「ポータブル電源って、キャンプや災害の時に使うものじゃないの?」
「家で使うメリットなんてあるのかな…」
そんな風に思っていませんか?実は、ポータブル電源を家で使うと、日々の電気代を節約できたり、コンセントがない場所で家電が使えたりと、あなたの暮らしを今よりずっと快適にしてくれるんです。
この記事では、ポータブル電源を家で使う具体的な方法から、本当にお得なのか、そして後悔しないための選び方まで、専門家の視点で徹底的に解説します。この記事を読めば、ポータブル電源が一家に一台あることの価値がきっとわかるはずです。
ポータブル電源は家で使うと電気代の節約になる?
結論から言うと、ポータブル電源を賢く使えば、家庭の電気代を節約することが可能です。特に、昨今の電気料金の値上がりを考えると、非常に有効な手段と言えるでしょう。主な方法は2つあります。
1. 太陽光(ソーラーパネル)で自家発電する
ポータブル電源の中には、ソーラーパネルから充電できるモデルが多くあります。日中にソーラーパネルで発電した電気をポータブル電源に蓄えておけば、電力会社から電気を買わずに家電を動かすことができます。
ベランダや庭に設置できる小型のソーラーパネルもあるため、マンションにお住まいの方でも手軽に始められるのが魅力です。太陽が出ている限り、環境に優しく、そして無料の電気を生み出せるのは大きなメリットですよね。

災害で停電した時も、太陽光さえあれば充電できるので、防災対策としても完璧ですね!
2. 電気代が安い夜間電力で充電する
もしご家庭で、夜間の電気料金が安くなる電力プランを契約しているなら、その時間帯にポータブル電源を充電しておくのがおすすめです。
そして、電気代が高い日中の時間帯に、夜間に蓄えた電気を使ってパソコンやテレビ、スマートフォンの充電などを賄うのです。この電力の「タイムシフト」によって、1日のトータルの電気代を賢く削減できます。
寝る前に充電を開始すれば、朝には満タンの状態。日中の電力消費をポータブル電源に任せるだけで、無理なく節電できるというわけです。
【本音】ポータブル電源の普段使いで電気代は元が取れる?
「節約できるのはわかったけど、本体価格が高いから、結局元は取れないんじゃない?」という疑問も当然ですよね。ここでは、コストパフォーマンスについて正直に解説します。
「元を取る」までの期間を計算してみよう
ポータブル電源で元を取れるかどうかは、「本体価格」と「1日に節約できる電気代」によって変わります。
例えば、10万円のポータブル電源を購入し、ソーラー充電や夜間電力活用で1日に100円分の電気代を節約できたとします。
- 計算式: 100,000円 ÷ 100円/日 = 1,000日
この場合、約1,000日(およそ2年9ヶ月)で元が取れる計算になります。もちろん、これはあくまで一例で、機種の価格や使い方によって期間は変動します。
結論:節約だけじゃない!「元を取る」以上の価値がある
正直なところ、電気代の節約だけで短期間に元を取るのは簡単ではありません。しかし、ポータブル電源の価値はそれだけではないのです。
「元を取る」という考え方以上に、日常生活の利便性向上や、万が一の備えとしての安心感に大きな価値があります。
メリット①:コンセントがない場所でも家電が使える
「ここにコンセントがあれば…」と思った経験はありませんか?リビングの真ん中でホットプレートを使ったり、ベランダでDIY作業をしたり。ポータブル電源があれば、家のどこでも好きな場所が「電源スポット」に変わります。配線を気にせず家電を使える自由度は、生活の質を格段に上げてくれます。
メリット②:ブレーカー落ち対策になる
電子レンジとエアコン、ドライヤーを同時に使ってブレーカーが落ちてしまった…なんて経験、ありますよね。ポータブル電源があれば、消費電力の大きい家電をいくつかポータブル電源から給電することで、ブレーカー落ちの心配なく家事ができます。特に電力使用量が増える季節の変わり目に安心です。
メリット③:延長コード代わりで見た目もスッキリ
ごちゃごちゃした延長コードは、部屋の見た目を損なうだけでなく、足を引っかける危険もあります。ポータブル電源を使えば、コードレスで電源を確保できるため、部屋がスッキリし、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安全です。

電気代の節約はあくまでメリットの一つ。この「便利さ」や「安心感」を考えると、十分すぎるほど元が取れると言えそうですね!
