 9時~20時 |
修理と買い替え、どっちがお得?
エコキュートの寿命は一般的に10年~15年と言われています。修理か買い替えかを判断する際は、使用年数と修理費用を天秤にかけることが大切です。
- 修理がおすすめのケース: 使用年数が浅く(~7年程度)、保証期間内で修理費用が数万円で済む軽微な故障の場合。
- 買い替えがおすすめのケース: 使用年数が8年以上経過している場合や、ヒートポンプ交換などで10万円を超える高額な修理費用がかかる場合。古い機器を修理しても、また別の箇所が故障するリスクがあります。
最新のエコキュートは省エネ性能も向上しているため、長い目で見ると買い替えた方が光熱費がお得になることもありますよ。
信頼できる業者に相談しよう
いざ修理や交換となっても、「どこに頼めばいいかわからない…」と悩んでしまいますよね。
エコキュートの修理や交換は、実績豊富で信頼できる専門業者に依頼するのが安心です。
以下の記事でおすすめのエコキュート修理・交換業者を比較紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

【Q&A】エコキュートの冬のトラブルに関するよくある質問
A1. はい、基本的にどのメーカーのエコキュートでも起こりうる現象です。貯湯タンクの保温性能はメーカーや機種によって多少異なりますが、冬場の外気温低下による放熱の影響を完全になくすことはできません。
A2. 一概には言えませんが、お湯を全く使わなくても、寒い日には1メモリ程度減ることは珍しくありません。外気温や設定、タンクの容量によって変動します。2メモリ以上など、極端に減る場合は他の原因も考えられます。
A3. はい、かかります。ポンプを動かしたりヒーターを作動させたりするため、その分の電気を消費します。しかし、配管が凍結・破裂して修理する費用に比べれば、はるかに安く済みますので、必要な機能と言えます。
A4. はい、少なくなる傾向にあります。「おひさまエコキュート」は太陽光発電と連携し、電気代の安い昼間に沸き上げます。沸かしてからお湯を使うまでの時間が短いため、夜間に沸かす従来型に比べて放熱ロスを抑えられます。
A5. 一般的に、ヒートポンプユニットが5年~15年、貯湯タンクが10年~15年と言われています。使用環境やメンテナンス状況によって大きく変わります。
A6. タンクのお湯を使い切ると「湯切れ」を起こし、お湯が出なくなります(水は出ます)。リモコンで「沸き増し」をすれば再びお湯を使えるようになりますが、沸き上がるまでに時間がかかり、また割高な昼間の電力を使うことになります。
A7. 節約モードを使いすぎないことが重要です。冬場に節約モードのままだと、お湯の温度が下がりやすく、結果的に日中の沸き増しが増えて電気代が高くなることがあります。冬は「おまかせ」や「多め」設定がおすすめです。
A8. 夜間に沸かすお湯の量が増えるため、その分は電気代が上がります。しかし、日中に割高な電力で「沸き増し」する回数が減れば、トータルの電気代は安くなる可能性があります。ご家庭のライフスタイルに合わせて調整することが大切です。
A9. 2~3日程度の留守であれば、電源は切らずに「沸き上げ休止」設定(メーカーにより名称は異なります)を利用するのがおすすめです。長期間家を空ける場合は、取扱説明書に従って水抜きなどを行った上で電源を切りましょう。
A10. 年に2~3回、貯湯タンクの下部にある排水栓からお湯を抜き、タンクの底に溜まった汚れを排出する「タンクの排水」が推奨されています。また、漏電遮断器や逃し弁の動作チェックも定期的に行うと安心です。詳しくは取扱説明書をご確認ください。
まとめ:冬にお湯が減っても慌てずに、まずは原因をチェック!
今回は、エコキュートを使っていないのに冬にお湯が減る原因と対策について解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 冬にお湯が減る主な原因は、故障ではなく「外気温の低下による放熱」。
- その他、自動保温や配管洗浄、凍結防止機能などもお湯が減る原因になりうる。
- まずは「沸き上げ温度を高くする」「不要な機能をオフにする」などの対策を試してみる。
- 水漏れの形跡やエラー表示がある場合は、速やかに専門業者に点検を依頼する。
原因がわかれば、慌てず冷静に対処できますよね。エコキュートの仕組みを正しく理解し、季節に合わせた設定をすることで、冬でもお湯切れの心配なく快適に過ごすことができます。
この記事が、あなたの不安を解消する一助となれば幸いです。冬も快適なエコキュートライフを送ってくださいね!
あなたのエコキュートでは、冬にどんな変化がありましたか?もしよければ、コメントであなたの体験談も教えてくださいね!
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