ポータブル電源の便利な使い道【家の中~キャンプまで】
「なるほど、便利そうなのはわかったけど、具体的にどうやって使うの?」という方のために、家の中での具体的な活用シーンから、定番のアウトドアでの使い方までご紹介します。
家での使い方①:リビングや食卓で
家族が集まるリビングや食卓は、意外と電源が足りなくなりがち。スマホやタブレットの充電、ゲーム機の接続などでコンセントの奪い合いになっていませんか?ポータブル電源があれば、そんな悩みも一気に解決。食卓で炊飯器やIHヒーターを使えば、温かい料理を囲む時間も増えそうです。
家での使い方②:庭やベランダでの作業・BBQ
DIYで電動工具を使いたい時や、ガーデニングで草刈り機を使いたい時、屋外の電源確保は意外と大変。ポータブル電源があれば、延長コードを引き回す手間なく、安全に作業できます。庭でホットプレートを使ったBBQや、プロジェクターで野外映画鑑賞なんて楽しみ方もできますよ。
家での使い方③:在宅勤務(テレワーク)を快適に
在宅勤務では、PC、モニター、スマホ充電、さらには夏場の扇風機や冬場のヒーターなど、多くの電源が必要になります。ポータブル電源があれば、コンセントが少ない部屋でも快適なワークスペースを構築可能。気分転換にベランダで仕事をする「ベランダワーク」も実現できます。
家での使い方④:掃除(高圧洗浄機など)
ベランダや玄関、駐車場を高圧洗浄機で掃除したいけど、近くにコンセントがない…。そんな時もポータブル電源が大活躍。電源の場所を気にせず、家の隅々までピカピカにできます。これまで諦めていた場所の掃除も、効率的に進められるでしょう。
【番外編】やっぱり強い!キャンプや車中泊での使い道
もちろん、ポータブル電源の真骨頂はアウトドアシーン。キャンプでは、テント内の照明や扇風機、電気毛布を使えば、どんな季節でも快適に過ごせます。車中泊なら、エンジンを止めたままでも小型冷蔵庫や調理家電が使えるため、静かで環境に優しい快適な旅を楽しめます。
普段使いにおすすめ!後悔しないポータブル電源の選び方
「よし、ポータブル電源を買ってみよう!」と思っても、種類が多すぎてどれを選べばいいか迷ってしまいますよね。ここでは、家で使うことを前提とした、後悔しない選び方の5つのポイントを解説します。
①容量(Wh)|使いたい家電と時間を考えよう
「容量(Wh:ワットアワー)」は、どれくらいの電力を、どれくらいの時間使えるかを示す重要な指標です。容量が大きいほど長時間使えますが、その分、価格も重さもアップします。
- スマホ充電や扇風機が中心なら:300Wh~500Wh程度の小型モデル
- 消費電力の大きい調理家電やDIYツールも使いたいなら:1,000Wh以上の大容量モデル
まずは「家でどんな家電を何時間くらい使いたいか」を具体的にイメージすることが失敗しないコツです。
②定格出力(W)|消費電力の大きい家電に対応できるか
「定格出力(W:ワット)」は、一度にどれだけ大きな電力を使えるかを表します。使いたい家電の消費電力よりも、ポータブル電源の定格出力が大きくないと、その家電は使えません。
特に電子レンジやドライヤー、電気ケトルなどは消費電力が大きいので注意が必要です。防災用としても考えるなら、最低でも1,300W以上のモデルを選ぶと、ほとんどの家電が使えるので安心です。

「大は小を兼ねる」で、迷ったら少し定格出力に余裕のあるモデルを選んでおくと後悔が少ないですよ!
③バッテリーの種類|安全性なら「リン酸鉄リチウムイオン電池」
ポータブル電源の心臓部であるバッテリー。現在主流なのは2種類ありますが、家で安心して使うなら「リン酸鉄リチウムイオン電池」搭載モデルが断然おすすめです。
バッテリー種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
リン酸鉄リチウムイオン電池 | 安全性が高く長寿命 | 熱暴走しにくく安全・充放電サイクルが2,000回以上と長い | 三元系に比べやや重い |
三元系リチウムイオン電池 | 小型で軽量 | 比較的軽い | 寿命が短い(500~1,500回)・衝撃や熱に弱い |
毎日使ったり、長期間保管したりすることを考えると、安全で長持ちする「リン酸鉄」を選んでおけば間違いありません。
④充電方法|普段使いならソーラー充電対応が便利
コンセントからの充電(AC充電)はもちろんですが、普段使いで電気代節約を目指すなら、ソーラーパネルからの充電に対応しているかは重要なポイントです。また、車で出かけることが多い方は、シガーソケットから充電できるモデルだとさらに活用の幅が広がります。
⑤便利な機能|パススルー・アプリ連携など
より快適に使うために、以下の機能もチェックしておきましょう。
- パススルー機能:ポータブル電源本体を充電しながら、同時に他の家電へ給電できる機能。充電中も家電が使えるので便利です。
- EPS機能:停電を検知すると、瞬時にポータブル電源からの給電に切り替わる機能。PC作業中のデータ消失などを防ぎます。
- アプリ連携:スマホアプリでバッテリー残量や充放電の状況をリアルタイムで確認・操作できます。
どのメーカーを選べばいいか迷っている方は、以下の記事でおすすめのメーカーを詳しく比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【注意】家で使う際に「買ってはいけない」ポータブル電源の特徴
便利なポータブル電源ですが、選び方を間違えると「思ったように使えなかった…」と後悔することになりかねません。ここでは、特に普段使いで避けるべきポータブル電源の特徴を3つお伝えします。
1. 定格出力が使いたい家電より低いもの
これは最も基本的な注意点です。使いたい家電(特にドライヤーや電子レンジなど)の消費電力を事前に確認せず、定格出力の低いモデルを買ってしまうと、いざ使おうとしても全く動きません。「安かったから」という理由だけで選ぶのは絶対にやめましょう。
2. 安全機能(BMSなど)が搭載されていないもの
ポータブル電源は大きな電力を扱う機器なので、安全性は最優先です。過充電や過放電、ショートなどを防ぐ「BMS(バッテリーマネジメントシステム)」が搭載されていない安価な製品は避けるべきです。信頼できるメーカーの製品には、基本的にこのBMSが搭載されています。
3. バッテリー寿命が極端に短いもの(旧式の電池)
先ほども触れましたが、バッテリーの種類は重要です。特に、充放電サイクル回数が500回程度の「三元系リチウムイオン電池」を採用したモデルは、普段使いをするとあっという間にバッテリーが劣化してしまいます。長く使うなら、初期費用が多少高くても寿命の長い「リン酸鉄リチウムイオン電池」モデルを選ぶのが賢明です。

安物買いの銭失いにならないよう、スペックと安全性をしっかり確認することが大切ですね!
ポータブル電源の繋ぎっぱなしはOK?よくある質問Q&A
ここでは、ポータブル電源を家で使う上での素朴な疑問にお答えします。
A. 「パススルー機能」に対応しているモデルであれば、基本的には問題ありません。パススルー機能とは、ACアダプターから入力された電力を、内蔵バッテリーを経由せず直接家電に出力する仕組みです。これにより、バッテリーの劣化(過充電)を防ぎながら家電を使用できます。
ただし、メーカーや機種によっては長期間の繋ぎっぱなしを推奨していない場合もあるため、取扱説明書を確認することをおすすめします。特に、パススルー機能がないモデルを繋ぎっぱなしにするのは、バッテリー劣化の原因となるため避けましょう。
A. バッテリーの劣化を遅らせるには、以下の点を心がけると効果的です。
- 過充電・過放電を避ける:充電が100%になっても繋ぎっぱなしにしたり、0%のまま放置したりするのは避けましょう。多くの製品では80%程度の充電で保管するのが理想とされています。
- 適切な環境で保管する:高温多湿や直射日光が当たる場所はバッテリー劣化の原因になります。風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。
A. 長期間使わない場合は、バッテリー残量を60~80%程度に調整してから保管してください。満充電や0%の状態で長期間放置すると、バッテリーが劣化しやすくなります。そして、3ヶ月~半年に一度は状態を確認し、必要であれば充放電を行うと良いでしょう。
A. ポータブル電源は、一般の家庭ゴミとして捨てることはできません。内蔵されているリチウムイオン電池は、適切に処理しないと火災の原因になるためです。廃棄する際は、お住まいの自治体のルールに従って回収してもらうか、購入した販売店やメーカーの回収サービスを利用してください。
まとめ:ポータブル電源を家で使って、賢く快適な毎日を!
今回は、ポータブル電源を家で使う方法について、節約術から便利な活用シーン、選び方のポイントまで詳しく解説しました。
この記事の要点をもう一度おさらいしましょう。
- ポータブル電源は、太陽光や夜間電力を活用すれば電気代の節約につながる。
- 節約効果だけでなく、コンセント不足解消やブレーカー対策など、生活を便利にするメリットがたくさんある。
- 家で使うなら、容量・定格出力をしっかり確認し、安全で長寿命な「リン酸鉄リチウムイオン電池」モデルを選ぶのがおすすめ。
- 「パススルー機能」があれば、繋ぎっぱなしでの使用も安心。
ポータブル電源は、もはや「特別な時のための備え」ではありません。日常生活に当たり前に取り入れることで、私たちの暮らしをより豊かで、より自由にしてくれるパートナーです。
この記事を参考に、ぜひあなたのライフスタイルにぴったりの一台を見つけて、賢く快適な「ポタ電ライフ」をスタートさせてみてはいかがでしょうか。
特にパワフルなモデルをお探しの方は、以下の記事もぜひチェックしてみてくださいね。
